Final Cut Pro & Motion アップデートがリリース!インテリジェントな検索やAIによって強化されたマスク機能が追加

CGソフト

2026年1月29日(現地時間)- Appleは、動画制作のワークフローを刷新する大規模なアップデートを実施し、Mac向け「Final Cut Pro 12」、iPad向け「Final Cut Pro 3.0」、そしてモーショングラフィックスツール「Motion 6.0」をリリースしました。

また、これらのアプリは先日発表された「Apple Creator Studio」サービスの一部として利用可能となっています。

今回のアップデートは、AI技術を駆使した「インテリジェントな検索」や「自動化」が中心となっており、膨大な映像素材の管理や複雑な合成作業の手間を大幅に削減することが可能となっています。

ここでは、Mac向け「Final Cut Pro 12」、iPad向け「Final Cut Pro 3.0」、そしてモーショングラフィックスツール「Motion 6.0」の新機能を合わせて紹介したイと思います。

Final Cut Pro 12 (Mac) の新機能

インテリジェンス検索:文字起こしとビジュアル

ライブラリ内のメディアを自然言語で検索できる強力な機能が実装されました。これにより、ファイル名やタグ付けに依存しない直感的な素材管理が可能になります。

  • 文字起こし検索:映像内で話されている言葉(ダイアログ)を解析し、検索対象とします。ユーザーは特定の単語や語句を入力するだけで、その言葉が話されているシーンを瞬時に特定できます。「完全一致」検索のほか、内容を説明するような自然な文章での検索にも対応しています。
  • ビジュアル検索:映像に映っている内容そのものを検索できます。「海辺」「走っている人」「赤い車」など、具体的なオブジェクトや動作、場所を自然言語で入力することで、該当するカットを素早く見つけ出すことができます。

解析に関する注意:
これらの機能はバックグラウンドでのクリップ解析に依存します。

  • マルチカムクリップや同期クリップ自体は解析されませんが、ソースクリップが解析済みであればアクティブアングルなどが結果に表示される場合があります。
  • 複合クリップは解析対象外のため、文字起こし検索やビジュアル検索の結果には表示されません。

参考:クリップおよびプロジェクトを探す

ビート検出と音楽編集の強化

音楽を使用した映像編集を支援する「ビート検出」機能が追加されました。

この機能を使用すると、インポートした楽曲をインテリジェントに解析し、曲の構成要素であるパート、小節、ビートをタイムライン上に視覚的なグリッドとして表示しすることができます。

編集者はこのビートグリッドを目安にすることで、音楽のリズムに正確に合わせたカット割りやエフェクトのタイミング調整を簡単に行えるようになります。

新しいコンテンツライブラリ

Apple Creator Studioのサブスクリプション契約者向けに、映像のクオリティを高めるための新しいグラフィック素材が追加されています。

  • ダイナミックなタイトル:視覚的にインパクトのあるタイトルテンプレートにより、ビデオの導入部や強調したいメッセージを効果的に演出できます。
  • カスタマイズ可能なグラフィック要素:独自性を加えるための様々なグラフィックパーツが用意されています。
  • カウントダウンとタイマー:映像のペース配分や演出に利用できる、デザインされたタイマー素材が利用可能です。

Motion 6.0 (Mac) の新機能

モーショングラフィックス作成ツールMotion 6.0ではAIによって強化された次世代のマスク機能が追加されました。

マグネティックマスク

マグネティックマスクは、AIによって強化された次世代のマスク機能です。

従来、被写体を背景から切り抜くためには、撮影時にグリーンスクリーンを使用するか、フレームごとに手動でマスクを調整する「ロトスコープ」という非常に時間のかかる作業が必要でした。

新しい「マグネティックマスク」は、映像内の人物やオブジェクトを自動的に認識し、背景から分離します。これにより、作成されたマット(切り抜き情報)を使って、別の背景画像とシームレスに合成することが可能です。

主な操作と特徴

  • 直感的な選択:「加算スポイト」で対象をクリックするだけで、AIがオブジェクトやシェイプを認識してマスクを作成します。数個のコントロールポイントを指定するだけで十分機能します。
  • 柔軟な調整:選択範囲から除外したい部分は「削除スポイト」を使って簡単に取り除くことができます。
  • 自動トラッキング解析:マスクを作成した後、「解析」ボタンを押すことで、クリップの動きに合わせてマスクが前後のフレームへ自動的に適用されます。手動でフレームごとに位置を合わせる手間が不要になります。
  • 複数マスクの対応:1つのクリップに複数のマグネティックマスクを追加し、それぞれ個別に調整することも可能です。

Final Cut Pro 3.0 (iPad) の新機能

iPad版のFinal Cut Pro 3.0は、タッチインターフェイスならではの機動性と、デスクトップ並みの編集能力の両立を目指したアップデートが行われています。

Mac版と同等のインテリジェンス機能

Mac版Final Cut Pro 12で導入された主要なAI機能が、iPad版でも利用可能です。

  • 文字起こし検索 & ビジュアル検索:iPad上のタッチ操作で、言葉や映像の内容から瞬時に素材を探し出せます。(※iPadOS 26が必要)
  • ビート検出:iPadでの編集においても、楽曲のリズムに合わせた正確なカット編集を支援します。

モンタージュメーカー

モンタージュメーカーを使用すると、プロジェクトからメディアを選択するだけで、モンタージュメーカーが視覚的なハイライトを自動的に特定し、選択した楽曲のビートに合わせて編集されたシーケンスを作成することができます。

この機能はSNSへの素早い共有や、編集の出発点として役立ちます。

作成の流れとカスタマイズ

  • メディアの選択と作成:ブラウザ内のすべてのメディア、またはフィルタリング/選択した特定のクリップを使用して「モンタージュを作成」を実行します。AIが自動的にハイライトを選出し、自動クロップやKen Burnsエフェクトなどを適用して配置します。
  • プレビューと調整:タイムラインに追加する前に、専用の編集画面で以下の調整が可能です。
    • クリップの整理:ドラッグ操作での並べ替え、削除、置き換え、または新しいクリップの挿入。
    • 音楽(BGM):内蔵曲や読み込んだ楽曲を追加可能。編集点はビートに合わせて自動調整されます。
    • 外観の変更:再生速度、アスペクト比の変更、および被写体に合わせてリフレームする「自動クロップ」の設定。
    • メディアの追加:構成上自動的にスキップされたクリップを手動で復活させることも可能です。
  • タイムラインへ追加:調整が完了したシーケンスは、ボタン一つでメインのタイムラインに展開され、通常のプロジェクトとして編集を継続できます。

※この機能の利用には iPadOS 26 が必要です。

プロフェッショナルワークフローの強化

iPadでの本格的な編集作業をサポートするため、以下の機能強化が行われました。

  • インスペクタの複数選択対応:タイムライン上で複数のクリップを選択し、インスペクタで一括してパラメータの調整や変更を行えるようになりました。これにより、色補正やオーディオ設定などの繰り返し作業が大幅に効率化されます。
  • バックグラウンド書き出し:書き出し処理をバックグラウンドで実行できるようになりました。書き出し中も編集作業を続けたり、他のアプリを使用したりすることが可能です。進行状況はライブアクティビティで確認できます。(※M3チップ以降を搭載したiPadが必要です)
  • 外部モニタ拡張:外部ディスプレイを接続してワークスペースを拡張できます。プレビュー画面を大きく表示したり、タイムラインを広く使用したりすることで、より快適な編集環境を構築できます。

体験用デモプロジェクト

新機能をすぐに試すことができる特別なデモプロジェクトが同梱されています。

才能あるシンガーソングライター、Allie Sherlock(アリー・シャーロック)を取り上げたプロジェクトを通じて、実際の編集データを見ながら新しい機能を体験・学習することができます。

価格とシステム要件

今回のアップデートに伴い、アプリケーションの提供方法に大きな変更がありました。2026年1月29日(木)より、従来の単体購入に加え、サブスクリプションサービス「Apple Creator Studio」が開始されました。

アプリ単体での利用価格

この記事で紹介しているアプリケーションは、バンドル(Apple Creator Studio)を利用せずに個別に利用することも可能です。

Macアプリ (買い切り)

アプリ名価格
Final Cut Pro (Mac)50,000円
Motion8,000円

iPadアプリ (サブスクリプション)

アプリ名月額年額
Final Cut Pro (iPad)700円7,000円

Apple Creator Studio (サブスクリプション)

アイデアを実現するために設計された、Appleの強力なクリエイティブアプリ(Final Cut Pro, Logic Pro, Motion, Compressor, Pixelmator Pro, MainStageなど)のコレクションです。以下の価格ですべて利用可能になります。

プラン月額年額
一般価格1,780円17,800円
学生・教職員価格480円4,800円

すべての新規サブスクリプション登録者は、1か月間の無料トライアルを利用できます。また、新しいMacまたは対象となるiPadを購入したお客様は、Apple Creator Studioを3か月間無料で利用できます。

Apple Creator Studio の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。

システム要件

新機能を利用するためには、OSおよびハードウェアのアップデートが必要になる場合があります。

  • Mac版 (Final Cut Pro 12 / Motion 6.0): macOS 15.6 以降が必要です。
  • iPad版 (Final Cut Pro 3.0): iPadOS 26 以降が必要です。
    • 「文字起こし検索」「ビジュアル検索」「モンタージュメーカー」の利用には iPadOS 26 が必須です。
    • 「バックグラウンド書き出し」機能の利用には、M3チップ以降を搭載したiPadモデルが必要です。

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