Adobe は、動画編集ソフト Adobe Premiere Pro の2026年1月アップデート(バージョン 26.0)をリリースしました。
新機能ハイライト
今回のアップデートでは、AI技術を駆使した編集支援機能の強化や、Adobe Fireflyとの連携、そしてハードウェア性能を最大限に引き出すパフォーマンス向上が行われました。

AIがオブジェクトを自動識別。クリック1つで選択・分離し、ショット全体を通して追跡します。

長方形、楕円形、ペンツールが強化され、数値入力による高精度な調整が可能です。

Firefly Boards から Premiere デスクトップ版へメディアを直接送信し、ワークフローを円滑にします。

クリップ上で直接ハンドルを操作し、直感的かつスピーディーにトランジションを調整できます。

サムネイル生成が高速化され、カラーマネジメントされた正確な表示が可能になります。

Windows ARM(ARM64)版でのネイティブ実行により、パフォーマンスと応答性が向上しました。

新しい R3D NE フォーマットに対応。より高速かつ正確な再生と編集が可能になります。
新機能の詳細
AI を活用したオブジェクトマスク
「オブジェクトマスク」ツールは、AI技術を活用してフッテージ内の人物やオブジェクトを自動的に識別します。 クリック1つで対象を選択してマスクを作成・分離し、ショット全体を通して正確に追跡できるため、特定の部分へのカラーグレーディングやエフェクト適用などの作業時間を大幅に短縮できます。
このワークフローは、特に以下を行う場合に役立ちます。
- プライバシー保護のための顔のぼかし
- 特定のオブジェクトへのカラー補正の適用
- 動く被写体に追従する選択的なエフェクトの作成
■新しいAIマスクの主な特徴
- AIを使用して映像内のオブジェクトや人物を自動的に識別し、ワンクリックで分離します。さらに、マスクの微調整ツールとクリップ全体での高速トラッキングも備わっています。
- 従来のシェイプマスクツール(楕円、長方形、ペン)が、多くのパフォーマンスとUIの改善とともにゼロから再構築されました。
- トラッキングアルゴリズムも完全に再構築されました。以前よりも大幅に高速かつ正確になり、補正のためのより精密な制御が可能です。
- 新しいブレンドモード(追加、減算、交差)を使用して、オブジェクトマスクとシェイプマスクを組み合わせて複雑なマスクを作成可能です。
使用手順
- タイムライン上のクリップを選択します。
- ツールバーの新しい「マスクツール」グループを見つけ、長押しして全てのマスキングオプションを表示し、「オブジェクトマスクツール」を選択します。
- プログラムモニター上でマウスをホバーさせるとオブジェクトが識別されるので、クリックします。これにより、オブジェクトまたは人物の周りに静的なマスクが描画されます。
- 動きをトラックします。エフェクトコントロールパネルの「Unassigned Masks」セクションにある新しい「Object Mask」を見つけ、進む・戻るボタンをクリックします。
ヒント:エフェクトパネルはエフェクトコントロールパネルとは別のパネルです。ウィンドウメニューから見つけられます。 - エフェクトを追加します。エフェクトパネルで任意のエフェクトを見つけ、タイムライン上のクリップにドラッグ&ドロップします。マスクは自動的にエフェクトに適用されます。
自動的にハイライトされないオブジェクトがある場合は、長方形またはなげなわツールを使用して、おおまかに周囲を描画できます。 モデルは描画された領域内のオブジェクトを検出し、自動的に選択します。

再設計されたシェイプマスク
リニューアルされた楕円形、長方形、ペンマスクにより、カラーグレードの分離から顔のぼかし、フレーム内の領域の再照明など、エフェクトの操作でよりクリエイティブなコントロールが可能になりました。角の丸み(アピアランス)のコントロールや、Shiftキーによる制約付きの直線描画などが可能になり、これまで以上に高精度なマスクの作成がしやすくなっています。またこれらのプロパティはすべて数値入力によっても編集可能です。
■長方形・楕円形ツール
長方形と楕円形ツールには、コーナー半径を直接制御できる専用コントロールが備わっています。
これにより追加のエフェクトを使わずに角丸の長方形を作成し、角の滑らかさを自在に調整できます。さらに高さや幅を数値で指定できるため、構図に合わせた正確な寸法のマスクを簡単に再現でき、一貫性のある編集が可能になります。
これらのツールには、新しいバウンディングボックスモードががあり、マスクを拡大・縮小、伸縮、圧縮、回転することができます。
■ペンマスクツール
ペンマスクツールを使用すると、必要な数のコントロールポイントを使用して不規則なシェイプを作成できます。
クリックしてドラッグし、ベジェカーブを作成します。開始コントロールポイントを再度クリックして、シェイプを閉じます。完全なマスクには、3 つ以上のコントロールポイントが必要です。また、ペンマスクツールを使用して、他のベクトルマスクツールで作成したマスクからリニアコントロールポイントとベジェコントロールポイントを追加、削除、変換することもできます。
Shiftキーを押しながら線を描くと、0°、45°、90°の角度に制約され、幾何学的に整った直線を簡単に作成できます。さらに、ベジェハンドルの制御が改善され、滑らかな曲線や複雑な形状を柔軟に描けるようになりました。
描画後に線を回転させる機能も追加され、マスク全体を描き直すことなく角度を調整できるため、非破壊的で効率的な編集が可能です。
■ワークフロー統合
これらのツールはエフェクトコントロールパネルと密接に統合されており、寸法・位置・回転・パスのプロパティを数値で微調整できます。マスク作成から調整までを一つの統一されたインターフェイスで完結できるため、編集作業がより予測可能で正確になります。

Firefly Boards から Premiere デスクトップにメディアを送信
Adobe Firefly Boards との連携により、アイデア出しから制作への移行がシームレスになりました。 Firefly Boards 上で整理した画像やビデオ(生成されたコンテンツやアップロードされたファイルを含む)を選択し、「Premiere デスクトップ版で開く」を実行するだけで、Premiere Pro のプロジェクトパネルへ直接インポートできます。

■主な特徴
- サポートされるアセット: 生成されたビデオ・画像、アップロードされたビデオ、Photoshop および Illustrator ファイル。
- 自動インポート: 既存のプロジェクトが開いている場合は「Firefly ダウンロード」ビンに、開いていない場合は新規プロジェクトとして読み込まれます。
- 保存場所: デフォルトでは「クラウドメディア」フォルダーに保存されますが、環境設定から任意の場所にカスタマイズ可能です。
※テキスト、グラフィック、3Dオブジェクトなどのアセットは現在のところサポートされていません。
ビデオトランジションハンドル
タイムライン上のクリップに表示される直感的なハンドルを使用して、ビデオトランジションを直接作成・調整できるようになりました。 このハンドルをドラッグするだけで、クリップの開始点や終了点にデフォルトのビデオトランジション(クロスディゾルブなど)を素早く適用できます。

■主な特徴
- 直感的な操作: エフェクトパネルを開いて検索する必要がなく、タイムライン上で視覚的に操作が完結します。
- 簡単な調整: 適用後もハンドルをドラッグすることで、トランジションの継続時間(デュレーション)を簡単に微調整できます。
- 作業効率の向上: パネル間の移動が減るため、編集作業のスピードと集中力が維持されます。
その他の新機能
GPU アクセラレーションによるサムネイル:プロジェクトパネルやタイムラインでのサムネイル生成が、GPU アクセラレーションに対応しました。 これにより表示速度が向上するだけでなく、カラーグレーディングが適用されたクリップにおいても、カラーマネジメントされた正確な色味でサムネイルが表示されるようになります。
Windows ARM 版のネイティブサポート:Premiere Pro を含む主要なビデオ&オーディオアプリ(After Effects、Audition、Media Encoder)が、Windows ARM(ARM64)プロセッサでネイティブに動作するようになりました。 Snapdragon X Elite などを搭載した最新の Windows デバイスにおいて、パフォーマンスと電力効率が飛躍的に向上します。
Nikon R3D NE のサポート:Nikon の新しい R3D NE フォーマットがネイティブにサポートされました。 単一ファイルクリップ、32ビット浮動小数点オーディオ、埋め込みレンズメタデータを含む映像を、トランスコードなしで直接扱うことができ、より高速かつ正確な再生と編集環境を提供します。
価格とシステム要件
Premiere Pro は、Windows 10(64 ビット)V20H2 以降、macOS Sonoma(バージョン 14)以降で利用できます。
より詳しいシステム要件はこちらから
単体プランの価格は以下の通りです。
- 年間プラン, (月々払い) — 3,280 円/月(税込)
- 年間プラン, (一括払い) — 34,680 円/年(税込)
- 月々プラン — 4,980円 /月(税込)
また、Premiere Pro は、Adobe Creative Cloudプランの一部としても利用可能です。
























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