2025年12月15日(現地時間)- アーティスト向けCAD、3Dモデリングソフトの「Plasticity 25.3」がリリースされました。
新機能ハイライト
今回のアップデートは、サーフェスモデリングの合理化、編集精度の向上、そして全体的なワークフローの効率化に焦点が当てられています。
「インスタンス機能」の実装によるノンディストラクティブ(非破壊)ワークフローの強化や、エッジ編集の柔軟性向上、そして解析ツールのリアルタイム化に加え、作業中のモデルをWebリンクとして共有できる新機能が追加されています。
インスタンス作成と実体化
このアップデートでは「インスタンス機能」が実装されました。
新たに Create Instance(インスタンス作成) コマンドにより、ソリッド・シート・カーブ・グループといった要素の「ライブコピー」が生成できるようになりました。
インスタンスは親オブジェクトのジオメトリを参照する仕組みのため、データを軽量化しつつ、親オブジェクトへの変更がすべてのインスタンスに即座に反映されます。
さらに Realize Instances(インスタンスの実体化) コマンドを利用することで、インスタンスを独立した編集可能な「実体(Real Body)」へ変換可能です。
これにより、初期段階では効率的にインスタンスとして配置・調整し、最終的な仕上げ段階で個別編集を行うといった柔軟なワークフローを実現できます。
円筒・円錐面のエッジ編集強化
移動ツール(Move Tool)の機能が拡張され、円筒面や円錐面上の円形のエッジ操作にも対応できるようになりました。
この強化により、これまでは制限のあった曲面上でのエッジ移動において、解析的なジオメトリ(Analytical Geometry)を維持したまま、円形エッジを操作できるようになっています。
直線または円のエッジで、隣接面が平面・円筒・円錐の場合であれば、内外どちらのエッジも操作も可能です。
解析ツールのリアルタイム化
曲率表示(Toggle Curvature)および連続性測定(Measure Continuity)が大幅に改善され、Live Feedback(リアルタイムフィードバック)に対応しました。
解析表示をオンにした状態でカーブやエッジを操作すると、即座にコーム(櫛)表示や数値が更新されます。これにより、Slideコマンド等を使用しながら、動的に曲率やG0/G1/G2連続性を確認・調整するワークフローが実現します。
また、右サイドパネルに専用メニューが追加され、表示スケールの調整がしやすくなっています。
Webプレビュー – Plasticity Share
新しいエクスポートコマンドとしてPublish to Plasticity Shareが実装されました。この機能により、作業中のモデルをWebリンクとして共有できるようになりました。
アップロードされるのはメッシュデータのみで、元のCADジオメトリやソースファイルは含まれないため、データの安全性を保ちつつ、クライアントやチームメンバーに手軽に形状確認を依頼する用途に適しています。ファイルは閲覧専用でダウンロードはできません。
半径測定 (Measure Radius)
円筒や円錐、その他の放射状ジオメトリに対して、正確な半径を測定するための専用コマンドMeasure Radiusが追加されました。
エクスポートの強化
SVGエクスポート
エクスポート形式として新たにSVG (Scalable Vector Graphics) がサポートされました。
これは、ドキュメント内の2Dスケッチのみを書き出す機能で、選択の有無にかかわらず動作します。これにより、Plasticityで作成したプロファイルや図面データを、Illustratorなどのベクター編集ソフトへ書き出すことが可能になります。
- 平面ごとの出力: 異なる平面や軸にあるフラットなスケッチは、それぞれ別ファイルとして出力されます。(※回転・傾きのあるスケッチは結果が不安定になる場合があります)
- 保存場所: ドキュメントが保存済みの場合はそのディレクトリに、未保存の場合は「Documents」フォルダに出力されます。
活用Tips:テクニカルドローイング
Construction Plane(構築平面)で特定のビューを設定し、ソリッドのエッジを「Alternative Duplicate」機能で投影することで、正確な技術図面用のスケッチを作成可能です。
OBJエクスポートの強化
OBJ形式のエクスポート機能に、トポロジーとデータ整理のための新しいオプションが追加されました。
- Remove Small Features
- Simplify Radial Surfaces
- Convex Ngons Only
指定した数値範囲に基づいて微細な表面詳細を自動的に削除します。ハイポリからローポリへのワークフローや、メッシュのクリーンアップに役立ちます。
可能な限り放射状のジオメトリを単純化し、エッジフローを整列させて連続性を保ちます
Ngonsモード時に凹状の多角形生成を防ぎ、他のDCCツール(3ds Max, RizomUV等)でのシェーディングエラーを回避します。
楕円ツール (Ellipse Tool)
スケッチツールに待望の楕円(Ellipse)が追加されました。これにより、正確な楕円形状の作図が可能になります。
マテリアルのドラッグ&ドロップ
アセットメニューのライブラリから、ビューポート上のオブジェクトへ直接マテリアルをドラッグ&ドロップして適用できるようになりました。また、アウトライナー上のマテリアルドットをビューポートへドラッグする操作もサポートされています。
その他の改善・変更点リスト
細かな使い勝手の向上や仕様変更の一覧です。
- スイープ機能の拡張:スイープ(Sweep)に「Mitre(留め継ぎ)」と「Round(角丸)」のコーナータイプオプションが追加され、角の処理を制御できるようになりました。
- ピボットポイントの自動調整:プリミティブやスケッチ配置時、ピボットポイントが自動的にサーフェス法線に沿って配置されるようになりました。
- スナップ機能の改善:球体面への「Center(中心)」スナップ追加や、スケール時のグリッドスナップ対応が行われています。
- ビューポート表示の調整:寸法の矢印表示の追加や、曲線のストロークが細くなり視認性が向上しました。
- 新しいHDRIとマテリアル:レンダーモードに新しいデフォルトHDRI環境と、PBRマテリアル「Cathedral Tile」が追加されました。
- アセットのハイライト表示:アセットタブでマテリアルにカーソルを合わせると、そのマテリアルが適用されているオブジェクトがビューポート上でハイライトされるようになりました。
- 配列(Array)機能の強化:インスタンス、メッシュ、画像の配列複製が可能になり、「Make Instances」オプションが追加されました。
- メッシュオブジェクトの編集強化:インポートしたメッシュ(STL/OBJ等)に対してセクションアナリシスが可能になったほか、ピボットポイントの編集・保存が可能になりました。
- ナビゲーションとパフォーマンス:マウスホイールによるズーム速度が改善されました。また、カーブが交差する高負荷シーンの最適化や、OBJへのスナップ動作が改善されています。
- ファセット設定の改善:Preferencesのファセット(メッシュ表示密度)設定を変更した際、再起動せずに新しいボディへ設定が適用されるようになりました。
- 多言語対応の拡大:設定から最大10言語を選択可能になりました。
- ショートカット変更:「Subdivide」のデフォルトショートカット(Alt + S)が削除されました。
価格とシステム要件
Plasticity は、Mac OSX (12 以降)、Windows (10 以降)、および Linux (Ubuntu 22) で利用できます。
永久ライセンスで、価格はindieライセンスが149ドル、スタジオライセンスが299ドルです。新しく購入したすべてのライセンスには 12 か月の「メンテナンス」期間が付いており、その期間中にリリースされたすべてのバージョン更新が含まれています。※ライセンスとプラットフォームごとに機能が異なる場合があることに注意してください。
それぞれの価格と機能は以下の通りとなります。
- 基本的な3Dモデリングツール全般
- STEPインポート
- 低解像度OBJ/STLエクスポート
- その他の形式はエクスポート不可
- 商用利用不可
- 個人ライセンス(1名のみ)
- 商用利用可能
- ノードロック(最大2台まで)
- 基本的な3Dモデリングツール全般
- STEP, OBJ, STL, Parasolid インポート/エクスポート
- FBX インポート
- 12ヶ月間の全バージョンアップデート(メジャーリリース含む)
- Blender ブリッジ
- 個人ライセンス(1名のみ)
- 商用利用可能
- ノードロック(最大4台まで)
- 基本的な3Dモデリングツール全般
- プロフェッショナル向けソリッド&サーフェスツール
- STEP, IGES, ACIS, OBJ, STL, Parasolid インポート/エクスポート
- Rhino, FBX インポート
- DXF/DWG インポート(Windowsのみ)
- 12ヶ月間の全バージョンアップデート(メジャーリリース含む)
- 12ヶ月間のベータプログラムアクセス
- Blender ブリッジ
- xNURBS (Windows & Mac のみ)
























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