Arnold 7.5.1がリリース!クラウドレンダリング『Flow Render』プレビュー開始&ボリュームAOVやMIKKTSpace対応など

プラグイン

2026年3月25日(現地時間)- Autodesk は、グローバル イルミネーション レンダリング ソフトウェアの最新アップデート Arnold 7.5.1 をリリースしました。

主な新機能

今回のアップデートでは、クラウドレンダリングソリューションである「Flow Render」のテックプレビューをはじめ、ボリュームシェーダーでのカスタムAOVのサポート、MIKKTSpace形式のノーマルマップ対応など、表現力と利便性を高める機能強化が多数盛り込まれています。

Flow Render テックプレビュー

Arnold向けの新しいクラウドレンダリングソリューション「Flow Render」のテックプレビュー版が搭載されました。テストおよび評価を目的として、Arnoldユーザーに対して1ユーザーにつき月間2400分のレンダリング時間が提供されています。

クラウドテクノロジーを活用して画像を効率的にレンダリングすることで、ローカル環境のデスクトップリソースが解放され、より高速でスマートな作業プロセスを実現します。

利用要件とアクセス方法:
Flow Renderはクラウドサービスであるため、利用にはAutodesk IDを使用したAutodesk Accountへのログインが必須です。各Arnoldプラグインには、レンダープロセスをクラウドへ送信するためのサブミッター(送信機能)が統合されています。

フィードバックや不具合報告はArnold公式フォーラムにて受け付けています。

また、サービスの利用にあたってはFlow Render固有の利用規約、およびAutodeskの一般利用規約(セキュリティ、プライバシー、コンテンツの取り扱いなど)が適用されます。詳細についてはFlow Render Tech Previewのドキュメントをご参照ください。

ボリュームシェーダーにおけるカスタムAOVのサポート

サーフェスシェーダーで利用されていた aov_write_rgbaov_write_float、および aov_write_rgba シェーダーノードが、ボリュームシェーダーネットワークでも利用可能になりました。

従来、ボリュームコンテキストではカスタムAOVは無視されていましたが、新しいボリュームレイマーチャーでは各ステップでAOVクロージャを収集し、Beer-Lambertの重み付けを用いて統合することで、物理的に一貫したAOV出力を生成します。

仕様と注意点

  • 対応フォーマット: フラット(EXR、TIFF)およびディープEXR出力の両方をサポートしています。
  • 設定競合時の警告: 同じAOV名に対して書き込みを行う際、サーフェスシェーダーとボリュームシェーダーの間で blend_opacity の設定が競合する aov_write_rgb ノードが接続されている場合は、警告がログに記録されます。
  • パフォーマンスの目安: 細かいステップサイズ(step_size=0.01)で2つのアクティブなボリュームAOVを使用した場合、約16%のオーバーヘッド(計算負荷の増加)が発生します。

MIKKTSpace ノーマルマッピングのサポート

normal_map ノードに新しい tangent_space_type パラメータが追加され、業界標準であるMIKKTSpaceノーマルマッピングがサポートされました。

standard モードでは従来のArnoldの動作が維持されますが、mikk モードを選択すると、3ds MaxなどのDCCツールでMIKKTSpaceを利用して生成された normaltangentbitangent データをインポートし、MIKKTSpaceの基準で評価を行います。これにより、複数のアプリケーション間で一貫したシェーディング結果を得ることができます。

Windows環境でのCPUレンダリング高速化

Windows上でのCPUレンダリング処理が最適化されました。すべてのシーンではありませんが、多くのシーンでレンダリング速度の向上が確認されています。

テストシーンv7.5.0に対するv7.5.1の速度向上比率
OpenPBR シェーダーボール1.16倍
gtc-robot1.08倍
Disney クラウド1.07倍
ALab1.04倍
Intel ジャングル遺跡1.00倍

新しい interior_set アトリビュートによる散乱の制御

ユーザーデータとして新しい文字列アトリビュート interior_set が追加されました。これにより、同じセット名を共有する複数の形状間で、透過やSSS(サブサーフェススキャッタリング)などのコヒーレントな散乱をシームレスに適用できます。

例えば、複数のタイルとしてモデリングされた広大な海面などで、形状をまたいだ滑らかな光の伝播が可能になります。

この機能は従来の sss_setname を置き換わる予定ですが、当面の間は sss_setname も引き続きサポートされます。両方のアトリビュートが同じオブジェクトに存在する場合は interior_set が優先されます。

その他の新機能と変更

全般

  • リンクされたシェーダーパラメータの単位自動スケーリング: テクスチャなどのリンクによって駆動されるシェーダーパラメータ(例: subsurface_scale)が、シーンの単位に合わせて自動的にスケーリングされるようになりました。これにより、異なるシーン単位の設定間でも、単位に依存する値が意図したマグニチュード(大きさ)を維持します。
  • nearest_points シェーダーのカスタム位置設定: nearest_points シェーダーに query_position パラメータが新設されました。入力にリンクすることで、ポイントクラウドをクエリする位置をカスタマイズできます。リンクされていない場合は、従来通りワールドスペースのシェーディング位置(sg->P)が使用されます。
  • OSL generalized Schlick Fresnel exponent の完全サポート: OSLの generalized_schlick_bsdf クロージャにおいて、反射ローブと透過ローブの両方で exponent(指数)パラメータが完全に機能するようになりました。従来は指数が無視され(常に標準値の5が使用)、F0をGulbrandsenメソッドで誘電体IORに変換することで透過ローブを近似していました。今回のアップデートにより、f0f90exponent を個別に設定した正確な評価が行われます。
  • Bloomドライバの輝度しきい値の改善: ブルーム効果において、チャンネルごとのクリッピングによる色相のズレ(ヒューシフト)を防ぐため、滑らかな輝度ベースのしきい値が採用されました。
  • maketxのエラーメッセージ改善: TX変換時のエラーメッセージに、対象となるTXファイル名が含まれるようになり、エラー原因の特定が容易になりました。
  • stats JSONへのオプションノードとドライバ出力の追加: 統計(stats)出力に、トップレベルのオプションノード情報と、各画像ドライバごとのファイル名、AOV、出力の詳細が記録されるようになりました。これにより、診断やパイプラインツール向けのメタデータが強化されます。
  • LinuxでのCER(Customer Error Reporting)対応: Linux環境におけるカスタマーエラー報告ライブラリがサポートされました。

USDに関する機能強化

  • ファイルの読み込み時に発生するUSDコンポジションの警告やエラーが、Arnoldのログに記録されるようになりました。

APIの変更点

  • OSLにおける volume_double_henyey_greenstein のサポート: AiClosureVolumeDoubleHenyeyGreenstein に対応する、二重Henyey-Greenstein位相関数 volume_double_henyey_greenstein がOSLで利用可能になりました。

非互換性の変更(注意書き)

  • OSL generalized_schlick_bsdf のレンダリング結果の変化: フレネル評価が修正されたため、generalized_schlick_bsdf クロージャでデフォルト以外の exponent 値を使用しているシーンや、透過(Transmission)が顕著なシーンでは、以前のバージョンとレンダリング結果がわずかに異なる場合があります。
  • 列挙型の名前変更: AI_CLOSURE_DEBUG が AI_CLOSURE_AOV に名称変更されました。カスタムシェーダーやプラグインでこのコードを参照している場合は、更新が必要です。

主なバグ修正

  • 特定のシーン、GPU、ドライバの組み合わせでまれに発生するGPUアーティファクトを修正。
  • IPR中にノードが無効になった際のクラッシュを修正。
  • 特定の状況下において、誤ったボリュームミップマップが選択される問題を修正。
  • 無効な “idxs” ユーザーデータによるクラッシュを修正。
  • ポリゴンメッシュ内の空の配列によるクラッシュを修正。
  • [GPU] マット(Matte)値が子ノードに継承されない問題を修正。
  • その他、Hydra 2に関するマテリアル更新の問題や、USDに関連するレンダリング範囲の問題など多数の不具合を解消。

その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

Arnold は、Windows 10以降、macOS 11以降、Linux、glibc 2.28以上(RHEL/Rocky 8に相当)で利用できます。一般に、Arnold は、Houdini、Maya、Cinema 4D、3ds Max、Katana が動作するほぼすべての64 ビットシステムで動作します。

より詳しいシステム要件の確認はこちらから

Arnold はデフォルトでMaya と3dsMaxに含まれています。その他のソフトウェアでの利用での Arnold の購入価格は、1ヵ月サブスクリプションが 8,800円、1年サブスクリプションが 70,400円、3年サブスクリプションが 212,300円です。

また、Media & Entertainment Collectionにも含まれています。


Arnold ウェブサイトへ

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました