Orange TurbineチームによるBlender 用のリトポロジーツールキット「Retopoflow 4」の紹介です。
Retopoflow とは
3Dモデリング、特にキャラクターや有機的な形状を作成する上で避けては通れない工程が「リトポロジー」です。高精細なスカルプトモデルを、アニメーションやゲームエンジンで扱いやすい、きれいで軽いポリゴンメッシュに再構築するこの作業は、非常に重要でありながら、多くのアーティストにとっては時間のかかる退屈な作業です。
「Retopoflow 4」は、そんなリトポロジー作業を根本から変えることを目指して開発された、Blender向けの強力なアドオンです。このツールキットは、面倒な作業をまるでスケッチのように直感的で楽しいものに変えてくれます。
バージョン4ではプログラムが完全に書き直され、パフォーマンスが大幅に向上しただけでなく、Blenderの編集モードにシームレスに統合されました。これにより、これまで以上にスムーズでストレスのない作業環境が実現されています。
このアドオンは、AAAタイトルのゲーム開発経験者や著名なキャラクターアーティストなど、世界中のプロフェッショナルから「手放せないツール」として高い評価を得ています。
直感的でパワフルなツール群
Retopoflow 4には、リトポロジーのあらゆる場面に対応するための多彩なツールが用意されています。
Contours
キャラクターの指や腕のような円筒形の形状に、素早くポリゴンループを生成できます。
複雑にオブジェクトが重なっているような難しい状況でも、アルゴリズムが最適な回り込みを計算してくれます。
PolyStrips
まるで鉛筆でスケッチするかのように、モデルの主要なポリゴンの流れ(エッジフロー)を直感的に描き出すことができます。
既存のポリゴンを選択すれば、ベジェ曲線のように滑らかに変形させることも可能です。
Strokes
作成したポリゴンループを延長したり、ストロークを2本引くだけでその間をきれいな四角ポリゴンで埋めたりすることができます。
少ない手数で広い面を効率的に生成するのに役立ちます。
PolyPen
頂点や辺を一つひとつ正確に配置したい、そんな精密作業のためのツールです。
頂点をクリックしてポリゴンを生成したり、辺をカットしたりと、細かい調整を意のままに行えます。
Relax
スカルプトソフトのブラシのように、直感的な操作でポリゴンの流れを整えます。
メッシュを均等で美しい配置に「マッサージ」するような感覚で作業できます。
Tweak
頂点を一つひとつ選択して移動する面倒な作業をなくします。
スカルプトブラシのようにジオメトリを直感的に押したり引いたりして、素早く形状を調整できます。
Patches [近日公開予定]
広い領域を四角ポリゴンのグリッドで自動的に埋めるための強力なツールです(Retopoflow 3で好評だった機能)。
Retopoflow 4 ベータ版ではまだ準備中ですが、将来のアップデートで追加される予定です。
これらのツールを組み合わせることで、これまで数時間かかっていた作業を大幅に短縮し、よりクオリティの高いモデル制作に時間を充てることが可能になります。
更新情報
バージョン 4.1.5 –
【4.1.5 】
- Edit Mode 用の自動バックアップ機能を追加
- Blender 標準のオートセーブが Edit Mode では動作しない問題を補完。
- 保存場所と保存間隔は Blender のオートセーブと同じ。
- 復元は File → Recover から可能。
- すでに別の Edit Mode 用オートセーブアドオンを使っている場合は無効化できる。
- Relax に新しい頂点スムージングアルゴリズムを追加
- デフォルトで有効。多くのケースで安定性が大幅に向上。
- Laplacian ベースで、Blender Sculpt の Smooth ブラシに近い挙動。
- Relax の Straighten Edges が頂点を広げずに直線化できるよう改善
- 非正方形の長方形を扱う際に発生していた問題を解消。
- Relax に Equalize Faces を追加
- 既存の面関連オプションを統合し、さらに面積の平均化も行う新モード。
- Relax に Auto Substeps モードを追加
- 頂点数が少ない場合はより安定し、多い場合は高速化。
- Relax の極端なスケールでの挙動を改善
- Object Mode へ切り替えた際の crease の問題を修正
- Blender 5.1 でテーマ設定が正しく保存されない問題を修正
- Retopoflow 使用中に Blender を終了した場合に発生。
- 面のないジオメトリで Relax を使った際のサイレントエラーを修正
- PolyPen が三角形を作るべき場面で誤ってナイフ処理を試みる問題を修正
バージョン 4.1.0 –
【4.1.0 — 大規模アップデート】
新機能
- PolyPen のナイフ機能が大幅に改善
- 複数面をまたぐカットが可能に:より自由度の高いカット操作ができるようになりました。
- クアッドの隣接エッジ間を切る際に自動でクアッドジャンクションを生成:クアッド構造を維持したまま分岐点を追加します。
- 面の中央に複数のカットを追加可能:反対側へ接続すると自動で面が分割されます。
- エッジ上のナイフポイントが正しく拘束されるよう改善:エッジに沿った正確なカットが可能になりました。
- 選択エッジから直接カットを開始可能に:事前にポイントを挿入する必要がなくなりました。
- Tweak と Relax がペン圧に対応
- より直感的な筆圧ベースの操作が可能に。
- Tweak / Relax にピン留めシステムを追加
- 手動でピンを追加可能。
- シームやシャープエッジをピンとして利用することも可能。
- Topo Rotate(Alt+R)を追加
- 選択したトポロジーをその場で回転させる新オペレーター。
- ループ選択の改善(Blender 5.1+)
- ループ選択が内側コーナーで停止するように変更。
- これらのループ境界オプションは Blender 5.1 に公式追加されました。
- 最短経路選択(Ctrl+Shift+LMB)時に Fill Region を自動無効化
- W Pie メニューの動作範囲を設定可能に
- すべてのツールで使うか、Retopoflow ツールのみで使うかを選択可能。
- ステータスバーに全ツールのホットキーを表示
- リトポオーバーレイにプリセットテーマを追加
- 新デフォルトは「Blue」。
- Blender のテーマをそのまま使うことも可能。
- 頂点・エッジの太さを調整可能に
- デフォルトは頂点 4px、エッジ 2px。
- WindowsInk 使用時の警告を追加
- Blender 側のラグ問題に対処するための注意喚起。
改善
- Relax の初期化と構造構築が最大 5 倍高速化
- Contours が約 2 倍高速化
- リトポオーバーレイのオフセット調整をツールヘッダーに追加
- Mirror パネルにミラー結合距離を追加
- Cleanup で「面のないエッジ削除」がデフォルトでオフに
- Contours の不要なサンプルポイントを非表示に
修正
- PolyPen / Strokes が対称線から押し出せない問題を修正
- Relax が無効座標の頂点でクラッシュする問題を修正
- Tweak / Relax がクイックスイッチ時に Masking を無視する問題を修正
- Contours のクラッシュ(単一面、ベクトルエラー、行列エラーなど)を修正
- Contours が特定形状でねじれる問題を修正
- Contours カットを右クリックでキャンセルした際の問題を修正
- PolyStrips の -Y / -Z ミラー問題を修正
- Geometry Nodes の出力がないカーブでクラッシュする問題を修正
- Fade Inactive がツール切り替え時に有効化されない問題を修正
- Blender 5.0 のワイヤーフレームミラー表示問題を修正
- 一部 GPU ドライバでアドオンが有効化できない問題を修正
- カスタムオーバーレイの小さなメモリリークを修正
【4.1.4】
- PolyPen のナイフ処理を修正: 不要なループを挿入しようとする問題を解消。
【4.1.3】
- PolyPen の安定性改善: 孤立エッジを操作した際にフリーズする問題を修正。
- プロポーショナル編集の不具合修正: 編集中に面が反転してしまう問題を解消。
【4.1.2】
- ナイフカットを UI に制約するオプションを追加: 意図しない方向へのカットを防止。
- ステータスバーのホットキー表示がカスタム設定に対応
- ピン留め用ホットキー(Shift+P / Alt+P)を追加
- ピン留めされた頂点がクリーンアップ時にスキップされるよう改善
- ピンから補間された頂点がアンピンできない問題を修正
【4.1.1】
- Masking / Pinning 設定が Tweak と Relax 間で共有されるよう改善
- Pie メニュー、ドキュメント、Issue 報告ホットキーがカスタマイズ可能に
- Issue 報告のデフォルトホットキーを Alt+F1 に変更
- Blender 4.5 / 4.2 で Retopoflow が起動しない問題を修正
バージョン 4.0.0 正式リリース –
【4.0.0 — 正式リリース】
新機能
- 微調整操作の改善
- Shift キーで微小移動が可能に:Tweak 操作中に Shift を押すことで、より細かい調整ができるようになりました。
- 起動時の警告を無効化する設定を追加
- ソースオブジェクトなしで Retopoflow を起動した際に表示される警告を、設定でオフにできます。
改善点
- 操作性・ワークフローの向上
- W の Pie メニューが、Retopoflow 以外のツール選択時でも使用可能に
- Relax の強度係数を改善
- Tweak / Relax が「見えている面」と「隠れている面」の境界エッジを正しく扱うように
- PolyStrips の対称線からの描画がより安定
- Clean Up オペレーターがプリセットに対応
- Mirror パネルに PolyStrips / Strokes のミラーオプションを追加
- モデリング精度の向上
- 非一様スケールのオブジェクトで PolyStrips の幅が正しく処理されるように修正
- ソースメッシュに鋭角がある場合でも、スムーズなストロークに対して正しい角度処理を行うよう改善
バグ修正
- 完全な修正ができ次第、再度有効化予定
- Retopoflow 実行中にソースオブジェクトを削除した際の問題を修正
- Strokes / PolyPen が隠れた頂点にスナップしてしまう問題を修正
- 一部環境でフルスクリーン化がクラッシュを引き起こすため、一時的に無効化
【4.0.2 / 4.0.1】
- 選択オブジェクトのみへのスナップオプション追加
- Blender 5.0 対応
- キーマップ検出問題の修正
価格とシステム要件
Retopoflow 4は、Blender 4.2 以降で利用可能です。
ライセンスは、個人から大規模スタジオまで、複数のプランが用意されています。
価格は以下の通りです。
| Retopoflow 4 Personal | 商用利用可 | $85.99 |
| Retopoflow 4 Indie Team | 2〜5名 | $151.99 |
| Retopoflow 4 Full Team | 6〜14名 | $425.99 |
| Retopoflow 4 Studio | 15名以上 | $1,285.99 |
すでに旧バージョン(バージョン3)をお持ちのユーザーは、クーポンコードを利用することで割引価格でアップグレードすることが可能です。
クーポンコード: retopoflow-og
また、Retopoflowはオープンソースで開発が行われています。学生、教師、教育目的でRetopoflowをご利用の方は、RetopoflowのGitHubページからRetopoflowにアクセスできます。
開発チームとBlenderコミュニティへの貢献
Retopoflow 4は、高品質なBlenderのチュートリアルで知られる「CG Cookie」と同じチームによって開発・メンテナンスされています。彼らはツールの販売収益の一部をBlender開発基金へ寄付しており、アドオンの購入を通じてユーザーがBlenderコミュニティ全体をサポートできる仕組みも作っています。





























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