2026年1月13日(現地時間) – DIMENSION 5 は、建築ビジュアライゼーション向けリアルタイムレンダリングツールの最新アップデート D5 Render 3.0のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
このアップデートでは、自然表現や建物生成、操作性の改善に加えて、AI を活用したシーン調整やアセット推薦、画像からの 3D 生成など、制作をより直感的で効率的にする機能が多数追加されています。
海洋シミュレーション
波や海岸線、泡、水の質感、さらには水とオブジェクトの物理的な相互作用まで再現できる、水面シミュレーションのための海の生成機能が追加されました。
シーンにOceanオブジェクトを追加すると、地形の範囲を自動的に検出し、海から陸への自然なつながりを持つ動的な海面を効率的に生成できます。

基本操作とパラメータ制御
Oceanはツールバーの「Terrain」アイコンから追加でき、選択するとリソースリストにオブジェクトが作成されます。

右側のコントロールパネルでは、海面の高さや波のスケール、波の高さ、流れの速さといった基本設定に加えて、水の吸収や散乱、透明度など、海面全体のマテリアル表現も調整できます。また、水中の光の散乱や濁りを再現するボリューム効果にも対応しており、海中の雰囲気をより自然に表現できます。
海岸線(Coastline)の生成ロジック
海岸線については、地形やジオメトリと海面の交差部分を自動的に検出し、潮の満ち引きや浅瀬の光の揺らぎなどを含む自然な海岸表現を生成します。現在のところ、海岸線の生成範囲は5120m × 5120mに固定されていますが、その範囲内で波の幅や速度、泡の強さ、沖側の泡の分布などを細かく調整できます。

さらに、Coastline Anchorを設定すると、選択したオブジェクトの周囲に海岸線を自動生成できます。個別オブジェクトのみ対応しており、グループ化されたオブジェクトやパスベースのオブジェクトなどは対象外ですが、最大50個までアンカーを設定できます。
なお、海岸線の更新トリガーについては以下の仕様となっています。
- 自動更新: アンカーの追加、地形の編集、海面の高さ変更などを行った場合。
- 手動更新: アンカーの削除や編集を行った場合。
海岸線のマテリアルは、海面と地面の高さ差に応じて自然に変化するよう設計されており、距離が近いほど海岸の質感に、離れるほど海面の質感に寄っていきます。吸収や散乱の調整によって、浅瀬の透明感や濁り具合をコントロールでき、より自然な水際表現を作り出すことができます。
ボリューメトリッククラウド&プリセット
環境光や天候システムと統合された、より立体的でリアルな雲の生成システムが導入されました。これにより、単なる背景画像ではなく、光と影の相互作用を持つ物理的な雲としてシーンに統合されます。

プリセットも豊富に用意されており、積雲(Cumulus)、層積雲(Stratocumulus)、層雲(Stratus)、高積雲(Altocumulus)、積乱雲(Cumulonimbus)、巻雲(Cirrus)、そして快晴(Clear Blue Sky)など、ワンクリックで多様な空の表情を作り出すことが可能です。また、過去のプロジェクトとの互換性を保つため、「Legacy」プリセットも用意されており、既存シーンの見た目が意図せず変更されることを防いでいます。
Displacement Material (Beta)
Displacement Material がベータ版として追加されました。
Displacement Materialは、従来のパララックス効果だけに頼らず、モデルのジオメトリ自体を変形させる「True Displacement」を統合したマテリアルテンプレートです。これにより、より立体的でリアルな凹凸表現を実現できます。
従来のParallax Displacementは、ジオメトリを変更せずにシェーディングで凹凸を表現するため、負荷が軽くレンダリングも高速です。一方、新しく追加されたTrue Displacementは、ハイトマップをもとにモデルの形状そのものを変形させるため、精度の高いマテリアルやクローズアップの表現に適しています。
使用する際は、まずマテリアルを選択してDisplacementテンプレートを適用し、ハイトマップを挿入したうえで「More Settings」からTrue Displacementを有効にします。なお、ハイトマップが設定されていない場合は「More Settings」が表示されません。
True Displacementには、以下の調整項目が用意されています:
- Subdivision Level: メッシュの細分化量を設定でき、値を上げるほど細かな変形が可能になりますが、その分ジオメトリ数が増え、メモリ使用量やレンダリング時間も増加します。
- Vertical Offset: 変形によってモデルが持ち上がって見える場合に位置を調整するためのもので、地面とのズレを防ぐのに役立ちます。
- Maintain Continuity: 有効にすると、モデルの構造が途切れたり穴が開いたりするのを防ぎます。
- Remesh: トポロジーを整え、三角形のサイズが不均一な場合や形状が乱れている場合に改善できます。
なお、True Displacementはライブシンクされたモデルでは使用できません。利用したい場合は、リソースリストから対象モデルを選び、右クリックで「Non-Live sync」モードに切り替える必要があります。ただし、その後LiveSyncプラグインでモデルを置き換えると再びTrue Displacementが無効になる点には注意が必要です。
カスタム背景色
EffectsのStyleに「Custom Background Color」が追加され、3Dビューポートの背景色を柔軟に調整できるようになりました。この機能は、特定のプロジェクトで背景色を統一したい場合や、コンポジション用の素材をレンダリングするとき、あるいは平行投影ビューを扱う際などに役立ちます。
設定した背景色はビューポートにのみ適用され、モデルや環境光、反射には影響しません。また、Outlineモードで背景色が設定されている場合は、そちらが優先されます。カスタム背景色を反映させたい場合は、Outlineモードをオフにする必要があります。
AI Agent: Scene Match & Asset Recommendation
自然言語処理を用いたAIアシスタント機能「AI Agent」が搭載されました。これにより、ユーザーの意図を汲み取り、シーン構築を半自動化することが可能です。
AI Scene Match
AI Scene Match(シーンマッチ)は、ユーザーが意図を文章で伝えるだけで、AI Agentがモデルに適したライティングや環境設定を自動的に整えてくれる機能です。
たとえば、雰囲気を最適化したい、秋の夕暮れのような色調にしたい、画質を高めたい、色味を調整したい、特定のアートスタイルに寄せたいといった要望を伝えると、AI Agentが現在のシーンとカメラ設定をもとに参照画像を生成し、その雰囲気をシーンに反映します。

生成された参照画像に含まれる素材やモデルを分析し、D5 Asset Libraryから適したアセットを自動で推薦する機能も備わっているため、シーン制作の効率が大幅に向上します。また、AI Agentはセマンティックな反復にも対応しており、追加のプロンプトで参照画像をさらに調整できます。
AI Asset Recommendation
AI Asset Recommendation(アセット推奨)では、画像認識とテキスト認識の両方に対応しています。参照画像をアップロードすれば、そこに含まれる要素をもとに適したモデルを素早く提案してくれます(画像サイズは10MBまで)。テキストプロンプトを入力してアセットを検索し、そのままシーンに適用することもできます。

たとえば「Please recommend tree varieties suitable for aerial-view projects(航空写真向けの樹木をおすすめしてください)」と入力すると、用途に合った樹木モデルが提示され、すぐにプロジェクトに取り込めます。さらに、人工光源についても、意味ベースのコマンドでパラメータを自動調整できるため、照明設定の手間が減ります。
加えて、D5 BotにはIssue Report機能が追加され、問題内容をAIが自動で要約し、ユーザーがスクリーンショットを添付するだけでサポートチームに送信できるようになりました。送信後はサポートチケットが自動生成され、登録メールアドレスに返信が届くため、フォローアップもスムーズに行われます。
AI Image to 3D
AI Image to 3Dは、参照画像をもとにAIが立体モデルを自動生成する機能です。メインビュー画像をアップロードするだけで、AIが対象物を解析し、3Dモデルとして再構築してくれます。対応形式は.jpg、.jpeg、.pngで、ファイルサイズは最大10MBまで利用できます。
生成されるモデルの品質は、参照画像の解像度や明瞭さに大きく影響します。そのため、できるだけ高解像度(1040×1040ピクセル以上推奨)で、背景がシンプルで、照明が十分にあり、対象物がはっきり写っている画像を使用することが望ましいとされています。
さらに、Multi-angle viewsを有効にすると、最大3枚まで異なる角度から撮影した画像をアップロードでき、AIがそれらを統合してより精度の高い3Dモデルを生成できます。すべて同じ対象物を異なる角度から撮影した画像を使用することが重要で、複数の物体が写っている写真や混在した構図は避けたほうが良いとされています。なお、画像のアップロード順は生成結果に影響しません。
モデル名を入力して「Generate」ボタンを押すと、生成タスクが開始されます。また、Fixed Seedを使用すると、同じプロンプトで一貫した結果を得られるため、特定のモデルを再現したい場合に便利です。
パスツールの最適化
Pathツールの操作性と制御ロジックが最適化され、パスの作成や編集がこれまでより滑らかで柔軟に行えるようになりました。特にパス描画時の挙動や編集時の操作が改善され、意図しない動作が起きにくくなっています。
Curveパスモードには新たに「Handle Length」が追加され、パスノードの両端にあるハンドルの長さを細かく調整できるようになりました。これにより、曲線の形状をより正確にコントロールできます。また、パスの端点を選択した状態でパス上をクリックすると、新しいポイントを追加するのではなく、パス描画が継続されるようになり、操作の流れが自然になりました。さらに、Path Pointモードで右クリックしても編集状態が解除されなくなり、作業が中断されることを防げます。

パス上に配置するアセットについては、種類ごとに比率・回転・スケールなどのパラメータを個別に調整できるようになり、より細かなコントロールが可能です。これにより、異なるタイプのオブジェクトを混在させる場合でも、自然なバランスで配置できます。
また、「Random Seed」が追加され、ランダム配置のバリエーションを簡単に切り替えられるようになりました。ランダム間隔、ランダム回転、ランダムスケールのいずれかが有効になっている場合、Random Seedを変更することでオブジェクトの分布パターンが変化し、より自然で多様なパス表現を作り出せるようになりました。
City Generator: Procedural Buildings
City Generatorに「Procedural Building」が追加され、Stylesオプションを有効にすることで、建物の外観をスタイル別に生成できるようになりました。
利用できるスタイルは、標準的な「General」、ヨーロッパ風の「European」、ガラスを多用した「Glass Box」の3種類です。これらを切り替えることで、シーンに合わせた街並みを手軽に作成できます。
D5 Works 統合
D5 Worksは、建築・ランドスケープ・インテリア分野のクリエイターが高品質な3Dアセットを効率よく扱えるように設計された専用プラットフォームです。D5 Launcherに統合されたことで、アセットの閲覧からダウンロード、管理までをひとつの環境で行えるようになりました。

オンラインライブラリでは、3Dモデルやマテリアルを直接ブラウズしてそのままダウンロードでき、進行状況もアセット詳細カード上で確認できます。保存先はデフォルトでD5 WorkSpace内ですが、各アセットごとに変更も可能です。また、サムネイルの右クリックメニューからは、ダウンロード、フォルダ表示、お気に入り登録、詳細確認、問題報告といった操作が行えます。
ダウンロード済みのアセットは、SketchUpやD5 Renderのビューポートにドラッグするだけで配置可能です。カーソルがサムネイルに変わった状態でクリックすれば、進行バーとともにインポートが完了し、ターゲット位置に配置されます。さらに「My List」機能を使えば、お気に入りや購入済みアセットへスムーズにアクセス可能です。
ナビゲーションの最適化
ナビゲーションに新しく「Free」モードが追加され、OrbitとFlyの操作が統合されたことで、より柔軟で扱いやすい移動操作ができるようになりました。Freeモードでは、視点の回転と移動をスムーズに切り替えられるため、シーン内を自然に行き来できます。

また、Navigation > Settingsには、SketchUp、Rhino、3ds Max、Revitといった主要ソフトに合わせたナビゲーションプリセットが追加され、D5の既存プリセットとあわせて選択できるようになりました。プリセットを切り替えると、その場で操作感が反映されるため、普段使い慣れたソフトに近い操作で作業を進められます。従来のナビゲーションとの互換性も確保されており、D5 Preset 1がFlyモード、D5 Preset 2がOrbitモードに対応しています。
さらに、ナビゲーションプリセットにはカスタムショートカットを設定でき、自分の作業スタイルに合わせて操作体系を調整できます。新しいナビゲーションに慣れるためのガイドも追加されており、一度完了した後でもMenu > Helpから再度確認できます。詳細な使い方については、ヘルプセンターで案内されています。
その他の新機能・改善リスト
- Optimized Fog:霧の色と密度の設定を分離。スカイライト強度への追従オプションを追加し、ベース高さ(Base Height)の設定範囲を拡大(-1000m〜1000m)。
- Geo Sky Intensity Control:太陽光強度、空の背景、環境光補正(Ambient Light Compensation)を個別に制御可能に。旧プロジェクト読み込み時は自動計算で一貫性を維持。
- Cull Distance (描画距離設定):ビューポート外のオブジェクトを描画対象とする距離を設定可能。反射への映り込み消失問題に対応。
- XR Tour & 3D Gaussian Splatting:3D Gaussian Splattingの再構築アルゴリズムを強化し、XRツアーの品質と収束性が向上。
- Splash Effect Transparency:降雨設定の「雨粒の透明度」が、地面に跳ねる水飛沫(Splash)エフェクトにも適用されるよう改善。
- Material ID for Outline Mode:アウトラインモード(線画)レンダリング時にもマテリアルIDチャンネルの出力に対応。
- Default Exposure Adjusted:デフォルトの露出値と調整範囲を最適化。旧プロジェクト読み込み時は自動計算で互換性を維持。
- Optimized AI PBR Material:参照画像と生成マテリアルのマッチング精度を向上し、生成結果のバリエーションが改善。
- Optimized AI Enhancer:特にインテリアシーンにおけるエンハンサーの生成ロジックを最適化し、細部の解像感が向上。
- Spatial / XR Tour for Individuals:これまでTeams限定だったツアー機能、Showreel、Cesium連携が個人ユーザーにも開放。
- 3D GS Import (.ply/.gs):3D Gaussian Splattingファイル(.ply / .gs形式)の直接インポートに対応(Alpha機能)。
- Resizable Sidebar:UIの左側および右側サイドバーの幅をドラッグで調整可能に。
- HDRI Resolution Control:HDRIの解像度を2K/4K/8K/オリジナルから選択可能。VRAM使用量と画質のバランスが調整。
- CMYK Texture Support:CMYKカラーコードのテクスチャ画像を変換なしで直接インポート・表示可能に。
- Expanded HDRI Rotation:HDRI画像の回転角度の調整範囲を拡張。
- Enhanced Scatter Performance:散布(Scatter)機能の動作パフォーマンスと安定性を向上。Advanced Brushが不正な法線のモデルに適用できない場合の警告が追加。
- Optimized Gizmo Rotation:ローカル座標系での操作時、ギズモの軸がカメラに対して常に操作しやすい角度(鋭角)になるよう自動反転。
- Optimized Pop-ups & Prompts:モデル同期、SSOエラー、ビデオ削除の警告、権限エラー時のガイドなど、各種ポップアップとプロンプトが改善。
- SketchUp Live Sync Update:Live Syncおよび.skp直接インポート時のマテリアル優先順位ロジック(Front/Back/Parent)を最適化し、表示崩れを低減。
互換性に関する注意: D5 Render 3.0で保存されたシーンを、バージョン2.11以前の旧バージョンで開くと、フォグ効果や手動露出設定の計算方式の違いにより、画面が白飛びしたり表示が異常になる場合があります。その際は手動での再調整が必要です。
価格とシステム要件
D5 Renderは、以下のグラフィックスカードを搭載するWindows 10 v1809 以上で利用できます。より詳しいシステム要件やビデオカードでのパフォーマンス比較の確認はこちらから
- NVIDIA GTX 1060 6GB 以上
- AMD Radeon RX 6000 XT 以上
- Intel Arc A3 以上
価格は以下の通りです。
- コミュニティ (無料)
- プロ版 (個人)
- チーム版
- 機能
- プロジェクト数無制限
- LiveSync ワークフロー連携
- 環境・エフェクト編集
- ランドスケープ・植栽ツール
- フェーズアニメーションテンプレート
- 画像・パノラマ・動画レンダリング
- カスタムローカルアセットライブラリ
- AI 機能の無料トライアル
- 全てのコミュニティ機能 +
- AI 機能への無制限アクセス
- シティジェネレーター & Cesium 連携
- スペーシャルツアー & XR ツアー
- バーチャルリアリティ(VR)ウォークスルー
- より多くのレンダリング形式
- 公式アセット 16,000 点以上
- クラウドワークスペースストレージ 10 GB
- 全てのプロ機能 +
- マルチエディターによるシーン編集
- メンバーアクセス管理
- 共有プロジェクト & アセットライブラリ
- チーム用クラウドストレージ 100 GB
- クラウドストレージ連携
- リソース & データ管理



























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