2025年4月30日(現地時間)- Act-3D は、3Dレンダリングソフトウェアの最新アップデート Lumion 2025 のリリースを発表しました。さらに、早期アクセスだったLumion View は、すべてのユーザーに提供されるようになり、新しい価格プランも発表されています。
新機能ハイライト
このリリースでは、AI画像アップスケーラー、シーンインスペクター、パフォーマンスコントロールセンター、完全レイトレーシング対応の水やボリュームエフェクト、豊富な新しいアセットなど、多くの機能が追加されています。
AI画像アップスケーラー
数秒で画像の解像度を 2 倍にする フォトモード用の新しい AI アップスケーラーが導入され、最大5倍高速に、最大8K解像度でシャープな高解像度レイトレーシングレンダリングを生成できるようになりました。
有効にすると、選択した出力解像度の半分のサイズでレンダリングを開始し、完了後にAIが目標解像度までアップスケールします。元画像とアップスケール後の画像の2つのファイルが保存されます。
シーンインスペクター
シーン内の任意のオブジェクトをすばやく検索して見つけることができる新しいシーン インスペクターツールが追加されました。
選択モード中にインターフェース左上の虫眼鏡ボタンからアクセスできるこのツールを利用すると、レイヤー、カテゴリ、タイプ別にオブジェクトが階層表示され、検索バーやフィルターパネルを使用して目的のオブジェクトを素早く見つけることができます。
パフォーマンスコントロールセンター
Lumionのタイトルバーに改良されたスピードメーター(パフォーマンスモニター)が搭載されました。ここでは、プロジェクトのパフォーマンス(FPS)をリアルタイムで監視し、色で状態を示します。
ホバーするとプロジェクトの詳細概要が表示され、クリックするとエディター設定(エディター品質、解像度など)を調整できるウィンドウが開きます。これにより、スムーズなワークフローのためのパフォーマンス管理が容易になります。

完全レイトレーシング対応の水、ボリュームライト、フォグ
レンダリングに雰囲気、リアリズム、奥行きを追加するための機能が強化されました。
レイトレーシング対応ボリューム(ベータ版)
新しい「RT volumetrics Effect」により、高品質な雰囲気のあるレンダリングが可能になります。
光を発すすべてのサーフェスとオブジェクトを完全に制御でき、フォグの強度、距離、高さ、各種光源の強度、ノイズなどを詳細に調整できます。


この エフェクトは、Sky/Weatherカテゴリに配置されます 。

レイトレーシング対応水マテリアル
水マテリアルがレイトレーシングパイプラインに完全に変換され、リアリズムが大幅に向上しました。
「Ray Tracing Effect」のトグルで有効にでき、反射とグローバルイルミネーションが完全に統合されます。


改善されたグローバルイルミネーション
ラディアンスキャッシュは、リアルタイムプレビューのライティング品質を向上させる技術です。計算済みの放射輝度値を保存・再利用することで、レイごとの再計算を不要にし、プレビューレンダリングの高速化、ノイズの低減、光輸送の改善、グローバルイルミネーションの向上を実現します。特に、時間の経過とともに光が蓄積される様子がより自然で一貫性のあるレンダリングになります。
Lumion Viewインポート
SketchUpでLumion Viewを使用して設定したPBRマップ、マテリアル設定、配置したライトが、.SKPファイルをLumionにインポートする際に読み込まれるようになりました。
これにより、Lumion Viewで開始した初期デザインの情報をLumion Proにスムーズに引き継ぎ、手戻りを減らすことができます。(現在はクラシックインポートのみ対応。LiveSyncは将来対応予定)

新しい反転ツール
新しい反転ツールにより、さらに高度な制御が可能になりました
ワンクリックでオブジェクトをX軸に沿って瞬時に反転できるため、追加の手順や外部ツールを必要とせず、非対称モデルを簡単に配置できます。クラスター配置、ギズモ、回転、自動スナップと同様に、反転ツールはアセットの操作を迅速かつ効率的に行うのに役立ちます。

新しいアセット
このリリースでは、合計オブジェクト124種、特殊効果8種、マテリアル14種の新しいアセットが追加されました。
■68の新しい自然アセット
風景のリアリティを高める新しい自然アセットが68種類追加されました。これには、驚くほどリアルな風景を作成するための7つの超詳細フォトグラメトリーツリーが含まれます。
■子供と教育テーマのアセットコレクション
保育、学校、家庭環境などのシーンを本物らしく表現するための新しいアセットが追加されました。合計147の新しいモデルとマテリアルが含まれます。


新しいテンプレート、サンプルシーン、プリセットスタイル
セットアップをスキップしてすぐに作業を開始できるよう、キュレーションされた環境と設定を提供する新しいコンテンツが追加されました。
■サンプルプロジェクト
- モデルギャラリー: 新しいモデルギャラリーのサンプルシーンでデザインを展示できます。インポートされたモデルを独自のものと簡単に交換し、プロフェッショナルな展示設定で作品を発表できます。
特別機能: TF Renderingによる「Scaled-Down, Styled Up!」コンペティションの受賞モデルとエフェクトが含まれています。 - トロピカルヴィラ: Lumion 2025で追加された新しいスタイルの一部を体験できるように設計された、完全に詳細な住宅環境です。暖かく沿岸の雰囲気を生き生きとさせる豊かなマテリアルとランドスケープで空間を探検できます。

■テンプレート
- 季節テンプレート: デザインが四季を通じてどのように見えるかを簡単に確認できます。ゼロから完全な環境を構築する必要はありません。春から冬へとシームレスに移行する既製の自然設定に建物を配置します。
- プレゼンテーションモデル: デザインショーケーステンプレートのコンセプトに基づき、進行中のデザインを発表するための既製の建築環境を提供します。小規模なコンセプトから大規模な開発まで、建物の形状を強調する高品質なレイトレース設定にプロジェクトを簡単に配置できます。

■スタイル
9つの新しいプリセットスタイルがLumion Pro 2025で利用可能になりました。
社内デザイン6つと、Lumionコミュニティの才能あるメンバーが「Render in Style」チャレンジの一環として作成した3つのスタイルが追加されています。
これらはすべて、これまで以上に簡単に、まとまりのある特徴的なレンダリングを作成するのに役立つように作られています。

その他
- ユーザーベースログイン: Lumionアカウントの認証情報でログインする指名ユーザーライセンスが導入され、管理とセキュリティが向上しました。
- データ構造の再設計: ファイルの保存・読み込み速度が向上し、ファイルサイズも若干改善されました。(注意:2025で保存したファイルは旧バージョンで開けません)
- Lumion-documentsフォルダ: メジャーバージョンごとに割り当てられ、互換性問題を防ぎます。
- アニメートフェージングエフェクト: パフォーマンスが改善され、レンダリング時間が短縮されました。
- マテリアルエディターのパフォーマンス: 設定は「適用」時にのみ保存されるようになり、複雑なプロジェクトでのサーフェス切り替え時の遅延がなくなりました。
- カスタムタイトルバー: Windows標準のタイトルバーがカスタムデザインに変更され、ユーザーログインやパフォーマンスモニターが統合されました。
- 製品内フィードバックボタン: サイドバー下部から直接フィードバックを送信できるようになりました。
- コンテンツライブラリの改善: 単一配置時の向き調整、一部オブジェクトの光沢修正、自然オブジェクトの選択上限撤廃、一部エフェクトへのカスタムテクスチャ割り当て対応など。
- インターフェース改善: 各種UI変更とパフォーマンス改善。
- などなど
Lumion View がすべてのSketchUpユーザーで利用可能に
早期アクセスを経て、Lumion ViewがすべてのSketchUpユーザーに利用可能になりました。SketchUp Extension Warehouseから直接インストールして14日間無料で試すことができます。
これにより、モデリングワークフローに直接リアルタイムレンダリングを取り入れることができるようになります。軽量、高速、そして使いやすく、デザイン中に即座の視覚的フィードバックを提供し、アプリを切り替えることなく、アイデアを探求し、コンセプトを洗練させ、自信を持って決定を下すのに役立ちます。
Lumion Proともシームレスに連携でき、SketchUp用Lumion Viewでプロジェクトを開始し、準備ができたらライティングとマテリアル設定を簡単にLumion Proに転送できます。これにより、手戻りや遅延なく作業を続けることができます。より多くのCAD連携も今後登場予定です。
詳細は以下の記事をご覧ください。
Lumionの全機能を1つのプランで提供する Lumion Studio が登場
Lumion Studioは、デザインプロセスの初期スケッチから最終レンダリングまで、必要なすべてを1つの柔軟なパッケージにまとめた新しいプランです。
このプランでは、Lumion Proの機能とコンテンツへのフルアクセスに加え、初期段階のデザインをサポートするSketchUp用Lumion Viewを利用できます。
また、この新しい提供の一環として、Lumionはより柔軟なライセンスオプションを提供するようになりました。Lumion ViewおよびLumion Pro用の指名ユーザー(named-user )ライセンス、およびStudioプラン内のPro用フローティングライセンスにより、チームとワークフローに合った設定を自由に選択できます。
■内容:
- Lumion Proフローティングライセンス x 1(Proの全機能、複数コンピューター/ユーザーで共有可能)
- Lumion View 指名ユーザーライセンス x 1(Viewの全機能、複数コンピューターで使用可能、特定ユーザーに固定)
さらに、2025年10月31日まで、Lumionシートごとに最大10人の共同作業者を無料でViewに招待できます。
価格とシステム要件
Lumion は、最新の Windows 10 64 ビット (バージョン 2004) 以降で利用できます。※4K 解像度でのムービーのレンダリングまたは RayTracing の使用には、最低 8GB のグラフィック カード メモリが必要です。
より詳しいシステム要件の確認はこちらから
また、Lumion は、主要な CAD および 3D モデリング ソフトウェアと互換性があります。すべての互換性のあるソフトウェアの確認はこちらから
ライセンスと価格は以下の通りです。
Lumion View | 指名ユーザー | €199/年 | €597/3年 |
Lumion Pro | 指名ユーザー | €999/年 (175,000円+税/年)※ | €2,549/3年 (450,000円+税/3年)※ |
Lumion Studio | フローティング | €1,299/年 | €3,299/3年 |
※日本価格は代理店の価格参照
機能の比較表の確認はこちらから
(日本代理店はこちら)
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