アカウント・サブスク不要、マルチプラットフォームで利用可能なの軽量3Dスカルプティングアプリ「tamga」

CGソフト

軽量3Dスカルプティングツール「tamga」の紹介です。

「tamga」とは

「tamga」は、近年いっそう多機能化・複雑化する 3DCG ソフトウェアとは対照的に、直感的でシンプルな操作性を追求して開発された新しい 3D アプリケーションです。

tamgaには、スカルプト、ペイント、ポージング、インクによるスケッチ、そしてスタイライズド・レンダリング機能がひとつの軽量アプリに統合されています。iPad向けに最適化されているほか、Webブラウザ、macOS、Windows、Linuxといった幅広いプラットフォームで動作します。

オスカー受賞作品を支えた技術者が開発

このアプリを開発したのは、Galata Ink Interactive CorporationのAhmet Levent Taşel氏です。

同氏は、アカデミー賞を受賞した映画『スパイダーマン:スパイダーバース』においてリード・テクニカル・ディレクターを務め、同作のユニークなアニメーションスタイルと視覚言語を定義づけるツール群を構築した実績を持ちます。その後もNetflix Eyeline LabsでCGの最先端技術に貢献し、SIGGRAPH等の主要学会で研究を発表してきた人物です。

Taşel氏は、「ソフトウェアを操作する疲労」や「複雑なUIによるアーティストの負担」を解決したいという動機からtamgaを開発しました。エンジニアのために設計された複雑なボタンの羅列ではなく、アーティストの制作作業を妨げない「紙とペン、あるいは土の塊」に近い感覚のユーザーエクスペリエンスを目指したと語っています。

tamgaの基本思想:完全オフラインとプライバシー保護

現在の多くのデザインツールがクラウド依存やサブスクリプション制に移行する中、tamgaは以下の特徴を持っています。

  • アカウント登録不要
  • サブスクリプションなし
  • 広告なし
  • 意図的な完全オフライン仕様(ユーザーの作品データはすべてデバイス内に留まり、AI学習などのデータスクレイピングから保護されます)

主な機能

tamgaは「1〜2回のタップで目的のツールにアクセスできる」ように設計されており、メニューを探す手間を省いて直感的に制作に専念できます。主な機能は以下の通りです。

スカルプト

tamga では、まず 基本プリミティブを配置するところから造形がスタートします。必要なスカルプトブラシは用途ごとにすっきり整理されており、複雑な UI に悩まされることなく、すぐに形を作り始められます。

動的トポロジー(Dynamic Topology)に対応しており、オンザフライでのリメッシュが可能なため、マルチレゾリューションやトポロジーを気にすることなく、細部のディテールを反復して作り込むことができます。

ペイント

UVマップやテクスチャファイルを用意することなく、メッシュに直接色を塗る「頂点ペイント」機能が採用されています。。

単なるアルベド(カラー)だけでなく、ラフネス、メタル、スキャッター、ガラスといったPBR(物理ベースレンダリング)の質感もブラシで直接ペイント可能です。

ポージング

複雑なリギング作業を行う必要はありません。専用のシンプルなポーズツールを使うことで、スカルプトの一部をそのまま曲げたり、傾けたり、移動させたりできるので、シルエットの確認やジェスチャーの探求が可能です。

スケッチ

3D空間にインクの線を描き込むことができます。アイデアのブロックアウトや、スタイライズされたアウトラインの追加、作品への注釈など、3Dと2Dの手法を組み合わせたアプローチが可能です。

レンダリング

「ペーパーモード」と呼ばれるスタイライズド・レンダリングをはじめ、MatcapやPBRなど複数のモードを瞬時に切り替えることができます。

プリセットのIBLマップの変更や、キーライト、アンビエントライトの配置もサポートされています。

インポート&エクスポート

Blenderなど他の3DソフトウェアからのOBJファイルのインポートが可能です。

完成した作品はOBJファイルとしてエクスポートするか、画像としてレンダリングして共有することができます。

操作マニュアル

ナビゲーション (Navigation)
オービット(回転) 何もないキャンバス上をドラッグ
パン(移動) 右ドラッグ(マウス)または2本指ドラッグ(タッチ)
ズーム スクロールホイール、ピンチ操作、または何もないキャンバス上で中ボタンドラッグ(※オブジェクトの表面で中ドラッグするとブラシサイズの調整になります)
カメラの強制移動 Alt + ドラッグ(メッシュ上でもカメラを移動可能)
元に戻す (Undo) Ctrl/Cmd + Z (iPad: 2本指タップ)
やり直し (Redo) Ctrl/Cmd + Shift + Z (iPad: 3本指タップ)
スカルプト (Sculpt)
  • メッシュ上をドラッグして、アクティブなブラシでスカルプトします。
  • ブラシサイズ変更: [ ] キー、S キー + ドラッグ、表面で中ボタンドラッグ、または Apple Pencil のスクイーズ + ドラッグ
  • MOD (Ctrl): ブラシのモードを反転(Clayは削る動作に、SmoothはDecimate機能に変化するなど)
  • 一時的なスムーズ化: Shift を押しながらスカルプトすると、現在のブラシサイズのまま一時的にSmooth(平滑化)ブラシに切り替わります。
  • ブラシ感度 (Sensitivity): 筆圧への反応を調整します(ブラシごとに設定可能)。
  • 動的トポロジー (Dynamic topology): スカルプトに合わせて自動的に分割・簡略化を行います(ブラシごとに利用可能)。
  • シンメトリー (Symmetry): 軸を基準に対称スカルプトを行います。(Symmetrizeを使うと既存のジオメトリに対称性を強制適用できます)
  • リメッシュ (Remesh): 指定したボクセル密度で均一なトポロジーを再構築します。
マスキング (Masking)
  • マスクをペイントして、他のブラシの影響から保護します。MOD (Ctrl) でマスクを消去します。
  • Extract Masked: マスク領域から新しいメッシュを作成します(マスクボタンの下のオプション)。
  • Extract Shell: マスクの境界から薄いシェル(殻)を作成します(同上オプション)。
フォーム / CSG (Form / CSG)
  • プリミティブを追加し、ブーリアン演算(結合・減算・交差)で組み合わせます。
  • 適用する前にギズモを使って位置やスケールを調整します。デフォルトでスナップが有効ですが、MOD (Ctrl) を押し続けると無効化できます。
  • Smoothnessスライダー: ブーリアンの境界の滑らかさ(ブレンド具合)を制御します。
ポーズ (Pose)
  • クリックでアンカーを配置し、ドラッグして変形させます。
  • Ctrl+クリック でアンカーを削除します。
  • Freeze: 変形をベイク(確定)します。 Clear: すべてのアンカーを削除します。
ペイント (Paint)
  • ブラシやスプレーで頂点カラーをペイントします。MOD (Ctrl) で消去します。
  • Blend: 色を滑らかに混ぜ合わせます。
  • Fill: メッシュを現在の色で塗りつぶします。 Clear: すべてのペイントを消去します。
  • チャンネルの切り替え: アルベド(カラー)、ラフネス(粗さ)、メタリック。それぞれをオン/オフして、ペイント・塗りつぶし・消去の対象を選択できます。
ライト (Light)
  • Domeを切り替えてライトスフィアを表示します(クリックで追加、ドラッグで移動、Alt+クリックで削除)。
  • 各ライトごとに強度と色を調整できます。
  • 環境プリセット: Studio, Sunrise, Forest, City, Courtyard, Sunset, Night, Interior(CC0ライセンス提供: Greg Zaal & Philip Modin)
インク & ペーパー (Ink & Paper)
  • 3Dの表面上にインクのストロークを描画します。
  • Paperモード: スタイライズされたイラスト調(Kuwaharaフィルター等)のルックを適用します。
  • Valleys(暗い溝)、Peaks(ハイライト)、Chisel(エッジ)を使用して質感を微調整します(Paperオン/オフで無効化可能)。
カメラ (Camera)
  • レンズ効果: ディストーション(歪み)、色収差、汚れ、ノイズ(※ディストーションが有効な場合、色収差はそれに連動します)。
  • カラーグレーディング: 露出、コントラスト、彩度、色温度、色合い、フェード。
  • センサープリセット: フルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズ、iPhone。
エクスポート & インポート (Export & Import)
  • レンダリング結果をPNG、JPG、またはEXRとしてエクスポートできます。
  • メッシュをOBJファイルとしてエクスポートできます。
  • OBJをインポートして、既存のモデルにスカルプトを追加できます。
  • ※ tamgaはOBJファイルに独自の追加メタデータを保存・読み込むため、エクスポートとインポートは事実上の「保存 (Save)」と「読み込み (Load)」として機能します。
  • 自動復元: 作業内容を保存し、クラッシュ後に復元する機能が備わっています。
ショートカット一覧 (Shortcuts)
元に戻す (Undo) Ctrl/Cmd + Z
やり直し (Redo) Ctrl/Cmd + Shift + Z
ブラシサイズの縮小 / 拡大 [ / ]
ブラシサイズの調整 S + ドラッグ
代替ブラシモード Ctrl
カメラ操作を強制 Alt
一時的にSmooth(平滑化) スカルプト中に Shift
キャンセル Escape
ブラシサイズ調整 (iPad) Apple Pencil スクイーズ
元に戻す (iPad) 2本指タップ
やり直し (iPad) 3本指タップ
ブラシサイズ調整 (マウス) オブジェクト表面上で中ボタン
ズーム (マウス) 何もないキャンバス上で中ボタンドラッグ
その他 (Other)
  • シーンパネル(左下): オブジェクトの選択、表示/非表示の切り替え、マージ(統合)。

価格とシステム要件

tamgaは、Webブラウザ、macOS、Windows、Linux版において、個人的な利用、教育目的、非営利目的であれば無料でダウンロードおよび使用が可能です。

※ デスクトップ版およびWeb版のtamgaは、動作にWebGPUを必須とします。OSやブラウザのバージョンによってはサポートされていない場合があるため、ライセンス購入前に必ず無料版をダウンロード(またはWeb版にアクセス)して動作確認を行うことが推奨されています。

商用利用については、プラットフォームごとに以下のようになっています。

【個人・教育・非営利】
Web / PC版
無料
【商用利用】
iPad版
2,000円(App Store 買い切り)
【商用利用】
Web / PC版
CA$17.99(買い切り)

iPad版は、App Storeにて買い切り価格の2,000円で提供されており、この購入に商用利用の権利が含まれます(ファミリー共有にも対応)。

デスクトップ / Web版では、商用利用する場合は、別途商用ライセンス(CA$17.99)の買い切り購入が必要です。購入時のレシートがライセンス証明となります。商用ライセンスはこちらの購入ページから取得可能です。


より詳しい情報は公式ウェブサイトへ

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