2026年3月5日(現地時間)- EpicGamesは、デジタルヒューマン作成ツール「MetaHuman」の機能がUnreal Engine内に完全に統合されたことに伴い、これまで提供されてきたWebブラウザ版の「MetaHuman Creator(MHC)」を段階的に提供終了することを発表しました。
MetaHuman Creator ウェブアプリ終了の背景
約5年前にリリースされたWeb版の「MetaHuman Creator」は、リアルなデジタルヒューマンを誰でも簡単に作成できる環境を提供し、ゲームや映画、その他のデジタル体験におけるキャラクター制作の新たな標準を確立しました。これまでに数百万ものMetaHumanが作成されています。
その後、2025年6月のUnreal Engine 5.6リリースに伴い、Unreal Engine内蔵のMHC(MHC in Unreal Engine)が実装され、早期アクセス期間が終了しました。さらに、直近のUE 5.7リリースでは、Unreal Engine内でのMetaHumanのキャプチャ、作成、アニメーション機能がさらに強化されています。
こうしたアップデートによって、MetaHuman の作成から管理までを Unreal Engine の中だけで完結できる環境 が整ったため、Web 版 MetaHuman Creator は役割を終え、サービス終了という流れになりました。
段階的な提供終了のスケジュール
すでにUE 5.6のリリース時点から、Web版アプリケーションはUE 5.5の仕様で機能が凍結されており、新規ユーザーの登録は停止されています(新規ユーザーは直接UE内のMHCへと誘導されます)。
既存のWeb版アプリケーションは、ユーザーが作成したデータを確実に回収できるよう、以下のスケジュールで段階的にアクセスが制限されます。
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2026年4月5日UE 4.27 / 5.0 / 5.1向け機能停止
UE 4.27、5.0、5.1向けのMetaHuman Creatorのバージョン選択機能がアクセス不可になります。この日以降、これらのバージョンでの編集セッションは開始できなくなりますが、Quixel Bridgeを通じたキャラクターのエクスポートは引き続き可能です。
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2026年6月5日UE 5.2 / 5.3 / 5.4向け機能停止
UE 5.2、5.3、5.4向けのバージョン選択機能がアクセス不可になります。編集セッションの開始はできなくなりますが、Quixel Bridgeを通じたエクスポートは引き続き可能です。
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2026年11月5日 【完全終了】UE 5.5向け機能停止 = Web版への全アクセス終了
UE 5.5向けのバージョン選択機能がアクセス不可となり、これをもってWeb版MetaHuman Creatorへのすべてのアクセスが完全に終了します。
※アクセス終了後も、ギャラリーに保存されているMetaHumanを取得するための90日間の猶予期間が設けられます。この90日間を過ぎると、Quixel BridgeやUEFNのMetaHuman Importer経由でのダウンロードも一切できなくなります。
作成済みアセットの保護と移行手順
ギャラリー内に保存されているMetaHumanが不要な場合は、特別な対応は必要ありません。既存のデータを保持、または引き続き編集したい場合は、以下のいずれかの対応を行う必要があります。
そのままUnreal Engineで使用し続ける場合
作成済みのMetaHumanをそのままUnreal Engineで利用したい場合は、Quixel Bridgeを使用して、該当するバージョンのUnreal Engineへエクスポートを行ってください。
今後もMetaHumanの編集(オーサリング)を続ける場合
引き続きキャラクターの編集を行いたい場合は、まずWeb版MetaHuman Creator上でキャラクターをUE 5.5仕様にアップグレードする必要があります。
Unreal Engine内蔵MHCへの移行手順を見る
必須条件:UE 5.5仕様にアップグレードされたデータと、MetaHuman Creatorプラグインが有効な UE 5.6以上 のプロジェクト
- UE 5.6以上のプロジェクトを開き、メニューから内蔵の Quixel Bridge を起動してサインインします(※スタンドアロン版は使用不可)。
- MetaHumanセクションで対象キャラクターを探し、Quality Level(品質)を Cinematic (Complete) に設定してダウンロードします。
- ダウンロード完了後、「Add(追加)」をクリックし、表示されるプロンプトで以下のいずれかを選択します。
- Migrate(移行): 今後UE内のMHCで再編集可能なアセットとして移行します。
- Import and Migrate: 上記に加え、髪(グルーム)や服装を含めて移行します(※服装は後から手動で割り当てる必要があります)。
- 移行されたMetaHumanは、Web版と同じ名前でプロジェクト内の
/Game/MetaHumansフォルダに保存されます。
※注意:「Import(インポート)」のみを選択すると今後の再編集ができなくなります。また、基盤技術のアップデートにより、移行後のキャラクターはWeb版と完全に同じ見た目にはならない場合があります。
より詳しい情報は、こちらの公式手順をご覧ください。
最終期限後のデータ削除について
2026年11月5日の完全終了後、90日間のデータ取得猶予期間(Quixel Bridge経由でのアクセス)が提供されますが、この期間が過ぎると、アカウントに関連付けられているすべての残存MetaHumanデータはサーバーから削除されます。
移行に関する注意点
移行後の衣装について
移行完了後は、Unreal Engine内のMetaHuman Creatorを使用して引き続きキャラクターの編集が可能です。ただし、UE内蔵版のMHCには、デフォルトではWeb版ほど多様な衣装(アウトフィット)が用意されていません。追加の衣装が必要な場合は、FabのMetaHumanチャンネルから入手することができます。
※なお、公式フォーラムでのスタッフの回答によれば、Web版で利用可能だった過去のレガシー衣装についても、近い将来(何らかの形で)リリースされる予定とのことです。
将来のエンジンバージョン(UE 5.7以降)との互換性について
公式フォーラムでのEpic Gamesスタッフの回答によると、一度UE 5.6以上の内蔵MHCへ移行(Migrate)を完了させたMetaHumanアセットは、今後リリースされる新しいバージョンのUnreal Engineに対しても前方互換性(forward compatible)が保たれます。そのため、将来エンジンがアップデートされた際も、引き続きキャラクターの使用や編集が可能です。
移行可能なデータバージョンについて
Unreal Engine内のMHCへ移行できるのは、Web版MHCの「UE 5.5バージョン」で作成・保存されたデータのみです。それ以前の古いバージョンで作成されたデータは、移行前に一度Web版上でUE 5.5へアップグレードしておく必要があります。
※UE 4.27バージョンで作成されたMetaHumanは、アップグレードおよび移行の対象外となりますのでご注意ください。
過去バージョン(UE 5.6以前)での利用について
すでにUnreal Engine内にエクスポートされている既存のMetaHumanについては、引き続きそのまま使用することが可能です。ただし、今後それらのキャラクターを再編集(オーサリング)したい場合は、UE 5.6以上の環境へのアップグレードが必須となります。
MetaHuman Animatorの機能制限について
Web版アプリケーションが完全に提供終了した後は、UE 5.2〜5.5向けのMetaHumanプラグイン(UE MarketplaceやFabで提供されているもの)における「Auto-Rig Identity (Skeletal Mesh + Full MetaHuman)」機能は使用できなくなります。ただし、メッシュのみを対象とする「Auto-Rig Identity (Skeletal Mesh Only)」機能については、引き続きご利用いただけます。


























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