2026年6月11日(現地時間)- Boris FX は、業界標準のトラッキングおよびマスキングツールである「Mocha Pro 2026.5」のリリースを発表しました。
主な新機能
このバージョンでは、高度なAIを用いた「Point Track ML」の搭載によりPowerMeshやAdjustTrackの精度が飛躍的に向上したほか、自動化されたAIマスキングツール群、視覚的に問題を発見できる新しいカーブエディタ、そしてスタジオ環境に合わせた柔軟なエクスポート機能など、複雑なVFXワークフローを加速させる新機能が多数追加されています。
PowerMesh + Point Track ML
「Point Track ML」は、従来のポイントトラッカーやプラナートラッカーとは異なり、AI を用いてシーケンス全体を解析する PowerMesh 向けの新しいトラッキングモード です。
遮蔽物(オクルージョン)を無視するように学習されたモデルにより、追跡対象となる特徴を自動的に捉えることができます。これにより、従来必要だったフレーム単位の細かな手動調整の負担が軽減されます。
主な特徴
- 遮蔽物、極端な照明の変化、影などを伴う難しいメッシュトラッキングに対応。
- カメラから背を向けて回転し、再び戻ってくるような表面のトラッキングも処理可能。
- より高解像度での分析を行うための「Refine Mode(リファインモード)」を搭載。
- 細かい仕上げが必要な場合は、メッシュを手動で編集可能。
- 必要に応じて、メッシュトラックを従来のプラナーデータに変換することも可能。
また、Christoph Zapletal 氏による解説動画では、これらの機能が 有機的なメッシュベースの作業や変形処理にどのように寄与し、遮蔽物や影の影響をどのように扱えるか が紹介されています。
AdjustTrack + Point Track ML
「AdjustTrack」モジュールには、Point Track ML が新たに組み込まれました。モーションブラーや高速な動き、参照点の変化、画面外への見切れによる表面のズレなど、最終的な補正が必要となる難しい状況で利用できる機能です。
Point Track MLを活用した「Auto Nudge(自動ナッジ)」ツールを使用することで、プロセスを自動化できるので、すべての調整ポイントを手動で修正する必要がなくなります。この仕組みにより、ズレたポイントを自動的に検出して補正し、トラックを安定して維持することが可能になります。
主な特徴
- ズレたポイントを自動的に検出し、修正することで、サーフェストラックを確実に固定。
- ポイントごとの個別調整により、ナッジ(微小移動)位置をさらに細かく絞り込み。
- 高解像度分析用の「Refine Mode(リファインモード)」を搭載。
- ショットに補助的なポイントを追加し、精度をさらに向上させる多彩なサポートグリッド機能を内包。
Grant Kay 氏の解説動画では、Point Track ML と連携する Auto Nudge(自動ナッジ) ツールを用いた、比較的シンプルな新しいワークフローが紹介されています。
高度なAIマスキング
Mocha ProのAIマスキングトリオ(Mask ML駆動のObject Brush、Matte Assist ML、Refine Matte ML)に、マット作成をさらに自動化するための高度な機能が追加されました。
Ben Brownlee氏の解説動画で紹介されているように、新しい「Auto ROI(関心領域の自動設定)」や「Search Area(検索領域)」ツールを活用することで、複雑な対象物の正確な輪郭、シャープなアウトライン、そしてクリーンな内部の隙間(ギャップ)などを、一度の作業で的確にキャプチャできるようになります。
- Mask ML駆動のObject Brush: Auto ROI(関心領域の自動設定)により細かいエッジのディテールをキャプチャ。手動でROIを描画して、さらに精密に分離することも可能です。
- Matte Assist ML: 「Search Area(検索領域)」ツールを使用することで、細かく複雑な領域の緻密な輪郭生成に対応。キーフレーム化可能なフィールドにより、時間経過に伴うコントロール性が向上しています。
- Refine Matte ML: Auto ROIを活用して、背景のノイズや不要なアーティファクトを排除します。
グラフエディタの改善
カーブエディタを使用することで、トラックの極めて細かなパラメータまで制御できるようになりました。
このユニークな機能により、一見するとトラッキングが不可能な2Dトラックや3Dカメラのソルブ問題を修正するのに役立ちます。問題のある領域を物理的に視覚化し、カーブエディタ上で直接データを滑らかに補正することが可能です。
- PowerMeshのキーフレームを頂点ごとに表示および変更できるため、メッシュベースのトラッキングタスクにおける修正作業がより迅速になります。

より柔軟なエクスポート
Mocha Pro 2026.5では、さまざまなスタジオのワークフローをより強力にサポートするため、エクスポートのオプションが拡充されました。
- レンダリングされたシェイプを、ソースクリップまたは任意のレンダリング済みクリップと結合してRGBAでエクスポート。
- 個別のレイヤーマットをマルチレイヤーEXRとしてエクスポート。
- レイヤーをカラーチャンネルごとに分割し、透明な背景を持つカラーマット(Transparent Matte Colors)としてエクスポート。
- マットデータのエクスポート時、After Effects、Fusion、Flame向けにレイヤーの不透明度キーフレームを無効にするオプションが追加されました。

サポート環境の更新
Mocha Pro 2026.5では、以下の新機能への対応やワークフローがサポートされました。
- Adobe向けプラグイン版およびスタンドアロン版のMocha Proにおいて、Windows ARM環境をサポートしました。
- 強化されたPython APIにより、PowerMeshおよびMatte Assist MLの輪郭生成機能に対して、より詳細なアクセスと制御が可能になりました。
価格とシステム要件
Mocha Pro 2026は、以下のOSでスタンドアロンアプリケーションまたはAdobe After Effects & Premiere Pro、Avid Media Composer、Autodesk Flame、Blackmagic Fusion、Foundry Nuke、VEGAS Proなどのプラグインとして利用可能です。
- macOS: Intel または Apple Silicon の macOS 12.7.6 – 15.1.1。
- Windows: x64 の Windows 10 および Windows 11
- Linux: Red Hat Enterprise Linux 7-9、CentOS 7-9、Rocky 7-9、または x86_64 の互換性のあるディストリビューション。
最新のシステム要件の確認はこちらから
サポートしているホストアプリケーション
- Adobe After Effects CC
- Adobe Premiere Pro CC
- Avid Media Composer
- Autodesk Flame (OFX)
- Boris FX Silhouette (OFX)
- Foundry NUKE (OFX)
- Blackmagic Fusion (OFX)
- VEGAS Pro (OFX)
- HitFilm Pro (OFX)
- SGO Mistika (OFX)
購入オプションには、年間/月間サブスクリプション、アップグレード&サポートプラン、および永久ライセンスがあります。
| 月額サブスク | 年額サブスク | 永久ライセンス | アップグレード &サポートリニューアル | |
|---|---|---|---|---|
| Adobe After Effects & Premiere Pro | 48.00ドル/月 | 325.00ドル/年 | 765.00ドル | 325.00ドル |
| Avid Media Composer | 48.00ドル/月 | 325.00ドル/年 | 765.00ドル | 325.00ドル |
| Nuke, Fusion, VEGAS Pro, + other OFX hosts | 48.00ドル/月 | 325.00ドル/年 | 765.00ドル | 325.00ドル |
| Standalone Application + Multi-host Plugins | 96.00ドル/月 | 655.00ドル/年 | 1,645.00ドル | 655.00ドル |
| All Supported Plugin Hosts | 64.00ドル/月 | 435.00ドル/年 | 1,095.00ドル | 435.00ドル |
また、BorisFXのすべてのツールが含まれたサブスクリプションBoris FX Suite の一部としても利用できます。
より詳しいシステム要件と価格の確認はこちらから























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