2025年4月12日(現地時間)- LightWave Digitalは、3Dモデリング、レンダリング、アニメーションソフトウェアの最新アップデート LightWave 2025 をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、新しいインタラクティブレンダラー「RiPR」、Toon フィルター、アニメーションとリギングの強化、新しいConstruct ツールやDPツール、モデリングの強化など幅広いアップデートが行われています。
機能紹介の動画はこれから順次公開されていくと思いますので、公開されたら追加したいと思います。
新しいインタラクティブレンダラー「RiPR」
HDR照明によるプレビジュアライゼーション向けに設計された高度なリアルタイムプレビューシステム「RiPR」が追加されました。
これは、RiPR (Real-time Path Rendering) は Lightwave 3D 用のビューポートプラグインで、Nvidiaグラフィックカード専用の新しいインタラクティブレンダラーです。
NVIDIA OptiX 8.1.0 を基盤として構築された RiPR は、GPU アクセラレーションを活用して、LightWave のビューポートシステム内でインタラクティブなパストレーシングを直接実現します。
【主な機能】
- LightWave ビューポートでのリアルタイムパストレーシングレンダリング
- カスタマイズ可能なマップを使用した HDR 環境照明
- アニメーションレンダリングと再生
- 深い被写界深度コントロール
- メモリー監視付き GPU アクセラレーテッドレンダリング
- グローバルガラスレンダリングなどの特別なマテリアルオプション
- インスタンス化、変形、LightWave マテリアルのサポート
RiPR をアクティブにするには (現時点では単一のビューポートで)、VPR があるビューポート表示ドロップダウンに移動します。
そのすぐ下に RiPR があります。NVIDIA カードによっては、起動に時間がかかる場合があり、この最初のバージョンでは更新するためにフレームの変更が必要になる場合があります。
Toon フィルター
セルルックまたはカートゥーンエフェクトを素早くレンダリングに適用するために設計された包括的なポストシェーディングツール「Toon フィルター」が追加されました。
Toon フィルターは、VPR で表示可能で、オブジェクト、サーフェス、さらにはポリゴン単位でセルエッジシェーディングを可能にします。また、非常に高速で、平均して以前の方法よりも 60% 高速であり、2020 年以前の LightWave の以前のオプションよりも柔軟性と機能が向上しています。
アニメ、カートゥーンスタイルの明確なアウトラインが必要なプロジェクトなど、様式化された映画から教育用インフォグラフィックまであらゆる用途に対応し、スピード、制御、高品質レンダリングを兼ね備えた印象的なビジュアルを作成できます。
【主な機能】
- 高度なエッジ検出
- オブジェクト、サーフェス、またはポリゴンの周囲に鮮明なラインをレンダリング。
- 選択的なハイライトのためにラインをグループ化または分離。
- ピクセルフィルターとノードフィルター
- ピクセルフィルター: 線の太さ、レイヤー、深度スケーリングを制御。
- ノードフィルター: 独特の様式化された結果のために、線をアニメーション化して独立してシェーディング。
- 高パフォーマンス
- 以前の方法より最大 60% 高速。
- 微妙なアウトラインと大胆なアニメ風の美学の両方に対応するように設計。
ToonFilter はピクセルフィルターのセルシェーダーで、「Editors > More Windows > Image Processing」または Ctrl+F8 を押して画像処理ウィンドウを開き、そこで ToonFilter ピクセルフィルターを追加することでシーンに追加できます。
開始する前に、Env Light の「Affect Diffuse」と「Affect Specular」をオフにしてください。
アニメーションとリギングの強化
Pickkit!
レイアウトの膨大なアイテムドロップダウンをスクロールする必要なく、アニメーション化されたヒューマノイドキャラクターのコントロールを簡単に選択できるインターフェース「Pickkit!」が追加されました。

Steppit!
新しい歩行サイクル作成ツール「Steppit!」が追加されました。
腰の悪い老人の階段を上がるときのよろめき、パートナーを起こさないようにそっと歩く様子、怒ったメカの戦意に満ちた足踏みなど、あらゆる種類のヒューマノイドの歩行サイクルを作成、編集できるようになりました。

Handdit
手のアニメーションを簡単に作成できるように設計された新しい手のアニメーション用のツール「Handdit」が追加されました。

プロシージャルジオメトリノード
Construct ツール
階段、デッキ、橋などを構築するためのリアルタイムの建築およびセットデザインツール「Construct 」が追加されました。

Construct ツールでは、クリックしてドラッグすることで、階段、踊り場や角度の付いた階段を簡単に作成し、手すり、柵、またはカスタムデザイン要素を数秒で追加することが可能です。手の込んだ多層デッキを作成したり、歩道橋を設置したりするのに最適な機能です。
この新しい階段計算機は、いくつかのコンテキストで利用できます。
- Modelerでは直接使用して固定ジオメトリを作成できます。
- Layoutでは、オブジェクトモディファイアー「階段計算機」を直接使用するか、手続き型ジオメトリノード「階段」を使用するかの2つの選択肢があります。
その他
- ProGeo用Remeshノードが追加
- 基本的なプリミティブとしてToroidが追加
DP Tools
LightWave 2025 では、実績のあるプラグインスイートであるDP(Denis Pontonnier )ツールが更新され、デフォルトで LightWave に統合されました。
これには以下が含まれています。
- The RMan Collection:Denis Pontonnier 氏の、Pixar の Renderman ノードに触発されたテクスチャとノードのコレクション、約 50 種類以上のプロシージャルテクスチャーが含まれています。
- DP Vedure:Denis Pontonnier 氏のオーガニックツール
- DP Tree:木を自動的に生成するツールです。
- DP Foliage:まざまな種類の植物を生成するツール。
- DP Grass:草や芝を生成するツール。
- DP Growth:樹木の成長をアニメーション化するツール。
- DP Filter:Denis Pontonnier 氏のイメージフィルターとピクセルフィルターのコレクション (VPR と互換性あり)。
- DP Kit:Denis Pontonnier 氏のオリジナルのサーフェスノードとディスプレイスメントノードのコレクション。
Render Reconstruction フィルター
LightWave 3D レンダラーには、物理ベースレンダリング用の再構築(Reconstruction)フィルターが再実装され、動作が修正されました。
これらのフィルターは、最終画像を生成するために、サブピクセルレベルでレンダリングデータが最終画像にどのように結合されるかを決定します。一般的に言って、フィルターはエッジがどれだけシャープで鮮明にレンダリングされるかを制御するものです。
画像に適用できるフィルターは6種類あり、エイリアシングを除去して画像を滑らかにすることができます。再構築フィルターは長年にわたって研究の対象となっており、これらのフィルターの名前は多くの場合、その開発につながった研究に由来しています。フィルターは以下の通りです。
- Box Filter
- Circle Filter
- Triangle Filter
- Gaussian Filter
- Mitchell Filter
- Lanczos-Sinc Filer
再構築ピクセルフィルターの選択は、非常に個人的な好みによります。人によって好みが異なりますが、最終的にはわずかなぼかし量の違いです。ぼかしが多いほどエイリアシングは減りますが、ディテールの損失という代償も伴います。Reconstruction フィルターは、レンダリングプロパティパネルのバッファタブからアクセスできます。
変位ブラシツール
LightWave 3D 2025 内で、表面ディテールを直接スカルプトするための新しい変位ブラシツール( Displacement Brush Tool)が追加されました。
変位ブラシツールを起動するには、「Modify」 > 「Tools」メニューに移動し、「Displacement Brush」を選択します。すると選択したオブジェクトに適用するかどうかを尋ねられ、OKをクリックすると、次のウィンドウが開き、3つのタブが表示されます。
モデリングの強化
SuperNormals
LightWaveでは初めて、モデルごとに法線の編集と作成が可能になりました。これはLightWaveにおいてこれまで自動化されていましたが、編集は不可能でした。

Superpatcher
Super Patcher は、モデラーの [Construct] タブの [Patches] グループにある新しいモデリングツールです。

Box Tool
Box Toolは、1 方向にのみ丸いエッジを描画できるようになりました。

Python 3
LightWave 2025 は Python 3.13.x のサポートを追加しました。LightWave を従来の Python 2.7.x モードで実行するか、より新しい(活発に開発されている)Python 3 モードで実行できます。
Python 3 はLayoutとModelerの両方で利用可能です。

その他のアップデート
- LightWave 用 Octane Render
- Octane Render API が 2024.1 に更新
- ACGradient ノードを追加
- Gradient Map ノードを追加
- Volume Gradient Map ノードを追加
- HDR Light Studio
- HDR Light Studio は LW 2025 および LightWave 2025 用 OctaneRender と正しく連携するようになりました。
- 新しい入出力ユーティリティ
- シーンからロード(高度):LightWave のネイティブ機能よりも、シーンファイルからロードするものをより細かく制御できる新しい Python スクリプトが追加。
- 2024 にエクスポート:LightWave 2025 では、LightWave シーンファイル内のバッファーに変更が導入されました(新しい再構築フィルターの追加による)。これにより、LW2024 との間にわずかな非互換性が生じました。LW2024 に戻る必要がある場合は、「Export > Save as LightWave 2024 Scene」ツールを使用して、LW2024 互換バージョンの LW2025 シーンを保存してください。
- プリセット:LightWave 3D 2025 のプリセットライブラリが拡張され、複数のレンダリング エンジンにわたってサーフェス、ボリュームなどにすぐに使用できるソリューションが提供されるようになりました。
- サーフェスとボリュームのプリセット: LightWave の標準レンダリングエンジンと Octane レンダラーの両方に対応したプリセットが用意されています。これらを利用することで、プロフェッショナルな品質の外観を素早く作成できます。
- Renderman 互換性: Renderman 用のプリセットもアップデートされており、パイプライン全体での一貫性が保たれます。複雑なエフェクトを迅速に重ね合わせるためのノードテンプレートも含まれています。
- セルシェードとノードブースト: セルルックのレンダリングを素早く行うためのセルシェードプリセットや、高度なシェーディングやアニメーションのための追加のノードベースプリセットも用意されています。
価格とシステム要件
LightWave は、Windows 10 64ビット以降、MacOS 10.15 (Catalina)以降で利用することができます。Octaneレンダラーを利用するには、macOS 13.3 (Ventura) 以降が必要です。
より詳しいシステム要件は価格ページより確認することができます。
ライセンスの価格は以下の通りです。
製品 | 価格 (GBP) | 価格 (JPY) |
---|---|---|
新しい LightWave 2023 ライセンス | £795 | 152,800円* |
LightWave 2024からのアップグレード | £450 | 86,500円* |
LightWave 2023以前からのアップグレード | £550 | 105,700円* |
*為替の変動により変更の可能有
コメント