更新情報:バージョン 30.2(2026年2月)の新機能情報も追加。
2025年12月12日(現地時間)- Adobeは、デスクトップ版 Adobe Illustrator のアップデート(バージョン 30.1)を公開しました。
新機能ハイライト
今回の更新は、最新の生成AIモデルとの連携強化に加え、プロフェッショナルな制作現場での「出力」と「共有」をより効率化する機能が拡充されました。クラウドネイティブなワークフローへの移行や、サードパーティ製AIモデル(GPTやGeminiなど)への対応も行われています。
「テキストからベクター生成」におけるパートナーモデルの導入
プロンプト(テキスト)からベクターグラフィックを生成する「テキストからベクター生成(Text to Vector Graphic)」機能において、利用可能なAIモデルが拡張されました。
従来のAdobe Fireflyモデルに加え、以下のサードパーティ製パートナーモデルを選択して、シーン、被写体、アイコンを生成することが可能になっています。
- GPT Image 4o
- Ideogram 3
- Gemini 2.5 (Nano Banana)

※なお、この機能は中国本土では利用できません。
パートナーモデルの利用仕様と制限事項
パートナーモデルはIllustrator 30.1へのアップデートのみで利用可能となり、別途プラグインのインストールは不要です。
仕組みとしては、テキストプロンプトに基づいてパートナーモデルがラスター画像を生成し、それをIllustratorが自動的にベクターグラフィックに変換します。
利用にあたっては以下の点にご注意ください。
- 生成バリエーション: Adobeモデルとは異なり、1回の生成につき出力されるバリエーションは1つです。
- 未対応の機能: 「スタイル参照」、「類似を生成」、および「会話型編集」機能は、パートナーモデルでは現在サポートされていません(生成後のパス編集は通常のベクター同様に可能です)。
- プランとクレジット: 本機能はプレミアム機能であり、契約しているCreative Cloudプランによって利用可否が異なります。また、利用には生成クレジットが消費されます。
「ベクターを生成」における自動モデルレコメンデーション機能(自動選択)
テキストプロンプトからシーン、被写体、アイコンなどのベクターグラフィックを生成する際、「自動選択」機能が利用可能になりました。
これにより、ユーザーが手動でモデルを比較検討する手間が省け、より精度の高い生成結果を素早く得ることができます。
「自動選択」は、入力されたプロンプトや設定内容(コンテンツタイプやスタイルなど)をシステムが解析し、アドビ独自のモデルやサードパーティ製のパートナーモデルの中から、最適なモデルを自動的に推奨するスマート機能です。
主な機能と特徴
現在、この自動選択機能は「ベクターを生成」のワークフローでのみ利用可能です。
- プロンプトの分析とスコア化: 入力内容を分析し、利用可能な各種AIモデルへの適合度をスコア化して評価します。
- 最大4つのバリエーションを生成: 1つのプロンプトに対して、インテリジェントに選択された最大4つの出力モデルによるバリエーションが提示され、様々なモデルの結果を容易に比較できます。
- 柔軟なモデル選択: システムによる推奨だけでなく、生成を実行する前にユーザー自身でモデルを切り替えることも可能です。
生成クレジットは、実際に「生成」処理を実行した際にのみ消費されます。自動選択によるモデルの推奨表示や、生成前のモデル切り替え操作においてクレジットが消費されることはありません。これにより、無駄な試行錯誤を減らし、クレジットを節約しながらクリエイティブな意図に合ったグラフィックを効率よく生成できます。
生成AIワークフローの強化
「生成塗りつぶし(シェイプ)」でのパートナーモデル活用
選択したシェイプの内部をAI生成のグラフィックで満たす「生成塗りつぶし(シェイプ)」において、外部のパートナーモデルが選択可能になりました。
今回のアップデートにより、「GPT Image 4o」および「Gemini 2.5 (Nano Banana)」を活用して、より詳細で複雑なベクターグラフィックをシェイプに追加できるようになり、表現の幅が大きく広がっています。
「ベクターを生成」へ新たなパートナーモデルを追加
テキストからのベクター生成機能におけるパートナーモデルの選択肢として、新たに「Gemini 3 (Nano Banana Pro)」および「Imagen 4」が追加されました。
これらの最新世代のAIモデルを使用することで、高品質かつすっきりとした、スタイライズされたシーン、被写体、アイコンの生成が可能になります。求めるテイストに合わせて最適なモデルを選択することができます。
Fireflyボードとの連携によるアイデア視覚化の強化
Illustratorのワークスペース上から、直接「Fireflyボード」へデザインアセットを書き出す機能が追加されました。
制作中のグラフィックや検討中の要素を素早くFireflyボードに集約・配置できるため、ムードボードの作成や簡易的なモックアップの構築など、初期段階におけるアイデア出しや視覚化のプロセスを効率的に進めることができます。
スクリーン用に書き出し:TIFF形式のサポート
「スクリーン用に書き出し」機能が強化され、従来のデジタルデバイス向けフォーマットに加え、高品質な印刷ワークフローで多用されるTIFF形式が選択可能になりました。

これにより、複数のアートボードやアセットを一括で高解像度画像として出力する必要があるパッケージデザインや印刷物の制作において、書き出しの手間が大幅に削減されます。
アドビクラウドストレージへの直接書き出し
Illustratorのアセットをアドビクラウドストレージに直接書き出し、管理・同期できるようになりました。これにより、デスクトップ版とWeb版の間で常に最新のバージョンを共有し、どのデバイスからでも素早くアクセスして再利用することが可能になります。
【書き出し手順】
- 書き出したいファイルを開きます。
- ファイル > 書き出し > 書き出し形式 を選択します。
- ダイアログで形式(PDF, PNG, JPG, TIFFなど)を選択し、設定を調整します。
- アドビクラウドストレージに書き出し を選択します。

クラウドストレージ活用のメリット:
保存されたファイルは、クラウド上の「プロジェクト」タブ内「自分のファイル」セクションに表示されます。ファイルのバージョンが最新に保たれるだけでなく、レビュー用の共有や、チーム間での共同作業もスムーズに行えます。万が一のバックアップとしても機能し、クリエイティブな作品を常に安全な状態で運用できます。
オブジェクトの拡大・縮小:相対値と絶対値の制御
デザインの一貫性と効率性を保ちながら複数のオブジェクトを変形する「個別に変形」パネルにおいて、変形の適用方法をより詳細にコントロールできるようになりました。パーセンテージによる「相対値」での拡大・縮小に加え、特定の寸法を指定する「絶対値」での指定が可能です。
【複数オブジェクトの拡大・縮小手順】
- 選択ツール を使用して、変形したいオブジェクトを選択します。
- オブジェクト > 変形 > 個別に変形 を選択します。
- ダイアログボックスの「拡大・縮小」カテゴリで、水平方向と垂直方向の比率や数値を設定します。
- 「相対」または「絶対」の拡大・縮小オプションを選択します。
- 必要に応じて、基準点アイコンの白い正方形をクリックして変形の基準点を変更します。
- 「OK」をクリックして適用するか、「コピー」をクリックして各オブジェクトの複製を拡大または縮小します。

【補足事項】
これまで複数オブジェクトの一括変形はパーセンテージ(比率)での指定が基本でしたが、本アップデートにより「絶対値(正確な数値)」による制御が追加されました。これにより、サイズが異なる複数のオブジェクトを一括で特定の寸法に統一したい場合などに、より厳密で意図通りの変形処理が可能になります。
グラデーション適用の効率化
オブジェクトの塗りを「単色(ソリッド)」から「グラデーション」へ変更する際の挙動が改善されました。
ドロップダウンメニューにおいて、文脈や色を考慮したプリセット(Contextual and color-aware gradient presets)へ即座にアクセス可能となり、従来のデフォルトである白黒ブレンド以外のクリエイティブな選択肢をスムーズに検討できるようになっています。
修正された不具合
以下の問題が解決されています。
- 線幅の誤変換:「線幅と効果も拡大・縮小」オプションがオフの状態であっても、オブジェクトの拡大・縮小時に線幅が変更されてしまう問題。
- 書き出しオプションの欠落:「スクリーン用に書き出し」機能を使用して選択範囲を書き出す際、フォーマットオプションが表示されない、または利用できない問題。
- PDF書き出しの解像度低下:知覚的グラデーション(Perceptual gradients)を使用したアートワークをPDFとして書き出した際、意図せず72dpiに変換されてしまう問題。
価格とシステム要件
デスクトップ版Illustrator のシステム要件はこちらから確認できます。
デスクトップ版Illustrator は、Creative Cloud Standard /Proプランまたは単体プランとして購入することができます。
価格は以下のようになっています。
■単体プラン
- 年間プラン(月々払い) —3,280 円/月
- 年間プラン(一括払い) — 34,680 円/年
- 月々プラン — 4,980 円/月
■ Creative Cloud Standard
- 年間プラン(月々払い) — 6,480円/月
- 年間プラン(一括払い) — 72,336円/年
- 月々プラン — 10,280円/月
■ Creative Cloud Pro
- 年間プラン(月々払い) — 9,080 円/月
- 年間プラン(一括払い) — 102,960円/年
- 月々プラン — 14,480円/月
※Illustrator on the Web (ベータ版) は、Illustrator サブスクリプションの一部として利用可能です。
最新価格の確認はこちらから
























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