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Topaz Video AI 7.1 がリリース!フレーム補間の改善、古いフィルム映像向けの新しいプリセットの追加など

CGソフト

2025年7月17日(現地時間)- Topaz LabsはAIを活用した動画品質強化ソフトウェアのメジャーアップデート版である Topaz Video AI 7.1 をリリースしました。

新機能ハイライト

今回のアップデートでは、フレーム補間時のアーティファクト抑制や、フィルムストック用の新しいプリセット、MiniDV映像向けのプリセット追加といった新機能が追加されました。

フレーム補間時のシーン横断アーティファクト抑制

フレーム補間(スローモーション)におけるアーティファクトの抑制機能が追加されました。

「シーン検出」を有効にすると、動画内のカット(シーンの切り替わり)をAIが自動で認識し、各シーンを独立したものとして処理します。

これにより、シーンの切り替わり前後でフレームが混ざり合って発生していた、にじみやブレといったアーティファクトを効果的に防ぐことができます。カットの多い映像をスローモーション化する際に、よりクリーンで自然な仕上がりが期待できます。

利用上のポイント:

  • 各カットには最低でも8フレーム以上あることが推奨されています。
  • レンダリング中は、動画がシーンごとに分割されて処理されます。

参照画像:(緑)オリジナルソース、(赤矢印)シーンパーツ、(黄矢印)処理中のシーン。

  • レンダーキュー内でプロセスエラーが発生し、レンダーキューのステータスセクションに「失敗したシーンを再試行」というメッセージが表示された場合、ハイライト表示された「失敗したシーンを再試行(Retry failed scenes)」ボタンをクリックするだけでレンダリングを続行できます。
  • 万が一処理中にクラッシュしても、完了したシーンまでのデータは保持されるため、最初からやり直す必要がありません。
  • レンダリング全体が完了すると、個々のシーンが1本のビデオにつなぎ合わされます。

参考画像:(緑)オリジナルソース、(青矢印)レンダリングされたビデオ。

  • フレームが停止した場合は、環境設定のクラッシュリカバリセクションで「外部プレビュー可能なエクスポートを有効にする」ことをお勧めします。
  • 現在この機能は、ローカル環境への書き出しでのみ利用可能です。

フィルムストック映像向けプリセットが追加

古いフィルム映像の修復・高画質化に特化した、新しいプリセットが3種類追加されました。

これらのプリセットは、2段階目の強調処理を行うため、デフォルトでは無効になっている「セカンドパスエンハンスメント(second pass enhancement)」機能を有効にする必要があります。

Film Stock 4K Light:フィルムやプログレッシブ方式の古い映像に対し、軽い処理でディテールを引き出すための設定です。

  • 4K解像度向けのプリセットです。
  • 当時の家庭用カメラには手ブレ補正がなかったことを考慮し、デフォルトで手ブレ補正が有効になっています。より速い処理を求める場合は無効にできます。
  • この設定は基本設定として、ここからさらに好みに合わせて調整するのに適しています。

Film Stock 4K Medium:「Light」プリセットよりも一歩進んだ処理が必要なフィルムやプログレッシブ映像向けです。全体的な処理に異なるフィルター群を使用しています。

  • 4K解像度向けのプリセットです。
  • 手ブレ補正がデフォルトで有効になっていますが、無効化も可能です。
  • 作例のようなコントラストの高い白黒フィルムで最も効果を発揮します。ソースがグレースケールの場合は、入力設定(プリセットの隣にある歯車ボタン)で「白黒」にチェックを入れてください。
  • この設定の多くはベースとして使用でき、好みに合わせて部分的に変更することもできます。

Film Stock 4K Strong:グレイン(フィルム粒子)やデジタルノイズが非常に多い、フィルムやプログレッシブ映像向けの設定です。

  • 4K解像度向けのプリセットです。
  • このプリセットでは、当時の多くの古いファミリー向け映画に物理的なスタビライザーが搭載されていなかったため手ブレ補正がデフォルトで有効になっていますが、無効化も可能です。
  • 「Wolverine Data MovieMaker PRO」や「Kodak Reels Digitizer」などでデジタル化された8mm/スーパー8mmフィルムで素晴らしい結果が得られます。
  • 粒子感の強い16mmテレシネのデジタルファイルにも効果的です。
  • この設定もベースとして使用でき、部分的な調整が可能です。

MiniDV映像向けプリセットの追加

新しいプリセット「MiniDV Int HD Basic」が追加されました。これは、1990年代後半から2000年代にかけて普及したMiniDVテープの映像または当時のインターレース(水平フィールド)映像を使用してデジタル撮影されたビデオ用の設定です。

MiniDVは、1995年頃から2000年代後半にかけての普及期を通じて、画質や使用条件において幅広いバリエーションがありました。ホームムービーから実際のテレビ番組や長編映画まで、幅広い用途がありました。

MiniDV Int HD Basic:画質と使用シナリオの多様化により、この設定はインターレースMiniDV映像の基本的な出発点となります。このプリセットの目的は、多くの場合で良好な画質が得られる平均的な結果を得ることです。そのため、この設定は変更されることが想定したものとなっています。

  • HDプリセット。4Kに調整可能。
  • インターレース映像を利用するには、インターレース ビデオ タイプカテゴリで設定を準備します。
  • アスペクト比とピクセルタイプをスクエアピクセルに保つため、解像度はカスタムに設定されています。必要に応じて変更してください。
  • この設定は、さらなる改良のための強固な基盤として完全に変更可能です。

UIとプレビュー機能の改善

ライブエクスポートの無効化

環境設定から、書き出し中のプレビュー(ライブ エクスポート ビューアー)表示をオフにできるようになりました。

このオプションは、「設定( Preferences)」メニューの「高度な機能(Advanced Features)」セクションにあり、デフォルトで有効になっています。

ライブレンダーの無効化

環境設定から、編集中に自動でプレビューを生成する機能をオフにできるようになりました。

このオプションは、「設定( Preferences)」メニューの「高度な機能(Advanced Features)」セクションにあり、デフォルトで有効になっています。

無効にすると、レンダリングされたプレビューがない領域では元のソースが自動的に再生されます。

プロ向けフォーマット対応の強化

EXRアルファサポート

アルファチャンネル付きのEXRファイルを扱う際、コーデック設定でアルファチャンネルを保持したまま書き出せるようになりました。

*注:現時点では、アルファ付きのEXRはプレビューでアルファの透明部分がチェッカーボードパターンとして表示されることがあります。出力ではマット処理は行われないため、RGB画像全体がそのまま残ります。以下の例をご覧ください。

DPX非変換

これまでTIFFへの変換が必要だったDPX画像シーケンスが、変換なしで直接読み込んで作業できるようになりました。

Starlight Miniがクラウド処理で10倍高速化

拡散モデルベースのアップスケーリングAI「Starlight Mini」が、クラウド処理において従来比最大10倍高速化されました。

Starlight Miniは、オリジナルStarlightの優れた特徴を、クラウド上でより使いやすくコスト効率の高い代替モデルとして提供します。

Starlight Mini 利用時の注意点:

  • Starlight Miniは依然としてリソースを大量に消費するAIモデルのため、レンダリングには時間がかかります。
  • アスペクト比のずれを防ぐため、1920×1080以下のスクエアピクセル映像の使用が推奨されます。
  • Starlight Miniは最大4K解像度までレンダリングしますが、出力解像度の選択肢は限られています。
  • Starlight Miniはスタンドアロンの機能であり、他のフィルターと組み合わせることはできません。
  • 映像内の文字が小さすぎる、ぼやけている、不鮮明な場合、AIが文字をテクスチャやパターンと誤認し、正しく再現されない可能性があります。
  • インターレース映像を使用する場合は、Starlight Miniを適用する前にインターレースを解除することが推奨されます

Starlight Miniについてより詳しい情報は前回の記事をご覧ください。

その他の主なアップデート

  • Pro版でのGPU選択:複数のGPUを搭載した環境のProアカウントユーザーは、処理に使用するGPUを個別に選択できるようになりました。
  • VP9コーデックでの16K書き出し対応: VP9コーデックが見直され、最大16K解像度での書き出しが完全にサポートされました。
  • 既知の問題:クロスシーンアーティファクト抑制では、プレビューに重なり合ったフレームが表示される場合があります。ただし、レンダリングは正常に行われます。

価格とシステム要件

Topaz Video  AI は、Windows 10, 11、macOS intel Catalina 10.15以降、 macOX Silicon Big Sur 11 以降 で利用できます。

また、AfterEffectsとDaVinci Resolve Studio(有料版)のプラグインとしても利用可能です。

最新のシステム要件の確認はこちらから( 標準ライセンス / Proライセンス )

標準ライセンス

価格は永久ライセンスで299ドルです。12 か月間のアップデートも含まれています。

有効なアップグレードライセンスをお持ちの方は自身のアカウントページからアップグレードすることができます。

Proライセンス

Proライセンスはサブスクリプションで価格と詳細は以下の通りです。

Pro版の詳細はこちらから

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