D5 Render 2.4 がリリース!D5 GI、SSSマテリアル、発光エフェクトの改善、Zデプスなど

CGソフト

2023年2月15日(現地時間) – Dimension 5 は、建築ビジュアライゼーション向けリアルタイムレンダリングツールの最新アップデート D5 Render 2.4 をリリースしました。

新機能ハイライト

この最新リリースでは、新しいD5 GI、SSSマテリアル、発光エフェクトの改善、Zデプス、カメラ焦点距離、582以上の新規アセットが追加されています。次の動画で新機能を確認できます。

新しい D5 GI

D5チームはリアルタイムGI技術「ReSTIR Surfel GI」を開発しました。このソリューションにより、リアルタイムレンダリングのスピードを確保しつつ、画質を大幅に向上させることを実現しています。

新D5 GIは、高周波のGI/スカイライトシーンのディテールを保持しつつ、スムーズで安定したプレビューを実現するため、より正確なライティングと精緻なGI効果でシーンをレンダリングすることが可能です。また、室内空間の奥まで十分なライティングを提供し、天空光のGIバウンス不足に起因するライティング不足も解決します。さらに、葉の透過効果も特別に最適化されており、葉がより鮮明に表現されるようになりました。

ReSTIRについて

ReSTIRは、ReSTIR(Reservoir-based Spatio Temporal Importance Resampling)は、サンプルの時間的・空間的再利用を活用し、複数の光源をサンプリングする問題を効率的に処理するアルゴリズムのセットです。この手法は、もともと2020年に NvidiaResarch の Bitterli氏らによる論文で発表されたものです。ReSTIRについては、こちらのNvidiaのブログで詳しく紹介されています。

ReSTIR GIは、フレーム間や隣接するピクセル間のサンプル情報を再利用することでサンプリング結果のばらつきを抑え、サンプル数が少ない場合でも高品質な結果を得ることが可能にします。

一方、時間サンプルの再利用は、光源が変化したときや動的な物体が存在する場合に、Temporal Lagを引き起こす可能性があります。この問題に対処するため、D5 では Path Validation を使用して、前フレームと現フレームの間の明るさの変化を検出し、それに応じて再利用するサンプルの数を調整します。

Surfelについて

ReSTIRは良好な結果を示すものの、リアルタイムレンダリングのための複数のバウンス計算で使用することは困難です。そのため、D5 GIシステムでは、その後に続くバウンス計算のためにSurfel Cachingソリューションが採用されています。

Surfelは、画面空間に基づいて繰り返し生成できる空間キャッシュ技術で、放射照度を効率的に蓄積してキャッシュし、GIレイがその後に行うバウンスのために照明結果を問い合わせるだけで済むようにします。しかし、このソリューションでは、画面空間の外側の結果を得ることができないなど、いくつかの新しい問題が発生します。D5では、この問題に対処するため、Surfel Cachingソリューションに改良が加えられています。

その他の新しい D5 GI についてのより詳しい情報はこちらから確認できます。

サブサーフェススキャッタリング

D5 SSS では、リアルタイムSSSを実現するために、オフラインレンダリングアルゴリズムとリアルタイムレンダリングを組み合わせた技術や要求を調査した結果、ランダムウォークが採用されました。

ランダムウォークは、モデル内の媒質を光が散乱して進む様子を考慮し、モデルの体積や表面の厚みをより正確に表示するオフラインの物理精度の高いSSS用アルゴリズムです。

D5チームは、D5独自のハイブリッドレンダリングパイプラインにランダムウォークSSSを統合しました。GBufferの情報を再利用し、時間領域でのノイズリダクションを蓄積し、DXRによるハードウェアアクセラレーションを活用することで、D5のSSSソリューションはリアルタイムで高品質なSSSを確保ています。デザイナーはいくつかのパラメータを調整するだけで、半透明素材のSSS効果をリアルタイムに確認することができます。

マテリアルの発光エフェクトの改善

新バージョンでは、発光するマテリアルの光量補正を行っています。これによって、D5 Renderはグローバルイルミネーションにおける発光の複数のバウンスを計算できるようになり、プレビューと出力結果がより正確になりました。

 Z-depth チャンネル

「Effect」→「Style」から「Z Depth」モードをONにできるようになりました。カメラに近いオブジェクトは濃い色に、カメラから遠いオブジェクトは白い色に着色されます。スライダーをドラッグして、白色点と黒色点をコントロールすることが可能です。

パスツールのカーブ/リニアパスの作成をサポート

パスを編集する際に、カーブや 直線にする設定ができるようになりました。各ノードの種類を個別に設定することができます。

Curveモードは旧バージョンと同じで、ベジェ曲線を使用しています。Linear モードでノードを設定すると、コーナー角の滑らかさを調整することが可能です。

モデルの地面への接地

シーン内に配置されたモデルは、オブジェクトリストの右クリックメニューから「Drop」を選択することで、最も近いオブジェクトの表面にドロップすることができるようになりました。

ビデオ レンダリングのフレーム レート オプションの追加

ビデオ レンダリング設定で、出力用に 24、25、30、60、または 120 FPS を選択できるようになりました。デフォルトで使用可能なオプションは、30 fps と 60 fps です。25 fps や 120 fps などの他のオプションを選択するには、Menu > Preference > Widget からフレームレートウィジェットをオンにする必要があります。

新しいアセット

植物、人物、小物、乗り物、動的な水、背景用イメージなど582以上の新しいアセットが追加されました。D5 Assets Library で「2.4」を検索すると、D5 Render 2.4 のすべての新しいアセットを確認できます。

新機能と改善点リスト

レンダリング

1. 新しい D5 GI
2. マテリアルの発光エフェクトの改善
3. サブサーフェススキャッタリングマテリアル
4. Z深度チャンネル
5. 植生カラム距離
6. 草マテリアルテクスチャのブレンド量設定
7. 画質をコントロールする新しいプレビューモード

機能

8. ビデオレンダリングのフレームレートオプションを追加
9. 2点透視図法の改善
10. カメラの焦点距離
11. 水平/垂直方向の視野の切り替えに対応
12. モデルの地面への接地
13. パスツールのカーブ/リニアパスの作成に対応
14. 植生パスの固定間隔設定に対応
15. 植生、キャラクター、その他のモデルのカスタム組み合わせのサポート
16. D5 Converters でインポートしたマップのファイルロケーションを開くことができるようになりました。
17. .skp ファイルからノースオフセットパラメータを読み込むことができるように なりました。
18. レンダーキューの終了後、D5 Render を自動的に終了するようになりました。
19. ウェルカムページから直接 .abc ファイルを開けるように。
20. ウェルカムページからプリファレンスを開けるように。
21. 自動保存されたバックアップとインポートモデルのクリアをサポート
22. スキャッターツールの改善とヘッジアセットとの互換性。
23. 植生パスのランダムオフセットエフェクトの改善
24. パスツールのモデル置き換え機能の改善
25. オブジェクトリストの検索・フィルター機能の改良
26. ビデオレンダリングにおけるカメラ移動の改善
27. 座標軸の空間位置の改善
28. 回転制御の表示エフェクトを改善
29. ビューポートでのアクションチップ
30. D5 Render の右上から直接 D5 Help Center を開くことができるようになりました。
31. .d5aファイル用のショートカットアイコンが作成されるように

生産性

32. AV1 エンコードに対応
33. QSVエンコーディングに対応
34. Welcomeページの表示が高速化

アセット

35. 新しいヘッジアセット
36. よく使われる新しいarborous plants
37. 新しい静的・動的アジアキャラクター
38. SSSマテリアルとモデル
39. 新しい動的な交通アセット
40. 背景画
41. 新しいダイナミックなウォーターパーティクル
42. 室内視差の色温度調整に対応
43. 一部のダイナミックキャラクターの移動エフェクトを改善
44. 一部の植生モデルの品質を改善

 

その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

D5 Render は、DXRをサポートするWindows v1809以降で利用できます。少なくともNVIDIA GeForce GTX 1060 6GBが必要となります。より詳しいシステム要件やビデオカードでのパフォーマンス比較の確認はこちらから

価格は、Proライセンスが38ドル/月または360ドル/年 となっています。Communityライセンスでは、ウィジェットやクラウドベースアセットライブラリへのアクセスが制限されますが、無料で使用できます。

無料版のダウンロードはこちらから

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