2026年4月30日(現地時間)- Adobe は、画像編集ソフトウェアAdobe Photoshopおよび写真編集・管理ツールAdobe Lightroomの最新アップデート、ならびに独自のクリエイティブAIエージェントを搭載した「Adobe Firefly AIアシスタント」パブリックベータ版のリリースを発表しました。
ここでは、今回のアップデートの全体的な概要と、新たに提供が開始されたAIアシスタント機能の詳細に紹介したいと思います。
Photoshop の主なアップデート
Photoshop では、画像の再構成機能や新しい生成 AI モデルの追加、さらにレイヤー管理をサポートする機能など、制作ワークフローを強化するアップデートが行われています。
「オブジェクトを回転」の一般提供
画像内のオブジェクトを、元の画素情報を保ちながら自然な形で回転・傾斜させる機能です。別角度からの再構成が可能になるため、3DCG と実写背景の合成時のパース調整や、素材の微調整などに柔軟に対応できます。
生成 AI モデル「Adobe Firefly Image 5」の追加
テキストプロンプトを使って、画像全体のトーンや質感を統一したり、スタイルを大きく変更したりできるようになりました。レンダリング後の画像におけるルックデベロップメントの幅が広がります。
「Gemini 3.1(Nano Banana 2)」モデルの搭載
より高度な生成 AI モデルが組み込まれ、生成精度と表現力が向上しました。複雑なプロンプトや繊細な表現にも対応しやすくなっています。
「レイヤーのクリーンナップ」の一般提供
複雑な合成作業で増えがちなレイヤーを自動で整理する機能です。レイヤー名の整頓や不要レイヤーの削除を自動化し、データ管理にかかる時間を削減して、制作に集中しやすい環境を整えます。

Adobe Photoshopのアップデート内容(「オブジェクトを回転」機能や新たな生成AIモデルの追加など)に関する詳細な解説は、別の記事にて紹介する予定です。
ベータ版で利用可能になった時にすでに使用法などを紹介しているので、以下の記事もご参考に
Lightroom の主なアップデート
Lightroom では、大量の画像を扱う際の使い勝手を高めつつ、表現の幅を広げるための機能強化が行われています。
検索機能の高度化
探したい写真の内容を自然言語で入力するだけで、目的の画像を絞り込めるようになりました。膨大なリファレンス画像やテクスチャ素材の管理が、より直感的に行えるようになります。
映画風プリセットの追加
ノスタルジックな雰囲気や特定のトーンを再現できるプリセットが新たに追加されました。カラーグレーディングの出発点として活用しやすく、作品の雰囲気づくりの幅が広がります。
処理速度と操作性の向上
アシスト選別(Assisted Culling)の高速化や、スライダー操作時のレスポンス改善により、大量の画像でもスムーズに調整できるようになりました。作業全体のテンポが向上し、編集に集中しやすくなっています。
Adobe Firefly AIアシスタント(パブリックベータ版)
今回の発表において注目されるのが、「Adobe Firefly AIアシスタント」のパブリックベータ版リリースです。
これは、アドビが先日発表した「クリエイティブエージェント」構想の第一歩となる機能であり、クリエイターのワークフローを横断的にサポートすることを目的としています。
AIアシスタントの基本的な仕組み
Adobe Firefly AIアシスタントは、ユーザーが「作りたいもの」を自身の言葉で説明することで、複数のAdobe Creative Cloudアプリ(Photoshop、Lightroom、Premiere、Fireflyなど)を横断し、多段階の作業プロセスを自動的に調整(オーケストレーション)して実行する仕組みを持っています。
次の動画(日本語字幕あり)でAIアシスタントを活用方法を見ることができます。
例えば、1つの製品写真から SNS 用の素材一式を生成したり、企画書をもとにムードボードを作成したりといった作業において、ユーザーがツール間を行き来して細かな操作をする手間が軽減されます。
ユーザーが方向性や意図を示し、アシスタントが実作業を担う形をとることで、クリエイターはビジョンの定義や判断といった、より本質的なクリエイティブ業務に集中しやすくなるよう設計されています。
パブリックベータ版の主な機能と特徴
Adobe Firefly AI アシスタントを使用することで、アドビ独自のクリエイティブエージェントが提供する多様な機能にアクセスできるよう設計されています。これには、アセット生成の進行状況の可視化、クリエイティブアプリ全体にわたる操作の自動化、さらに時間の経過とともにユーザーの嗜好を学習するパーソナライズされた体験などが含まれています。
現在提供されているベータ版では、主に以下のような機能が利用可能となっています。
直感的なチャットインターフェイス
思い描く成果物を自然言語で入力することで、アシスタントが各アプリケーションの機能を連携させ、形にしていきます。
プロフェッショナル向け機能の活用
自動トーン補正、生成塗りつぶし、背景の削除、ベクター化など、アドビツールに搭載されている60種類以上の機能をアシスタントが自動で活用し、成果物を作成します。対応機能は今後も拡充される予定です。
「クリエイティブスキル」による効率化
写真のバッチ編集、ムードボードの作成、SNS投稿バリエーションの生成、製品モックアップのデザインなど、頻繁に行われるタスク向けに「クリエイティブスキル」と呼ばれる事前構築されたワークフローのライブラリが用意されています。
あらゆるアセットタイプへの対応
写真、ビデオ、デザインなど幅広いメディアに対応しており、初期コンセプトの立案から最終的な仕上げまでの移行をサポートします。
プロセスの可視化とコントロール
アシスタントが実行するステップは可視化され、必要に応じてユーザーに質問を投げかける仕様です。途中で方向転換を行ったり、手作業による微調整に切り替えたりと、制作の主導権はクリエイター側が維持できるよう配慮されています。
アプリ間でのシームレスな保存・アクセス
作成された成果物はCreative Cloudストレージに直接保存されるため、IllustratorやPremiereなど他のアプリを開いた際にも、該当のアセットへスムーズにアクセスできます。

実際の使用例
AIアシスタントを活用した際の、具体的な業務効率化の例も紹介されています。
- SNS向けコンテンツのマルチ展開:イベントの写真をアップロードし、スマートなトリミングとバリエーションの生成をアシスタントに依頼します。全体の構図を維持しながら、Instagram、TikTok、Facebookなど、それぞれのプラットフォームに適したアスペクト比とレイアウトで画像が自動調整され、短時間で複数の投稿用素材が作成されます。
- 製品モックアップの作成:ロゴデータとパッケージ(箱)の画像をアップロードし、「ロゴを箱に自然に配置して」と指示します。アシスタントは、最初から印刷されているかのように見えるよう、サイズ調整、位置合わせ、照明や遠近感の調整を自動で行います。その後、プロンプトで微調整を加えることで、モックアップが仕上がります。これは3DCG制作におけるテクスチャの当て込み確認などにも応用可能なワークフローと言えます。
Adobe Firefly本体の新機能
パブリックベータ版のAIアシスタントリリースに合わせて、アイデアから高品質なコンテンツへと素早く移行できるようにすること、そして操作性や表現の自由度を高めることを目的とした、Adobe Fireflyアプリの機能追加が行われきています。
例えば先日、OpenAIの「GPT Image 2」がAdobe Fireflyで利用可能になったことが発表されました。これにより、Googleの「Nano Banana 2」や「Veo 3.1」、Runwayの「Gen-4.5」、ElevenLabsの「Multilingual v2」、Kling 3.0など、業界トップクラスとされるクリエイティブAIモデル群がFirefly内で利用可能となっています。
また、直近では「Precision Flow」や「AIマークアップ」といった画像編集機能も導入されており、制作プロセスにおける精度の向上が図られています。
今後の展開と他社AIモデルとの連携
アドビはAIアシスタントの機能拡充を進めるとともに、AnthropicのClaudeなど、サードパーティ製のAIモデルからも、この新しい制作アプローチを利用できるよう開発を進めています。
これにより、ユーザーが日常的に利用する制作環境の中で、アドビのクリエイティブツールへ直接アクセスしやすくなるとされています。
すでにClaudeにはAdobe のクリエイティブツール向けのコネクターが公開されています。

Adobe Firefly AIアシスタント パブリックベータ版の提供について
Adobe Firefly AIアシスタントのパブリックベータ版は、2026年4月28日より順次、全世界で提供が開始されています。
対象プラン:
Adobe Creative Cloud Pro、またはAdobe Fireflyの有料プラン(Pro、Pro Plus、プレミアム)をご利用のユーザーが対象です。
ベータ版の提供期間中、対象となるユーザーには、Adobe Firefly AIアシスタント専用の「生成AIクレジット」が毎日無料で付与される仕組みとなっています(クレジットの更新は毎日行われます)。
機能の詳細や具体的な利用方法については、アドビの公式ヘルプページにて確認できます。新しい制作フローに関心がある場合は、Adobe Firefly AIアシスタントのページからアクセスが可能です。





























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