2021年11月18日 Pixologic は、デジタルスカルプト&ペインティングソフトウェアの最新アップデート ZBrush 2022 をリリースしました。今回も既存ユーザーは無料でアップグレードすることができます。
ZBrush 2022 新機能
Bas Relief
Bas Relief とは日本語では浅浮き彫りの意味で、平坦な部分を少し彫り込んで模様をつける技法です。
ZBrush 2022では、自動化されたソリューションにより、既存の3Dモデルを使用して、鎧、コイン、建物のファサード、家具などのアイテムに素早く Bas Relief 彫刻を追加することができます。
Bevel Pro
新しいBevel Proプラグインを使用すると、ローポリモデリングを行わずに、あらゆる解像度のメッシュに複雑なベベルを作成することができます。
この機能は、中~高解像度のメッシュに適しており、マスキングとポリグループを使用してベベルを追加するエッジを正確に決定することができます。また、ベベルをジオメトリの別のセクションとして作成し、Live Booleanで使用することもできます。
注:Bevel Proを使用するには、Windowsでは、Vulkan 1.1以上をサポートするビデオカード、macOSでは、Metalが必要です。MetalはOSX 10.14以降で自動的に動作しますが、それ以前のOSを実行しているマシンではサポートされていない場合があります。使用しているカードがこの要件を満たしていない場合、Bevel Proは動作しませんが、それ以外のZBrush 2022の機能セットは利用可能です。
マルチテクスチャー/マルチアルファ
ブラシがデュアルアルファとテクスチャに対応し、ストロークの筆圧に応じて2つのアルファとテクスチャを切り替えることができるようになりました。
この新機能を使って、色とディテールの印象的なブレンドが作成できます。
ローカルプロジェクションを使ったブラシサーフェイスノイズ
任意の画像、グラフィックノイズ、ノイズプリセットをブラシに適用して、彫刻のような表面ノイズのディテールを表現することができるようになりました。
ブラシサイズやペンの筆圧感知を使って、ノイズのスケールをその場で調整でき、ブラシの位置によってノイズを再適用する機能もあります。これらの機能は、環境作品の作成や肌のディテールを適用する際に便利です。
サブツールの整列と再配置
1つのボタンを押すだけで、複数のサブツールや1つのサブツール内のジオメトリを瞬時に再配置することができます。他のプログラムに搭載されている整列機能と同様に、メッシュを左、右、中央に、また上端または下端に整列させることができます。
ナイフサークルとナイフスクエアの追加
ナイフブラシが、円と矩形のストロークタイプに対応しました。これらのツールを使ってメッシュをきれいにカットすると、カット結果がストロークを正確に反映します。
ストローク補間機能の強化
ストローク補間機能では、ZIntensity、ブラシサイズ、RGB Intensity、Front and Back Colorを使用して、設定されたステップ数でストローク間を移行できるようになりました。メッシュの表面上の2つのストロークの間にブレンドや、色やディテールの複雑なパターンを作成できます。
XMDツールボックスへのクイックアクセス
XMD ToolBoxにZBrush内からアクセスできるようになりました。
XMD ToolBoxをインストールすると、ZBrushのすべてのリソースを検索・整理する新しい方法が提供されるほか、ZBrushにデフォルトで含まれていない追加の無料・商用のブラシ、アルファ、テクスチャ、マテリアルにアクセスすることができます。
XMD ToolBoxについては以下の記事でも紹介しています。
また今回のリリースに合わせて、XMD ToolBox3.0がリリースされており、以下の機能があります。
- ZBrushを整理する
- ブラシのインポート
- アルファのインポート
- テクスチャのインポート
- ライトのインポート
- ライトキャップのインポート
- マテリアルのインポート
- ファイバーのインポート
- ツールのインポート
- プロジェクトのインポート
- アレイメッシュのインポート
- グリッドのインポート
- スポットライトのインポート
- マクロを整理してワンクリックでロード
- ZBrushのUIレイアウトとカラーに名前を付けて、簡単に操作可能に
- ソースストアからXMDブラシをダウンロード
- ZBrush アセットをどこにでも保存
- カスタムカテゴリーの追加
- ブラシタグの追加
- お気に入りメニューを作成してアセットを整理
- 便利な検索機能
- カスタム説明文の作成
- ミニモードとコンパクトモード
- UIカラーをZBrushのUIカラーと同期
その他の新機能・改善
■Stagerの追加機能
- StagerにCopy/Pasteボタンが追加され、HomeとTargetのステージをSubTools間でコピーできるようになりました。
- StagerにInterpolate機能が追加され、HomeステージとTargetステージの間を補間できるようになりました。
Edge Detect(エッジ検出機能)では、画像のエッジをインタラクティブにハイライトして様々な効果を得ることができます。使用される色は、メインカラーとセカンダリカラーです。この機能は、モデル上に画像を配置する際に役立ちます。イメージ全体を復元するには、[Restore(復元)]オプションを使用します。
■サブツールの可視性セット
V1からV8までのサブツールの可視性を保存するための8つのボタンがサブツールのサブパレットに追加されました。これは、フォルダの可視性と連動します。
■Gizmo Soft Deformation
Gizmoは、Focal Shiftで調整されたフォールオフでソフト変形を行うことができるようになりました。-100以上の値を設定すると、移動、拡大縮小、回転などのソフトな変形が行われ、マスキングを行うことで、さらに効果を高めることができます。
■カメラ画像のFBXインポート
FBXインポートでは、カメラビューの背景画像がある場合、それを読み込むようになりました。また、 Draw>Camerasの新しいオプションにより、イメージの読み込みと保存、およびモデルの不透明度の変更が可能です。
■DynaMesh Resolution Picker
DynaMesh Resolutionのスライダから対象のメッシュポリゴンにドラッグすることで、キャンバス上のメッシュから直接サンプリングできるようになりました。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
アップデート情報
2022.0.3[2022年1月26日更新]
2022年1月26日(現地時間)- Pixologicは、ZBrush 2022.0.3 をリリースしました。ZBrush 2022.0.3 は、登録されたすべての ZBrush ユーザー(永久ライセンスとサブスクリプションの両方)向けの無償アップグレードとなります。
このアップデートは、BevelProの機能強化を含む、ZBrush 2022のリリース後に発見された問題が修正されています。以下アップデート内容の一部の紹介です。
■ギズモの修正
- ギズモアイコンが50%大きくなりました。
- ギズモとトランスポーズの FocalShift(焦点移動)の数値を別々に設定可能に。
■トポロジー(Topology)ブラシの修正
トポロジーカーブはAltキーを押しながら描画するとクリーニング(削除)することができますが、このときのスムージングの強さは、ストローク>カーブファンクション>カーブスムーズネス スライダに依存するようになりました。
■ZCamerasが最大256台のカメラを保存できるようになりました。
■Bevel Pro の改善
- BevelProのベベル結果が改善され、コントロールオプションが追加されました。
- 詳細設定にスムース(Smoothness)オプションが追加。
- 面取りをサポート。
- 穴を埋めるための内側ブーリアンパーツのサポート。
- Bevel/Chamfer 演算子がポリグループ分離機能を持つようになりました。
- エッジが固定されやすくなりました。
- 自動適用が有効なとき、結果でもエッジが固定されるようになりました。
- 反転したメッシュを尊重するようになりました。。
- ソースメッシュオプション ポリッシュ(グループ)がマスキングを尊重するようになりました。
- BevelPro内部でのメッシュレンダリングを改善。
詳細設定にある内部パーツを生成ボタンでは、ブーリアンを使用して非破壊的にベベルを適用することが可能です。
こちらの公式の動画ではアップデート内容が説明されています。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
ZBrush2022は、64ビットWindows Vista 以降、Mac OS X 10.11以降で利用できます。より詳しいシステム要件はこちらから
新規永久ライセンスは 895ドル、サブスクリプションは 39.95ドル /月、179.95ドル/6か月です。
ZBrush の価格の確認や購入はこちらから(日本代理店での購入はこちらから)
既存のZBrushインストールをバージョン2022に更新することはできません。すべてのZBrushユーザーは、マイライセンスページからインストーラーをダウンロードして使用する必要があります。
アップグレード方法の詳細はこちらから
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