3Dキャラクタ・リギングを自動化するBlenderの人気アドオン「Auto-Rig Pro」のバージョン3.75がリリースされました。
ここでは、前回のアップデートで追加されたSmart機能と合わせてバージョン3.75の新機能を紹介したいと思います。
新機能ハイライト
今回のアップデートでは、AIによるマーカー認識機能が飛躍的に向上したほか、リギング、スキニング、エクスポートなど、ワークフローのあらゆる段階を効率化する新機能と改善が加えられています。
AIによる認識精度と速度の向上
前バージョン(v3.74)でAI機能が搭載
前回のアップデートで、活用した「Smart」機能が追加されました。新しいスマート機能は、機械学習を使用して自動でマーカーを配置してくれます。
AIマーカー推測「Guess Markers」
ディープラーニングで訓練されたAIモデルが、様々なキャラクターの主要な関節位置を認識します。この機能を使用するには、アドオン設定からOS(Win, Mac, Linux)ごとに追加のAIファイルをインストールする必要があります。現時点では左右対称のキャラクターのみに対応しています。
AI指推測「Guess Fingers」
従来のボクセルベースの手法「Voxel Centroid」に加え、新たにAIエンジンによる指の検出機能が追加されました。
AIによる検出は、ロボットのような複雑に入り組んだメッシュの手に対して高いパフォーマンスを発揮しますが、シンプルなデザインの手の場合は従来のVoxel Centroidの方が良い結果が得られる可能性があるのでご注意ください。AI検出はまだ失敗したり精度が不足したりする場合がありますが、今後改善が期待されます。
今回のv3.75アップデートでは、これらのAI機能がさらに強化されました。
4本指のAI推測に対応
これまで3本指または5本指が基本だった指のAI推測が、新たに4本指のキャラクターにも対応しました。これにより、さらに多様なデザインのキャラクターに自動で対応できます。
処理速度の最適化と認識精度の強化
指のAI処理が最適化され、CPUによっては1.5倍以上の高速化を実現。
さらに、AIモデル自体もバージョン1.14へと強化され、特に「指を丸めた状態」の認識精度が大きく向上しています。
その他にも、ボディマーカーの精度を向上させる「サンプル」設定の追加や、極端に湾曲した脚における膝の向き補正の改善など、AIによる自動リギングの信頼性が向上しました。
肘(ひじ)の認識精度が向上
新たに追加された「肘マーカー」と、それに対応したAIモデルにより、腕の関節位置をこれまで以上に正確に認識できるようになりました。
リグ機能の強化
リグそのものをカスタマイズするための機能も、数多く追加・改善されました。
Muzzle(鼻口部)コントローラーの追加
動物キャラクターなどに便利な、鼻と口全体をまとめてオフセットできる「Muzzleコントローラー」が新たに追加されました。
カスタムシェイプ設定機能
ボーンの表示形状(シェイプ)を、ライブラリから手軽に設定・変更できる機能が追加されました。コントローラーの見た目を直感的にカスタマイズできます。
IKポールの方向を可視化
IKのポールターゲット(膝や肘が向くべき方向の目標点)がどの位置になるかを点で表示する機能が追加され、意図しない関節の曲がりを事前に防ぎやすくなりました。

スキニングとエクスポートの改善
リギング後の工程をスムーズにするための改善も行われています。
ツイストウェイトの改善
セカンダリコントローラーを変更した際の、腕と脚のツイストウェイト自動更新機能が、Bendy-Bonesへの(からの)切り替えをサポートするようになりました。この際、複数のツイスト頂点グループがその場で生成・統合されます。
さらに、ツイストボーンの数を変更した場合、「Match to Rig」を実行すると、スキン適用済みの頂点上でツイストウェイトが自動的に再サンプリングされるようになりました。これにより、手動で再バインドする手間が省けます。
クイックエクスポートボタン
前回と同じ設定で即座にエクスポートを実行する「クイックエクスポート」ボタンが追加され、繰り返し行う書き出し作業が大幅にスピードアップします。

GLTFエクスポート設定の改善
ゲームエンジンなどで広く使われるGLTF形式でのエクスポート時に、頂点カラーの設定が公開され、より細かな制御が可能になりました。

その他の新機能と修正点
上記の新機能に加え、各機能にわたる多くのバグ修正が行われました。特にリグやリマップ、エクスポートに関する多数の細かな問題が解消され、アドオン全体の安定性が向上しています。
今回のアップデートには、主要な機能強化以外にも、ワークフローを改善する多くの機能追加と修正が含まれています。
スマート機能
- 指が無効の場合、ハンドボーンの末端がhand_tipマーカーの位置にスナップされるように
- UI: 認識すべき指の数を示す大きな手のアイコンが表示されるように
- 首の高さを、キャラクターの身長だけでなく、より正確に算出するように改良
- ボディマーカー配置用の新しいヘルパー画像を追加
- オプションマーカー用の新しいヘルパー画像を追加
- マーカー設定完了後、キャラクターが適切にフレーム内に収まるように調整
- AI: 極端に湾曲した脚における、反転した膝の向きの補正を改善
- AI: デフォルトの指サンプリング数を10に引き上げ、より良い結果を得られるように
- AI: モデルバージョン1.15、1.16へのアップデート
リグ機能
- 新規リグの場合、アクションのスケーリングが不要に
- レストポーズを適用する際、ベイクされたアクションが自動削除されないように対策
- 「Match to Rig」実行時にカスタムコレクションの可視性を維持
- Bendy-bonesをそのまま表示 (Blender 4.5以上)
- 耳とBendy-Bonesリムに「Preserve Shape」オプションを追加
- Tailリムがカスタム名をサポート
- アドオン設定でマスターコレクションの作成が可能に
- アドオン設定でX-Ray/In Front表示モードの有効化が可能に
- 指のRotFromScaleパラメータがリグ全体ではなく、腕単位での設定に変更
- 口のLips Amountをゼロに設定して、唇のコントローラーをすべて削除可能に
スキン機能
- ツイストボーンの数が変更された場合、「Match to Rig」時に腕と脚のツイストウェイトが自動で再サンプリングされるように
- ツイストウェイトがまだ作成されていない場合でも、ストレッチウェイトから生成して再サンプリングできるように
エクスポート機能
- Unity: Unityエンジンに切り替える際、スケルトンの回転をゼロにするConvert Armature Axesが自動的に有効化
- Unity: アニメーションのみを含むファイルの場合にルートノードをインポートするため、Add Dummy Meshをデフォルトで有効化
- 変形しないキルトボーンをエクスポートしないように
リマップ機能
- 「Preserve」が無効の場合、新しいレストポーズで複数のソースアニメーションがベイクされるように
修正点
- ACESカラープロファイルのサポート(AI)や、指の骨のロールが不正確になる問題など、Smart機能に関する複数の修正
- レストポーズ適用時のエラーや、ボーンの親子関係の不具合など、Rig機能に関する多数の修正
- IKからFKへのベイク時に手の回転が不正確になる問題など、RigToolsに関する修正
- バインド時に頂点グループが欠落する問題など、Skin機能に関する修正
- ボーンリストの自動認識の不具合や、バインド/アンバインド時のエラーなど、Remap機能に関する複数の修正
- 非表示オブジェクトのエクスポートや、GLTFエクスポート時の不具合など、Export機能に関する多数の修正
価格とシステム要件
Auto-Rig Pro は、Blenderバージョン2.93 以降で利用できます。
価格は以下の通りです。
| プラン | 内容 | 価格 |
|---|---|---|
| (Lite) Auto-Rig Pro | Auto-Rig Proのコア機能のみのパッケージです。 無料アップデート(メール通知あり)とサポートメッセージも利用可能です。 | $25 |
| (Full) Auto-Rig Pro + Smart + Remap + Fbx Export | Auto-Rig Proの全機能入りパッケージです。 コア機能、Smartツール(二足歩行キャラクターの自動認識)、 Unreal/UnityへのFbxエクスポート、アニメーションをリターゲットするRemapツールが含まれます。無料アップデート(メール通知あり)とサポートメッセージも利用可能です。 | $50 |
| (Full) 10 Seats | Auto-Rig Proの全機能バージョンを10シート分利用できるライセンスです。 | $162 |
| (Full) 20 Seats | Auto-Rig Proの全機能バージョンを20シート分利用できるライセンスです。 | $227 |



























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