2024年8月6日(現地時間)- Cesium は、月面の総合的な3Dタイルセットである「Cesium Moon Terrain」が利用可能になったことを発表しました。
Cesium Moon Terrainとは
「Cesium Moon Terrain」は、NASAのLunar Reconnaissance Orbiter (LRO)プログラムとその他のソースからの正確な地形と画像から構成され、Cesiumによって作成されたOpen Geospatial Consortium Community Standardの3D Tilesとして提供されます。
NASAの野心的なArtemisプログラムは、人類を月に戻し、最終的には火星に着陸させることを目指しています。これに加え、SpaceX、Boeing、BlueOriginなどのイニシアチブにより、オープンで相互運用可能な標準ベースのプラットフォームへの需要がかつてないほど高まっています。Cesium Moon Terrainはこの要求に応え、数え切れないほどのアプリケーションに対応する汎用性の高い基盤を提供することを目的としています。
Cesium CEO Patrick Cozzi氏は次のように述べています。
「我々は、月探査と月面の構造物建設に対する国際的な関心をサポートするために、正確で相互運用可能な3D Tilesキャンバスとして、Cesium Moon Terrainをリリースしました。Cesium Moon Terrainにより、エンジニア システム インテグレーター、デジタル コンテンツ クリエーターは、シミュレーション、ミッション プラン、リアルタイムのオペレーション体験を構築できるようになります。」
Cesium Moon Terrainを使用すると、ユーザーはCesium のオープンソースランタイムエンジンですでに利用可能な同じワークフローと機能を活用することができます。
例えば、Cesium Moon Terrainをベースレイヤーとして使用し、月面に居住施設、車両、ローバーなどのモデルを配置したり、独自の高解像度の地形データを持っている場合は、それをCesium Moon Terrainの中にクリップしてはめ込むことで、複数の別々のプロジェクトエリアではなく、1つの連続した3Dサーフェスの中でプロジェクトを進めることができます。
利用について
Cesium Moon Terrainにアクセスするには、Cesium ionのアカウントに登録またはサインインして、Cesium ion Asset DepotからAsset Libraryにタイルセットを追加してください。
追加後は、Cesium Storyを作成したり、CesiumJSを使用してWebアプリケーションにデータを組み込んだり、 Cesium for UnrealやCesium for Unity.を使用して高度なビジュアライゼーションを構築することができます。
これらそれぞれのビジュアライズエンジンは、非WGS84ベースの楕円体を使用できるように更新され、解析や計測のための月面の正確な表現をサポートしており、Cesium ion Self-Hostedでも利用可能です。
また、このタイルセットには固有の利用規約があります。利用の際はご確認ください。
内容はこちらのページの下部から確認できます。
ユースケース
Cesium Moon Terrainは最近、NASAのJet Propulsion Laboratoryで開催されたDigital Twin for Lunar Development Workshopでデモンストレーションされました。このワークショップでは、NASAのためのデジタルツインの推進と、月のデジタルエコシステムのためのオープンで相互運用可能なプラットフォームの構築に焦点を当て、宇宙企業コミュニティが一堂に会しました。
- Cesium Moon Terrainをいち早く採用した企業として、ANSYS社があります。同社は、極地のような困難な月面の場所によってもたらされる影響を理解するために、同社のRF Channel Modelerと組み合わせてこのデータを使用し、月面の参加者にサービスを提供することを目的とした通信システム設計の分析を行っています。
- Buendea社は、NASA Advanced Operations Concept Labと共同で、月と火星でのリアルタイムシミュレーションをサポートするXR Operations Support System (XOSS)を開発しています。
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