2026年4月14日 – ソニーは、空間コンテンツ制作を支援するソリューション群「XYN™(ジン)」において、「空間キャプチャーソリューション」を法人向けに提供開始することを発表しました。
「XYN」が法人向けに提供開始
「XYN(ジン)」は、現実の空間を高精度にスキャンし、高品質な 3DCG アセットとして生成するための空間キャプチャーソリューションです。VR・AR・MR など、立体感や没入感が求められる空間コンテンツでの活用をスムーズに進められるワークフローを提供します。
今回提供が始まるツールは、空間コンテンツ向けの撮影をサポートするスマートフォンアプリ 「XYN Spatial Scan Navi」、スキャンした空間を高品質な 3DCG アセットとして生成するクラウドアプリ 「XYN Spatial Scan」、そして高画質で安定した映像表示を実現するレンダリングプラグイン 「XYN Spatial Renderer Plugin」 の 3 つです。
これらのツールは、映画・ドラマ・CM 制作などのバーチャルプロダクションにおいて、3DCG アセットの撮影・生成・活用を幅広く支援することを目的としています。数メートル規模の大型 LED ウォールやリアルタイムレンダリング環境での使用を想定しており、プロダクション品質のフォトリアルな 3DCG アセットを効率よく扱うことができます。
「XYN」は、2025年1月の発表をきっかけに開発が進められ、同年11月から提供されている「空間キャプチャーソリューション」ベータ版で得られた知見をもとに、さらにブラッシュアップされています。
今後はアプリケーションのラインアップ拡充や機能追加を通じて、バーチャルプロダクションにとどまらず、ゲーム、アニメ、建築、製造、デジタルツイン、文化財アーカイブなど、より幅広い分野での活用を目指すとしています。
さらに、ソニーは、各業界で一般的に使われている 3DCG 制作ツールやゲームエンジンとの連携を想定したプラグインやサービスも順次展開し、よりシームレスなワークフローの構築に貢献していく方針です。
提供を開始する3つのソフトウェアツール
今回の提供開始に伴い、空間キャプチャーの各工程をサポートする以下の3つのソフトウェアツールがリリースされます。
各ソフトウェアツールの詳細
XYN Spatial Scan Navi
XYN Spatial Scan Naviは、デジタル一眼カメラ(α™など)とスマートフォンを接続して使用することで、3DCGアセット生成に必要な写真撮影を強力にサポートするアプリケーションです。撮影者のスキルに関わらず、高品質なデータ取得を可能にします。
ARナビゲーションで撮影を支援
デジタル一眼カメラα™(Alpha™)とスマートフォンを接続することで、スマートフォンの画面上に撮影すべき位置や角度をAR(拡張現実)で可視化します。これにより、3DCG生成に必要な写真を過不足なく、最適な角度から撮影することが可能になります。
リアルタイムプレビューで撮影漏れを低減
撮影視点の表示や、俯瞰ビュー、撮影範囲のヒートマップ表示などにより、現在の撮影状況をリアルタイムに可視化します。死角や撮影漏れをその場で防ぐことで、後からの再撮影を防ぎ、制作全体の工数削減に大きく貢献します。

スマートアシスト機能でワークフローを効率化
被写体に合わせた最適なカメラ設定およびシャッター制御をスマートフォンアプリケーション側から自動で行います。空間コンテンツの撮影に関する専門知識がなくても、一定品質の撮影を行うことが可能です。さらに、レンズ情報やカメラのメタデータなどを自動で記録し、後段の生成プロセスへ引き継ぐことで、3DCGの品質向上と処理の高速化を実現します。
XYN Spatial Scan
XYN Spatial Scan は、撮影した複数枚の画像データをクラウドにアップロードし、プロダクション品質のフォトリアルな3DCGアセットを生成するWebアプリケーションです。ソニー独自開発のアルゴリズムにより、現実の物体や空間をXR空間上に高精度に再現します。
業界トップクラスの生成品質
バーチャルプロダクションで用いられる大型LEDウォールに表示した場合でも、ソニー独自の生成アルゴリズムにより、金属などの反射や光沢、遠景の空気感などを高解像度かつ忠実に再現します。また、HDR表示で求められるカラーマネジメントワークフローにも対応し、白飛びや黒つぶれを抑えた豊かな階調表現を実現します。
制作環境に依存しないクラウド運用とシンプルな操作性
クラウド上で生成処理を行うため、特別なハイスペック環境を用意せずに導入でき、外出先からでも高品質なデータの生成・確認が可能です。複雑な設定は一切不要で、アルゴリズムを選択するなどのシンプルな操作だけで、プロダクション品質のアセットをスピーディに生成します。
ワークフローへの高い親和性
さまざまなカメラの撮影データに対応し、生成したデータはEpic Games社のUnreal Engineなどのワークフローにシームレスに組み込むことが可能です。さらに『XYN Spatial Scan Navi』や『XYN Spatial Renderer Plugin』と組み合わせることで、より高品質かつ効率的なワークフローを実現します。
XYN Spatial Renderer Plugin
XYN Spatial Renderer Pluginは、『XYN Spatial Scan』で生成した3DCGアセットをプロダクション品質で再生するソニー独自のレンダリングプラグインです。
数メートル規模の大型LEDウォールやリアルタイムレンダリング環境での使用を想定し、フォトリアルな3DCGアセットの効率的な利用を可能にします。
高画質リアルタイムレンダリングで制作の自由度を向上
安定した高画質表示
広角からクローズアップまで多様なカメラワークでも破綻のない高精細レンダリングを実現。スタジオでの撮影自由度を高めます。
奥行き情報に基づく自然なボケ表現
空間の奥行き情報に基づき、近景から遠景まで距離に応じて変化するボケ表現が可能。実写との合成時にも自然な奥行きをもたらします。
高効率レンダリング
インナー/アウターフラスタムと表示解像度を最適に制御し、描画パフォーマンスと画質を両立した効率的なレンダリングを実現します。
リアルタイムCG合成
背景アセットとCG要素をリアルタイムに合成することで、ロケーションに依存しない柔軟な背景表現を可能にします。
自然な照明表現(ライティング調整)
実写被写体とCG空間のライティングを一致させ、意図した演出に応じた自然な照明表現を撮影段階で可能にします。
柔軟な色調整(カラーコレクション)
シーン内の任意の範囲にカラーコレクションを適用し、トーンや色味を撮影段階で自在に調整できます。
業界標準のワークフローに対応
Unreal Engine や Pixotope など映像制作やバーチャルプロダクションで使われる主要ツールとシームレスに連携します。これにより、さまざまな制作環境で統合的にワークフローを支援し、必要な場面ですぐに活用できる柔軟性を備えています。
さらに、撮影前のシミュレーションや、撮影時の LED ディスプレイの色補正などを行えるソニーの 「Virtual Production Tool Set」 と組み合わせることで、より効率的で安定した制作ワークフローを実現できます。
また、今回の発表に合わせて、バーチャルプロダクション制作向けに「Disguise(ディスガイズ)」環境でXYNの3DCGアセットを活用できる連携プラグインの提供が開始されました。
Disguise向け連携プラグインの提供を開始について
Disguiseは、複数のメディアサーバーを統合的に制御し、カメラトラッキングやレンダリング出力を高精度に同期させるシステムです。映画やTV、コマーシャルにおいてピクセル単位での完璧な精度を実現し、世界400以上のステージで採用されています。
連携プラグインの主な特長:
- 環境へのスムーズなデータ統合:XYN空間キャプチャーソリューションで生成したアセットを、Disguiseを中核とした制作環境へ円滑に取り込み可能にします。
- プロダクション品質と高精度出力の両立:XYNの高品質な生成アセットとDisguiseの高精度レンダリングを組み合わせることで、LEDウォールを用いたインカメラVFX制作を効率化。現場で最終画に近い状態を即時確認でき、柔軟な演出調整を実現します。
幅広い活用分野と導入事例
「XYN 空間キャプチャーソリューション」は、映像・映画制作におけるバーチャルプロダクション(VP)撮影のスタジオ構築をはじめ、ゲーム開発、アニメーション制作、製造業でのデジタルツイン構築や文化財のデジタルアーカイブなど、多岐にわたる用途に最適化されています。
さらに、本格提供に先駆け、バーチャルプロダクションスタジオ「ソニーPCL 清澄白河BASE」等において、プロトタイプ版を用いた実証や映像制作が行われています。
ソニー独自の3DCG生成技術活用カット|「Anemoi」
(清澄白河BASE)
「Ooochie Koochie 『ショーラー』」
Music Video 技術メイキング映像(清澄白河BASE)
また、国内外の数多くのメディアパートナー企業と共に、新たな空間コンテンツ制作の可能性を開拓しているとのことです。日本テレビ、フジテレビ、テレビ東京、WOWOW、NBCUniversal、CBS 他多数がパートナー企業として挙げられています。
提供について
日本国内では4月18日より提供が開始され、米国市場へも順次展開される予定です。
NAB Show 2026 出展情報
本ソリューションは、アメリカ・ラスベガスで開催される国際放送機器展「NAB Show 2026」にて、現地時間4月19日より実機展示およびデモンストレーションが行われます。
また、法人向けのベータ版利用に関するご相談や、詳細な製品仕様については、以下の関連リンク(ソニー公式ページ)よりお問い合わせください。


























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