Blender 4.1 がベータ版に移行!EEVEE-NEXTのリリースは延期に!

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Blender 4.1 がベータ版に移行し、Blender 4.2 LTSのアルファ版が利用可能になりました。また、Blender 4.1 で搭載予定だったEEVEE-NEXTの延期が決定されましたので、その情報も合わせて紹介したいと思います。

EEVEE-Nextのリリースが延期

先月、こちらのページでEEVEE-Nextの延期決定が発表されました。この決定は、EEVEE-Nextの開発に携わるすべての開発者の総意によるものです。EEVEE-Nextは、Blender 4.2 LTSに搭載予定となります。以下、発表の一部の内容となります。

延期の理由

EEVEE-Nextには、シャドウとホライズンスキャン(Shadows and horizon scans)の評価方法に関する新しい設定において、いくつかのパフォーマンス上の問題があることが分かっています。それぞれの問題の状況は以下のとおりです。

  • シャドウのパフォーマンス問題を解決することは、最初に予想されたよりも複雑であり、それを軽減する方法はまだ明確ではありません。
  • ホライゾンスキャンについては、解決策はより明確ですが、追加の開発作業が必要です。それに加えて、パワーの低い GPU で使用するとパフォーマンスが低下します。

■Blender 4.1でEEVEE-Nextが削除

延期により、Blender 4.1 でEEVEE-Nextが利用できなくなりました。したがってベータ版にもEEVEE-Nextは搭載されていません。EEVEE-Nextは、Blender 4.2 LTSのアルファ版で利用可能です。

EEVEE-NextをBlender 4.1の実験的オプションとしてリリースするということも検討されたようですが、問題の増加と費やせる開発工数など影響するいくつかの点を考慮して実現しませんでした。

■EEVEE Legacyの改善

EEVEE-Nextは搭載されなくなりましたが、CyclesとのBSDF互換性の向上に関連する変更により、EEVEE-Legacyの品質も向上しました。これらの変更は元に戻されることはなく、Blender 4.1のリリースで利用可能になる予定です。

Blender 4.1ベータ版が利用可能に

2024年2月7日(現地時間) – Blender 4.1 ベータ版&Blender 4.2 LTSのアルファ版がリリースされました。正式リリース時にも紹介するかもですが、一部の新機能をピックアップして簡単に紹介したいと思います。

アニメーションとリギング

■ボーンコレクション

ボーン コレクションが階層化され、コレクションはフラットリストではなくツリー形式で表示され、ドラッグ&ドロップで並べ替えたりネストしたりできるようになりました。アウトライナーには、ボーン コレクションの階層も表示されます。

可視性はボーン コレクション自体とその親によって決まり、ボーンコレクションを非表示にすると、その子も非表示になります。

■グラフエディタ

グラフエディタには、キーの動きをX軸かY軸のどちらかに自動的にロックするオプションが追加されました。さらに、アニメーション化されたプロパティの右クリックメニューに、そのFCurveを表示するオプションが追加されました。

アニメーション化されたプロパティのFカーブを表示するデモ

■モーションパス

アクティブなカメラに対して相対的にモーションパスを作成するオプションが追加されました。これは、モーションパスがそのカメラを通して見たときにスクリーンスペースに表示されます。

ジオメトリノード

■ベイキング

ベイク(Bakeノード)が追加され、中間ジオメトリを保存およびロードできるようになりました。ベイク内の重複データは適切に排除され、ジオメトリまたは属性が同一の場合にはファイルがはるかに小さくなります。また、ボリュームをベイクすることもできるようになりました。

■ノード

新しいノード

  • Menu Switch:グループインターフェイスでオプションを切り替えられるように、カスタムの「enum(列挙型)」メニューを作成できます。
  • Split to Instances:グループ ID に基づいてジオメトリを複数のピースに分割できます。
  • Index Switch:任意の数の入力をインデックスで選択できます。
  • Sort Elements:並べ替えキーに基づいてジオメトリ要素を並べ替えることができます。

その他の変更

  • Musgrave Textureノードが拡張されたノイズテクスチャ(Noise Texture)ノードに置き換えられました。既存のシェーダ ノード設定は自動的に変換され、結果のレンダリングは同一になります。
  • カーブフィル(Fill Curve)ノードに “グループID “入力が追加され、塗りつぶしを特定のカーブグループに制限できるようになりました
  • ノードツールがオブジェクトモードでサポートされるようになりました
  • Rotate Rotation(回転)ノードが、Rotate Euler(オイラー回転)ノードに代わり、回転を修正するためのより速く明確な方法になりました
  • アクティブカメラ(Active Camera)入力ノードに、シーンの現在のカメラオブジェクトが追加
  • などなど

■パフォーマンスの向上

  • メッシュの押し出し(Extrude Mesh) は、多くの頂点グループを持つ大きなメッシュに対して6倍以上高速化。
  • 最短辺パス(Shortest Edge Paths)ノードが60%以上高速化。
  • 面グループ境界(Face Group Boundaries)ードは3倍以上高速ードは3倍以上高速化。
  • 辺の面グループ化(Edges to Face Groups)ノードは7倍以上高速化。

■自動スムーズ

メッシュの「自動スムーズ」オプションが、モディファイア ノード グループ アセット「Smooth by Angle」に置き換えられました。 これにより自動スムーズに関する長年の問題を解決し、法線計算のプロセスがシンプルになりました。古いBlenderで作成した自動スムーズが有効なメッシュを持つオブジェクトを新しいBlender4.1で開くと、自動的にジオメトリノードグループが追加されます。

ノードグループアセット “Smooth by Angle “は、エッジの角度に基づいてシャープな法線を設定する主な方法です。モディファイアメニューから直接利用できます。

Cycles

■OpenImageDenoise GPU アクセラレーション

OpenImageDenoise は、サポートされているハードウェアで GPU アクセラレーションされるようになりました。これにより、3D ビューポートでインタラクティブで完全な品質のノイズ除去が可能になります。

GPU アクセラレーションは、3Dビューポートおよび最終レンダリングでGPUレンダリングを使用する場合、自動的に有効になります。ノイズ除去の設定パネルで無効にすることで、ノイズ除去が遅くなる代わりにGPUメモリの使用量を減らすことができます。

▪サポートされるGPU

  • NVIDIA GTX 16xx、TITAN VおよびすべてのRTX GPU
  • AMD RDNA2またはRDNA3世代のディスクリートGPU
  • Xe HPGアーキテクチャのIntel Arc
  • macOSバージョン13.0以降のApple Silicon

ユーザーインターフェイス

このアップデートでは、ユーザーインターフェイスの改善が多く行われています。いくつか紹介したいと思います。

▪UI インターフェイスのフォントを任意の太さで表示できるようになりました。

▪カラーピッカーのカーソル表示とフィードバックが改善。

▪ファイル ブラウザのツールチップに、Blender のバージョン、画像のサイズ、ビデオの詳細などが表示されるようになりました。

▪アウトライナーのコレクションアイコンをダブルクリックして、すべての子を選択できるようになりました。

▪アウトライナーからモディファイアを適用できるようになりました。

▪カメラを表示にロックを切り替えるためのギズモ ボタンが追加されました。

VFX とビデオ

■コンポジター

新しく追加された以下を含むすべてのノードがビューポートコンポジターでサポートされるようになりました。

  • ベクトルブラー(Vector Blur)
  • ピンぼけ(Defocus)
  • Cryptomatte
  • キーイングスクリーン(Keying Screen.)

分割ビューアー(Split Viewer)ノードが分割(Split)ノードに置き換えられたり、Kuwahara やPixelateなど、既存ノードにオプションが追加されたりしています。他にも、多くの変更や改善が行われています。

■シーケンサー

ビデオ シーケンサーでは、全体的に多くのパフォーマンスが最適化されました。

  • タイムライン ユーザー インターフェイスは、複雑なタイムラインの再描画を 3 倍から 4 倍高速に行うようになりました。
  • エフェクト:グローは 6 倍から 10 倍、ワイプは 6 倍から 20 倍 、ガンマ クロスは 4 倍、ガウス ブラーは 1.5 倍、ソリッド カラーは 2 倍高速になりました。
  • 画像変換、ムービー フレームの読み取りと書き込み、カラー管理およびオーディオのリサンプリングのさまざまな部分が高速化されました。
  • Luma 波形表示の計算が 8 倍から 15 倍速くなりました。

他にもフィルタリングやシーケンサー スコープの見た目が改善されています。

以上となります!

Blender 4.1 のすべての新機能リストはこちらから

Blender 4.1 の正式リリースは2024年3月19日の予定となっています。

ダウンロード

Blender 4.1 ベータまたは Blender 4.2 LTSアルファのダウンロードはこちらから


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