Substance 3D Sampler 5.1 がリリース!新しい自動タイリング、パフォーマンスを向上させるレイヤーフラット化の追加など

CGソフト

2025年8月7日(現地時間)- Adobe は、物理的なアセットのデジタルツイン作成ソフトウェアの最新アップデート Substance 3D Sampler 5.1 (コードネーム – Île flottante(イル・フロッタント))をリリースしました。

新機能ハイライト

今回のアップデートでは、現実の素材をキャプチャしてからデジタルツインとして書き出すまでの一連の作業時間を短縮するための新機能やツール改善が多数盛り込まれています。

新しい自動タイリング機能

これまで手間のかかっていた布地のようなパターンを持つ素材の処理が、新しい「オートタイリング」機能によって効率化されました。この機能は、継ぎ目のないタイルテクスチャを自動で生成するため、アーティストは作業時間を大幅に節約できます。

このフィルターは、布地のような織物テクスチャや、繰り返しのある小さなパターンを持つ画像やマテリアルで最も効果を発揮します。また、必ずしも理想的とは言えない条件下(例:斜めからの撮影、不均一なライティング)で撮影された写真に対しても、非常に高い精度で機能するとのことです。

How to Auto Tile Repetitive Materials in Sampler | Adobe Substance 3D

主な特徴と利点

  • 繰り返し構造に最適:明確なパターンを持つ画像に対して高精度なタイル処理が可能。最低でも縦横3回ずつ、計9回以上の繰り返しが必要です。
  • 完全ローカル処理:処理はすべてデバイス上で行われ、クラウドに画像が送信されることはありません。
  • 画像からマテリアル作成時にも有効:「Image to Material」フィルターの前にオートタイルを適用することで、より良い結果が得られます。すでに「Image to Material」処理済みのマテリアルでも、ベースカラーを基に自動タイル化が可能です。

操作の流れと調整ポイント

適用後、多くの場合デフォルト設定で良好な結果が得られますが、「詳細設定」からさらに細かく調整することも可能です。

  • フィルターの適用:画像をレイヤースタックに追加し、オートタイルフィルターを適用すると、自動でタイル処理が行われます。初期設定でも十分な結果が得られることが多いです。
  • 高度な設定で微調整:必要に応じて「Advanced Settings」から詳細なステップにアクセス可能。各ステップは個別に選択・適用できるため、効率的に調整できます。
  • パターンサイズと検出:パターンサイズの設定は最も重要なステップのひとつ。検出がうまくいかない場合は、まずここを確認します。
  • 画像の歪み補正(Unwarp):パターンが斜めになっている場合などに有効。整列された状態に補正できます。
  • 関心領域(Region of Interest)の指定:使用・繰り返し対象となる領域を定義。スキャン画像の端のぼやけや照明ムラなど、アーティファクトを避けることができます。
  • 継ぎ目の調整(Seams Removal):タイルの継ぎ目を滑らかにするためのステップ。繰り返し表示で確認可能です。
  • 入力チャンネルの選択:既存のマテリアルに適用する場合、デフォルトではベースカラーマップを基にパターンが検出されます。もしハイトマップなど他のチャンネルの方がパターンが明確な場合は、詳細設定から参照するマップを変更できます。

レイヤーワークフローの効率化

多数のレイヤーを持つマテリアルを扱う際のパフォーマンスを向上させる「レイヤーをフラット化」機能が追加されました。

これにより、レイヤースタックの計算が最適化され、ワークフロー全体の高速化が実現します。

Optimize Your Layer Stack in Substance 3D Sampler | Adobe Substance 3D

この機能は、選択したレイヤーとその下にあるすべてのレイヤーを単一のマップセットに変換(統合)します。(レイヤースタック全体を統合したい場合は、一番上のレイヤーを選択して実行します。)

これにより、レイヤーが増えることによる計算負荷を軽減し、特に複雑なマテリアルを扱う際のパフォーマンスを大幅に向上させることができます。

注意点: この操作は「破壊的」なワークフローであり、一度フラット化されたレイヤーは後から個別に調整することはできません。

スキャン補正ツールの強化

スキャンした素材の品質を向上させるためのツールが強化されました。改良された「均等化(Equalize )」フィルターや「クローンスタンプ(Clone Stamp)」に加え、布地用の自動「しわ除去(fold removal)」機能が新たに追加されています。

Clone Stampの機能強化

スキャン素材の細かな不具合修正や、シームレスな境界線の作成に役立つクローンスタンプツールがアップデートされました。スケール、回転、ミラーといった新しい変形機能や、Fade Blendingアルゴリズムが追加され、より自然な修正が可能になりました。

Fade Blendingは、スタンプ領域と背景との間の継ぎ目をインテリジェントに隠し、ディテールを保持したままスムーズな移行を実現します。

New Clone Stamp Filter in Sampler – Transform & Fade Blending | Adobe Substance 3D

Equalizeの機能強化

スキャン素材に見られがちな大規模なグラデーションや凹凸のばらつきを均一化するEqualizeフィルターが、マルチカラー素材に対応しました。

新しいColor Bleedingパラメータや、特定のチャンネルをマスクとして利用するSplit Color From Channel機能により、色が混ざり合う「色のにじみ」を防ぎながら、パターンを維持したまま不要な色ムラだけを除去できます。

Transform Scan Data & Materials with Ease in Sampler with the Equalize Filter | Adobe Substance 3D

しわ除去フィルター

布地スキャンに特化した新しいフィルターとして、自動でしわを除去する機能が追加されました。

HP Z Captis サポートの強化

HP社のスキャナー「Z Captis」との連携がさらに強化されました。

スタジオモードにおいて、ラフネスマップの生成や物理サイズの自動検出に対応し、これまで以上に詳細かつ正確なデジタルマテリアルを作成できます。

その他の主な変更点

今回のアップデートでは、主要機能の追加に加え、パフォーマンスの向上、UIの改善、スクリプト機能の拡張など、多岐にわたる機能強化が行われています。

以下が追加された機能の全リストです。

フィルターとレイヤー機能

  • [フィルター] オートタイリングフィルター
  • [フィルター] しわ除去フィルター
  • [フィルター] クローンスタンプフィルター(機能追加)
  • [フィルター] 均等化フィルター(機能追加)
  • [レイヤー] フラット化(統合)機能
  • [レイヤー] 右クリックメニュー(名前の変更、複製、削除、フラット化)

HP Z Captis 連携強化

  • [Captis] プレビュー中の正方形化オプション
  • [Captis] 物理サイズの自動検出
  • [Captis] 新規キャプチャ時にアセットを新規作成
  • [Captis] 解像度選択をPPI/PPCMに変更
  • [Captis] 位置合わせキャリブレーションのヘルプ
  • [Captis] ラフネスマップの生成
  • [Captis] キャリブレーションファイル欠落時の警告

物理サイズ

  • [物理サイズ] Substanceフィルター使用中の物理比率表示
  • [物理サイズ] 画像読み込み時の解像度提案

パフォーマンス

  • [パフォーマンス] Cropフィルター使用時のパフォーマンス向上
  • [パフォーマンス] 3Dビューのメモリ使用量改善
  • [パフォーマンス] 3Dビューの更新高速化

UI/UXとアプリケーション

  • [2Dビュー] ブラシサイズの自動適応
  • [3Dビュー] ネイティブ表示スケールの切り替えオプション
  • [アプリケーション] レンダリングエンジンのアップデート
  • [オンボーディング] ようこそ画面と新機能画面のコンテンツ更新
  • [クイックアクション] スキャン処理用のクイックアクション3種
  • [UI] レイヤーパネルのアイコンとボタンの再設計
  • [UI] 環境光オーサリング非推奨の警告

スクリプト機能の拡張

  • [スクリプト] レイヤーをフラット化するAPI
  • [スクリプト] 画像ファイル名を取得する機能
  • [スクリプト] チャンネルを有効化/無効化する関数

価格とシステム要件

Substance 3D Sampler は、Windows 10 64ビットバージョン22H2以降、macOS 11 Big Sur以降、Linuxで利用できます。

より詳しいシステム要件はこちらから

Substance 3D Samplerは、Adobe Substance 3D アプリのサブスクリプションプランに含まれています。

  • Adobe Substance 3Dテクスチャリングプランには、Painter、Designer、Samplerアプリと、豊富な3Dアセット、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。 
  • Adobe Substance 3D Collectionプランには、Painter、Designer、Sampler、Stager、Modelerアプリと、豊富な3Dアセット、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。 
  • グループ版Adobe Substance 3D Collectionプランには、5つのアプリ、豊富な3Dアセット、1TBのストレージ、とライセンス管理や高度なサポートが含まれています。

価格は次のようになっています。

Adobe Substance 3D
テクスチャリング
月々プラン月々払い3,380 円
年間プラン(一括払い)33,880 円
Adobe Substance 3D
Collection
月々プラン月々払い8,180円
年間プラン(一括払い)81,880円
グループ版
Adobe Substance 3D
Collection
月々プラン月々払い16,280 円
年間プラン(一括払い)195,360 円

学生・教員向けライセンス

Substance 3Dは、大学・高等教育機関向けCreative Cloudコンプリートプラン(小中高校は対象外)に含まれており、追加料金なしで利用できます。高等教育機関向けプランにアセットは含まれていません。

また、Substance 3D Collection アプリは、高等教育機関の学生と教師が無料で利用できます。(非営利、教育目的での使用のみ)


Substance 3D Sampler ウェブサイトへ

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました