2026年5月13日(現地時間)- Jawset Visual Computing は、3Dシーンの再構成・レンダリングツールであるPostshotの最新バージョン「v1.1」をリリースしました。
主な新機能
今回のアップデートでは、ヘッドセットを使ってシーンを直接確認できる XR ビュー機能の統合をはじめ、映像の露出ブレを補正するための機能や、細かな編集をよりスムーズに行えるよう選択ツールが強化されるなど、ワークフローの効率化と品質向上に大きく貢献する新機能が多数追加されています。
ヘッドセットおよびステレオディスプレイ対応の「XRビュー」
新たにXRビュー(Built-In XR View)がソフトウェア内に組み込まれました。
これにより、生成した3D空間をVRヘッドセットや立体視(ステレオ)ディスプレイを用いて、没入感のある状態で直接プレビューすることが可能になります。スケール感や奥行きの確認が容易になり、空間的な整合性を確認する作業がより直感的に行えるようになります。

測光補正(Photometric Compensation)
3DスキャンやNeRF/Gaussian Splattingなどを用いたシーン再構成において、カメラの自動露出(オートエクスポージャー)によって生じるフレーム間の明るさの変化は、ノイズや不自然な描画(アーティファクト)の原因となります。
今回追加された測光補正機能は、これらの露出の変動によるアーティファクトを効果的に排除します。また、この補正により、より広いダイナミックレンジ(明暗差)を持つシーンのキャプチャが許容されるようになり、屋外など照明環境が変化しやすい状況で撮影された素材からでも、安定した品質の3Dモデルを生成しやすくなっています。


選択ツールの強化
ポイントクラウドやスプラットデータの編集をより細やかに、かつ迅速に行えるよう、選択ツール群(Selection Tools)が大幅にアップデートされました。主な変更点は以下の通りです。
- 新しいフリーハンド投げ縄選択(Freehand Lasso Selection): 自由な形状で対象を囲んで選択できる投げ縄ツールが追加され、複雑な形状のノイズ除去が容易になりました。
- 選択モードの追加(Add, Subtract, Intersection): 既存の選択範囲に対して、「追加(Add)」「除外(Subtract)」「交差(Intersection)」の各演算モードが利用可能になり、複数回の操作で正確な範囲を指定できます。
- 新しい矩形選択(Rectangle Selection): 基本的な四角形での範囲選択ツールが追加されました。
- 深度フィルターの視覚化改善(Improved Depth Filter Visualisation): 深度(奥行き)に基づいたフィルタリングを行う際、どの領域が対象になっているかの視覚的なフィードバックが改善され、意図しない領域の削除を防ぎやすくなっています。
ポーズ(カメラトラッキング)品質オプション
画像群からカメラの位置や姿勢を推定するSfM(Structure from Motion)の工程において、ポーズ品質オプション(Pose Quality Options)が新たに設定可能となりました。
これにより、ラフなプレビューを行いたい場合は計算を簡略化して処理を高速化し、最終的な出力を行う際は時間をかけて最高精度でカメラトラッキングを行うなど、目的と時間的制約に合わせて処理の重さをコントロールすることができます。

その他の新機能
上記に加え、実務におけるパイプラインの構築や、より高度なシーン制作を後押しするアップデートが含まれています。
Unreal Engine 5.7のサポートと連携強化
最新のゲームエンジンであるUnreal Engine 5.7向けのプラグインがサポートされました。また、プロジェクトディレクトリからの相対的なアセットパス指定や、ポストショットプロジェクトのアセット名の編集が可能になるなど、Unreal Engineを用いたバーチャルプロダクションやゲーム開発におけるデータ管理がより柔軟になっています。
大規模シーンに対応するメモリ管理の改善
より広範で複雑なシーンのトレーニングを可能にするため、フレームワークのメモリ管理機構が改善されました。
これにより、ハードウェアの制限によってこれまで分割処理が必要だった大規模な空間のスキャンデータにおいても、一度に高品質な再構成を行いやすくなります。
多様なツールとの相互運用性(インポート/エクスポート)の拡充
Pix4D OPFデータのインポートや、RealityScan 2.1.1の新しいエクスポート形式への対応が追加されました。
また、PLYファイルにおけるカラースペースメタデータの読み書きや、高効率なSPZフォーマットでのシーケンス読み込みおよびエクスポートに対応したことで、他のフォトグラメトリツールやDCCツールとの連携がシームレスに行えるよう強化されています。
COLMAPパイプラインとの連携強化
オープンソースのSfMツールであるCOLMAPに関連する入出力機能が改善されました。非標準的なフォルダ構造を持つデータベースのインポートや、「FullOpenCV」カメラモデルの読み込みに対応し、より柔軟にデータを引き継げるようになっています。
また、COLMAPデータベースをテキスト形式でエクスポートするオプションの追加や、動画フレームセット出力時のファイル名の標準化などにより、外部ツールへデータを渡す際の利便性も向上しています。
グラフィックタブレットモード
環境設定の入力デバイスに「グラフィックタブレットモード(Graphics Tablet Mode)」が追加されました。
これは、今回アップグレードされた投げ縄選択ツールなどと非常に相性が良く、ポイントクラウドのクリーナップや細やかなノイズ除去を手作業で行う際の操作性が大幅に向上します。
すべての新機能・改善をみる
CLI
- –export-splatオプションの追加(–export-splat-plyオプションは非推奨化)
Framework
- 大規模なシーントレーニングを可能にするメモリ管理の改善
Image
- COLMAPデータベースをテキスト形式でエクスポートするオプションの追加
- マルチフォルダ画像セットの再配置機能のサポート
Import
- ポーズ/ポイントの再センタリングを無効にするオプションの追加
- RealityScan 2.1からのエクスポートのサポート
- 非標準的なフォルダ構造を持つCOLMAPデータベースのインポートのサポート
- SPZファイルのシーケンス読み込みのサポート
Installer
- サイレントアンインストール時の -accept-eula の要求の廃止
IO
- PLYファイルとの間でのカラースペースメタデータのエクスポート/インポートのサポート
- Pix4D OPFデータのインポートのサポート
- RealityScan v2.1.1の新しいカメラエクスポート形式のサポート
- SPZ形式でのRdnc Fieldのエクスポートおよびインポートのサポート
- 動画フレームセットのCOLMAP DBエクスポート時の従来のファイル名の使用
Scene
- デフォルトカメラの「Output」パラメータタブの有効化
SfM
- トレーニング設定への「Pose Quality」オプションの追加
- COLMAPインポートにおけるFullOpenCVカメラモデルのサポート
Splat
- 測光補正(自動露出、ホワイトポイント、周辺減光)の追加
UE
- Unreal Engine 5.7のサポートの追加
- Postshotプロジェクトのアセット/ファイル名の編集機能の追加
- プロジェクトディレクトリに対する相対アセットパスのサポート(アセットをダブルクリックしてパスを編集可能)
- ‘Development’ 構成でのプロジェクトパッケージングのサポート
UI
- 追加/除外/交差の選択モードボタンの追加
- 「Center on Object(オブジェクトを中央に配置)」アクションの追加
- なげなわ選択ツールの追加
- 環境設定への「Fix OpenXR Orientation」の追加
- 環境設定の入力デバイスへ「Graphics Tablet Mode(ペンタブレットモード)」の追加
- 矩形選択ツールの追加
- VR/XRビューの追加
- Escapeキーで選択全体をクリアするのではなく、現在の選択ドラッグ操作のみを中止する挙動への変更
- インポート時にポーズ/ポイントを再センタリングする際のデフォルトカメラの移動
- ツールダイアログの深度ブラシ選択ツールボタンを最大深度チェックボックスへ置き換え
- 最大選択深度の視覚化の改善
XR
- 環境設定へ「Observer Scale」パラメータの追加
修正を見る
Framework
- BlackwellアーキテクチャのGPU環境でカメラトラッキングに失敗する問題の修正
- サポートされているドライバがない場合、起動時にクラッシュすることがある問題の修正
- 特定のUnicodeファイル名を持つプロジェクトファイルを読み込む際のクラッシュの修正
Image
- 一部の低解像度動画ファイルを読み込む際のクラッシュの修正
- 奇数解像度の動画ファイルをレンダリングする際のクラッシュの修正
- 特定の状況下でマスクファイルの読み込みに失敗する問題の修正
- 画像の再配置時にカメラのポーズが破損することがある問題の修正
- 3DGSトレーニングの前にプロジェクトを保存した場合、一部のフォーマットからインポートしたカメラが正しく保存されない問題の修正
- 画像のサブ選択で16bit画像がサポートされていなかった問題の修正
Import
- 一部のカメラが破棄されることがある問題の修正
- ポーズ/ポイントの再センタリング時にRdncFieldのトランスフォームが調整されなかった問題の修正
- ポイントクラウドのみをインポートした場合にエラーメッセージを表示するよう修正
- BlockExchangeファイルに埋め込まれたタイポイントが誤って量子化されていた問題の修正
IO
- 未使用の属性を持つPLYファイル(Realsee Galoisなどで生成)のインポートに失敗する問題の修正
- 画像/動画のパスに特定のUnicode文字が含まれているとカメラトラッキングに失敗する問題の修正
- 一部の3DGS PLYファイルの読み込みに失敗する問題の修正
Render
- 複数のスケールされたRdncFieldをレンダリングする際の深度順序が正しくない問題の修正
Scene
- プロジェクトを開く際に、再センタリングされたRdnc Fieldノードの位置が正しく復元されなかった問題の修正
SfM
- 一定の条件下でカメラトラッキングに失敗する問題の修正
Splat
- 特定の条件下でMCMCプロファイルにアーティファクトが発生する問題の修正
- トレーニング開始時に散発的にクラッシュする問題の修正
- EXR/TIF入力ファイルのアルファチャンネルが正しく処理されていなかった問題の修正
- Sky Modelのトレーニングに欠陥があった問題の修正
UE
- 一部の構成でプロジェクトをパッケージングする際のビルドの問題の修正
- 一部のシステムでUE 5.6でクラッシュを引き起こす問題の修正
- 深度の合成が正しく行われない問題の修正
- ファークリップが早すぎる問題の修正
- RdncField Actorのピボットポイントが正しく設定されていなかった問題の修正
UI
- 欠落している画像の属性を取得しようとする際に特定の条件下で発生するクラッシュの修正
- ファイルダイアログがアクセス権のないデフォルトフォルダで開いた際のクラッシュの修正
- 特定の条件下で不可視のプリミティブが選択されてしまう問題の修正
- 「Create Sky Model」使用時にUIがフリーズする問題の修正
- ビューポートカメラの操作後、マウスポインターが非表示のままになることがある問題の修正
- カメラのターゲットを変更するためのダブルクリックが正しく動作しなかった問題の修正
- 画面中心から遠く離れた位置でビューポートカメラの移動(トラック/ペデスタル)の感度が高すぎた問題の修正
- ダブルクリックによるカメラのターゲット指定が機能しなかった問題の修正
- 24時間以上の期間でタイマーのフォーマットがループしてしまう問題の修正
- ドラッグ&ドロップでプロジェクトを開いた際、即座に変更済みとしてマークされてしまう問題の修正
- XRの向きの設定が保存/読み込みされなかった問題の修正
- 画像セット/画像のプロパティ/サイズが更新されないことがあった問題の修正
- 選択モード(追加/除外/交差)の切り替えが正しく機能しなかった問題の修正
Viewport
- 一部のドライバ/GPUの組み合わせでレンダリングする際のクラッシュの修正
XR
- XRデバイスが利用できない環境でアプリケーションが起動しない問題の修正(※既存プロジェクトを更新する場合は、Rdnc Fieldコンポーネントの General > Transform > Location をリセットしてください)
価格とシステム要件
Postshot は、Windows 10以降のOSと、Nvidia製の指定GPU(GeForce RTX 2060, Quadro T400/RTX 4000以上)を搭載したコンピューターで利用できます。
以下の記事をご覧ください。























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