Blender用リトポロジーアドオン RetopoFlow 4.1 がリリース!新しいナイフ機能や選択した面を回転させる機能の追加など

プラグイン

Orange TurbineチームによるBlender 用のリトポロジーツールキット RetopoFlow 4.1 がリリースされました。

主な新機能

今回のバージョン4.1では、新しいナイフ機能や自動ジャンクション生成、選択した面の流れを回転させる「Topo Rotate」、特定の頂点を固定する「Pinning(ピン留め)」など、リトポロジー作業の効率を大幅に向上させる多数の新機能が搭載されています。

Retopoflow 4.1 – New Knife, Auto Junctions, Topo Rotate, Pinning, and More

テーマ変更による視認性の向上

RetopoFlowモードに入った際のオーバーレイ表示(メッシュの描画色など)に、新しいテーマ設定が追加されました。バージョン3時代に存在した機能が復活した形となります。

以前のバージョンでは、Blender標準のテーマ設定に依存しており、透明度が高すぎるため「面が欠けているかどうか」の判別が困難なケースがありました。デフォルト設定となる新しい「Blue」テーマは、コントラストが高く設定されており、視認性が大幅に向上しています。

設定は以下の通り変更可能です:

  • カラーバリエーション: Blue(デフォルト)、Green、Orange、Pink、Purple、Blender(従来の設定)から選択可能。
  • 要素のサイズ調整: 頂点のサイズ(デフォルト4px)やエッジの太さ(デフォルト2px)をRetopoFlowモード内でのみ個別に調整可能になりました。
  • オフセット設定の移動: メッシュの表示オフセット(重なり具合)の設定が、重要度が高いことからツール設定ヘッダーに移動され、アクセスしやすくなりました。

PolyPen(ナイフツール)の大幅な強化

最も実用的なアップデートとして、PolyPenツールのナイフ機能(カット機能)が改善されました。これまでの「1面ずつクリックしてカットする」という制約がなくなり、操作性が向上しています。

連続カットと部分ループカット

Ctrlキーを押しながらドラッグすることで、複数の面を一度にスライスできるようになりました。

  • メッシュの外側からドラッグ:面の新規作成(従来通り)
  • メッシュの内側(面上)でドラッグ:ナイフカット

また、エッジを選択した状態でCtrlを押すと、ループカットのように動作します。ポイントを挿入せずにエッジから直接カットを開始でき、形状に沿った部分的なループを素早く挿入可能です。

柔軟なカット割り

1つの面に対して任意の回数カットを入れることが可能になりました。始点から複数の頂点を経由し、反対側のエッジや頂点に接続した時点で面が分割されます。また、エッジ上に新しく打たれたポイントはエッジに対して正確に拘束(コンストレイント)されるようになりました。

自動ジャンクション挿入機能

他ツールにはあまり見られない新機能として、カットの流れを自動的に曲げる機能が搭載されました。
四角形ポリゴンの片側でカットを開始し、隣接するエッジ上にカーソルを合わせると、自動的にコーナーを曲がるようなトポロジー(ジャンクション)が提案されます。これにより、手動で三角形を作ってリダイレクトさせる手間が省けます。(設定でOFFにすることも可能です)

Topo Rotate(トポロジー回転)

Topo Rotateは、現在開発中の「Patches」ツールから先行して実装された機能です。

このツールを使用すると、選択した面のトポロジーの流れを回転させることができます。例えば、Alt + Rを押すことで、X軸方向に流れていたループをY軸方向の流れに変更するなど、ポリゴンの構造を回転させて修正可能となります。

Tweak / Relax ツールでのピン留め

Tweak(微調整)およびRelax(スムーズ化)ツール使用時に、特定の頂点を動かさないようにする「ピン留め」機能が追加されました。この機能はRetopoFlow 3に存在していましたが、バージョン4で一時的に省かれており、多くのユーザーから復活が望まれていたものです。

画面上部のツール設定(Tool settings)から、選択した頂点を手動でピン留め(Pin / Unpin)できるほか、メッシュ属性に基づいて自動的に移動を制限(除外)することも可能です

これにより、UV境界やハードエッジを保持したまま、内部のトポロジーだけを整える作業が効率化されます。

Loop Delimit(ループ選択の区切り設定)の強化

Blender 5.1以降の標準機能として実装される「ループ選択の境界(Loop Delimit)」指定機能が、RetopoFlowに最適化された形で組み込まれました。

この機能は、RetopoFlowの開発チームがBlenderに直接貢献(コントリビュート)して実現したようです。

これにより以下のような柔軟な選択が可能となっています。

内側の角での自動停止

RetopoFlow内で境界ループ(Boundary Loop)を選択する際、デフォルトで「内側の角」で選択が止まるようになりました。これにより、Strokeツールなどで特定の領域だけを素早くドラッグして面張りしたい場合に、意図しない範囲まで選択が及んでしまうのを防ぐことができます。(RetopoFlowモードを抜けると、Blender本来のデフォルト挙動に戻ります)

Nゴンの貫通選択

逆に、Nゴン(多角形ポリゴン)が含まれるメッシュでループ選択を途切らせたくない場合は、デリミット設定(N-gon delimitなど)を解除することで、Nゴンを貫通してループ選択を継続させることが可能になりました。

※このRetopoFlow専用のループ選択および最短パス選択のデフォルト調整は、必要に応じてアドオンの「Tool Switching preferences(ツール切り替え設定)」から無効化することも可能です。

その他のアップデート

主要機能以外にも、パフォーマンスの向上や環境依存の問題解決など、多くのアップデートが含まれています。

機能改善・仕様変更

  • 筆圧感知(Pen Pressure): TweakおよびRelaxツールがペンタブレットの筆圧に対応し、ブラシの強弱を直感的にコントロールできるようになりました。
  • 誤操作の防止: 最短パス選択(Shortest Path / Ctrl + Shift + 左クリック)を実行した際、自動的な面貼り(Fill Region)が無効化されました。これによりPolyPenでの誤った面生成を防ぎます。
  • ミラーリング設定の追加: ミラーリングパネル内に、頂点の結合距離(Merge Distance)を調整する項目が追加されました。
  • クリーンアップの挙動変更: Cleanupオペレーターにおいて、「面のないエッジ(Faceless edges)」を削除するオプションがデフォルトでオフになりました。
  • Contoursツールの表示改善: WalkまたはSkipモード使用時、計算に使用されない外側のサンプル点が表示されなくなり、ビューポートがすっきりしました。
  • UI改善: Blenderのステータスバーに全ツールのホットキーヒントが表示されるようになりました。また、WキーのパイメニューをRetopoFlow以外のツールでも使用可能にする設定が追加されました。

パフォーマンスと安定性

  • 処理速度の向上: Relaxツールの初期化と構造構築が最大5倍、Contoursツールが約2倍高速化されました。
  • Windows Inkに関する警告: Windows Inkドライバを使用している場合、RetopoFlowの有無に関わらず最近のBlenderバージョンでラグが発生することがあります。本バージョンより、Windows Inkドライバの使用を検知した場合に警告が表示されるようになりました。
  • 主なバグ修正:
    • PolyPenおよびStrokesで、対称軸(Symmetry line)からの押し出しができない問題を修正。
    • Polystripsツールで、-Yおよび-Z軸でのミラーリングが正しく動作しない問題を修正。
    • Contoursツールで、カットを右クリックキャンセルした際に発生する問題を修正。
    • Contoursツールで、特定の形状や操作時に発生するエラー(ベクトルの引き算やマトリクスエラー、ねじれ等)を修正。
    • クイックスイッチ・ホットキー使用時に、Tweak/Relaxツールがマスキング設定を無視してしまう問題を修正。
    • ツール切り替え時に「Fade Inactive(非アクティブのフェード)」が有効にならない問題を修正。
    • 頂点座標が不正な場合にRelaxツールでクラッシュする問題を修正。
    • ソースオブジェクトが出力のないジオメトリノードを持つカーブの場合にクラッシュする問題を修正。
    • Blender 5.0でのワイヤーフレームミラー表示モードの修正。
    • 特定のグラフィックドライバ環境でアドオンを有効化できない問題を修正。
    • カスタムオーバーレイにおける小規模なメモリリークを修正。

開発状況について:
ユーザーからの要望が最も多い「Patches」ツール(面をパッチ状に生成する機能)については、現在も鋭意開発中とのことです。今回のバージョンに含まれるTopo Rotate機能はその開発過程から派生したものです。

価格とシステム要件

Retopoflow 4は、Blender 4.2 以降で利用可能です。

ライセンスは、個人から大規模スタジオまで、複数のプランが用意されています。

価格は以下の通りです。

Retopoflow 4 Personal商用利用可$85.99
Retopoflow 4 Indie Team2〜5名$151.99
Retopoflow 4 Full Team6〜14名$425.99
Retopoflow 4 Studio15名以上$1,285.99

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