[12/17更新]Premiere Pro 22.0 がリリース、Speech to Text 機能の改善、シーケンス簡素化機能の追加など

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[12/17更新]Premiere Pro 22.1.1(2021年12月リリース)がリリースされました。

Premiere Pro 22.0新機能

2021年10月26日、Adobeは、映画TV、Web向け動画編集ソフトウェアの最新アップデート Premiere Pro 22.0 (2021年10月リリース) をリリースしました。

今回のアップデートは、 Adobe MAX 2021 に合わせて、Adobeの他のソフトウェア、 Illustlator や Photoshop などとともにリリースされました。

この最新リリースでは、Premiere Pro 22.0 には、「シーケンスの簡素化」、「スピーチからテキストへ」の録音機能の向上、新しいカラーマネジメント、Lumetri の改良、10 ビット 422 HEVC に対するハードウェアによる高速化などが導入されています。

統合バージョン番号

このリリースでは、アドビのビデオアプリケーションとオーディオアプリケーションは、バージョン番号 22.0 にそろえられています。

メジャーバージョンでは、アドビアプリケーション(Dynamic Link などの機能用)間での上位および下位の相互運用性が確保されるので、バージョン 22.x を使用しているユーザーは、他のすべてのバージョン 22.x と連携できます。

「スピーチからテキストへ(Speech to Text)」の機能向上

このリリースでは、次の「スピーチからテキストへ」機能が強化されています。

  • 録音における流行語の認識精度や日付と数字の形式変換精度が向上。
  • キャプションをサイドカーファイルとしてのみ書き出すための新しいオプションが追加。

シーケンスの簡素化

この機能では、不要な要素を削除し、すっきりしたタイムラインを表示することができます。

タイムラインが乱雑になっているときに、シーケンスを簡易化を使用することで、空のトラックの削除、特定のラベルが付いたクリップの無効化、ユーザーが指定したマーカーなどの要素の削除を行うことが可能です。

シーケンスの簡素化は、タイムラインを整理して、編集中にストーリーに専念できるようにしたい時や、シーケンスを別の編集者に渡すために、シーケンスを共有または書き出す前に不要な要素を削除したい場合に適しています。

10 ビット HEVC の再生機能の向上

10 ビット 4:2:2 HEVC ファイルに対するハードウェアの高速処理によるデコードが刷新され、再生機能が向上しました。また、M1 搭載 Mac や Intel 搭載 Windows コンピューターをはじめとするサポート対象ハードウェアでの編集がさらにスムーズになりました。

色付きベクトルスコープ

ベクトルスコープは、イメージのカラー情報を監視するための円形のグラフです。これにより、中心からの彩度が計測され、円形のパターンにより色相が計測されます。

新しい色付きベクトルスコープでは、画像内のカラーコンポーネントがより豊かなカラーで表現されています。 グレーディング調整を適用したときのカラー変化がわかりやすくなっています。

Lumetri 曲線の改良

Lumetri 曲線の改良によって、大きな正方形ウィンドウで効率的に調整できるようになりました。輝度曲線や RGB 曲線上の調整ポイントも簡単に選択できます。

その他の新機能

■H.264 および HEVC のカラーマネジメント

H.264 および HEVC 形式に対応した新しいカラーマネジメントを使用すると、Premiere Pro は、10 ビットファイルや HDR ファイルをはじめとしたこれらの形式を読み込んだときに、適切なカラースペースを解釈します。書き出す場合には、Premiere Pro は、正しいカラースペースメタデータを出力ファイルに組み込みます。

これにより、使用しているカラーが出力先プラットフォームに正しく表示されるようになります。 新しいシーケンスを作成する際には、使用するメディアに応じて、「ソースに合わせる」を選択するか、使用するカラースペースを適用するかを選択できます。

■M1 搭載 Mac での 10 ビット H.264 の再生機能の向上

10 ビット 4:2:2 H.264 に対するハードウェアの高速処理によるデコードが刷新され、M1 搭載 Mac での編集操作が向上しました。

■Sony XAVC-L-HDR のカラーマネジメント

Sony XAVC-HDR を新たにサポートしたことで、HDR コンテンツを扱う際の選択肢が増え、XAVC Intra よりもサーバーと記憶領域が少なくて済むようになりました。

ヒストグラムの機能向上

ヒストグラムが向上したことにより、表示がさらに明るく鮮明になり、カラー分布をより正確に分析できるようになりました。このヒストグラムは、他の Lumetri スコープと同様に、SDR コンテンツと HDR コンテンツの両方をサポートしています。

■トリミング選択の復元

選択し忘れたアイテムを、リセットできるようになりました。トリミング選択を復元を実行すると、最後に行った編集選択が復元されます。

このオプションにより、間違った場所をクリックしたとしても、タイムライン上の複雑な選択グループを手動で組み合わせ直さずに済みます。

チームプロジェクトのメディア再リンク機能の強化

メディアをチームプロジェクトに再リンクする操作が簡単になりました。スタンドアロンの Premiere Pro と同様に、チームプロジェクトで同じ再リンクワークフローを実行できるようになりました。

チームプロジェクトは、メディア管理ダイアログを直接使用する場合と同じように、必要なメディアマッピングを生成して、ローカルメディアと共有チームプロジェクトファイルを追跡します。

Premiere Pro 22.0のすべてのアップデート内容の確認はこちらから

[12/17更新]Premiere Pro 22.1.1新機能

2021年12月14日、Adobeは、映画TV、Web向け動画編集ソフトウェアの最新アップデート Premiere Pro 22.1.1(2021年12月リリース) をリリースしました。

Premiere Pro 22.1.1 では、検索と置換、スペルチェック、新しいユニバーサルテキストエンジンにより、タイトルとグラフィックをコントロールすることができます。また、改良されたシェイプツールや、プロフェッショナルな編集ワークフローのための新しい効率化、Apple M1システムでのProResとHEVCのための新しいハードウェアアクセラレーションと、その他のパフォーマンスの強化もされています。

グラフィックとタイトル

スペルチェック、検索と置換

テキストパネルの「グラフィック」タブを使用して、テキストの編集、スペルチェック、検索と置換が簡単にできます。

「グラフィック」タブには、Premiere Pro グラフィックおよび After Effects モーショングラフィックの両方のテンプレートからシーケンス内のすべてのテキストの概要が表示されるので、特定のトラックアイテムを検索するためにシーケンスを掘り下げることなく、グラフィックを一元的に編集できます。

また、「グラフィック」タブのビューをトラック、タイムコードおよびシーケンス上のグラフィックの合成サムネイルでフィルタリングすることで、テキストを簡単に検索することができます。

スペルチェックは非常に要望の多かった機能で、ユーザーはテキストを含むタイトルまたはグラフィックの入力ミスを容易に検出して修正できます。

■汎用テキストエンジン

Premiere Pro には、Premiere Pro と After Effects で複数の言語をより簡単かつ迅速に操作できる汎用テキストエンジンが搭載されています。

■多角形および角丸を備えた、改良されたシェイプツール

Premiere Pro のシェイプツールが拡張、改良されました。新しい多角形ツール、コントロールしやすくなった楕円と長方形と、角丸の定義および適用を行う機能が追加されています。

■ペンツールの改善

Premiere Pro のペンツールが改善され、Shiftキーを押すことで、正確に0°、45°、90° の角度で直線を描画したり、既存の直線を回転させたり、曲線のベジェハンドルで制御ポイントを追加したりすることができるようになりました。

■オープニングプロジェクトでのレガシータイトルのアップグレード

レガシータイトルが含まれているプロジェクトを開くと、レガシータイトルをソースグラフィックに更新するかどうかを尋ねるダイアログボックスが表示され、変換することが可能です。

ソースグラフィックは、レガシータイトルと同じように機能する最新のエッセンシャルグラフィックスです。レガシータイトルワークフローはそのうち廃止される予定となっています。

■よりシンプルなテキストナビゲーション

テキストの選択とキャレット動作(テキストのセクションでカーソルの位置を表示する I )の改善がされました。キーボードの矢印キーを使用して、キャレットを視覚的に、矢印の方向に移動できるようになりました。

編集とワークフロー

連動再生用の便利な新しいボタンやマルチカムワークフローを合理化するための変更など、プロの編集者向けの改善が導入されています。

ソースモニターとプログラムモニターの「連動」ボタン

プログラムモニターとソースモニターを並べて再生するために、トランスポートコントロールに新しい「連動」ボタンを追加できるようになりました。

連動再生により、シーケンスの比較が容易になります。

「新規」ボタンを使用すると、連動再生に簡単にアクセスできるようになり、連動再生が有効になっている場合は視覚的なインジケーターが表示されます。

詳しくは、次を参照してください。

マルチカメラ(multi-cam)サムネールの選択

プロジェクトパネルで、マルチカムサムネール(ポスターフレーム)として使用するカメラビューを定義できるようになりました。

タイムラインの一番上のトラックではなく、新しい初期設定のサムネールが A カメラになります。キーボードショートカットを使用して、カメラビューを切り替えてプレビューし、必要に応じて新規のサムネールを選択することができます。

さらに、サムネールを複製してバッチ編集することもでき、大規模なプロジェクトでメディアを管理するのに役立ちます。

詳しくはこちらから

■ポスターフレームを移動するためのキーボードショートカット

通常、ポスターフレームはクリップの最初のフレームで、そのファイルのサムネールとして使用されます。キーボードを使用して、クリップのポスターフレームを前後10フレームバッチ編集できるようになりました。

キャプションのインポートと更新の高速化

キャプションファイルの読み込みが速くなり、更新が容易になりました。キャプションファイルをインポートした後、Premiere Pro はバックグラウンドでファイルをスキャンします。キャプションが使用できるようになったら、新しい「ソースからキャプションを復元」コマンドを使用してタイムラインにデータを入力できます。

パフォーマンスの向上

Apple M1 Pro/Max での ProRes ハードウェアアクセラレーション

新しくなったハードウェアアクセラレーションにより、4K および 8K ProRes は、M1 Pro と M1 Max MacBook Pro で最大 5 倍高速になりました。

すべての Apple M1 システムでの高解像度 HEVC のハードウェアアクセラレーション

高解像度 HEVC 用の Premiere Pro のエクスポートは、M1 Mac 上の macOS 12 を使用すると高速になります。DCI 4K および 8K HEVC のエクスポートでハードウェアエンコーディングが有効になり、パフォーマンスが大幅に向上しました。 これらの書き出しの改善は、すべてのApple M1、M1 Pro、M1 MaxのシステムでmacOS 12に対応しています。

■Intel GPU が統合された Windows システムでの再生の改善

表示技術の最適化により、Intel 統合 GPU を搭載した Windows システムでの再生が改善されました。この機能強化は、すべてのフォーマットに適用され、ドロップされるフレームは5%から40%少なくなります。

■Adobe Sensei の搭載によるカラーマッチの高速化

機械学習の最適化により、カラーマッチが最大 30% 高速化されます。 編集者、カラーリスト、コンテンツ作成者は、カラーマッチを使用して、参照画像の測色を新しいショットに適用し、Premiere Pro でのカラー補正とショットの一致を高速化します。

■その他の GPU 高速処理エフェクト

新しい GPU 高速処理エフェクトには、グラデーションワイプ、ラフエッジ、線形ワイプ、ウェーブワープ、アンシャープマスクが含まれています。

Beta版の機能

リミックス

Adobe Sensei を搭載したリミックス機能は、Adobe Audition の実績あるテクノロジーで高い評価を得ています。

リミックスを使用すると、楽曲とビデオが調和するように曲をインテリジェントに並べ替えることができます。 手間のかかるレザーカットやクロスフェードといった処理にリミックスを使用すれば、長時間を要する音楽編集タスクを数分で完了できます。

Premiere Pro(ベータ版)でリミックスを使用するには、オーディオのセクションに新しいクリップツールを適用します。リミックスは、曲のパターンとダイナミクスを分析して、必要な時間に合う新しいアレンジを作成します。このように、音色と倍音の変更や編集の長さをコントロールできるので、ほぼ無限の組み合わせの曲を作成できます。

自動補正

自動補正は新しいテクノロジーを使用して、Lumetri カラーパネルにインテリジェントカラー補正を適用します。

自動トーン調整は Lumetri スライダーに反映されるので、Lumetri ツールに慣れるにつれて、ユーザーはその結果を微調整したり、自動補正を使用してカラー処理をおこなったりすることができます。

この機能がリリースされると、「自動補正」ボタンが現在の自動調整ボタンの代わりに配置されます。

デバイス上の音声テキスト変換

「デバイス上の音声テキスト変換」を使用すると、編集者およびクリエーターはインターネットに接続していなくても、音声テキスト変換による文字起こしができ、文字起こしの速度も速くなります。

オンデバイスの音声テキスト変換を Premiere Pro(ベータ版)でテストするには、650 GB の言語パックをオプトインし、ダウンロードする必要があります。初期状態では、言語パックは英語版のみです。

最初のダウンロードが完了すると、ベータ版ビルドを更新するたびに言語パックが更新されます。

オンデバイスの文字起こし機能をオフにすることもできます。

新しい読み込みモードの向上

新しい読み込みモードの機能強化には、並び替えオプション、メディアを選択するための囲んだ部分の選択、キーボードナビゲーション、サムネールをスクラブする再生ヘッド、読み込み時にファイルをコピーする機能、クリップとフォルダー全体の両方を読み込むオプションがあります。

プロジェクト名は、読み込みパネルの最上部に配置され、新規プロジェクトの開始点がわかりやすくなります。タイトルバーにプロジェクト名を入力して Return キーを押すと、プロジェクトが新規作成されます。

直接「編集」モードに移動して既存のメディアブラウザーワークフローを使用してアセットを整理することも可能です。

価格とシステム要件

Premiere Pro 22.11は、Windows 10(64 ビット)1909 以降、macOS v10.15(Catalina)以降で利用できます。より詳しいシステム要件はこちらから

Premiere Proの単体プランは

  • 年間プラン, (月々払い) — 2,728 円/月(税込)
  • 年間プラン, (一括払い) — 28,776 円/年(税込)
  • 月々プラン — 3,828 円/月(税込)

となります。

また、6,248 /月 (税込)Creative Cloudコンプリートプランの一部としても利用できます。

詳しい価格はこちらから


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