アドビ、動画制作向けのアップデートを発表!FireflyにおけるAI制作体験向上と、Premiere向けのカラーグレーディング環境の追加など

CGソフト

2026年4月16日(現地時間)- アドビ株式会社は、ビデオ制作ワークフロー向けの複数の新機能を発表しました。

今回の発表は、生成AIモデル群「Adobe Firefly」を活用した動画生成や編集機能の拡張、Adobe Premiereでの直感的なカラーグレーディングの導入、そして分散環境での共同編集をサポートするFrame.ioの新ツールなど、映像クリエイターの作業工程全体に対応する内容となっています。以下その詳細となります。

Adobe Firefly 動画エディターの強化

ブラウザーベースで動作する「Adobe Firefly 動画エディター」がアップデートされ、AIによるコンテンツ生成から最終的なストーリーの構築までを一貫して行えるプラットフォームへと強化されました。

生成したクリップや音楽、既存のフッテージを軽量なマルチトラックタイムラインで組み合わせることが可能です。

今回のアップデートでは、以下の機能が統合・強化されています。

  • オーディオ機能の追加: PremiereやPodcastツールに搭載されているノイズ除去機能「スピーチを強調」が動画エディター内で直接利用可能になりました。さらに、音声、音楽、環境音のレベルバランスを自動調整し、騒音のある環境で録音された素材でも数クリックでミックスの調整ができます。
  • Adobe Stockの直接統合: エディター内からAdobe Stockが提供する8億点以上のライセンス済みビデオ、画像、効果音などにシームレスにアクセスできるようになりました。
  • カラー調整機能の追加: 露出、コントラスト、彩度、色温度といった基本的なカラー補正を直感的なスライダーで行えるようになり、ワンクリックで適用できる「ルック(Look)」機能も搭載されました。
Firefly's New Wave of Video Innovations | Adobe Firefly

また、これらの新しいオーディオ調整やカラー補正機能は、未編集のフッテージから瞬時にファーストカットを作成する「クイックカット」機能との併用が可能であり、アイデア段階からデスクトップ版Adobe Premiereへのシームレスな移行(手動ダウンロードやインポートが不要)にも対応しています。

新しいのAI動画モデルが選択可能に

Adobe Fireflyには、用途に応じた新たなAIビデオモデルが統合されました。

  • Kling 3.0: ストーリーボード作成と映像・音声の同期に焦点を当てた汎用モデル。
  • Kling 3.0 Omni: 登場人物の指定、一貫性の維持、各ショットの長さ・アングル・カメラの動きなどを制御できる上位モデル。

これにより、既存のNano Banana 2、Veo 3.1、Runway Gen-4.5などのモデルを含め、30以上のモデル群から目的に応じた生成アプローチを選択することが可能となりました。

ワークフローを横断する「Firefly AIアシスタント」と企業向けソリューション

今後の展開として、言葉による指示だけでPremiere、Photoshop、After Effects、Expressなどのアプリを横断して複雑な作業を実行する「Adobe Firefly AIアシスタント」が予告されました。

また、エンタープライズ(企業)向けには「Adobe Firefly Foundry」が展開されています。これは、スタジオやブランド独自のコンテンツに合わせてAIモデルを安全にカスタマイズ(ファインチューニング)できるサービスであり、すでに世界的なメディア企業での導入が進んでいるとのことです。

Coming Soon: Firefly AI Assistant | Adobe Firefly

最近アドビは、AdobeとNVIDIA、AIモデル「Adobe Firefly」と3D・エージェントワークフロー強化に向けた戦略的提携を発表しており、これによって AIアシスタントが実現されているものと思われます。

Adobe Premiere:編集者の作業スタイルに合わせた「カラーモード」

カラーグレーディングの工程をより扱いやすくするため、Adobe Premiereに新しい「カラーモード(ベータ版)」が搭載されました。

日本語 Color Mode Teaser

新しいカラーモードは、専門的なカラリスト向けの複雑なツールではなく、一般的なビデオ編集者の作業スタイルに合わせて直感的に操作できるように設計されています。

すべての決定フローが可視化され、簡単な色補正からフッテージの深い調整まで、専門知識を意識することなくシームレスに行えるのが特徴です。

この機能はすべての有料プランユーザーにパブリックベータとして提供され、2026年内の正式リリースが予定されています。

同時に発表された「Adobe Premiere 26.2」では、Film Impactを活用した新エフェクト、シャープ/スムーズを切り替えられるオブジェクトマスキング、複雑なタイムラインの検索が容易になるシーケンスインデックスパネルなどが追加され、オフラインメディアの再リンク処理も高速化されています。

詳細は個別にアップデート記事で紹介したいと思います。

Adobe After Effectsのマット作成・調整機能がアップデート

モーショングラフィックスソフトウェアのAdobe After Effectsでは、AIを搭載した新機能「オブジェクトマットツール」により、ロトスコープやマスキングの作業が効率化されました。

動く被写体にカーソルを合わせクリックすることでマットを作成できるほか、「クイック選択ブラシツール」でストロークして微調整を行ったり、「エッジを調整ツール」を使ったりすることで、髪の毛や細かいディテールなどの調整も行いやすくなっています。

こちらも詳細は個別にアップデート記事で紹介したいと思います。

AIビデオ作成におけるリアルタイム制御を可能にする「MotionStream」

アドビの研究チームは、生成AI動画のさらなる進化に向けて、新たな実験技術「MotionStream」のプレビューを公開しました。

現在の生成AIビデオツールは、プロンプトを入力してから結果が得られるまでに数十秒から時には数分待つ必要があり、やり直しのたびにクリエイティブなフローが途切れてしまう課題があります。MotionStreamはこの「遅延レンダリング」から「リアルタイム・インタラクション」へのパラダイムシフトを提示しています。

この技術により、クリエイターはビデオが生成されている途中でも操作を加えられ、すぐに視覚的なフィードバックを得られるようになります。テキストプロンプトから生成を始め、カーソルでオブジェクトをドラッグして動きを指示したり、カメラ位置を調整したり、動かす要素と静止させる要素を選んだりと、直感的な操作が可能です。

特に特徴的なのは、現実の物理法則や自然な動きを再現できる点です。水面を揺らしたり、オブジェクトを 3D 空間で回転させたりできるほか、手動では扱いづらい「二次的効果」も自動で処理されます。たとえば、ゾウの体をドラッグして動かすと、足の運びや耳の揺れが自然に連動します。これにより、従来は専門的なソフトウェアで行っていたリギングやアニメーションの作業を、より直感的な操作で置き換えられるようになるとのことです。

このリアルタイム制御を支えているのが、自己回帰型(autoregressive)の生成アプローチです。従来のビデオ生成モデルが過去と未来のフレームをまとめて生成していたのに対し、MotionStream では過去のフレームだけを参照して次を生成します。ユーザーが最初の部分を見ている間に、裏側で次のフレームが生成されるため、ストリーミングのように途切れず表示できます。

研究チームは、この技術が将来の画像・映像編集のあり方を大きく変えると見ています。キャンバスそのものが常に動くビデオになり、編集を加えるとその場で滑らかに変化していく。気に入った途中の状態で作業を止めることもできるなど、より直感的で途切れないクリエイティブ体験が実現する未来を示しています。

Frame.io Drive:共同作業におけるメディア管理の課題を解決

分散化が進む制作環境をサポートするため、新たなデスクトップアプリケーション「Frame.io Drive」がリリースされました。(動画はこちら

このアプリを使用すると、Frame.io上のクラウドプロジェクトをPCのローカルストレージのように直接マウントできます。

これにより、大容量メディアのダウンロードや同期を待つことなく、Premiere、Photoshop、After Effectsなどからリアルタイムでファイルにアクセスして作業を開始できます。ローカルキャッシュ機能により高速なパフォーマンスが維持され、チーム全体が常に最新の単一データソースを参照できるようになります。

この機能はエンタープライズ版から提供が開始され、順次すべてのプランへ展開される予定です。

ウェイトリストに登録すると、提供開始になり次第、案内してくれるようです。


アドビ、ビデオ分野でのリーダーシップをさらに強化:Adobe FireflyにおけるAIによる新たな制作体験と、Adobe Premiereにおいて編集者向けの全くカラーグレーディング体験を提供

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