【iPad&Windows対応】NPRや手書き風のアセット制作向けの3Dテクスチャペイントソフトウェア「Wafer」

CGソフト

V1.2でWindows版が正式リリースとなりました。

Sparseal による3DCGアセット向けのテクスチャペインティングソフトウェア「Wafer」の紹介です。

Waferとは

Waferは、スタイライズド(非現実的な表現)、手描き風、およびNPR(ノンフォトリアルレンダリング)アセットの制作に特化した新しい3Dテクスチャペイントツールです。解像度に依存しない極めて高いパフォーマンスと、互換性、そして電力効率を追求して設計されています。

現在、iPad版に加え、Windows版も提供されており、デスクトップ・モバイルの両環境で本格的なテクスチャ作成が可能です。

Rust言語による完全自社開発基盤で構築

Wafer のパフォーマンスを支えているのは、Rust 言語を中心に構築された自社開発の技術スタックです。このソフトウェアは、Sparseal が独自に開発したクロスプラットフォーム対応の UI ツールキット、アプリケーションフレームワーク、レンダラー、そしてジオメトリ処理ライブラリの上に構築された、同社初の製品となります。

このスタック全体は Rust と WGPU で書かれており、古いデバイスから最新のハードウェアまで、幅広い環境で性能を引き出せる設計になっています。Sparseal 社は、今後のアップデートや新製品もこの基盤の上に展開していく方針を示しており、長期的な拡張性と安定性を見据えたアーキテクチャが採用されています。

パフォーマンスについて

Waferは「どこでも動く」ことを目指して構築されており、実質的にテクスチャ解像度の制限がないとされています。ブラシやツールのパフォーマンスは、解像度やレイヤーの数にほとんど影響されず、低メモリデバイス向けにも徹底的に最適化されています。

最も性能の低い iPad Pro でも 16K ペイントが可能です。Apple Pencil に対応したモデルの中で最も古い、2015 年発売の初代 iPad Pro(9.7 インチ)でも、16K テクスチャのペイントが問題なく動作します。

さらに、2018 年の iPad Pro(第 3 世代)では 24K テクスチャ(4K タイル×36 枚)のペイントにも対応。古いハードウェアでも、ピクセル単位の正確なコントロールやレスポンスの良いブレンディングを維持しながら、ステンシルやアルファを使った細かなディテールまでしっかり描画できます。

パフォーマンス仕様・メモリ消費の目安

最大テクスチャ解像度1レイヤーあたり最大 64K に対応
※最新のハードウェア環境が必要
メモリ消費の目安
(RGBA 8-bit / 4レイヤー時)
4K解像度:約 150MB(1タイル / 全デバイス対応)
8K解像度:約 350MB
16K解像度:約 900MB(16タイル / 例:iPad Pro 2015)
24K解像度:(36タイル / 例:iPad Pro 2018)
※解像度のスケールは利用可能なメモリ(RAM)量にのみ依存します。

主な機能

Waferは、イラスト制作のような使いやすさと、3D空間ならではの高度なペイント技術を統合しています。

慣れ親しんだワークスペース

一般的なイラストレーションソフトウェアで期待されるツールやレイアウトが、3Dモデルの表面に直接適用できるよう設計されています。

充実した描画ツール

ブラシ、なげなわ選択、グラデーション、ウェットペイント(水彩風)、ぼかしなど、フルセットの機能を使いながら、3D ジオメトリ上に直接ペイントできます。

完全なレイヤーシステム

ペイントレイヤーや塗りつぶしレイヤー、編集可能なマスク、ブレンドモード、不透明度調整などを備えています。すべてが非破壊で動作するため、後から何度でも修正できます。

対称性(シンメトリー)

任意の軸に沿って作業をミラーリングでき、3D ビューと 2D ビューそれぞれに独立したピボット(基準点)を設定できます。

3Dペイントに最適化された機能を搭載

表面に沿う3Dストローク

ワールド空間で計算される球状・プリズム状のブラシ減衰により、真の 3D ペイントを実現しています。

投影方式で起こりがちな歪みやノイズといったアーティファクト、さらには目に見えるシーム(継ぎ目)も発生しません。

マルチチャンネルペイント

カラー、ラフネス、メタルネスなど複数のPBRチャンネルを一度のストロークで同時に描画できます。

NPRやスタイライズドシェーダー向けにカスタムのチャンネル構成を定義することも可能です。

複数モデル・マテリアルの管理

1つのプロジェクト内で、複数のメッシュ、マテリアル、テクスチャセットを同時に作業できます。

出力時は、詳細に設定可能なチャンネルパッキングパイプラインを利用できます。

統合されたアセットブラウザ

統合アセットブラウザでは、テクスチャ、ステンシル、ブラシアルファ、HDRI、デカールなどをひとつのパネルでまとめて閲覧でき、そのままツールへ即座に適用できます。

ステンシル
パターンや画像を、カメラの視点から3Dモデルの表面に直接投影してペイントできます。

トリプラナーマッピング
UV展開に依存せず、3方向からテクスチャを投影することで、3Dジオメトリ全体にシームレスにテクスチャを回り込ませます。

ブラシアルファ
カスタムのブラシ先端形状(アルファ)を使用し、多彩な質感やディテールを表現できます。

デカールとスタンプ
ロゴや傷などのディテールテクスチャを、任意の位置へ正確に配置・スタンプできます。

高度で柔軟なワークフロー

インフルエンスシステム

面の向き、法線の方向、トポロジーの繋がり、UVアイランド、あるいは指定したテクスチャマップに基づいて、ツールの影響範囲を精密にコントロールできます。

詳細なエクスポート設定

どのデータチャンネルをどの出力画像のRGBに割り当てるかを正確に定義でき、解像度やフォーマットを含め、あらゆる制作パイプラインに適応するテクスチャを出力できます。

リファレンスボード内蔵

参考画像を第2のビューポートとして固定し、作業画面内に配置できます。リファレンス画像から直接色をスポイトで取得することも可能です。

3Dと2Dの同期ペイント

3D と 2D のどちらでもペイントでき、両ビューは常に同期して動作します。ライティングなし、シェーディングあり、PBR プレビューといった 3D メッシュ上でのペイントに加えて、展開された 2D テクスチャ上で直接作業することも可能です。

両方のビューを並べて表示し、リアルタイムに反映される状態で作業できます。

その他の機能・特徴

  • 筆圧と傾きの完全サポート: スタイラスペン(Apple Pencilなど)の筆圧感知と傾き検知に完全対応しており、直感的で豊かなストローク表現が可能です。
  • プロシージャルな塗りつぶし: 単なるカラーの塗りつぶしだけでなく、プロシージャル(手続き型)な塗りつぶしレイヤーを活用した柔軟なテクスチャリングに対応しています。
  • マテリアル単位での適用: マスクと塗りつぶしレイヤーを組み合わせることで、個別のチャンネルだけでなく、完全なマテリアル設定をオブジェクトへ一括で適用・管理できます。

更新情報

Version 1.2.x – 2026年4月23日~

v1.2.0 の変更内容

v1.2.0ではWindows版が正式リリースとなりました。機能面では、インターフェースの使い勝手向上と、ショートカットキーによる操作の効率化に重点が置かれています。

  • Windows版が正式リリース

UI・レイアウトの改善

  • インスペクタのレイアウトに2カラム(2列)表示が追加されました。画面の横幅を活かした設定配置が可能になります。
  • 一部のUI要素の視認性が向上し、より明確な表示へと改善されました。
  • 一般設定(General settings)の項目が「システム」と「テーマ」に分割され、設定の目的が整理されました。
  • 設定タブのレイアウトが縦型に変更され、項目の閲覧性が向上しています。

操作性の向上

  • ショートカットキーのカスタマイズが有効になりました。ユーザーの作業環境に合わせたキー割り当てが設定できます。
  • モデル上のすべての三角形ポリゴンを選択するためのショートカットが追加されました。
  • ブラシの半径とフロー(流量)を微調整する際の、新しいモーダルプレビューが導入されました。
  • Cmd / Shift キーを使用して、選択の解除および選択の追加を行うショートカットが追加されました。
  • [ および ] キーを使用して、ブラシの半径を拡大・縮小するショートカットが追加されました。一般的なペイントソフトと同様の直感的なサイズ変更が可能です。

パフォーマンス向上

  • ブラシストロークの応答性が向上し、より遅延の少ない滑らかな描画が期待できます。

ペイント機能の拡充

  • カラーサンプラーにおいて、アルファ(透明度)のプレビューが追加されました。
  • 3DビューとUVビューそれぞれで、異なるブラシ半径を保持・適用できるようサポートされました。ビューを切り替えた際のブラシサイズの再調整の手間が省けます。
  • シンメトリ(対称)ツールが刷新されました。これにより、3DビューとUVビューでそれぞれ独立したコントロールが可能になっています。

修正

  • 複数のビューポートおよびUIに関する不具合が修正されました。

v1.2.1 の変更内容

v1.2.1は、v1.2.0リリース後に確認された特定の問題に対処するバグフィックス・アップデートです。

  • Blur(ぼかし)およびSmudge(指先ツール)を使用した際に、ジオメトリ(形状)が意図せず影響を受けてしまう不具合が修正されました。
  • 一部の非多様体メッシュ(Non-manifold meshes:構造に破綻のあるメッシュ)をインポートする際に発生していた問題が修正されました。
  • Apple Pencil (USB-C) を使用した際のツールの挙動が修正され、正常に動作するようになりました。
Version 1.1.x – 2026年3月7日~

新機能

  • フィルタリングされたテクスチャを使用した透明オブジェクトのサポート。
  • 半径、角度、カラーの各プロパティにブラシジッター(散布)設定を追加。
  • スマッジ(指先)ツールの追加。
  • 平行投影・透視投影の切り替えや、軸スナップが可能なカメラコントロールパネルを追加。
  • .fbx および .vrm ファイルのインポートに対応(VTuberモデル等のテクスチャ制作が容易に)。
  • システム言語の自動検出機能と、英語・日本語・中国語の初期ローカライズ対応。
  • ダブルタップジェスチャーによるメッシュの切り替え機能。
  • カラープロパティにカラーピッカーを追加。
  • UVペイントにおける非正方形(縦横比の異なる)テクスチャのサポート。
  • セットアップ時にすべてのオブジェクトを透明に設定するオプションを追加。
  • メッシュの選択・切り替え時にペイントのアルファ値(不透明度)を考慮するよう改善。

主な修正と最適化

  • エクスポート設定、UVエディターのテクスチャ切り替え、キャンバスレイヤーのデフォルトカラー、メッシュインスペクターのスクロールなどを修正。
  • レイヤースタックに影響を与える「元に戻す(Undo)」操作の修正と最適化。
  • トリプラナーペイントのサイズとスケールにおけるプロパティ制限の誤りを修正。
  • インポート時にトポロジーが失われる問題や、非多様体(ノンマニホールド)ジオメトリの読み込み問題を修正。
  • 2Dビューでの塗りつぶし時、スマッジ(指先)ツールの画面外サンプリング時、外部ディスプレイ接続時などに発生する各種クラッシュを修正。
Version 1.0.0 – 2026年2月24日
  • Wafer 初回リリース。

価格とシステム要件

Wafer は、 Windows または iPadOS 16.6 以降 (過去10年以上のほとんどのデバイスで動作可能)で利用できます。

価格とプランは以下の通りです。

iPad版の価格

ダウンロード・基本機能試用 無料
保存・エクスポート機能
(アプリ内課金)
3,000円 / $19.99(買い切り)
※価格は為替等により変動する場合があります。App Storeにて最新の価格をご確認ください。

Windows版の価格

公式サイトよりインストーラーのダウンロードと基本機能の試用が無料で行えます。
保存・エクスポート機能を有効にするには、以下のライセンス(いずれも永久使用権+1年間のアップデート権付き)の購入が必要です。

Indie
(個人・小規模向け)
$45.00 / ユーザー
年間収益10万ドル未満対象。2デバイスまで認証可。
Studio
(中規模以上・企業向け)
$120.00 / ユーザー または シート
年間収益10万ドル以上対象。ノードロックまたはフローティング。
Education
(教育機関向け)
要問い合わせ
非営利目的の教育機関対象。カスタム価格。

※購入から1年が経過した後も、期間内にリリースされた最新バージョンは引き続き無期限に使用可能です。最新のライセンス規約は 公式サイトをご確認ください。

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