2025年4月10日(現地時間)- CLO Virtual Fashionは、ファッション業界向けの3D衣装作成ソフトウェア CLO 2025.0 をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、アニメーション作成、パターン設計、AIを活用した機能など様々な新機能が導入されています。
キーフレームアニメーション
様々なコンポーネントにキーフレームを適用できるようになりました。これにより、単なる静止画では伝えきれない、ダイナミックで洗練されたビジュアルプレゼンテーションが可能になります。
パターンドラフター
最小限の測定値を入力するだけで正確なパラメトリックパターンを自動生成・編集できる機能が搭載されました。
さらに、ベータ版のAI機能では、テキストで生成した画像やアップロードした画像を基にAIがパターンを即座に生成することも可能です。
AIポーズジェネレーター
キーワードや参考となるポーズ画像をアップロードしたりするだけで、AIがアバターの自然で多様なポーズを作成できるようになりました。
アバタージョイントマッピング
様々なアバターのIKジョイントマッピングが効率化されました。
これにより、インポートしたカスタムアバターなどでも、より自然でリアルな動きを実現しやすくなり、作成したモーションやポーズデータを他のアバターへ適用する際の互換性も向上します。
アバター調整の強化
アバターのカスタマイズ性がさらに向上しました。
- ヒップシェイプでは、より詳細な調整オプションが追加され、多様な体型をリアルに再現できます。
- バストカップサイズは、標準サイズだけでなく、カスタム測定値を入力して設定できるようになり、より正確なフィットシミュレーションが可能になりました。


テクスチャベースのネスティング
この機能により、生地のテクスチャ(柄や織り目など)の方向や連続性を考慮しながら、無駄なスペースを最小限に抑えるようにパターン配置を自動で最適化することができるようになりました。
トリムの改良
ボタンやジッパーなどのトリム(付属品)を、複数のパターンにまたがる複数の点にタッキング(仮止め)して、より正確かつ安定して目的の位置に取り付けられるようになりました。
高度なピンチング
シミュレーション中に、まるで実際の生地をつまんで引っ張るように、より直感的かつ精密なピンチング操作が可能になりました。
ファージェネレーション
複数のプラットフォーム間で互換性を持たせながら、様々なタイプのファーをリアルタイムで生成できるようになりました。

カラーウェイの改良
キーボード ショートカットを使用してカラーウェイ エディターを簡単に切り替え、オブジェクト ブラウザーでカラーチップをクリックして現在のカラーウェイをすばやく編集できるようになりました。
また、カラーウェイ エディターで、生地の側面と背面、およびトリムを直接編集できるようになりました。。

スムーズカーブ
特定のポイントを選択し、その部分のカーブ(曲率)だけを他のポイントに影響を与えずに精密に調整できるツールが追加されました。
その他
- macOSでのGPUレンダリング: Apple SiliconおよびAMD GPUを搭載したmacOS環境において、GPUを活用した高速レンダリングが可能になり、作業効率が大幅に向上しました。
- ライブラリ体験の向上: 新しいライブラリウィンドウでは、以前のバージョンで登録したお気に入りの簡単な移行や、カスタムライブラリフォルダの名前変更が可能になり、アセット管理がより容易になりました。
- AI Studio | 背景画像: キーワード入力による背景画像のAI生成や、手持ちの画像のアップロードによる背景合成機能が追加され、魅力的なビジュアル作成が可能に。
- アバター
- ポーズ反転: ワンクリックでアバターのポーズを左右対称に反転させることができ、ポーズ作成のバリエーションを手軽に増やせます。
- アクセサリー登録: 靴などのアクセサリーを登録する際に、左右の区別やヒールの指定といった従来の制限がなくなり、より柔軟な登録が可能になりました。
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- 圧力マップの改善: 衣服がアバターに与える圧力の分布をカラーマップでより詳細に視覚化できるようになり、着心地やフィット感の客観的な評価・改善に役立ちます。
- ソリディファイ&ストレングスンの改善: パターンを硬化させる「Solidify」や強化する「Strengthen」機能のシミュレーション安定性が向上し、適用後も元の形状をより良く維持できるようになりました。
- トップステッチ | ポリゴン最適化: OBJ形式でエクスポートされるトップステッチのメッシュ(ポリゴン)数を最適化するオプションが追加され、外部ソフトウェアでのパフォーマンスを向上させます。
- クアッドメッシュパフォーマンスの向上: 三角ポリゴンメッシュで構成されたガーメントを、よりトポロジーの整った四角ポリゴン(クアッド)メッシュに変換する処理が、より正確かつ高速になりました。
- 内部線のグループ化: パターンと同様に、内部線(折り線やデザイン線など)をグループ化して、まとめて移動や変形、表示/非表示の切り替えができるようになりました。
- グレーディングの改善: グレーディング(サイズ展開)の数値を専用の入力フィールドで簡単に調整できるようになりました。また、ルール適用に失敗した箇所はハイライト表示され、問題点の特定が容易になりました。
- パターン注釈のカスタマイズ: パターン名や素材情報などの注釈テキストについて、表示する向き(角度)、フォントサイズ、色を個別に設定でき、パターン情報の視認性が向上しました。
- プロッターの改善: 実物大パターンをプロッターで出力する際に、パターン名、縫い代、線種、注釈など、含める情報を詳細にカスタマイズできるようになりました。
- PDF | ベクター形式: パターンレイアウトなどをPDF形式でエクスポートする際に、ベクター形式を保持できるようになり、Illustratorなどの外部ソフトでの編集互換性が向上しました。
- PBRマップのインポート: テクスチャ画像を適用する際に、特定の命名規則(例:
_normal
,_metallic
)に従った他のPBRマップ(ノーマルマップ、メタリックマップ等)が自動的に読み込まれるようになりました。 - テクスチャエディタの改善: 内蔵のテクスチャエディタで、編集した画像を保存する際にファイル形式(PNG, JPGなど)を選択できるようになり、また複数の画像レイヤーを1つのファイルに統合する機能も追加されました。
- プリントレイアウトの改善: 生地のネスティング(型入れ)を行うプリントレイアウトモードで、全ての生地を再計算するのではなく、特定の生地だけを選択して再ネスティングできるようになり、修正作業が効率化されました。
- UVエディタの改善: 3DモデルのUV展開図を編集するUVエディタが、専用モードに切り替えることなく、メイン画面から直接アクセス・編集できるようになりました。また、生地の側面や背面のUVも編集可能です。
- OBJ | 統合UV座標: ガーメントをOBJ形式でエクスポートする際に、テクスチャ、ノーマルマップ、メタルネスマップなど、全てのマップに対して統合された単一のUV座標セットを使用するオプションが追加されました。
- 3Dスナップショット | カラーウェイオプション: 3Dウィンドウのスクリーンショットを撮る際に、適用されているカラーウェイの中から、スナップショットに含めたい特定のカラーウェイを選択できるようになりました。
- レンダリング
- ライト名: レンダリングに使用するライトに、デフォルト名ではなくカスタム名を設定できるようになり、ライトの管理がしやすくなりました。
- 被写界深度: レンダリング時に、カメラのカスタムビューごとに異なる被写界深度(ピントの合う範囲)を設定できるようになり、より効率的に多様な表現のレンダリングが可能になりました。
- 8Kレンダリング: 3Dウィンドウでのレンダリング解像度の最大値が8Kまで引き上げられ、より高精細でシャープな画像を作成できます。
- EveryWear | オートシール: CLOのコンテンツプラットフォーム「EveryWear」向けにデータを最適化する際に、衣服の内側など、外からは見えない不要なポリゴンサーフェスを自動的に削除(シール)し、データ容量削減とパフォーマンス向上を図る機能が追加されました。
- USDの改善: 汎用的な3Dシーン記述フォーマットであるUSD(Universal Scene Description)ファイルの読み書き機能が改善され、レイヤー構造の管理やプレビューがCLO内で直接行えるようになりました。また、Appleデバイスで広く使われるUSDZ形式でのエクスポートにも対応しました。
- USD | Omniverseコネクタ: NVIDIA Omniverseプラットフォームとの連携を強化するコネクタ機能が搭載され、USDベースのデータ交換をリアルタイムに行い、他のツールとの共同作業の生産性を向上させます。
- 表示設定の保存: 3Dウィンドウや2Dパターンウィンドウの背景色、グリッド表示、各種アイコンの表示/非表示といった表示設定が、プロジェクトファイル(.zprj)自体に保存されるようになり、他の環境でファイルを開いた際も同じ作業環境を維持できます。
- ガーメントファイルのサムネイル改善: ガーメントファイル(.zpac)を保存する際に、サムネイル画像を別ファイルとして書き出す必要がなくなり、ファイル自体にサムネイル情報が含まれるようになりました。macOSのFinderなどでもサムネイルプレビューがサポートされます。
次の動画で、新機能を詳しく紹介する日本語ウェビナーを見ることができます。
価格とシステム要件
CLO は、Windows 10 64ビット(1903以降)、Monterey 12以降で利用可能です。
最新のシステム要件はこちらから
自営業、フリーランスなどの個人での利用は50ドル/月、450ドル/年です。企業向けプランはお問い合わせが必要となっています。また学生向けのプランもあり、個人プランの半額となっています。
詳しい価格情報こちらから
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