UNIGINE 2.15 がリリース、ビジュアルノードグラフ、新しい水、気象システム、エディタアップデートなど

CGソフト

2021年12月15日(現地時間)UNIGINEは、同社のリアルタイム3Dエンジンの最新アップデート UNIGINE 2.15をリリースしました。

UNIGINEについて

UNIGINEは、企業やテクノロジー愛好家向けのリアルタイム3Dエンジンで、無料エディションから利用できます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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新機能ハイライト

今回のアップデートでは、ビジュアルマテリアルグラフエディタが導入されました。他にも、新しい水システム、サンドワームツールのアップグレード、高度な地形データ圧縮、ブラシの改善、火星デモなどの新機能があります。

Visual Material Graph Editor

ノードベースのマテリアルエディタが追加されました。これにより開発者が一行のコードも書かずに独自のマテリアルを視覚的に作成できるようになります。

このマテリアルグラフエディタは、コードベースとノードベースの両方のプログラミングの利点が組み合わされており、事前設定された200以上の基本的なノードを使用するか、独自のノードを作成して使用することができます。

水システムの改善

UNIGINEは視覚的に正確で美しい水のシステムを備えていますが、今回のアップデートでさらに改善されました。

  • リアルなリアルタイム水シミュレーション。
  • 複雑な流体力学シミュレーションのための個々の波の正確な制御。
  • 波と物理オブジェクトの相互作用。
  • スムーズな海の状態変化。
  • 任意の距離でのシームレスな水のパターン。
  • 2つのすぐに使えるオプション:自動および手動の波動制御。

景観地形のための高度なデータ圧縮

新しい圧縮ツールにより、インポートしたランドスケープマップファイルは、ファイルサイズを大幅に圧縮できるようになりました(圧縮率は最大100:1)。

圧縮ツールには、Lossy と Lossless の 2種類とカスタムオプションがあり、Lossless 圧縮アルゴリズムを使用すると、品質の劣化を防ぐことができます。最大圧縮は、最終ビルド時のみ行うことが推奨されています。

Sandwormツールのアップグレード

Sandwormツールは、提供されたデータソースを使用して、あらゆる形態の地理参照地形を生成するために使用されるものです。

今回のリリースでは、多くのバグを修正し、分散コンピューティングが導入されました。地形生成に長い時間(1時間以上)を要する場合、このプロセスを高速化することができます。

さらに、建物生成機能がアップデートされ、提供されたGISベクトルデータに従って、またはランダムに様々な屋根のタイプの建物を自動的に生成することができるようになりました。

Varjo XR-3の拡張複合現実( Mixed Reality)サポート

人間の目の解像度を持つ産業用Varjo VRおよびXRヘッドセットでの体験を優先し、Mixed Realityアプリケーションの実装を容易にするための多くの変更が加えられました。。

Varjo SDK 3.3.0のサポートにより、クロマキーが追加され、環境の高速変更と深度テストが可能になりました。XR-3とXR-1の深度感知機能を活用することで、現実世界と仮想世界を融合させることができるようになりました。また、ビデオパススルーカメラにより、マーカーを付けた現実世界の静物や動体を追跡することが可能になりました。

XR-3は、他のVRヘッドセットでは実現できないダッシュボードの文字が見えることが特徴で、フライトシミュレーターでよく使われています。

UNIGINE Editor

今回のアップデートでは、既存のEditor ModesのUIを一新したほか、以下のような大きな変更点があります。

  • 新しいクラスタ ブラシ エディタ(Cluster Brush Editor):ブラシストロークで一度に多数のオブジェクトを配置します。
  • 改良されたクラッターブラシ(Clutter Brushes):ブラシツールの更新により、グラス、クラッタ、クラスターのマスクへのペイントがより便利で直感的になり、現在のブラシ位置が正確に表示されるようになりました。オブジェクトは描画中にその場で生成されるようになり、同じマスクを使用しているすべてのオブジェクトが一度に更新されます。
  • アセットブラウザの改善:これまで以上に柔軟で便利になりました。
  • FBXアセットからのマテリアルの高度なインポート:FBXモデルがインポートされると、適切なテクスチャプリセットが自動的に割り当てられます。

ウェザーシステムの改善

UnigineEditorとAPIを通じて、グローバルとリージョナルなレイヤー気象を管理できる新しいハイレベル気象システムが導入されました。

長方形や任意形状の地域を無制限に作成し、複数のレイヤーを追加して、それぞれを個別に制御することができます。レイヤーごとに可視性、気圧、気温、湿度、雲量(既存のすべての種類の雲をサポート)、降水量、風などのパラメータを設定・調整し、レイヤーの領域位置、厚さ、高度、遷移バンドなどを設定することが可能です。

また、雷のシミュレーションの改善により、選択した場所に必要な数の雷を発生させることができるようになりました。

デモ、アドオン、サンプル

■Mars Demo(SDKのSimEditionでのみ使用できます。)

100万平方キロメートルの火星表面を再現した新しいデモプロジェクト「Mars」が追加されました。ローバーで火星を周回し、20倍スコープでゲールクレーターを見ることができます。

■新しいマテリアルグラフのサンプル

さまざまなユースケースでのマテリアルグラフの使用を示す新しいセットのマテリアルグラフサンプルがSDKに追加されました。

CraneRopeサンプルアップデート

CraneRopeサンプルは、ロープの挙動を安定させるために最適化されたロープボディを使用するように書き直されました。吊り上げる荷物に、実際の質量(キログラム)を使用できるようになりました。

■植生アドオン

植生アドオンに小さな植物のセットと新しい松が追加されました。これにより、植生の種類は合計50種類に達し、そのほとんどが2~20のバリエーションを持つようになりました。

その他のアップデート

■Realistic BRDF:光の分布と反射ができるだけ自然になるように、独自のBRDFが作成されました。

開発中の機能

  • Round EarthGeoプラグイン
  • 新しいGUI
  • オフスクリーンレンダリング
  • DirectX 12、Vulkan、およびコンソール

新機能の詳細、その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

現在、Unigine は64ビットのWindows 7 SP1/8/10 と Linux (kernel 3.0+)で利用可能です。サポートされているAMD、Intel、NvidiaのGPUのリストはこちら

無料のCommunity Free版は、過去12ヶ月間に10万ドル未満の収益または資金を得ている商業的なプロジェクトで利用できます。

Community Pro版には収益の上限がなく、サブスクリプションはVATを含めて年間180ドルとなっています。その他の価格オプションやエンタープライズ版との機能比較表はこちら


UNIGINE Engine 2.15: Visual Node Graphs, New Water, Weather System, Editor Plugins, Mars Demo

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