2025年4月2日(現地時間) – Adobe は、動画編集ソフトウェア Premiere Pro の2025年4月アップデート(バージョン25.1)のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
Premiere Pro 25.2 リリースには、生成延長、メディアインテリジェンスと検索パネル、簡単なキャプション翻訳など、昨年10月から今年の1月にかけてベータ版としてリリースされた機能が含まれています。
新しく新機能を紹介する動画も公開されています。
主な新機能は以下の通りです。
生成延長
Adobe Fireflyによって強化された生成延長(Generative Extend)ツールを使用すると、クリックしてドラッグするだけで、ビデオクリップまたはオーディオクリップの先頭または末尾にフレームをシームレスに追加できます。ビデオコンテンツの場合は最大2秒、オーディオコンテンツの場合は最大10秒追加可能です。
これにより、キャラクターの感情表現を少し長く見せたり、トランジションをスムーズにしたり、背景音を自然に伸ばしたり、不要なカメラの動きを隠したりすることが可能になります。
広範囲にわたるテストを通じて、人間、動物、風景など、あらゆる種類のクリップで成功することがわかっていますが、最もうまく動作するビデオクリップは、カメラの高速な動きなど、ショット内のコンテキストの変化が少ないものとされています。一貫したノイズや雰囲気のあるオーディオクリップでパフォーマンスも良好です。
うまく動作しないクリップには、フィルム粒子やその他のノイズの多いアーカイブクリップが含まれます。

■生成延長の利用について
生成延長は、Premiere Pro のプレミアム生成 AI 機能です。プレミアム生成 AI 機能は、より計算集約的で(現在は、オーディオとビデオの生成機能)、Adobe Firefly スタンドアロンプランおよび一部の Creative Cloud プランを通じてアクセスできます。
2025年6月4日(PT)までは、生成延長を無料で試すことができ、それ以降は、生成クレジットが必要になります。
メディアインテリジェンスと検索パネル
新しいAIを活用したメディアインテリジェンス機能により、映像の内容、話し言葉、埋め込まれたメタデータ(撮影日、場所、カメラの種類など)に基づいて、日常的な言葉でショットを素早く検索できます。

A. メディア検索。B. 検索ウィンドウ。
この機能は、デバイス上のモデルがフッテージを分析し、入力された検索ワードと映像を比較して最適な結果を見つけ出します。ビジュアルを検索すると、入力した説明が分析され、フッテージと比較して、最適なものを検索できます。
キャプション翻訳
Premiere Proで生成されたキャプションや、.srtなどのサイドカーファイルからインポートされたキャプションを自動的に翻訳できるようになりました。これにより、コンテンツのアクセシビリティとリーチを向上させることができます。

A. 「キャプションを翻訳」アイコンから翻訳 B. その他のメニューからキャプションを翻訳 C. コンテキストメニューからキャプションを翻訳
音声テキスト変換機能を利用してキャプションを迅速に翻訳し、必要に応じて調整することで、内容を正確に伝えることが可能となります。
カラーマネジメントの改善
カラーマネジメントシステムが大幅に改善され、広色域の Camera Raw およびログがエンコードされたメディアの使用が簡単になりました。複数のフォーマットへの出力も簡素化され、より迅速に高品質なカラーを実現できます。
新しいカラーマネジメントシステムは、ほぼすべてのカメラからのRAWおよびLog形式をサポートし、高精度トーンマッピングにより、RAW およびログメディアカラースペースが好きなカラースペースに自動的に変換します。これにより、高品質の画像処理、ビデオモニタリングの改善、シーケンス書き出しの改善を実現しています。
ダイナミックオーディオ波形
オーディオ波形がクリップの音量調整をリアルタイムに反映するようになりました。初期設定で有効になっており、「表示/ダイナミックオーディオ波形」からオン・オフを切り替えることができます。

その他
MKV(H.264/AAC)ファイルのインポートサポートを追加
MKV(H.264/AAC)ファイルのサポートが完全に書き直され、互換性とパフォーマンスが向上しました。これにより、Premiere ProでMKVファイルをシームレスに再生および編集できます。
書き出したビデオファイルへのContent Credentialsの追加
エクスポートまたはダウンロード時に、コンテンツに追加情報(コンテンツ認証情報)を追加できるようになりました。この情報を含めることで、クリエイターは作品へのより多くの認知を得ることができ、オンラインでの繋がりを強化し、視聴者への透明性を高めることができます。
Canon Cinema RAW Lightのハードウェアアクセラレーション
Appleシリコン搭載のコンピューターにおいて、Premiere Pro、After Effects、Adobe Media EncoderでCanon Cinema RAW Light形式のハードウェアアクセラレーションが利用可能になりました。これにより、Cinema RAW Lightファイルを使用する際の編集およびトランスコードのパフォーマンスが大幅に向上します。
ARRIRAW SDK 8.3.1のサポート
ARRI ALEXA 265カメラのサポート、およびカスタムカラーマネジメントを使用して記録されたARRIRAWファイルのインポートが追加されました。
新規および更新されたサンプルメディア
Premiere Pro で事前に読み込まれたビデオクリップのコレクションである、新しいサンプルメディアが追加および更新が行われました 。「読み込み(import)」モードからアクセス可能になり、ビデオ編集のワークフローが効率化されます。
また、更新されたライブラリでは、新鮮なコンテンツを提供するだけでなく、新しいユーザーの学習エクスペリエンスも強化され、様々なクリップをストーリーテリングや編集テクニックで活用方法をする方法を探索できます。
その他、重要な修正やパフォーマンスの改善の確認はこちらから
ベータ版の主な機能
現在ベータ版として提供されている注目の機能です。
Intel NPU 対応 Audio Category Tagger
Intel および Microsoft との共同作業により、Audio Category Tagger はオプションで、DirectMLを通じてIntelのNPU(Neural Processing Unit)を利用できるようになりました。これにより、コア編集タスク用に GPU が解放され、パフォーマンスが向上し、複雑なAIワークフローにおけるパフォーマンス向上とラグの軽減が期待できます。
NPU-GPU 並列化により、オーディオカテゴリのタグ付けプロセスが高速化され、より速い結果が得られます。
NVIDIA Blackwellサポート
最新のNVIDIA BlackwellアーキテクチャのGPUアクセラレーションサポートにより、高品質なH.264およびHEVC 10-bit 4:2:2フッテージをよりスムーズに編集できます。
リアルタイム再生により、CPU への負担を軽減しながら、優れたビジュアルと小さなファイルサイズを実現します。
価格とシステム要件
Premiere Pro は、Windows 10(64 ビット)V20H2 以降、macOS Monterey(バージョン 12)以降で利用できます。
より詳しいシステム要件はこちらから
単体プランの価格は以下の通りです。
- 年間プラン, (月々払い) — 3,280 円/月(税込)
- 年間プラン, (一括払い) — 34,680 円/年(税込)
- 月々プラン — 4,980円 /月(税込)
また、Creative Cloud コンプリートプランの一部としても利用できます。
現在、新生活応援SALEキャンペーンが開催中です。
このキャンペーンでは、年間プラン, (月々払い)と年間プラン, (一括払い)が半額となります。
なお、初めて個人版Creative Cloudコンプリートプランを購入する方が対象です。以前ご購入のある方、既存契約のある方は購入できないのでご注意ください。
期間:2025年4月4日23時59分(日本時間)まで
詳しい価格はこちらから
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