Nuke 17.0 がリリース!ガウススプラット対応、新しい3Dシステムや機械学習ツールの拡張など

CGソフト

Nuke 17.0 新機能詳細

ガウススプラット対応

ガウススプラット対応と新しいノード

Nuke内でネイティブにGaussian Splatsのインポート、表示、操作、レンダリング、エクスポートが可能になりました。GeoImport または GeoReference ノードを使用してインポートし、Hydraベースの3Dビューポートで表示できます。

レンダリングには新しい SplatRender ノードを使用し、2Dへ出力します。深度(Depth)やDeep出力、モーションブラーを活用することで、ショット内の他の要素とシームレスに合成することが可能です。

また、新しいGeoDeletePointsノードを使用してスプラットなどのポイントデータを非破壊的に削除したり、GeoGradeノードを使用してスプラットの色補正を行うことができます。(詳細はWorking with Gaussian Splatsを参照)

新しいFieldノード

Fieldツールバーに追加された新しい Field Nodes を使用してフィールドを作成、結合、変換し、Gaussian Splatsやその他の3Dポイントデータの操作を制御できます。

新しい3Dシステム

ユーザーからのフィードバックが集約された、Nukeアーティストのための新しい3Dシステムが登場しました。コンポジットの規模とクリエイティブな制御を新たなレベルに引き上げる、実戦投入可能な3D環境が利用可能になりました。Nukeの作業方式に慣れた誰もが直感的に操作できるワークフローが実現されています。

インポート

大規模で複雑な3Dシーンから、必要なデータのみを正確にインポートできるようになりました。新しいポップアップ型の Import Scene Graph Dialog を使用してインポートするデータをカスタマイズし、ワークフローを高速化できます。ペイロードのロード/アンロード、インポートする要素の選択、Prim(プリム)の有効化/無効化が可能です。

キーワード検索、フィルタ、Graph Depth(グラフの深さ)選択を利用することで、膨大なアセットの中から素早く対象を選択できます。また、Alembicジオメトリとカメラも GeoImport を通じて新しい3Dシステムに取り込むことができます。内蔵されたシーングラフを使用し、3Dビューアからインポート選択の再確認や更新が可能です。

Axis(軸)

Axis  ノードを使うことで、ステージ上の変換データを Nuke 内の任意の場所へ渡すことができます。プロパティパネルも改良され、より素早く編集できるようになりました。

新たに追加された Constrain 入力パイプでは、LookAt、Parent、Transformation、Translation、Rotation、Scale といった各種コンストレイントを直接切り替えられます。Axis ノードは GeoScene ノードを通じて 3D システムに組み込むことが可能です。

さらに、Snapshot 機能により、データを保持したまま Axis ノードをシーンから切り離すことができます。これは、特定のフレーム(またはフレーム範囲)のデータを一時的または恒久的に保存することで実現され、柔軟なワークフローをサポートします。

注記: この機能は、新しい3Dシステムの Camera、DirectLight、SpotLight、PointLight、EnvironmentLight ノードにも適用されます。

オーサリング

USD の操作がこれまで以上に直感的になりました。

オーサリング用のコントロールは、インポートした USD 属性から自動的に設定されるほか、他の 3D ノードから継承することもできます。必要に応じてインポートデータを手動で上書きし、その状態をオーサリングモードで確認できます。元の値とカスタム値を素早く切り替えられるため、非破壊的に編集内容をレビューできる柔軟なワークフローを実現しています。

カメラ

プロパティパネルの改良により、Camera ノードの設定や調整がこれまでよりスムーズに行えるようになりました。すべてのカメラロケーターが 3D ビューポート上で視認できるため、シーン内での位置関係も把握しやすくなっています。

GeoCamera ノードを使えば USD カメラを新たに作成でき、GeoEditCamera を使用することで、インポートした USD カメラを Camera ノードへ複製することなく直接編集できます。GeoImport でインポートしたカメラは3Dビューアやドロップダウンメニューで確認でき、GeoScene ノードで結合ことが可能です。

プロジェクション(投影)

複雑で詳細なシーンを取り込む際にも、高いパフォーマンスでプロジェクションやマットペイントを作成できます。Sticky Projections(追従する投影)、スナップ、コンストレイントなどの新ツールを利用して作業を効率化することが可能です。

スティッキープロジェクション

新しいConstrainツールセットと Project3D または GeoProjectUV ノードを組み合わせることで、対象に追従するプロジェクションワークフローを構築できます。GeoProjectUVの新しい Reference Frame ノブを使用すると、ジオメトリが移動や変形しても、特定のフレームでプロジェクションをジオメトリに固定(スティック)させることができます。

プロジェクションレンダリング

プロジェクションの制御がさらに強化されました。既存のCamera投影モードに加え、以下の2つの新モードが ScanlineRender に移行されました。

  • Cylindrical — 360度のワールド全体を円柱マップとしてレンダリングします。
  • UV Unwrap — 各オブジェクトのUV空間を出力フォーマットにレンダリングし、新しいUDIMタイルオプションを備えたテクスチャマップを作成します。

マテリアルとシェーダー

新しいMaterialXのサポートにより、Nukeから直接、より複雑で詳細なシェーダーをネイティブに生成できるようになり、ショットへの要素の統合が格段に向上します。

シェーダーノード

新しい ReflectiveSurface ノードとScanlineRenderのレイトレーシングを使用し、鏡面反射、半透明性、透過処理を生成できます。

また、USD版のBasicMaterialに相当する BasicSurface により、diffuse、specular、emissionプロパティを1つのパネルで調整可能です。WireframeShader を使用すると、技術的な確認用にワイヤーフレームのマテリアルやオーバーレイを適用できます。

以下のノードもNuke 17.0でベータ版から正式機能になりました。

  • ConstantShader — マテリアルの色と不透明度を制御。
  • FillShader — 選択したマテリアルを単色に置き換え。
  • MergeLayerShader — None, Replace, Over, Stencilなどの合成アルゴリズムを使用して2つのシェーダーノードを結合。
  • Project3DShader — 入力画像をカメラを通して3Dオブジェクトに投影。

MaterialX

MtlXStandardSurface ノードにより、アセットの再シェーディングを行わずに、ライティングからコンポジットまで一貫した視覚結果を得ることができます。

新しいUSDベースの3Dシステム内で、MaterialX用のAutodesk Standard Surfaceシェーダーを直接表示およびレンダリング(ScanlineRender経由)できます。ベースカラー、粗さ、メタリック、透過などの各種テクスチャ入力によるカスタマイズが可能です。

マテリアルバインディング

USD版のApplyMaterialノードに相当する GeoBindMaterial のアップデートにより、Nuke内で作成されたマテリアルやインポートされた任意のマテリアルをバインドできるようになりました。USD Prim上の既存のマテリアルを上書きし、ビューアおよびScanlineRenderの両方で正しく表示させることができます。

Materialマスクノブを使用して、3Dステージ内の既存マテリアルを割り当てる機能や、新しいBinding Strength(バインディング強度)ノブで子ジオメトリへの適用方法を指定する機能が追加されました。また、新しいPurposeコントロールにより、レンダリング用には高品質なマテリアルを、3Dビューポート用には軽量なマテリアルをバインドするといった最適化が可能です。

ライティング

撮影現場でのライティングワークフローを反映するために設計された新しいツール群により、現実世界の条件に合わせたライティングが行えるようになりました。改良されたノードやコントロール、豊富なカスタマイズオプションを活用することで、ライティング技術をさらに洗練させることができます。

更新されたライトノード

DirectLightSpotLightPointLightEnvironmentLight ノードがアップデートされました。3Dライトノードにデータをベイクする必要がなくなり、属性データをUSDファイルからライブで取得し、ノードを通過させたり直接編集したりできるようになりました。

シャドウの制御が強化され、特定のライトから影を落とすオブジェクトや照らされるオブジェクトを指定できます。シャドウのオン/オフ切り替えや、シャドウを出力するチャンネルの選択が可能です。ライトノードもSnapshot機能によるデータの保持・切断に対応しています。

USDライトノード

GeoEditLight を使用することで、元のリンクを切断して複製することなく、インポートしたライトPrimを直接編集できます。また、クラシックシステムのライトに相当するUSDネイティブなノードとして、GeoDistantLight (太陽光など)、GeoDiskLightGeoSphereLightGeoDomeLight が提供されています。

ライティングコントロール

新しい3Dシステムの用語が、オンセット(撮影現場)のライティングワークフローに近づけられました。Intensity や Exposure 値の制御、Color Temperature(色温度)の有効化、ライトのサイズ変更時にパワーを一定に保つ設定などが可能です。Diffuse Amount、Specular Amountノブによるマテリアル応答の変更や、Focus、Falloff Type、Cone Angleなどの詳細な制御が可能です。

レンダリング

新しい 3D システムでレンダリング機能が強化され、コンポジットから引き出せる表現の幅がさらに広がりました。より高いレンダリング精度を実現し、レイトレーシングによるリアルな反射や屈折も動的に生成できます。

レイトレーシング

ScanlineRender に追加された新しい Ray Options により、よりリアルな反射や屈折を生成できるようになりました。Max Ray Depth に加えて、ディフューズ・反射・屈折それぞれの最大深度を個別に設定できるノブも用意されています。

モーションブラー

モーションブラー機能も強化され、カメラ・オブジェクト・ライトの変換や変形に応じて、ブラーの適用を個別に切り替えられるようになりました。さらに、新しい Shutter ノブ により、シャッターの開閉タイミング、セグメント数、バイアスを細かく調整でき、より自然で精度の高いブラー表現が可能です。

サンプリングとAOV出力制御

アンチエイリアスやモーションブラーを制御するために、空間および時間ジッターを設定できるサンプリングノブが追加されました。また、AOV 出力もより細かく制御できるようになり、Z 深度のカスタマイズ(1/Z ノブ)、モーションベクトルの出力タイプ(距離・速度・それぞれの正規化)の選択、さらにサーフェス AOV ごとの詳細設定(マージモードや出力レイヤーなど)も行えます。

マスキング

Objects ノブや Lights ノブを使って、レンダリング対象のオブジェクトやライトを指定できるようになりました。また、Purpose Filter を利用することで、Prim の目的に応じたレンダリング制御も可能です。

ノードグラフでのマスク

Nuke 17.0 のマスクとパスのワークフローにより、ノードグラフの柔軟な操作に慣れたアーティストでも、USD の階層構造を直感的に扱えるようになりました。

新しい GeoMask および GeoClearMask ノードにより、ノードグラフの下流へマスクを渡す(インジェクトする)ことが可能になりました。これにより、2D ノードで一般的だったインジェクトワークフローを 3D でも利用でき、マスクの継承によってコピー&ペーストの手間を省けます。 さらに、アクティブなマスクはノード上のインジケーターで視覚的に確認でき、どのマスクが適用されているかを一目で把握できます。

UIの改善

ノードの名前や色が更新され、マスクアイコンの表示やシーングラフの色分け・フィルタリングが改善されました。ズームアウトした状態でも3Dノードグラフの構成を一目で把握しやすくなっています。Camera、Axis、Lightノードのデータが他から読み込まれているかを示す Live Read インジケーターや、エラー/警告のより分かりやすい表示が実装されています。

高度なワークフローのカスタマイズ

GeoPython ノードを使用し、Nuke内で直接Pythonコードを記述してUSDのPrimやスキーマの作成、パラメータの編集、データの削除を行うことができます。

アノテーション機能の強化

刷新されたアノテーションシステムにより、レビューサイクルがこれまで以上に速く、明確で、効率的になりました。よりレスポンシブな描画ツールの追加や、専用のコメントパネルなどのアップデートによって、コラボレーションとクリエイティブなコミュニケーションが大幅に強化されています。

描画ツール

ブラシが全面的に再設計され、より自然で表現力豊かな描画が可能になりました。新しいクローン、覆い焼き(Dodge)、焼き込み(Burn)ブラシに加え、サイズ・不透明度・硬さの筆圧制御が追加され、柔軟なアノテーションが行えます。

さらに、スポイトツールによる色取得、ブレンドモードの選択、テキストツールのカスタマイズ(色・フォント・配置・背景)も強化されました。 ライブレビュー向けには、描画後に自動で消える Vanishing(消失)ブラシ も新たに導入されています。

Annotations Panel とインジケーター

新しいAnnotations Panelは、全員が同じ認識を共有するための信頼できる単一の情報源として機能します。会話の流れを追跡したり、コメントをフィルタリングしたり、関連するフレームへ直接ジャンプすることができます。

コメントやメモをスレッド形式で追加・返信でき、フレーム範囲やタイムスタンプが記録されます。UI上でアクティブなアノテーションがあるフレーム範囲を視覚的に確認し、直接変更することも可能です。

アノテーションのエクスポート

アノテーションはNukeスクリプトとしてエクスポートしたり、シーケンスにjベイクすることができます。さらに、拡張された Python API により、既存のショット管理ツールと連携させることも可能で、パイプラインへの統合がより柔軟になりました。

機械学習

BigCat

BigCat を利用することで、より大規模なデータセットを扱い、汎用性が高く再利用可能なモデルをトレーニングできます。これにより、数百ショット規模の大きな課題にも対応できるようになります。

BigCat は CopyCat ノードの拡張版として導入されました。 単一ショットや類似ショットの処理には従来どおり CopyCat を、数十〜数百枚の画像を用いた大規模データセットのトレーニングには BigCat を選択します。

新しい Data Augmentation タブ により、データセットに自動でバリエーションを追加できます。 これにより、未知のフレームにおける照明条件や動きの変化に対して、モデルがより robust に対応できるようになります。

データ検証

入力ノードに検証用データセットを与えることで、モデルの性能を測定する データ検証機能 が追加されました。 Training Graph では検証 Loss をモニタリングでき、Validation Contact Sheet を使えば推論結果を視覚的に確認できます。これにより、トレーニングの進行状況やモデルの品質をより正確に把握できます。

カスタム Loss 関数

新たに カスタム Loss 関数 が導入され、Perceptual loss(LPIPS など)を利用したトレーニングが可能になりました。 これにより、単純なピクセル一致だけでなく、画像の構造や意味的な特徴を重視した学習が行え、より実用的で高品質なモデルを作成できます。

パフォーマンスの向上

Nuke 17.0のコア画像処理システムにより、大規模な作業が可能になります。GPUでの最大98倍のアップスケール高速化、最大1.88倍のディープコンポジットレンダリング高速化、NotchLCやACES 2.0のサポートなどが含まれます。

アップスケール処理とDeep合成の高速化

更新された TVIScale ノードにより、アップスケール処理がGPUで最大98倍、CPUで最大26倍高速化されました。また、Deepシステムのパフォーマンス向上により、ディスクへのレンダリングやNukeビューアでの表示が最大1.88倍高速化されています。

高解像度OFXプラグイン

Nuke内のOFXプラグインおよびネイティブの Furnace プラグインにおいて、解像度の人工的な制限が撤廃されました。ハードウェアやプラグインが許容する最大スケールでの処理が可能になります。

パイプラインとプラットフォーム

信頼性の高い柔軟なパイプラインのために、部門間やツール間の摩擦を軽減します。OpenAssetIOライブラリの更新、USDバージョン25.08、VFX Reference Platform 2025、およびアップデートされたSony SDKとSMDKのサポートなどが含まれます。

Variables unlocked(Graph Scope Variablesの拡張)

Graph Scope Variables (GSV) システムは、実制作向けのフレームワークでパイプラインの連携を向上させます。

  • GSVコールバック: UIやPython APIを介したGSV操作のイベントにフックし、カスタムPythonコードを実行することで自動化や統合を高度化。
  • Rootノードのノブエクスプレッション: first_framelast_framefps ノブでGSVエクスプレッションがサポートされ、スクリプトのフレーム範囲などを動的に変更可能。
  • GSVの視認性とパフォーマンス向上: ノードラベルにGSVを表示するオプションの追加。多数の変数を含むスクリプトでの読み込み時間とUIの応答性が向上。
  • 3Dシステムでの変数利用: 3Dシーン内で変数を設定し、ジオメトリ、テクスチャ、カメラなどを動的に切り替え可能(例:昼と夜の切り替え、ビューア用の軽量モデルとレンダリング用高解像度モデルの切り替え)。

プラットフォームのアップデート

  • USDバージョン 25.08: 最新の機能とバグ修正を含むUSD 25.08をサポートしています。
  • VFX Reference Platform: パイプラインの円滑な運用のためにVFX Reference Platform 2025を完全サポートしています。(必要に応じて、2024をサポートするNuke 16.1へのアップグレードも選択肢となります)
  • OpenAssetIOライブラリの更新: OpenAssetIO および OpenAssetIO-MediaCreation ライブラリの最新バージョンが含まれ、安定性とパフォーマンスが向上しました。
  • Sony SDK & SMDKサポート: Sony Buranoカメラファームウェアv2の新しい録画フォーマット(3.8K 16:9、4K 4:3)に対応しました。
  • Monitor Outの更新: AJA NTV2 17.5x、BMD DeckLink 14.4、NDI 6.x SDKの更新サポートと、10ビットサポートが追加されました。

その他の新機能

  • ファイルとフォーマットのサポート強化
    • HDR MOVとメタデータ: MOVリーダーおよびライターにおいて、YCbCr Matrixに「Rec 2020」を設定可能になり、HDRメタデータの取り込みとエクスポートに対応。
    • ACES 2.0のネイティブサポート: HDRおよびSDRコンテンツ向けに最適化された最新のカラーマネジメント構成であるACES 2.0がNukeに標準搭載。
    • NotchLCサポート: バーチャルプロダクション等で使用される高解像度再生向けコーデック「NotchLC MOV」のインポートおよびエクスポートがWindowsとLinuxでサポート。

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価格とシステム要件

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価格はサブスクリプションで、Nukeの価格は 3,839ドル/年、NukeXの価格は5,219ドル、Nuke Studioの価格は6,379ドルです。四半期ごとのサブスクリプションライセンスもあります。個人アーティスト向けのNUKEインディーライセンスは499ドル/年です。

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