2024年3月6日(現地時間)- Unity は、Unity Museにおけるより高品質なテクスチャのためのAIモデルの改善を発表しました。
Unity Muse について
は、昨年6月に発表されたAIを活用するための拡張プラットフォームで、テクスチャやスプライトの生成、チャットによるアシスト機能などの AI 機能を使用してより迅速に反復処理を行い、アイデアを練るのに役立ちます。
主な機能は以下の通りです。
- チャット:チャットでは、自然言語プロンプトを使用して、探しているものを正確に見つけることができます。数秒で、適切に構造化された答えと手順、さらにはプロジェクトで使用できるコードが得られます。
- テクスチャ:テクスチャ機能は、自然言語やビジュアル入力をPBR対応マテリアルに変換し、プロジェクト内のサーフェスやオブジェクトに直接適用できます。
- スプライト:スプライト機能を使用すると、エディターで 2D アートを直接作成および変更し、2D および 3D プロジェクトのプロダクション品質のテクスチャを、任意のスタイルですべてプロジェクト内で生成できます。
また、上記の機能に加えて、現在プレリリース中で2024 年後半に完全にサポートされる次の Muse 機能セットである Behavior、Animate、Sketch の概要も公開されています。
- Behavior:Behavior を使用すると、キャラクターのインタラクションを即座に設定できます。必要なアクションを記述するだけで、Muse がエディターにビヘイビアー ツリーを作成します。
- Animate:Animate を使用すると、いくつかのテキスト プロンプトを入力するだけで、人型のキャラクターに命を吹き込むことができます。
- Sketch:Sketch を使用すると、サンプル シーンをエディターにインポートする前に、Web 上で共同でモックアップを開始できます。
Unity Museは現在早期アクセスの段階ですが、2024 年春には終了する予定です。
テクスチャ生成AIモデルが改善
Unityのブログ “Responsible AI and enhanced model training at Unity,” では、Museのテクスチャの基礎モデルであるPhoto-Real-Unity-Texture-1, がどのように責任を持って構築され、出力が安全に使用でき、他者の著作権を尊重するようにトレーニングされたかが共有されましたが、この度、このモデルの次世代モデル、Photo-Real-Unity-Texture-2 が発表されました。
Photo-Real-Unity-Texture- 2 は、すでに Unity Muse に実装されており、すべての Muse ユーザーは以下のように改善されたテクスチャを利用することができます。
品質の向上
この最新バージョンのモデルは、ゲームによく登場するマテリアルの改良に焦点が当てられており、木材、レンガ、コンクリート、レザー、金属、砂利、土、その他多くのマテリアルの品質が大幅に改善されました。プロンプトベースの色の一貫性も改善され、今後リリースされる Muse Texture パッケージには、特定の色と特定のパターンの両方を同時に選択する機能が含まれる予定です。
以下では、Photo-Real-Unity-Texture 1とPhoto-Real-Unity Texture 2のクオリティの違いを並べて比較しています。左の画像は以前のモデルのもので、右の画像は新しいモデルのものです。
奥行きの向上
さらに、このモデルにはハイトマップの作成に関連する重要な改良が加えられています。ハイトマップはデフォルトで16ビットになり、このモデルは、多くの場合において、抽象的な概念に対して信憑性のあるマップを作成する能力が格段に向上しました。
奥行き(depth)は、光との質の高いインタラクションを実現するための重要な要素です。以下では、Photo-Real-Unity-Texture-1とPhoto-Real-Unity-Texture-2の高さマップと法線の品質の違いを並べて比較しています。
今後について
Muse Textureの出力品質は、可能な限り責任ある方法で改善され続ける予定です。また、現在のロードマップには、エディタとの統合、アーティスティックコントロール、教育およびオンボーディングのためのツールの改善などがあります。
■エディターの統合
フィードバックからエディターのワークフローにMuse Textureを深く統合することが最も重要であるという意見を受け、Unityは、クイックインシーンバリエーションなどの新機能やマテリアルマップを他のシェーダーに簡単に取り込めるようにすることで、可能な限りシームレスなエクスペリエンスを実現することを目指しています。
■アーティスティックコントロール
Unityは希望する結果を達成するために、よりアーティスティックなコントロールを望み、必要としていることを確認しました。Unityは、カラーコントロールと一貫性をさらに改善し、写真や参照画像を素材に変換する機能を追加し、参照アセットを使用してテクスチャのスタイル化をコントロールできるようにする予定としています。これらのアーティスティックなコントロールを向上させる追加機能により、より迅速かつ容易にビジョンを達成できるようになります。
■教育とオンボーディング
生成AIは新しいテクノロジーです。Unityは、アーティスティックなコントロールのためにツールの機能を活用できるよう、より良いオンボーディングと学習教材に重点を置いていくとしています。また、できるだけ早く成功をつかむことができるよう、学習期間を短縮することに注力します。
価格設定について
すでに価格設定も公開されており、サブスクリプションで月額30ドルとなっています。
Unity Muse のサブスクリプションに登録すると、その月のみ有効な Muse Points を 3,000 ポイントもらえ、Muse のあらゆる機能の使用に充てることができます。Muse Points は、アカウントに追加された月内に消費する必要があり、翌月に持ち越すことはできません。毎月の請求サイクルの初めに、Muse Points が 3,000 ポイント新たに割り当てられます。
生成アクションを実行すると(テキストプロンプトを送信するなど)、Muse Points は自動的に消費されます。ポイントの消費は以下の通りです。
- 任意のチャットアクション:1 回の生成につき 25 ポイント
- 任意のテクスチャアクション:1 回の生成につき 8 ポイント
- スプライトアクション(スタイルトレーニング(初期生成、バリエーション、修復など)を除く):1 回の生成につき 4 ポイント
- Sprite のスタイルトレーニング:1 回のトレーニングにつき 200 ポイント
※早期アクセス後に変更される場合があります。2024 年春に Unity Muse の早期アクセスが終了する際に、Muse Points や生成の制限に変更がある場合は、全員に事前に通知される予定です。
※ユーザーが生成をリクエストしたときにエラーメッセージが生成された場合、ポイントは消費されません。
早期アクセス中、サブスクリプション契約者は、Muse Points の制限なく好きなだけ生成することが可能です。
また、Unity Muse を15日間無料で試すことが可能となっています。
その他詳しい情報はこちらから
AI model improvements for higher-quality textures in Unity Muse
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