Arnold 7.4.3 がリリース!機械学習モデルの推論を実行できる「Inference imager」が追加

プラグイン

2025年7月25日(現地時間)- Autodesk は、グローバル イルミネーション レンダリング ソフトウェアの最新アップデート Arnold 7.4.3 をリリースしました。

新機能と強化点

Arnold 7.4.3.0 は、新しい推論イメージャー、グローバル ライト サンプリングと GPU ボリュームのパフォーマンス向上、その他の機能強化とバグ修正を含む機能リリースです。

グローバルライトサンプリングによるレンダリングの高速化

グローバルライトサンプリング(Global Light Sampling)を使用したシーンのレンダリングが、同等のノイズレベルにおいて、テストでは最大2.5倍高速化されました。

ノイズレベルが同じレンダリングの場合の比較

GPUレンダリングにおける光沢マテリアルの品質向上

GPUレンダリングにおいて、グローバルライトサンプリングがマテリアルの光沢(Glossiness)を考慮するようになりました。

これにより、特に多数の小さなライトが存在するシーンでの品質が大幅に向上します。テストシーンでは、アダプティブサンプリングとの併用で約3倍の速度向上が確認されています。

Before imageAfter image

GPUでのボリュームレンダリングの高速化

プロシージャルまたはOpenVDBによるボリュームを含むシーンのレンダリングが、テストでは最大3.3倍高速化されました。また、OpenPBRの透過(Transmission)や散乱(Scattering)マテリアルを使用したシーンも最大1.2倍高速になっています。

Inference Imager

ONNXフレームワークを利用し、画像から画像への変換を行う機械学習モデルの推論を実行できる「Inference imager」が新たに追加されました。

これにより、レンダリング結果に対してAIベースの画像処理を適用することが可能になります。

このImagerは、CPUまたはGPUでの推論に対応しています。GPUを使用するには、ONNX Runtime、cuDNN、CUDAに関連する追加ライブラリのインストールが必要です。GPUが選択されていてもライブラリが見つからない場合、Arnoldは自動的にCPUでの推論にフォールバックします。

AOVを選択して特定のレイヤーにのみエフェクトを適用したり、Blendパラメータで元の画像と推論結果をブレンドしたり、様々なBlend Modeで合成したりと、多彩な制御が可能です。

注意: これらの画像モデルはフレーム間の一貫性に欠ける場合があり、アニメーションとして使用した際に、連続したフレーム間で視覚的な安定性が維持されず、ちらつき等の問題が発生することがあります。

より詳しい情報はこちらから

OpenPBRの改善

薄壁サブサーフェススキャタリングの改善

OpenPBRの薄壁(thin-walled)モードにおいて、subsurface_weightを使用して拡散反射とサブサーフェススキャタリングをエネルギー保存則を維持しながらブレンドできるようになりました。これにより、紙のような拡散的な透過と反射の表現が可能です。

エネルギー保存則に準拠した金属マテリアル

OpenPBRの金属マテリアルがエネルギー保存則に準拠するようになり、ファーネステスト(光源のない環境で自己発光しないかを検証するテスト)をパスするようになりました。

その他の主な強化点

  • HTMLレポートの改善: Arnoldレンダーレポートが統計情報のソートに対応し、最終レンダリングのみの統計を表示するようになりました。また、チャートやテーブルのスタイルも改善されています。
  • 出力ディレクトリの自動生成: kickコマンドやDCCツールからのコマンドラインレンダリング時に、出力先に指定されたフォルダが存在しない場合、自動的に生成されるようになりました。
  • Imagerの最適化: Imagerのフレームバッファ管理が改善され、特に多くのImagerチェーンを扱う際のオーバーヘッドが削減されました。
  • インタラクティブ性の向上: カメラ移動やライティング変更時のインタラクティブレンダリングのパフォーマンスが向上しました。
  • GPUが見つからない場合のCPUへのフォールバック: サポートされているGPUが見つからない場合、render_device_fallbackオプションの設定に従ってCPUレンダリングに自動的に切り替わるようになりました。
  • ジオメトリ統計の改善: トップレベル オブジェクトのメモリ使用量が正しく計算されるようになり、メモリ統計に新しいエントリが追加されました。
  • 1対1のパスマッピングルール:Arnoldパスマップファイルは、1対1のマッピングルールをサポートするようになりました。これにより、正確なパス参照を簡単に置き換えることができます。ルールはpath_mapJSONファイルのセクション内で定義されます。
  • kickコマンドでの出力ディレクトリ上書き: kickコマンドに新たに追加された-od引数で、出力ディレクトリのパスを指定できるようになりました。
  • プロシージャル内のライトの可視性: プロシージャルのvisibilityパラメータを0に設定することで、そのプロシージャル内のすべてのライトを無効にできるようになりました。
  • OpenColorIOのエイリアス対応: srgb_textureのようなOCIOエイリアスを入力カラースペースとして使用できるようになりました。
  • MaterialX 1.39.3へのアップデート: MaterialXのバージョンが1.38.10から1.39.3にアップグレードされました。詳細はMaterialXのリリースノートをご覧ください。

USDに関する強化点

  • DomeLightのテクスチャ、カラー、温度の組み合わせ: DomeLightにおいて、カラーとテクスチャ、またはカラーと温度が有効な場合、これらが排他的ではなく組み合わさって作用するようになりました。
  • ポイントプリミティブへのボリュームシェーダ: Hydraレンダーデリゲートにおいて、ポイントプリミティブに割り当てられたボリュームシェーダがサポートされるようになりました。
  • 統計モードの上書き:統計情報に対する「上書きモード」が新たに追加され、従来のレンダー設定項目 stats:mode は非推奨となりました
  • タイムライン移動の最適化: 現在のフレームが変更された際に、プロシージャルが自動的に再初期化されなくなりました。これにより、アニメーション付きのUSDファイルを扱う際の更新が高速化されます。
  • USD 25.05への対応: Arnold USDが使用するUSDのバージョンが25.05になりました。詳しくはUSD リリースノートをご覧ください。

APIの変更点

  • バッチモードでのノード削除時に警告を表示: バッチレンダーモード中にノードが削除された場合に警告が表示されるようになりました。
  • AiStatsSetMode()AiStatsGetMode()の非推奨化: 統計ファイルは常に上書きされる仕様となったため、これらのAPIは非推奨となりました。
  • AtGPUCachePopulateCallback等の削除: OptiX 8へのアップグレードに伴い、古いAPIが削除されました。

互換性のない変更点

  • 出力ディレクトリの自動生成: これまでエラーとなっていた、存在しない出力ディレクトリへのレンダリングが、ディレクトリを自動生成して実行されるように変更されました。
  • プロシージャル内のライトの可視性: プロシージャル内のライトが、プロシージャル自体のvisibilityパラメータの影響を受けるようになりました。
  • options.gpu_max_texture_resolutionパラメータの削除: 機能が既に削除されていたため、パラメータも削除されました。
  • 統計ファイルへの追記機能の削除: kick -statsfileは、常に指定されたJSONファイルを上書きするようになりました。

その他多数の修正が行われています。

すべてのアップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

Arnold は、Windows 10以降、macOS 10.13 以降、Linuxで利用できます。一般に、Arnold は、Houdini、Maya、Cinema 4D、3ds Max、Katana が動作するほぼすべての64 ビットシステムで動作します。

※Arnold 7.4.3.0は、CentOS 7をサポートする最後の機能リリースとなります。

より詳しいシステム要件の確認はこちらから

Arnold はデフォルトでMaya と3dsMaxに含まれています。

その他のソフトウェアでの利用での Arnold の購入価格は、1ヵ月サブスクリプションが 8,800円、1年サブスクリプションが 67,100円、3年サブスクリプションが 202,400円です。

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また、Media & Entertainment Collectionにも含まれています。


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