CLO Virtual Fashion は、3D衣服作成ソフトウェアの最新アップデート Marvelous Designer 2026.0 をリリースしました。
主な新機能
今回のアップデートでは、複雑な編み上げを瞬時に作成できる「レーシングツール」や、アバターに直接描画してパターンを生成する「3Dペンシル」など、モデリング作業をより高速かつ直感的にする新機能が多数追加されています。
さらに、アニメ調の表現を可能にする「トゥーンシェーダー」、リギングを自動化する「[EveryWear] テンプレートベースのリギング」、商用アセット販売に対応した「CONNECTストアの拡張」など、クリエイターの表現の幅とワークフローを大きく拡張する注目の機能が盛り込まれています。
レーシングツール
スニーカーやコルセットなどの装飾的な編み上げ表現を、素早く作成できるレーシングツール (Lacing Tool)が追加されました。
2Dウィンドウ上で対象となるアイレット(鳩目)の穴を順番に指定してエンターキーを押すだけで、編集可能なレース形状を自動で作成することができます。
生成後は曲率の向きを調整して自然なたわみを持たせたり、レースの厚みや割り当てるファブリック(素材)を個別に変更することが可能で、手作業では煩雑になりがちなディテール制作の負担を大幅に軽減することができます。
3Dペンシル
アバター上に直接シルエットを描き込むことで、直感的に衣装のベース形状を立ち上げることができるようになりました。
カメラを正面や背面にロックし、アバターの表面に直接スケッチを行うだけで、自動的に縫い合わされた2Dパターンを生成することができます。消しゴムツールによる微調整やシンメトリー描画にも対応しており、パターン作成の経験が浅い方でも素早くモデリングを開始することが可能です。
2Dスケール時の3D形状保持
2Dパターン上でサイズを拡縮した際に、衣服の立体的なドレープ感やフィット感を維持したまま更新できるようになりました。
これまでは、2D側で形状を修正すると3D上のシルエットが崩れてしまうことがありましたが、今回のアップデートによりシミュレーションの再調整を行う手間を省くことができます。
CONNECTなどで取得した別スケールの衣装を、現在のアバターサイズに合わせて微調整する際の作業負担を大幅に軽減することが可能です。
CONNECTストアの拡張と「GameWear」の登場
公式マーケットプレイス「CONNECT」が拡張され、プロフェッショナルスタジオ向けに商用利用権(コマーシャルライセンス)付きでアセットを販売できる機能が追加されました。
さらに、inZOIやVRChatなどのメタバースプラットフォームに特化した専用ストアフロント「GameWear」が新設されています。これにより、クリエイターが作成したアセットをゲーム用途に直接提供しやすくなり、衣装制作から収益化までのサイクルをより強力にサポートすることができます。

トゥーンシェーダー
アバターや衣服に対して、セルルック(アニメ調)のレンダリングを適用できるトゥーンシェーダー (Toon Shader)が実装されました。
この機能を利用することで、VRChatやゲームエンジンなどの外部ソフトウェアへ衣装をエクスポートする前に、直接ビューポート内でアニメ調の見栄えやシルエットを確認することができます。完成時のイメージをソフトウェア内で早期に評価できるようになり、ルックデベロップメントの作業効率を大きく向上させることが可能です。

[EveryWear] テンプレートベースのリギング (ベータ)
衣服の特性に合わせたテンプレートを用いて、リグ(ボーン)の生成とスキニングを自動化できる機能(ベータ版)が追加されました。
例えばスカートに適用するだけで、VRChatのPhysBonesなどの揺れものセットアップに適した安定したボーン構造を自動で構築することができます。現在はスカートのみの対応ですが、ゲームエンジン内での手動によるウェイト修正の手間を大幅に削減し、よりスムーズなキャラクターセットアップを実現することが可能です。
ブレンドシェイプアバター
アバターのブレンドシェイプ(モーフターゲット)を公式にサポートし、体型やシルエットをスライダーで微調整できる機能が追加されました。
顔の表情を変更できるだけでなく、アバターの特定の部位を制御することで、衣服の貫通(クリッピング)を未然に防ぐことができます。
これにより、様々なプロポーションのアバターに対して、1つの衣装モデルをより柔軟かつ正確に適応させることが可能になります。
選択部分の分離表示
選択した3Dオブジェクトのみを分離して表示し、それ以外の要素を一時的に非表示にできる機能が追加されました。
対象となるパーツを選択するだけで、複雑に重なり合った衣服であっても特定の箇所だけを独立して表示させることができます。アウターとインナーが重なる多層的なレイヤー構造の編集や、細かいパーツのシミュレーション状態を集中して確認したい場合に役立ちます。

トリムシミュレーションのGPUアクセラレーション
紐や装飾品などのトリム(副資材)のシミュレーション計算に、GPUアクセラレーションを利用できるオプションが追加されました。
従来のCPU計算に加えてGPUの性能を活用することで、多数のトリムが含まれる複雑なシーンであっても、より高速かつ安定した演算を行うことができます。
リトポロジのパフォーマンスと品質向上
自動リトポロジ機能のアルゴリズムが改善され、よりクリーンで高品質なクアッド(四角形)メッシュを生成できるようになりました。
シーム(縫い目)が交差する周辺での不自然な歪みや変形が解消されており、より正確なトポロジを高速に構築することができます。
その他の新機能
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アバターのUV表示
選択したアバターオブジェクトのUVのみを表示し、正確かつ効率的な編集を行える機能が追加されました。
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glTF / VRM フォーマットサポート
Web互換性の高いglTF形式や、メタバースで標準的なVRM形式の入出力を行える機能が追加されました。
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FBX / glTFエクスポート時の再生範囲指定
エクスポート時に、特定のアニメーション範囲(プレイリージョン)のみを選択して書き出せるようになりました。
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ジョイントアニメーションのキーフレームベイク
空のフレームにキーを自動生成し、DCCツール等での意図しない変形を防ぐ機能が追加されました。
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Alembicのモーフアニメーションサポート
Alembicファイルでのシームレスで滑らかなモーフ(頂点)アニメーションを利用できるようになりました。
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折り返しシームラインの結合エクスポート
「Turned」オプションが有効な縫い目の頂点をマージした状態でエクスポートできるようになりました。
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リギング済みアクセサリの登録
ボーン設定済みのアクセサリを関節に合わせて登録し、簡単に再利用できる機能が追加されました。
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ボタン素材の金属プリセット更新
YKKの仕様に基づきアップデートされたプリセットで、よりリアルな金属質感を表現できるようになりました。
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カスタムOBJジッパーの務歯(エレメント)
任意のOBJファイルをジッパーの噛み合わせ部分として登録し、独自デザインを作成できる機能が追加されました。
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スチーム消しゴムブラシ
アイロン(スチーム)効果の適用範囲を、消しゴムツールで正確に微調整できるようになりました。
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ファー上のグラフィックとシームライン維持
ファー素材からグラフィックや縫い目の影響を除外し、自然な毛並みを保つ機能が追加されました。
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アニメーションタイムラインマーカー
タイムライン上にマーカーを追加し、特定フレームのタスクやメモを効率的に管理できるようになりました。
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グラフィックの表示/非表示トグル
3Dウィンドウ内で直接、配置したグラフィックの可視性を簡単に切り替えられる機能が追加されました。
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パターンアーカイブ
現在使用していないパターンをアーカイブ(非表示化)し、ワークスペースを整理できるようになりました。
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パターン・ドラフターの編集モード
製図機能(パターン・ドラフター)で作成したパターンを後から編集できるようになりました。
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2Dパターン上でのフィットマップ表示
衣装の張力やフィット具合を、2Dパターン上でも直接視覚的に確認できる機能が追加されました。
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ZFAB素材の選択的読み込みと表裏反転
ZFABファイルから特定素材のみを読み込んだり、パターンの表裏の材質を入れ替えたりできるようになりました。
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ハーフシンメトリーの対称線選択
半分だけ作成された対称パターンでも、トレースツールで対称線に沿った正確な作業が行えるようになりました。
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スムースカーブのポイント選択改善
外周と内部線が重なる箇所でも、スムースカーブツールで目的の点を正確に選択できる機能が追加されました。
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ジッパーの操作性向上
ジッパーの作成と修正プロセスが改良され、より直感的に操作できるようになりました。
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フラット化パターンの頂点最適化
OBJファイル等からパターンへ変換する際、生成されるポイント数を最適化し編集を容易にする機能が追加されました。
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入力フィールドでの数式リアルタイム計算
数値フィールドに直接数式を入力でき、計算結果がガイド等にリアルタイムで反映されるようになりました。
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CONNECTダウンロードパス設定
オンラインアセットライブラリ「CONNECT」からのダウンロード先フォルダを手動で指定できるようになりました。
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ドッキングライブラリでのプレビュー
ライブラリウィンドウをUIに固定(ドッキング)した状態でもプレビュー画像を確認できる機能が追加されました。
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ファブリックを考慮したストレインマップ
生地固有の歪み特性を自動分析し、衣服の実際の着用限界をより正確に視覚化できるようになりました。
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内部線の対称リンク解除
全体的な形状の対称性を維持したまま、内部線の対称リンクのみを解除して非対称なデザインを追加できる機能が追加されました。
価格とシステム要件
Marvelous Designerは、Windows 10 64 ビット (1903 以降)以降、でMac OS Monterey 12以降で利用できます。
価格とプランは以下の通りです。
個人
年間プランで40%割引
企業
ネットワーク オンライン
年間プランで20%割引
企業
ネットワーク オンライン Linux
他にも学生教育機関向けのプランも用意されています。
より詳しい情報、最新の価格は価格ページをご覧ください。

















































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