Substance 3D Painter 11.1 がリリース!新しいリボンパスツール、Vulkanサポートなどなど

CGソフト

2025年11月18日(現地時間)- Adobe は、3Dペイントソフトウェアの最新アップデート Substance 3D Painter 11.1 のリリースを発表しました。

新機能ハイライト

今回のアップデートには、専用コンテンツを備えた新しいリボンツール、塗りつぶしレイヤーのシンメトリ対応、ディスプレイスメントの物理サイズパラメータ、更新されたベイカーによるパフォーマンス向上、WindowsおよびLinuxでの完全なVulkanサポート、その他の改善が含まれています。

新しいリボンツール

新しいリボンツール (New Ribbon tool)は、テクスチャをパスに沿って変形・反復させる新しいパスツールです。従来の点描(スタンプ)方式とは異なり、画像全体をメッシュのように扱うことで、継ぎ目のない連続したストロークを描画することができます。

新しいリボンツールは、インターフェース上の他のパス系ツール(Paint、Eraserなど)と同じ個所に追加されています。ツールバーから直接アイコンを選択するか、パスタイプのショートカットを使用して切り替えることが可能です。

主要機能と挙動

  • 閉じたパスの自動処理: パスを閉じた(ループさせた)場合、Substanceリソースで定義されている「始点」と「終点」の形状が自動的に削除され、継ぎ目が完全に馴染むよう処理されます。
  • 頂点ごとの制御: パス上の制御点(頂点)ごとに、サイズと不透明度を個別に調整可能です。これにより筆圧に依存せず、部分的なフェードアウトや太さの強弱をつけられます。
  • アスペクト比の維持: 正方形以外のテクスチャを使用した場合でも、パスの長さに合わせてアスペクト比が自動調整されます。

UIの変更点

  • プレビューの削除: Paint、Eraser、Smudgeなどのパスツールにおいて、プロパティウィンドウ内の「パス/マテリアルプレビュー」が削除され、UIがすっきりと整理されました。
  • プリセットショートカット: プロパティウィンドウ上部にリボン専用のプリセットカテゴリーボタンが追加され、用途に合ったブラシへ素早くアクセスできます。

リボンツールの詳細機能

反復パターンとグラデーション

画像を様々な方法で繰り返すことができ、シームレスで切れ目のないパターンを作成できます。また、パス全体を使った綺麗なグラデーション表現にも適しています。

カスタム始点・終点とストレッチ

「Stretch between offsets」設定を使用すると、画像の特定部分を「始点」と「終点」として分離し、形状を維持したまま使用できます。中間部分のみがパスの残りの長さに合わせて引き伸ばされます。

多様なコーナータイプ

接線を分割してコーナー(角)を作成する際、ニーズに合わせて形状を選択できます。古典的な鋭い折れ曲がりから、滑らかなターンまで表現可能です。

パスに沿ったテキスト

フォントリソースをリボンパス上で直接使用できます。テキストはパスのカーブに合わせて自動的に変形します。整列(Alignment)設定を使用して位置を微調整できます。

タイリングとアスペクト比

画像の繰り返しやストレッチは、自動または手動で制御できます。

また、正方形ではないリソースもリボンパスの長さに合わせて自動的に調整されるため、細長いパターンやトリム素材の使用に最適です。

Dynamic Strokeとの連携

SubstanceベースのDynamic Strokeシステムと互換性があり、複雑な結果を作成できます。「Custom Ribbon Grayscale」および「Custom Ribbon Material」という2つのツールプリセットも提供されています。

自己交差時のブレンドモード

パスが自分自身と交差する際、予期しない結果になるのを防ぐため、Alpha、Normal、Heightチャンネル専用のブレンドモードが追加されました。これにより重なり部分のアーティファクトを解消し、自然な見た目を実現します。

シンメトリとの互換性

他のツールと同様に、リボンパスもシンメトリ(対称)機能と完全に互換性があります。複雑な装飾を左右対称に、かつ効率的に描画することが可能です。

以上に加えて以下のようなパスツール全般の改善も行われました。

  • 頂点ごとのサイズと不透明度の個別調整:パス上の頂点ごとにサイズと不透明度を調整できるようになりました。これらは筆圧パラメータとは切り離され、インターフェース上の専用スライダーで個別に制御できます。
  • プロパティウィンドウでのパラメータグループ化:Painterのほとんどのツールにおいて、パラメータが折りたたみ可能なグループに整理されました。これにより、不要なパラメータを隠してウィンドウの長さを短くし、作業効率を上げることができます。

チュートリアル

新しいリボンツールのチュートリアル動画が公開されています。

この動画では、従来の「Paint Along Path」との違いや、リボンを使うことで可能になる滑らかなグラデーションやテキストの配置、ステッチやジッパーなどの複雑なトリム表現の作り方が詳しく紹介されています。さらに、プリセットの活用方法やカスタムリボンの設定、角の処理や開始・終了部分の制御など、より精密で柔軟なテクスチャリングを行うための実践的なテクニックも確認することができます。。

New Ribbon Paths in Substance 3D Painter | Adobe Substance 3D

リボンツールの新コンテンツとカテゴリー

リボンツールの機能を最大限に活用するため、75種類の新しいツールプリセットが追加されました。これらに素早くアクセスできるよう、プロパティウィンドウに新しいカテゴリーUIが導入されています。

プロパティウィンドウの新しいカテゴリーショートカット:
パスツール使用時、プロパティ上部に一連のボタンが表示されます。各ボタンからカテゴリーごとに整理されたツールプリセットにアクセスできます。「Favorites(お気に入り)」カテゴリーにはユーザーが選んだプリセットがまとめられます。

アセットウィンドウとの連携:
ボタンをクリックすると、あらかじめ選択されたプリセットへ素早くアクセスできます。「Show more in Assets」をクリックすると、アセットウィンドウ内でさらに多くのパスツールプリセットが表示されます。

収録プリセットの新しいカテゴリー

以下のようなプリセットがアセットウィンドウのブラシセクション、またはプロパティウィンドウの新しいカテゴリーショートカットから直接利用可能です。

Apparel (アパレル)

改良された縫い目のパッカリング(シワ)、トップステッチ、ジッパー、布の裂け目など。

Basic (基本)

線や破線などのシンプルなストロークに加え、グラデーションやDynamic Strokeシステムに基づいた「Custom Ribbon」プリセット。

Grunge (グランジ)

様々な表面のダメージをシミュレートする3種類のクラック(ひび割れ)。

Hard surface (ハードサーフェス)

グリップパターン、パネルやシャットラインのディテール、テープ、メカニカルなオブジェクト用の溶接痕。

Organic (オーガニック)

清潔な包帯や汚れた包帯など、肌や表面に巻き付ける表現用。

Paint (ペイント)

ブラシベースのグラデーションやガッシュ(不透明水彩)風プリセット。

Text (テキスト)

異なる整列モードやストレッチ設定を持つ、リボンパス上のテキスト配置用クイックプリセット。

プリセット切り替えの高速化

プリセットをクリックしても編集中のパスの選択が解除されなくなりました。これにより、異なる見た目を簡単に切り替えて試すことができます。

アセット検索用の新しいキーワード

アセットウィンドウで “ribbon”, “paint”, “path”, “smudge” と入力することで、対応するツールにマッチするプリセットを検索できるようになりました。

塗りつぶしレイヤーとエフェクトのシンメトリ対応

塗りつぶし(Fill)レイヤーやエフェクトの3D投影モードにおいて、シンメトリ(対称)機能がサポートされました。コンテキストツールバーのシンメトリメニュー、またはプロパティウィンドウに追加された新しいシンメトリセクションから有効化できます。

塗りつぶしレイヤーでのシンメトリ

Fillエフェクトやレイヤーで3Dベースの投影モードを使用する際、シンメトリを有効にできます。ミラー(鏡面)対称とラジアル(放射状)対称の両方が利用可能です。

設定UIへのアクセス改善

ペイントツールと同様に、コンテキストツールバーのメニューからシンメトリを有効化できます。また、プロパティウィンドウの専用セクションからもアクセス可能です。

テキストやロゴのための入力リソース反転

塗りつぶしレイヤー等のシンメトリには、入力画像やX/Y軸を反転(フリップ)させる新しいオプションが追加されています。これにより、例えばテキストをミラーリングする際、文字が裏返しになるのを防ぎ、反対側でも正しく読める状態で配置できます。

改善されたシンメトリ設定インターフェース

シンメトリ設定のUIが見直され、読みやすく迅速に使えるようになりました。

例えば、各軸のスライダーが独立した行に配置され、より精密な操作が可能になっています。

また、ラジアル表示はスペースを節約するために小型化されました。

ディスプレイスメントの物理サイズ指定

ディスプレイスメント(変位)を特定の単位で定義できるようになりました。この変更により、他のアプリケーション間で変位したジオメトリの位置合わせやマッチングがしやすくなりました。

ディスプレイスメント設定の新しいスケール単位オプション

Shader settingsウィンドウでDisplacementの強度を調整する際、新しいスケール単位(Scale Unit)設定が利用可能です。

  • Normalized : デフォルト設定。Painterの従来の挙動と一致します。このサイズは現在のプロジェクト内のメッシュのバウンディングボックスに基づきます。
  • Scene: メッシュファイル内に保存されている単位を参照点として使用します。
  • Physical size (cm): Project configuration(プロジェクト設定)ウィンドウで定義されたプロジェクトの単位を使用します。

Windows/Linux向けの新Vulkanグラフィックスバックエンド

前バージョンでのmacOS版Metal移行に続き、WindowsおよびLinuxプラットフォームではグラフィックバックエンドがOpenGLからVulkanへと変更されました。

これはPainterの将来的な機能拡張のための重要な基盤となります。

パフォーマンスと将来性

Painterはビューポートのレンダリングやテクスチャ計算にVulkanグラフィックスAPIを使用するようになりました。これによりアプリケーション全体のパフォーマンス向上が見込まれ、将来的な新機能の統合も容易になります。

VulkanによるGPUレイトレーシング(Baking)

ベイカーにおいて、DirectX Raytracing (DXR) や OptiX が、Vulkan経由のレイトレーシングに置き換えられました。

  • AMD GPU対応: GPUベースのレイトレーシングがAMD製GPUでも利用可能になりました。
  • Linux対応: Linux OS上でもGPUレイトレーシングが利用可能になりました。
  • 高速化: Vulkanへの切り替えにより、特に高解像度でのベイク時間が短縮されます。

その他

このバージョンでは、他にも様々な機能追加や改善が行われています。

Substance解像度のオーバーライド

ツールや塗りつぶしレイヤー/エフェクト内でSubstanceリソースを使用する際、新しいResolution(解像度)パラメータグループが利用可能になりました。

これを使って、アプリケーションがデフォルトで選択する解像度を変更できます。品質向上のために解像度を上げたり、パフォーマンス確保のために下げたりするのに便利です。

  • Resolution: 解像度の計算に使用するモードとコンテキストを定義します。デフォルトはAutoですが、Texture SetやCustomに設定可能です。
  • Factor: 解像度をさらに制御するための設定。例えば、特定のコンテキストの半分の解像度を使用するといった相対的な差異を作成できます。
  • Output size: 上記の設定に基づいて計算された最終的な解像度です。

単一の巨大な三角形でのパフォーマンス改善

これまでPainterは、非常にローポリゴンのメッシュや、非常に大きい/長い三角形を持つメッシュで処理が重くなることがありました。この問題が解消されました。タイリングテクスチャ作成のために単一の四角形(Quad)メッシュで作業する場合なども、問題なく動作します。

改良されたデフォルトブラシ形状

デフォルトのブラシ形状が更新され、硬さ(Hardness)の挙動を考慮しつつ、サイズと真円度(Roundness)を制御する新しい設定が追加されました。

修正されたバグ

  • クラッシュ: パススナップ有効時に別プロジェクトをロードするとクラッシュする問題の修正。
  • クラッシュ: 別セッションの情報をクリップボードに持った状態でパスパネルを右クリックするとクラッシュする問題の修正。
  • UI: パス作成時にツールプロパティが意図せずスクロールアップする挙動の修正。
  • UI: パスのビューポート表示を非表示にするとマウスカーソルが消える問題の修正。
  • ツール: 消しゴムや指先ツールのプリセットがチャンネル選択状態を正しく更新しない問題の修正。
  • ツール: マスク内でカラー付きツールプリセットをロードした際、描画値はグレーだがUI上は白と表示される不整合の修正。
  • Substance: グラフ内で定義された法線色空間のオーバーライドが無視される問題の修正。
  • コンテンツ: デフォルトのブラシ形状リソースが古いSubstanceを使用していた問題の修正。

既知の問題

  • リボン: UVタイル(UDIM)使用時にパフォーマンスが低下する場合がある。
  • リボン: コーナーの後でパスが予期せず自己交差する場合がある。
  • リボン: 端点近くにポイントを移動させると接線がループを作ることがある。
  • ベイキング: 複数のテクスチャセットで「名前でマッチング」有効時、AO設定の「Self Occlusion」が無視される。
  • Linux: ACEを使用したHDR色空間変換で色がクランプされる。

その他すべての更新内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

Substance 3D Painterは、Windows 10 (64bit)以降、macOS 11 Big Sur以降、Linuxで利用できます。

より詳しいシステム要件はこちらから

注意:このバージョンの Painter では、Mac Intel 構成のサポートが削除されました。

Adobe Substance 3D Painterは、Adobe Substance 3D アプリのサブスクリプションプランに含まれています。

  • Adobe Substance 3Dテクスチャリングプランには、Painter、Designer、Samplerアプリと、豊富な3Dアセットをオンデマンドで利用可能、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。 
  • Adobe Substance 3D Collectionプランには、Painter、Designer、Sampler、Stager、Modelerアプリと、豊富な3Dアセットをオンデマンドで利用可能、100GBのクラウドストレージ、100 – 毎月の生成クレジットが含まれています。 
  • グループ版Adobe Substance 3D Collectionプランには、5つのアプリ、豊富な3Dアセットをオンデマンドで利用可能、1TBのストレージとライセンス管理や高度なサポートが含まれています。

価格は次のようになっています。

Adobe Substance 3D
テクスチャリング
月々プラン月々払い3,380円
年間プラン月々払い33,880円
Adobe Substance 3D
Collection
月々プラン月々払い8,180 円
年間プラン一括払い81,880円
グループ版
Adobe Substance 3D
Collection
年間プラン月々払い16,280円
年間プラン一括払い195,360円

最新価格ページへ

学生・教員向けライセンス

Substance 3Dは、大学・高等教育機関向けCreative Cloudコンプリートプラン(小中高校は対象外)に含まれており、追加料金なしで利用できます。高等教育機関向けプランにアセットは含まれていません。

Substance 3D Collection アプリは、高等教育機関の学生と教師が無料で利用できます。(非営利、教育目的での使用のみ)

■Steam版ライセンス

Adobe Substance 3D Painter はSteamでも購入可能です。

価格は個別の買い切り価格が22,000円(Modelerは16500円)です。

Painter、Designer、Modelerが利用可能な Substance 3D Indie サブスクリプションが2800円/月です。

※スタンドアロン版(個別の買い切り)を購入の場合は、2026年3月まで無償で機能アップデートが受けられるようです。

Adobe Substance 3D Painter Steam ページへ


Substance 3D Painterウェブサイトへ

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