Unreal Engine 公式ブログで公開した次世代のリアルタイムでの髪と毛皮の表現についての内容の紹介です。
最近の Unreal Engine の各リリースには、リアルタイム デジタル ヒューマンを可能なかぎりフォトリアルなものとして作成するための改善が含まれています。4.20 のリリースでは、ライティングとサブサーフェス スキャタリングを強化して、肌と目を重点的に改善。4.22 と 4.23 では、リアルタイム レイ トレーシングを導入して、正確な反射とソフトなシャドウを表現が可能に。4.24 リリースでは、リアルタイムでの髪のレンダリングと、Unreal Engine での動的なサポートが可能になりました。
以下の動画は、Epic が 2018 年に公開した Siren のデモです。
Siren の仮想的な髪は、従来型のカード ベースの技術を使ったもので、実際には大量にある個々の髪の毛の形状を近似するために、テクスチャを適用したメッシュに頼っていました。このアプローチは、トレードオフはありましたが、髪の毛のディテールの描画、正確なシェーディング、物理ベースのシミュレーションを実現するために、当時としては最適な選択肢でした。NVIDIA HairWorks は制作を進めるために役立ちましたが、HairWorks の使用は Unreal Engine 4.16 以降非推奨となっています。こうした事情から、リアルタイムの髪と毛皮の表現が Unreal Engine にネイティブに実装されることが求められるようになりました。
新しいストランド ベースのワークフローでは、髪の 1 本 1 本を正確なモーションとともにレンダリングすることで、ビジュアルの品質を大幅に改善しました。Unreal Engine 4.24 では、髪のシェーダーとレンダリングの完全なシステムを導入します。このシステムでは、光源からのマルチ スキャタリング、レイ トレーシングを利用したシャドウ、視覚効果エディタ Niagara を使ったダイナミクス統合が可能です。
Unreal Engine ブログでは以下の項目で説明されています。
- インポートのパイプライン
- シェーディングとレンダリング
- シミュレーション
- パフォーマンス
今後の予定
今後の予定として以下の項目が挙げられています。
- 髪の繊維に対するライティングの反応を改善
- パラメータの定義と選択を進めて、髪の双方向散乱分布関数 (BSDF) を強化
- コリジョンへの反応のアップグレード。
- 弾性のあるマテリアルの改善。
- シミュレーション システムに対するアート面での制御の改善など。
- より大きく密度の高いグルームをサポートするための最適化
また、すべてのプラットフォームでの拡張性を確保するために、ローエンド デバイス向けにはカードの生成も検討しているということです。
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