現地時間4月27日OTOY, Inc.は、アンバイアスパストレースレンダラーの最新アップデートである OctaneRender 2020.1 と次世代GPUクラウドレンダリングプラットフォーム RNDR Network のリリースを発表しました。
また、OTOYのCEOであり共同創業者であるJules Urbach(ジュール・ウルバッハ)氏はGTC Digital 2020で、OTOYのGPUメッシュベースのスカルプトツールSculptron™、JangaFXと共同開発した新しいGPUベースのリアルタイムシミュレーションシステムEmbergenFX、Arnold Render Standard Surfaceのサポート、OctaneX for Metal(現在ベータ版)などの情報公開もしており、そちらの情報もあわせて紹介したいと思います。
OctaneRender 2020.1
OctaneRender 2020は以前プレビュー版がリリースされたときに紹介しましたが、このたび正式リリースとなりました。

OctaneRender 2020は、20以上のDCCプラグインとの統合や、RNDRネットワーク上での無制限のGPUクラウドレンダリングスケールを含む、OctaneRender®エコシステムへの無制限のアクセスが可能ということです。
【OctaneRender 2020.1の新機能】
・NVIDIA OptiX 7 RTX GPUハードウェアアクセラレーションにより、RTXを使用している多くのシーンで2~3倍の速度向上を実現し、完全にRTXに最適化されたシーンでは最大15~30倍のアクセラレーションを実現。

・アンバイアスでGPUベースのサブサーフェススキャッタリングのための高速スペクトルランダムウォークSSSスキンとスペクトルユニバーサルヘアマテリアル。

・プロシージャルOSLベースのテクスチャとエフェクトのためのC4DネイティブGPUノイズ。
・OSLボリュームシェーダとアーティストに優しい複雑なマテリアルレイヤで、OctaneRenderでのシンプルで直感的なノードベースのマテリアル作成を可能にします。

・OSLディストーションマップ、スプリットフォーカスディオプター、光学ビネット、絞りテクスチャ、カメラ内コントロールを備えたユニバーサルカメラで、高度なDOF、収差、ディストーションを実現。
・GPUボリューム変位とVectronボリュームは、新しいVectronメッシュとボリューム演算子とともに、完全にプロシージャルなボリュームをOctaneノードグラフにもたらします。

・4倍速のQuadとPoint Spectronライト、プロシージャルスプレッド関数、新しいゴボフィルターとライトを備えたOctane Spectronライトプリミティブ。
・オートデスクの3DSMaxシェーダ リポジトリを含むLiveDB OSLプロシージャルシェーダと、LiveDB内で簡単にアクセスできるOTOYフォーラムから再構築されたユーティリティノード。

・ネイティブ曲線と点のプリミティブ属性
・アーティストコントロールを追加してエッジの丸みを改善
・ACES EXRエクスポートによるACESと高度なカラーマネージメント
・その他の新機能:ユニバーサルダートシステム、ボリュームシャドウステップ長コントロール、改良されたデイライトシステムスカイモデル、Houdini 18 SolarisビューポートをサポートするHydra Render Delegateなどがあります。
2020.1の新機能の詳しい情報はこちらから
RNDR Network

OTOYは、OctaneRender 2020のリリースと同時に、Microsoft Azure上に構築された新しいEnterprise tierを特徴とする次世代GPUクラウドレンダリングプラットフォーム「RNDR Network」を発表しました。
このRNDR Networkのリリースにより、RNDRは、NVIDIA GPUを使用して、最大10倍の速度向上させ、実質的に無制限のスケーラブルなGPUクラウドレンダリングパワーと、プロダクションレベルのセキュリティを提供します。
RNDR Networkとは
ブロックチェーン技術を利用した、GPUクラウドレンダリングネットワークプラットフォームです。Ethereumブロックチェーン上に構築されたデジタルトークンであるRNDRを用いて、OctaneRender®の既存のレンダリングサービスのフレームワークを分散させます。

レンダリングネットワークは、レンダリングジョブを実行しようとしているユーザーと、レンダリングを処理するためにアイドル状態のGPUを持っているユーザーを接続します。アイドル状態のGPUのオーナーはOctaneRenderを使用してレンダリングジョブを受信して完了するためにGPUをレンダーネットワークに接続し、ユーザーは個人にRNDRを送信してレンダー作業を実行します。OTOYはレンダーネットワークを実行するためのトランザクションを容易にすることで、わずかな割合のRNDRを受け取ることになります。
業界初のハイブリッドクラウドレンダリングモデルの先駆け
OTOYの創設者でありCEOの Jules Urbach(ジュール・ウルバッハ)氏は、次のように述べています。
「RNDRによって、集中型と分散型の両方のクラウドアーキテクチャの長所を活用し、ユーザーの要求に応えようとしています。目標は、アーティストが高性能なNVIDIA GPUクラウドレンダリングをワークフローにシームレスに統合することです。無制限に近い分散型GPU容量への拡張、NVIDIA GPUの性能向上の活用、Microsoft Azureの生産レベルのセキュリティによるIPの保護など、OctaneRenderのユーザーがクラウドを活用して最も野心的な創造的ビジョンを実現するのを支援したいと考えています。」
また、Microsoft Azureのメディア&エンターテイメント担当シニア・ディレクター、Mark Miller(マーク・ミラー)氏は次のように述べています。
「GPUクラウドレンダリングは、メディア、エンターテインメント業界を変革し、アーティストが創造性の限界を押し広げるのに役立つ新たな制作効率を生み出しています。OTOYの新しいRNDRネットワークの一員となり、Microsoft AzureとNVIDIA GPUノードを使用したエンタープライズレベルのハイブリッドGPUクラウドレンダリングを提供できることに興奮しています。」
RNDRのベータ期間中には、何百人ものベータテスターからの何千ものシーンがネットワーク上でレンダリングされており、超高解像度の4Kから次世代の12Kフォーマットまでのシーンがテストされているということです。
ArnoldがRNDRネットワークに

RNDRの一般公開と同時に、AutodeskのArnoldをRNDRネットワークに参加させることが発表されています。また、OTOYはAutodeskと協力して、Arnold Render Standard Surfaceをコアマテリアルシステムの標準とすることで、OctaneRenderを含むRNDRプラットフォーム上のすべてのレンダーで共通に動作することができるようにします。
AutodeskのArnoldのシニアソフトウェア開発マネージャー、Frederic Servant氏は次のように述べています。
「私たちはOTOYと提携してArnoldをRNDRネットワークに参加させることに本当に興奮しています。高度なレンダリングに対する需要は高まり続けており、アーティストやスタジオにはこれまで以上に高品質で複雑なコンテンツを制作するプレッシャーがかかっています。 OTOYとのコラボレーションにより、Arnoldのお客様に、需要を満たし、生産性を維持するために必要なスピードとスケーラビリティを提供したいと考えています。」
RNDRは現在、rndr.otoy.comでOctaneRender 2020の全ユーザーが利用できるようになっています。
Sculptron™ Alpha 2
Sculptron™ Alpha 2はまだ利用できないようですが、アップデート情報と今後のロードマップが公開されました。
【Sculptron™ Alpha 2 新機能】

・新しいタイムライトとキーフレームシステム
・新しいUIとワークフロー
・10倍以上の高速化

・新しいビューポートモード
- トゥーンmatcap
- ワイヤーフレームオーバーレイモード
【長期的な目標】
▪フルUSDシーンエディター:インスタンス化、ボーン、アニメーション
▪GPUメッシュモディファイヤスタック:ユーザーが編集可能なジオシェーダー
▪iPad / AR用のシンプルなレイアウト、彫刻、ペイント
▪フォースとフィールドのオーサリング
また、ロードマップとして以下の表の内容が公開されています。

JangaFXと提携


JangaFXについては、上の記事でも少し触れたことがありますが、JangaFXはリアルタイムボリューメトリック流体シミュレーションソフトウェアEmberGenの開発をしています。
EmberGen
EmberGenは、火や煙のようなガス状の流体をシミュレートするためのノードベースのスタンドアロンのリアルタイムツールで、FumeFXに匹敵するような複雑なエフェクトを作成することができます。
GTC Digitalで、OTOYはJangaFXと提携し、Otoyツール用EmberGenの新統合バージョンであるEmberGen FXを発表しました。
統合作業はOtoyがJangaFXから提供されたソースコードを元に行い、EmberGen FXはOctaneRenderのスタンドアロン版とDCCプラグインの両方で利用できるようになるということです。EmberGen自体は現在Windowsのみで使用可能ですが、OtoyはEmberGen FXを他のプラットフォームでも利用できるようにする予定で、OctaneRenderと同様に、OtoyのRNDR API上に構築されたリアルタイムパストレーサーBrigadeや、スカルプトツールSculptronなどの他のツールと互換性があるものと思われます。
EmberGen FXを開発している間、EmberGenのスタンドアロン版は、OctaneRenderのサブスクリプションの有料アドオンとして「この夏の終わりに」利用可能になる予定です。

JangaFXのCEOであるNick Seavert氏は、このニュースがEmberGenの開発ロードマップに影響を与えることはなく、「これは単なるコラボレーションです。我々はスタンドアロン版の開発を続けています。」と述べています。
OctaneX for Metal(ベータ版)
OTOYは、4月20日にApple独自のグラフィックAPIであるMetalに対応したOctaneXのベータ版をリリースしました。
#Octane X Beta Begins – now!
#OctaneRender #mac #metal https://t.co/DBzIy2oBdX pic.twitter.com/KaTOduZGjT— OTOY (@OTOY) April 20, 2020
一般にはリリースされておらず、ドライバのアップデート(10.15.5)を待つため、パブリックベータ版の公開を控えている状態ということですが、一部のOctane Xのテストに興味があるOctane Enterpriseユーザーにはクローズドベータ版を提供しているようです。
以上ですが、まとめきれていないところもあるので、さらに詳しい情報を知りたい人は、GTC 2020のOTOYの講演「The Future of GPU Rendering: Real-Time Raytracing, Holographic Displays, and Light Field Media」で確認してください。
OTOY Launches OctaneRender 2020 and the RNDR Network!
OTOY Showcases RNDR Network With New Arnold and Azure Integrations at GTC Digital
























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