建築・インテリアデザイン向けのBlender用アドオン「Home Builder 5」のリリースから約1ヶ月、早くもアップデート版となる「Home Builder 5.1」がリリースされました。
今回のアップデートは、ユーザーコミュニティからのフィードバックを直接反映したものであり、多数の新機能の追加とバグ修正が含まれています。
以下新機能の詳細となります。
平面図トレース用の「参照画像」機能の改善
建築家から提供された既存の平面図などをシーンに読み込み、それをトレースして部屋のレイアウトを作成する機能が強化されました。
参照画像をシーンに追加する機能自体はバージョン4から存在していましたが、バージョン5.1ではインターフェースとワークフローが改善され、現実世界の単位(スケール)に画像を合わせる作業がより簡単に行えるようになっています。
階段ツールの追加
ユーザーからの要望が特に多かった機能の一つとして、「階段」を生成・配置できるツールが追加されました。
キャビネットを配置するのと同じような感覚で階段を配置し、右クリックから設定プロンプトを開くことで以下のパラメータを調整できます。
- 階段の幅 (Width)
- 全体の高さ (Total Rise)
- 蹴上げの高さ (Riser height)
- 踏み面の奥行き (Tread depth)
- 踏み板の厚み (Thickness)
入力した数値に基づき、必要な段数と全体の奥行き(全長)が自動的に計算されます。現時点ではシンプルな実装に留まっていますが、デザイン内に素早く階段を組み込めるようになりました。
正確な配置を補助する「スナップラインマーカー」
壁の任意の場所に「スナップラインマーカー」を配置できるようになりました。
このマーカーを設置すると、キャビネットを配置する際にそのラインにスナップして正確に止まるようになります。壁面の特定のエリアのみにキャビネットを敷き詰めたい場合などに役立ちます。
マーカーの配置時には寸法が表示され、矢印キーを使用することで正確な位置決めが可能です。
キャビネット幅調整ツールの柔軟性向上
複数のキャビネットの幅を一括で調整するコマンドが改良されました。
新たに追加された数量コントロールにより、キャビネットの追加や削除を行いながら、指定された空間を自動的に埋めたり、左右のオフセットを調整したりすることが可能です。
また、立面(エレベーション)に配置されているすべてのキャビネットに対して、特定の幅を素早く一括設定できるようになり、レイアウト変更時の柔軟性が大幅に向上しています。
外部エンジン向けの「エクスポート準備」機能
作成したシーンをUnreal Engine、Unity、またはWebベースの3Dプラットフォームへ出力したいというニーズに応えるため、Home Builderメニューに新たに「Prepare for export(エクスポートの準備)」コマンドが追加されました。
Home Builderのアセットは本来パラメータで制御される特殊な状態ですが、このコマンドを実行することで、すべて標準的なBlenderのメッシュオブジェクトに変換されます。
これにより、Blenderの既存のエクスポート機能をそのまま利用し、外部ゲームエンジン等に必要な標準ファイル形式(FBXやGLTFなど)を容易に生成できるようになります。
マテリアル設定と構造オプションの拡張
キャビネットの見た目と構造に関する設定がより詳細に行えるようになりました。
マテリアル設定の拡充
マテリアル設定では、プロシージャルマテリアルを選択し、色、木目の種類、粗さなどを調整してカスタムフィニッシュを作成できるようになりました。
また、Blender内で既に作成済みのマテリアルや、拡張アセットライブラリのものを割り当てる「カスタムマテリアルオプション」も用意されました。これらは、キャビネットの外側、内側、エッジバンド(木口テープ)のそれぞれに個別に設定可能です。
天板の構造オプション
ベースキャビネットの上部構造について、「Sink(シンク用)」「Full Top(全面パネル)」「Stretchers(補強桟)」の3種類から選択できるようになりました。

台座の構造タイプ
ベースキャビネットおよびトールキャビネットの台座部分については、「Notched ends to floor(側板が床まで伸びる切り欠きタイプ)」「Ladder style(はしご状の台座)」「Floating(壁掛け・フロート)」「Leg levelers(高さ調整脚)」の4種類から選択可能になりました。

部材の厚みのグローバル設定
キャビネットごとに部材(板)の厚みを設定するのではなく、全体設定として一度数値を入力するだけで、デザイン内の全キャビネットの厚みを一括で更新できるようになりました。
その他の改善点
ワークフローを改善する細かなアップデートも含まれています。
単位切り替え
Home Builderメニューから直接、プロジェクトの単位(インチやセンチメートルなど)を素早く切り替えることが可能になりました。切り替えと同時にすべての寸法表示と入力値が自動的に更新されます。

2D図面の改良
また、3Dモデルから技術的な平面図や立面図を生成する「2D図面システム」にも多くの改良が加えられました。構造の詳細、寸法、注釈を図面に含め、すべてのビューをPDFとしてエクスポートすることが可能です。(この2D図面機能の詳細については、公式から別途専用の解説動画が公開される予定です)。

これらに加え、ユーザーから報告された複数のバグ修正も行われているとのことです。
説明動画
これらの新機能の詳細は以下の公式動画で確認することができます。
Blender Add-on Update
Home Builder 5.1 リリース:新機能とアップデート概要
ダウンロード
Home Builder 5 は GPL-3.0 license のもとで提供されており、誰でも無料で使用、改変、再配布が可能です。
ダウンロードやソースコードの確認は、以下のリンクから行えます。
開発に参加したり、今後の機能のリクエストを行いたい場合は、公式のDiscordコミュニティや、Patreonへの参加(開発者への直接の連絡、新機能の早期アクセス、限定アセット、チュートリアルなどの特典あり)が推奨されています。

























コメント