ads

Radeon ProRender SDK 3.1.0 がリリース!HIP への移行、ベベルシェーダーのサポートなど

CGソフト

2023年3月10日(現地時間)- AMDは、物理ベースでパストレース可能なレンダリングエンジンの最新アップデート Radeon ProRender SDK 3.1.0のリリースを発表しました。

新機能ハイライト

最終レンダラー(Northstar)の新機能

HIP への移行

2016 年から開発されているHIP (The Heterogeneous Interface for Portability) は、オフラインコンパイルやダイナミックリンクなど、より高い柔軟性と機能を提供する新しい GPU プログラミング環境です。HIPバックエンドは、AMD RDNA 2 GPUで良好に動作し、アーキテクチャのハードウェアサポートを利用したレイトレーシングのアクセラレーションにも対応しています。

2022年2月にHIPをサポートしたProRenderが初めてリリースされて以来開発が進められ、このたび正式にHIPに移行することになりました。今回のリリースでは、ProRenderのバックエンドが、Windows/Linuxでバックエンドとして使用されているOpenCL™からHIPに切り替わりました。AMDの実装では、Orochiを使用してHIPとCUDAのAPIを動的にロードしています。

コンパイル済みカーネル

このOrochi(またはHIP)バックエンドの最大のユーザーメリットは、レンダリングに使用するすべてのカーネルがすべてプリコンパイルされていることです。ProRender SDKにはコンパイル済みのバイナリが含まれているので、ProRenderはもう実行時にコンパイルすることはありません。レンダリングはGPU上で即座に開始されるため、使い勝手が大幅に向上します。

ベベルシェーダーのサポート

現実の形状のほぼすべてのエッジには、ある程度の丸みがあります。丸みをシェーダーノードとしてジオメトリのエッジに適用する機能を追加し、余分なポリゴンを使わずにリアリズムを追加することが可能となりました。

ボリュームとSSSのAOV

Normal, opacity, direct illumination, indirect illuminationなど、複数のAOVがすでにサポートされていますが、このリリースでは、合成やノイズ除去に利用できるボリュームオブジェクトのみをキャプチャする2つのAOV「Volume AOV」と「SSS AOV」が追加されました。このAOVは、それぞれ不均質なボリュームとサブサーフェススキャッタリングをキャプチャします。さらに、LPE(Light Path Expressions)上のボリューム用メタキャラクタもサポートしています。

ライト リンキング(Light Linking)

ノンフォトリアリスティックレンダリング(NPR)を使用する一部のユーザーからのフィードバックを反映し、トゥーンマテリアルの透明度やマテリアルブレンドのサポート、そして大きなアップデートの1つとしてライトリンキングが追加されました。

NPRでは、正しさよりもシェーディングのコントロール性が優先されることが多いです。ライトリンキングは、ジオメトリとライトのペアを明示し、ライトはペアになったジオメトリに対してのみ照射されます。

次の画像はライト・リンキングを示すものです。5つのディレクショナルライトが球体を照らしていますが、それぞれのライトはライトにリンクされた球体のみを照らしています。これにより、ユーザーは各ジオメトリに対して個別にシェーディングを制御することができます。

ビューポートレンダラー (Hybrid Pro)の新機能

多くのライトを使ったシーンで、より速い収束を実現

シーンにどんどんライトを置くと収束がどんどん遅くなります。Hybrid Proでは、ビューポートのレンダリングを高速化するために、改良されたライトサンプリング戦略 (Light Sampling Strategy) が追加されました。ツリーデータ構造に基づくライトサンプリング戦略は、レンダリングノイズを大幅に削減します。

さらに、Hybrid Proを使用したビューポートレンダリングの収束性は、時空間リザーバーリサンプリング(ReSTIR)と時空間分散誘導フィルタリング(SVGF)技術の実装によって向上しています。

テッセレーションを使用しない変位

Hybrid Proでも、ついにディスプレースメントマッピング機能が追加されました。このアプローチは、Northstarで実装されているものとは異なっており、非常に詳細なジオメトリをオンザフライで作成することができます。変位ジオメトリをレンダリングする前に通常必要とされる時間のかかるプレテッセレーションステップがなく、変位ジオメトリのためのメモリフットプリントはごくわずかです。

RPRマテリアルで使用されるすべてのマテリアルノードは変位サポートしており、アニメーション化された変位ジオメトリをインタラクティブに作成し、形状に変位を適用することができます。特別な設定は不要で、通常通りrprShapeSetDisplacementMaterialを使用すればよいだけです。

古いGPUをサポート

ハードウェアレイトレーシングをサポートしない古いGPUアーキテクチャのサポートが追加されました。Hybrid Proは、Navi1x、Vega、Polarisなどで使用できるようになりました。

その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから

ダウンロードとシステム要件

Radeon ProRender SDKは、Windows®(Windows®10に正式対応)、macOS 10.14および10.15、Ubuntu 18および19、CentOS 7で動作します。

アーティスト向けには、レンダリングソフトウェアでRadeon ProRenderを使用できるようにするプラグインが用意されています(新機能はまだサポートされていない可能性があります)。SDKは、開発者が自分のアプリケーションに適合させ、統合するために利用することもできます。

※GPUレンダリングにはOpenCL 1.2をサポートするGPUが必要です。AMDハードウェアに最適化されています。macOSでは、OpenCLの代わりにMetal 2を使用するため、GPUレンダリングにはMetalに対応したグラフィックカードが必要です。


Radeon ProRender SDK の最新アップデートのダウンロードはこちらから

プラグインの確認はこちらから

開発者向けガイドはこちらから

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました