2025年12月10日(現地時間)- Chaosは、Blender向けレンダリングエンジンの最新版となる「V-Ray for Blender, update 2」を公開しました。
主な新機能のハイライト
今回のアップデートでは、macOSへの正式対応に加え、制作時間を短縮するためのAIツール群の導入、そしてBlender 5.0への対応が含まれています。
- macOSのサポート: MacユーザーもV-Ray for Blenderを利用可能になりました。
- AI機能の強化(Beta): テクスチャ生成や解像度アップスケーリングなど、ChaosのAI技術が統合されました。
- V-Ray Fur: 芝生やカーペットなどのファー表現を、より高速かつ簡単にセットアップ可能になりました。
- 分散レンダリング: 複数のマシンを使用した分散レンダリングに対応し、レンダリング時間を短縮できます。
- Blender 5.0への対応: 最新のBlenderバージョンおよびLTSバージョンとの互換性が確保されています。
- Cyclesのマテリアルオーバーライド対応: シーン内の全オブジェクトに単一マテリアルを適用する機能が利用しやすくなりました。
AI機能の強化
今回のアップデートでは、クリエイターが単純作業に費やす時間を減らし、創造的な作業に集中できるよう、以下のAI機能が導入されています。
AI Material Generator
AI Material Generatorは、現実の表面を撮影した写真を数クリックでレンダリング可能なPBRマテリアルへ変換できるツールです。
実写の写真をアップロードするだけで、ディフューズ、ラフネス、ノーマルマップなどを含むレンダリング対応のPBRマテリアルを即座に生成することができます。必要なマップを自動生成するため、追加のセットアップや外部ツールを使うことなく、すぐにシーンへ適用できます。
AI Enhancer
AI Image Enhancerは、クラウドコラボレーション機能の一部として提供されるツールで、レンダリングの補助要素に自動でディテールとリアリズムを加えることができるツールです。
樹木や草などの植生、人、地形といった要素を自然に強化できるため、煩雑な修正作業や時間のかかる再レンダリングを省くことができます。人物アセットの特定の身体的特徴や衣服の調整にも利用でき、出力解像度は最大4Kまで対応しています。

AI Upscaler
レンダリング画像の解像度を2倍または4倍(最大16K)に向上させます。16K出力を得るには、入力画像が4K以上である必要があります。詳細やリアリズムを損なうことなく解像度を上げられるため、プレビューや中解像度でのレンダリング時間を大幅に節約し、最終出力時に高品質化するといったワークフローが可能になります。

注意: AI EnhancerおよびAI Upscalerは、現状では静止画(シングルフレーム)の処理に最適化されています。アニメーションシーケンス全体を一括処理する機能には対応していません。
マテリアルオーバーライド
Blender 5.0対応に加え、Cyclesの「マテリアルオーバーライド」機能がサポートされました。これにより、シーン内のすべてのオブジェクトに対して一時的に単一のマテリアルを適用することが容易になります。
これは、ライティングのみを確認したい場合や、クレイレンダー(形状確認用の白い粘土のようなレンダリング)、ワイヤーフレームレンダリングを行う際に非常に有効で、複雑なシーンのセットアップ時間を短縮します。

V-Ray Furによる表現力の向上
新しく導入された「V-Ray Fur」ワークフローは、セットアップの簡略化とレンダリングの最適化に主眼が置かれています。
毛の長さ、太さ、方向などを直感的にコントロールでき、カーペットや芝生といったオブジェクトをリアルに、かつ従来のヘアーシステムよりも高速にレンダリングすることが可能です。

Blender標準ヘアシステムとの使い分け
カーペット、ラグ、芝生など、アニメーションしない静的な「毛」の表現には、セットアップが早くレンダリングも高速なV-Ray Furが適しています。
一方で、キャラクターの髪の毛など、複雑な動きやダイナミクスシミュレーションが必要な場合は、引き続きBlender標準のヘアシステムの使用が推奨されます。
大規模プロジェクト向けの分散レンダリング
ディストリビューテッドレンダリング(分散レンダリング)の実装により、複数のPCリソースを活用して1枚の画像をレンダリングすることが可能になりました。詳細なインテリアや広大な環境シーンなど、高負荷なプロジェクトにおける待ち時間を短縮することができます。

セットアップ手順をみる
分散レンダリングを開始するには、以下の手順で設定を行います。
- 各レンダーサーバーマシンにV-Ray Render Serverアプリをインストールし、起動しておきます。
- クライアントPC(操作するPC)でBlenderを開きます。
- 「Render Properties(レンダープロパティ)」内の「System」タブに移動します。
- 「Distributed Rendering」を有効にします。
- 設定画面(Preferences)からサーバーマシンを追加・管理します。
ライセンスについて
分散レンダリングを実行する際、Blender単体ライセンス所有者が独自のマシンを追加してレンダリングを行う場合は、追加のマシンごとに「Render Nodeライセンス」が必要です。10台以上のマシンを使用するような大規模なセットアップの場合は、Render Nodeパッケージの利用がコスト効率の良い選択肢となります。
その他の新機能・改善点
上記の主要機能に加え、多くの機能改善や最適化が行われています。
- USDシーンのサポート: V-Ray Sceneオブジェクトにて、USDファイルの読み込みが可能になりました。
- インタラクティブレンダリングの高速化: パフォーマンスが向上し、試行錯誤のレスポンスが改善されました。
- VFB(フレームバッファ)の改良: 「フィルタープリセット」機能の追加や、ウィンドウをBlenderメインウィンドウに追従させる(ペアレント化)変更が含まれています。
- Cycles互換性の向上: Cyclesの「Translucent BSDF」ノードのレンダリングおよびV-Rayマテリアルへの変換がサポートされました。
- 操作性の向上: ノードエディタへのドラッグ&ドロップによるビットマップ作成が可能になりました。また、レンダーマスク(Objectsモード)使用時にオブジェクトの除外/包含リストが利用できるようになりました。
- ドキュメントへのアクセス改善: V-Rayのプロパティやノードから、該当するオンラインドキュメントへ直接アクセスできるリンクが追加されました。
- ダイナミックジオメトリ処理の最適化、V-Ray Normal mapノードへの解像度非依存バンプ機能の追加などが含まれます。
価格とシステム要件
V-Ray for Blenderは、Blender 4.2 LTS~5.0を公式にサポートしています。最新のLTSリリースと直近2つの公式バージョンとの互換性を維持することを目標としているとのことです。
V-Ray for Blenderは現在WindowsとMacOSで利用可能です。Linuxへのサポートも計画されており、今後のアップデートで導入される予定です。
より詳しいシステム要件の価格はこちらから
V-Ray for Blender 料金プラン
| 月額プラン | 年額プラン | |
|---|---|---|
| 支払い方法 | 毎月払い | 年間一括 |
| 月額換算料金 | ¥4,698 | ¥2,389 |
| 年間一括料金 | – | ¥28,674 |
| 主な内容 | ・Blender版 V-Ray ライセンス x1 ・高品質なレンダリング機能 ・3Dアセットコレクション | ・Blender版 V-Ray ライセンス x1 ・高品質なレンダリング機能 ・3Dアセットコレクション |
補足事項
- 上記の価格はすべて税抜きです。
- 全てのプランに、無料の学習リソース、サポート、14日間の返金保証、継続的なアップデートが含まれます。
- V-Ray for Blender は V-Ray Solo ライセンスにも含まれています。
- さらに年間20,400円の学生ライセンスも用意されています。
V-Ray for Blender update 2: Your fast track to high-end renders
























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