2025年12月16日 – Unreal Engine(UE)専門のソフトウェア開発会社である株式会社ヒストリアは、2025年12月16日(火)、リアルな月面探索シミュレーター『REAL MOON』をSteamにて無料公開しました。
「REAL MOON」とは?
『REAL MOON』は、プレイヤーが宇宙飛行士となって月面を探索できるシミュレーターです。
単なる雰囲気重視のゲームではなく、NASAの地形データや論文上の数値、天体の位置計算などを統合し、学術的・科学的な裏付けのある「リアルな月」を再現しているのが最大の特徴で、極めて精度の高い「本物の月面」を歩くことができるシミュレーションゲームとなっています。
ゲームとしての主な特徴
技術デモとしてだけでなく、ゲームとして楽しめる要素も!
■ 探索モード:写真の場所を探し当てろ
探査機が残した1枚の写真をヒントに、その撮影地点を特定するモードです。
3つの地点を探し回る過程で、月面のスケール感や地形の多様さを肌で感じることができます。移動は徒歩だけでなく、ローバー(月面車)の操縦も可能です。
■ フリーモード:自分だけの月面ショットを
自由に月面を散策できるモードです。
- 高機能フォトモード: 画角、明度、色温度、フィルターなどを調整し、こだわりの一枚を撮影できます。
- 時間操作: 太陽の角度を変えて、朝焼けや長い影を楽しむことができます。
- オブジェクト配置: ロケット、旗、ライトなどを自由に設置可能。
このモードを利用したフォトコンテストも開催されています。詳細は後述
JAXA×ヒストリアの共同研究
このシミュレーターの背景には、2024年から行われているJAXAとヒストリアの共同研究があります。
この研究は、将来的なローバーの走行シミュレーションなどを見据え、物理シミュレーションを含めた統合的な月面環境をUE5上で構築することを目的としています。
『REAL MOON』には、この研究で培われた以下の高度な技術が実装されています。
DEMを用いた高精度な地形生成
月面の標高を数値化したNASA公開のDEM(Digital Elevation Model)を基礎データとして使用し、約800km×800kmの広大な地形を再現しています。
- 近景エリア(プレイヤー周辺): 頂点間隔 約2mの高解像度データ「LROC NAC DTM THEOPHILUS3」を使用。
- 遠景エリア: 頂点間隔 約60mのデータ「High-resolution Lunar Topography(SLDEM2015)」を使用。
さらに、通常のDEMデータは平面投影されているため、そのままでは位置や角度にズレが生じます。これを解決するため、月の球体形状を踏まえた「球面補正」処理を行い、より現実に近い地形表現を実現しています。

「見えない」レベルの小規模クレーターも再現
DEMデータ(約2m分解能)では捉えきれない小さなクレーターについては、月面地形モデリングの論文をベースに自動生成を行っています。
狩谷和季氏ら(2018)の月面地形モデリングに関する研究を参考に、「1km²あたりのクレーター分布数」を計算し、近似関数を用いて形状を生成しています。さらにノイズ処理で
自然なバラつきを加え、各クレーターに自然な個体差を持たせ、よりリアルな地形表現を実現しています。

観測データに基づく岩石分布
月面に点在する岩石についても、適当に配置しているわけではありません。実際の観測データから得られた岩のサイズ別分布比率を参考に、Unreal Engineの「Foliage」機能を用いて配置しています。
さらに、局所的な岩石密集地帯を再現するために独自の岩石配置ツールを開発し、広範囲にわたって自然な岩石環境を構築しています。

正確な天体シミュレーション
天体暦計算ライブラリ「SPICE」を使用し、特定の緯度経度・時間における地球と太陽の位置、星の方角を正確に再現しています。
これにより、ゲーム内での光源の方向や地球の見え方など、天文学的に正確な天体表現を実現しています。

リリース記念フォトコンテスト開催
リリースを記念して、X(旧Twitter)にてフォトコンテストが開催されています。審査員にはヒストリア開発チームに加え、JAXA研究開発部門の平澤氏も参加されます。
- 期間:2025年12月16日(火) ~ 12月23日(月) 23:59
- 応募方法:ヒストリア広報部Xアカウント(@historia_Inc)をフォローし、ハッシュタグ「#REALMOON」を付けてスクリーンショットを投稿。
ダウンロード
REAL MOONは、Steamにて無料でダウンロード可能です。
『REAL MOON』技術解説:観測データから構築した月面シミュレーションの詳細
リアルな月面探索シミュレーター「REAL MOON」12月16日より無料でリリース。 ヒストリアとJAXAの共同研究による月面シミュレーション環境を利用。


























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