2026年4月16日(現地時間)- Maxon は、同社の3Dグラフィックスと映像制作ソフトウェア製品群の最新アップデートを発表。合わせて、プロ向けのクリエイティブツールをもっと身近にするための新しい取り組みを発表しました。
今回の発表には、Maxon One 製品群のアップデートに加えて、iPad版「Cinema 4D」のベータ版公開や、モーショングラフィックスツール「Autograph」の個人向け無料提供、そして「ZBrush」をはじめとする各種ツールのWindows on Arm(WoA)搭載タブレット・デバイスへの対応が含まれています。
プロ向けツールがより多くの人へ
SNS やストリーミング配信、ゲームといった分野で 3D やモーションコンテンツの需要が急速に高まるなか、クリエイターたちはプロの制作環境へステップアップするための、より柔軟で手頃な方法を求めています。
これまでは、高性能なデスクトップ PC に依存したプロ向けソフトが中心で、機材とソフトの両面で大きな投資が必要でした。
今回のリリースでは、Maxon が新たに無料プランやモバイル向けのワークフローを導入しました。プロが求める機能性を損なうことなく、業界標準のツールをより身近に使えるようにする取り組みで、これまでより幅広いクリエイターがプロ品質の制作環境にアクセスしやすくなっています。
— Maxon CEO, Dave McGavran氏
「アクセシビリティや相互運用性、そしてユーザーの可能性を広げることは、クリエイティブな革新においてますます重要な役割を担っています。今回の取り組みを通じてプロ用ツールへのアクセスを広げ、映画や放送、デザインの現場で信頼されているのと同じツールを使って、より多くのアーティストが繋がりのあるエコシステムの中で実験し、形にし、成長できるようにサポートしていきます」
iPad版 Cinema 4D ベータ版が公開へ
ラスベガスで開催されるイベント「NAB 2026」で、Maxon は「Cinema 4D for iPad」のベータ版を初めて公開します。本格的なプロ向け3Dツールがモバイル端末向けに展開されるのは、今回が初めての試みです。
タッチ操作に最適化されたこのアプリは、主要な3Dモデリングやデザイン機能が、モバイル向けに使いやすくまとめられています。パソコンでの制作を補完するように設計されており、クリエイターは外出先でもアイデアが浮かんだ瞬間にプロジェクトを進められるようになります。
習得しやすいことで知られる Cinema 4D が iPad に対応することで、これから 3D を学び始める若いアーティストにとっても、より身近で取り組みやすい環境が整います。もちろん、現代の映像制作ワークフローとの互換性も確保されているとのことです。正式リリースは 2026 年後半が予定されています。※推奨環境:M3チップ以降を搭載したiPad
また先月Maxonは、Tencent Cloudと戦略的パートナーシップを締結し、Tencent HY 3D Global AIエンジンをCinema 4Dに統合することを発表しています。こちらも正式リリースは2026年後半が予定されているので同時にリリースされることになりそうです。
現在、ベータ版の早期アクセスを希望するユーザーに向けたサインアップが開始されています。専用ページのフォームから登録しておくことで、ベータ版に関する最新の通知を受け取ることができます。
「Autograph」が個人向けに無料で復活
「Autograph」の開発元であったLeft Angle社は、2025年5月に惜しまれつつ事業を終了していました。しかし翌6月、Maxonがその開発チームを自社に迎え入れ、彼らの持つ先進的な合成(コンポジット)技術とMaxonのエコシステムを融合させていくと発表し、その後の動向が注目されていました。
そして今回、最新のモーショングラフィックスやコンポジットができるソフトウェア「Autograph」が復活し、個人ユーザー向けにすべての基本機能が無料で提供されることになりました。
モーションデザイナーや映像制作者向けに作られたAutographは、2Dアニメーション、合成、3Dの機能をひとつのソフトにまとめ、スピーディーかつ柔軟に作業できるように設計されており、複雑なアニメーションを簡単に作れる「Cloner」システムや、複数の画面サイズ(縦型・横型など)向けに同時に映像を制作できる機能などを搭載しています。
他のソフトとの連携も強力で、USDやOpenEXR、ACESなど、映像業界の標準的なフォーマットを幅広くサポートしています。Maxonの「Universe」や一部の「Red Giant」ツールとも連携できるほか、BorisFXなどの他社製プラグインも利用可能となっています。
Windows on Arm(WoA)環境への対応
ハードウェアの最新トレンドに合わせて、Maxonの各種ツールが次世代の「Windows on Arm(WoA)」搭載デバイスに対応しました。
これにより、Dellのタブレットや、Snapdragon X Eliteを搭載したMicrosoft Surface Proなどの環境で、同社の3Dツールや映像制作ソフトが使えるようになります。
具体的には、デスクトップ版の「ZBrush」や「Cinema 4D」、そしてAdobe Premiere ProやAfter Effectsの中で動く「Red Giant」ツールがWoA環境に対応しています。さらに、レンダリングエンジンの「Redshift」もWoAでのCPUレンダリングをサポートしました。
Maxon One 2026年春のアップデート
Autograph
Maxonのエコシステムに新しく加わった「Autograph」は、モーションデザイナーのために作られた独立型の2D/3DモーショングラフィックスおよびVFX・合成(コンポジット)アプリです。
レイアウトからアニメーション、合成までをひとつの場所で自然な流れで行えるのが特徴で、個人ユーザーは無料で利用できます。UniverseやRed GiantのOFXツール、さらに他社製のOpenFXプラグインにも対応しています。

Cinema 4D
より多くの環境で利用できるようになり、Windows on Arm(WoA)への対応に加えて、iPad版も登場する予定です。iPad版はタッチ操作に最適化されており、モバイル向けの洗練された画面で本格的な3Dモデリングやデザインが可能になります。
また、最新の「Cinema 4D 2026.2」では、布などの柔らかい素材の形状を整えるのに役立つ「Fabric(ファブリック)ブラシ」が新しく追加されました。

Red Giant
映像編集や合成に欠かせないRed Giantのツール群が、Adobe After EffectsやPremiere Pro向けにWoA環境に対応しました。
また、新たに加わったAutograph上でもすべてのRed Giant OFXプラグインが使えるようになっています。さらに、「Depth Generator」に追加された「Render to Comp」機能により、処理の負担が減り、制作のワークフローがよりスムーズになります。

Redshift
最新の「Redshift 2026.5.0」では、ユーザーから特に要望の多かったCinema 4Dの「Textureタグ」によるテクスチャディスプレイスメントに対応しました。
また、太陽と空のシステムに新しい「Night sky(夜空)」が追加され、より正確な月や星を表現できるようになっています。Cinema 4Dでのデフォルトマテリアルが「OpenPBR」に変更されたほか、マテリアルメニューも整理され、スペイン語への翻訳サポートも追加されました。

ZBrush
デスクトップ版とiPad版の両方で、ワークフローに馴染みやすくなる進化が続いています。WoAへのネイティブ対応により、持ち運びできるデバイスでも本格的なスカルプト(彫刻)ができるようになりました。
新機能の「Substance Bridge」を使えば、スカルプトからテクスチャリングの作業へワンクリックで移行でき、更新された「GoZ」によってMayaや3ds Maxとの連携もさらに滑らかになっています。また、iPad版で設定したカスタムショートカットキーを保存し、デスクトップ版に引き継ぐことも可能になりました。

価格とシステム要件
MAXON ONEでは、Cinema 4D 、Redshift 、ZBrush、RedGiantなどMaxonの製品が全て利用できます。
価格はサブスクリプションで29,480円/月または220,660円/年となります。それぞれの製品は個別にも購入可能です。
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