2024年7月2日(現地時間)- Chaos は、建築ビジュアライゼーション向けのレンダリングソフトウェアの最新アップデート Corona 12 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
このリリースでは、Chaos Vantageへのシーンエクスポート、Corona Patternの改善、Curved Decals、Corona for 3ds MaxのScatter Instance Brush、VFBの刷新といった新機能があります。
CoronaからVantageへのシーンエクスポート
Corona 12では、高品質のビジュアライゼーション環境であるVantageへのシーンエクスポートがサポートされ、完全にレイトレースされた環境で作品を探索したり、展示したりできるようになりました。
この統合により、アクティブなVantageライセンスを持つCoronaユーザーは、ハードウェアやプロジェクトの要件に応じてCPUとGPUのレンダリングワークフローを柔軟に選択できるようになります。
Vantage(左)とCorona(右)でレンダリングされた住宅シーン
この最初の統合により、Coronaシーンを.vrscene形式でエクスポートし、Vantageで開くことができます。
Vantage でシーンを開くと、リアルタイムでナビゲートしてシーンを探索し、数秒でイメージをレンダリングできます。これは、シーン探索の高速化、テストレンダリング、さらには完全なフォトリアリズムが必要ない場合の最終レンダリングに最適です。Vantageのアニメーション機能を使用してアニメーションを作成することも可能です。完全なリアリズムを求める場合は、Coronaに切り替えて、Vantageで発見したカメラアングルを再現することで、これらのシーンをCPUでレンダリングできます。
CoronaとVantageの統合の第2段階では、ツール間のライブリンクが可能になり、3ds MaxやCinema 4Dで作成したアニメーションをVantageでレンダリングできるようになる予定です。これは2024年末のCorona 13で予定されています。
Curved Decals
カーブデカールは、ボトルやコップなどの丸い物体や曲がった物体に、歪みなく、簡単にラベルを張り付けることができる機能です。
ラベルは360度まで曲げることができ、オブジェクトの周りにパターンをマッピングすることができます。デカールは第二の軸を中心に曲げることができるので、ボールや風船などの球状の物体にも貼ることができます。さらに、デカールの幅と高さの縦横比をロックする、切り替え可能なロックボタンが追加されました。
新しい Virtual Frame Buffer (VFB 2)
Corona 12では、より直感的なUIと多くの新機能を備えた改良版のバーチャルフレームバッファ(VFB)が導入されました。
VFB 2では、以下のことが可能です:
- Corona EXR (CXR) ファイルを VFB 自体にドラッグ アンド ドロップすると、元のシーンが 3ds Max または Cinema 4D に読み込まれていなくても、すぐに編集を続行できます。
- 新しい A/B 比較オプションを使用して、解像度やアスペクト比が異なる画像を簡単に比較できます。
- それぞれが独自の設定を持つ複数のLightMixエレメントを用意することで、ワークフローがよりスムーズになりました。これにより、異なるライティング設定(夜間と昼間など)を、LightMix設定ごとに別々の設定ファイルで保存する代わりに、1つの画像に保存できます。1つのファイルでより多くの情報を得ることができ、整理整頓された状態を保つことができます。
- ブルームとグレアの計算をレンダリングの最後まで延期することを選択することで、繰り返し処理を高速化し、貴重な処理時間を節約できるようになりました。
- トーンマッピングに新しいガンマ(Gamma)、リフト(Lift)、ゲイン(Gain)パラメータを使用できるようになりました。
- より洗練された外観と、より高速な UI のパフォーマンス。
- などなど
VFB 2では、履歴管理の改善や、より直感的でナビゲートしやすくなる細かな機能強化も行われています。
Corona Patternの改良
Corona Patternの改良により、Crop Boxを定義するヘルパーとしてジオメトリックオブジェクトを使用できるようになりました。これにより、頂点編集とスナップツールを使用して、グリッチ、穴、継ぎ目などを生じることなく、パターンジオメトリを簡単に切り取ることができます。
3ds Max用のCoronaでは(Cinema 4D用もできるだけ早く)、以前は不可能だったマテリアルを作成できるようになりました。マップがベースオブジェクトのUVに従うか、パターンオブジェクトのUVに従うか、あるいはその両方に従うかを柔軟に選択できます。例えば、毛布などのテキスタイルマテリアルを作成する場合、毛布のベースUV全体にシワ用のバンプマップをマッピングし、各パターンセグメントはディフューズパターンを繰り返すことができます。あるいは、様々な色の繊維が混ざった毛布のイメージのように、パターンごとに色を繰り返し、ベースオブジェクト全体の色と混ぜることも可能です。
さらに、3ds MaxとCinema 4Dの両方で、シェーダを使用してパターンの可視性を定義し、適用されたパターンに穴やギャップを作成したり、パターンクロップボックスのスライスによって作成された穴の上にキャップを自動的に生成したりできるようになりました。
また、ベースオブジェクトに適用されたときに “外側 “を向く方向を示すクロップボックスの法線方向インジケータのおかげで、パターンが適用される方向をより簡単に確認できるようになっています。
Corona Patternを使えば、以上の機能により、数回クリックするだけで、よりリアルな結果を得ることができます。
Scatter Instance Brush (3ds Max)
プロシージャルのインスタンスを削除したり、新しいインスタンスをペイントすることができるScatter Instance Brushが追加されました。
インスタンスにペイントする際には、高度 ( altitude )、勾配 ( slope )、スプラインのインクルード/エクスクルード ( include/excludes ) のスキャッタールールの影響を受けるかどうかを選択できます。このブラシは、できる限り早くCorona for Cinema 4Dにも実装される予定です。
Corona Skyの改善
Corona Skyの改善により、昼から夜へのフェードインが、これまで以上に良くなりました。改良されたCorona Skyでは、地平線下の太陽の角度がさらに低くなり(従来の-4.2度から-12度まで)、昼夜のアニメーションや静止画がよりリアルで没入感のあるものになりました。
また、Corona SkyにDensityパラメータが追加されました。Densityパラメータを下げると、雲を薄く、うっすらとした透明な雲に、上げると、雲を濃く、雷のように重い雲にすることができます。
その他のアップデート
他にも以下のような小さな改善が行われています。
- クリプトマット(Cryptomatte)が改善され、マテリアルごとにクリプトマットを設定できるようになり、さらにクリプトマットのレンダーエレメントが分散レンダリング(3ds Max)やチームレンダリング(Cinema 4D)、レジュームレンダリング(Resume Render)で正しく動作するようになりました。
- マテリアルの変換が改善され、特に VRayMaterial から Corona Physical マテリアルへの変換が改善されました(特に金属やカラー反射を持つマテリアル)。Cinema 4Dでは、CoronaとC4Dのビットマップを変換するシーンコンバータも改善され、V-Rayライトの変換にも対応しました。
- Coronaマテリアルライブラリは、Chaos Cosmosでも利用できるようになり、2つのアセットライブラリを切り替える時間を短縮できます。
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価格とシステム要件
Corona Solo ライセンスの価格が8,900円/月または58,800円/年です。
Chaos Phoenix、Scans、PlayerなどのChaosツールが含まれるCorona Premiumライセンスの価格が、10,600円/月または74,400円/年です。
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Corona を試してみたい場合、無制限のトライアルモードで 30 日間利用できます。
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