2023年4月6日(現地時間)- Nianticは、同社の実世界のAR開発ツール群に新たに「Niantic Scanning Framework」を追加したことを発表しました。この新しいAPIは、Lightship ARDK 2.5の一部として提供され、開発者は、LiDARを必要とせず、Unityベースのアプリケーションで高速3Dスキャンができるツールを手に入れることができます。
現実世界のオブジェクトやロケーションを使った没入型AR体験の作成
ARは、開発者が作成したバーチャルコンテンツを現実世界にオーバーレイし、ユーザーがそれを利用するという一方向のプロセスであると考えがちですが、現実世界にあるものを仮想世界に持ち込むことでゲームや体験に個人的なつながりを持たせ、記憶に残るものにする方法ともなります。今回追加された Niantic Scanning Framework によりこれが可能になります。
Scaniverseのコアテクノロジーをベースに構築
Scanning Frameworkは、Scaniverse のコアテクノロジーをベースに構築されたカスタマイズ可能な3Dスキャンツールで、エンドユーザーがオブジェクト、場所、人を素早くキャプチャすることを可能にし、キャプチャを3Dメッシュに変換し、アプリケーション内のコンテンツとして直接使用することを可能にします。このプロセスは、最新のスマートフォンであれば、ユーザーがアプリを離れることなく、数秒で完了することができます。
初期のテストでは、開発者がScanning Frameworkを使用して、楽しいエンターテイメントやゲームアプリケーションから実用的な3Dアセット作成まで、あらゆることを可能にしています。
例えば、Designiumのチームは、Scanning Frameworkを使用して、物体をスキャンしてすぐに計測単位として使用できるエンターテイメントアプリケーション、Measuranimalを作成しています。
正確なロケーションベースのARを実現
Scanning Frameworkでは、Lightship Visual Positioning System ( の新しいロケーションを有効にすることができます。Lightship VPSを使えば、開発者はセンチメートルレベルの精度で現実世界の場所に固定されたAR体験を構築できます。
Lightship VPSは現在125,000以上の場所で利用可能ですが、開発者がロケーションベースのAR体験を作りたいと思う場所はもっとたくさんあるはずです。従来は、Nianticのプレイヤーや開発者のコミュニティから提出されたスキャンデータをつなぎ合わせることで、VPSが作動する場所を構築してきました。Scanning Frameworkを使えば、開発者はユーザーにお気に入りの場所をスキャンしてもらい、世界中の新しいVPSロケーションの活性化に貢献することができます。ロケーションが十分にスキャンされると、開発者が実際のAR体験を構築するために利用できるようになります。
ローンチ時には、スキャンしてアクティブ化されるのを待っている近くのロケーションを識別するScan Target APIもリリースさ れる予定です。ユーザーがスキャンする場所に行くと、画面上のフィードバック、高忠実度のテクスチャメッシュプレビュー、デバイス上の品質チェックで案内され、アップロード前にスキャンがVPSマッピングに適していることが確認できるようになります。
価格について
Niantic Scanning Frameworkは、Niantic Lightship ARDK 2.5で利用可能です。
Depth, Occlusions, Semantic Segmentation, Real-time MeshingなどのLightship ARDKの機能のほとんどは無料です。共有ARサービスやLightship Visual Positioning System (VPS)など、特定のARサービスの使用については、開発者に課金されます。※Lightship Visual Positioning Service (VPS)は現在パブリックベータ中で、パブリックベータ期間中は無料で利用できます。
ビルドを開始するには、Lightship開発者アカウントに登録し、最新のLightship ARDKをダウンロードしてください。
Introducing the Niantic Scanning Framework in Lightship ARDK 2.5
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