2025年1月21日(現地時間)- アカデミーソフトウェア財団(Academy Software Foundation)は、さまざまなアプリケーションやレンダラー間で豊富なマテリアルやルック開発コンテンツを相互に交換するためのオープンスタンダード「MaterialX」の最新アップデートをリリースしました。
新機能ハイライト
最新リリースの MaterialX v1.39.2 では、Chiang Hair BSDFのサポート、Disney Principledシェーディングモデル、一般的なカラーランプ、改善されたWorleyノイズ、シェーダ生成の最適化の導入などが行われています。
新しいChiang Hair BSDF
新しいChiang Hair BSDFは、MaterialXとOpenUSDにおいて、クロスプラットフォームでカスタマイズ可能なヘアシェーディングモデルのオーサリングを可能にします。これは、NVIDIAによってMaterialXプロジェクトに提供され、NVIDIA RTXでは以下のように表示されます。

汎用カラーランプ
AutodeskのMaterialXプロジェクトへの貢献により、Arnold for Mayaで以下のように使用されているジェネリックカラーランプの新しいサポートが追加されました。これにより、MaterialXグラフのカラーコントロールがより柔軟になりました。


Worleyノイズの改善
SideFXの貢献により、Worleyノイズの改善が行われました。worley2dとworley3dに新しいコントロールが追加され、各セルの距離(デフォルト)と各セルのソリッド値をアーティストが選択できるようになりました。これにより、より多くのパターンをマテリアルで表現できるようになりました(フレークなど)。
その他
その他の主な機能には、Disney Principledシェーディングモデルのクロスプラットフォーム定義(Lucasfilm社提供)などがあります。
以下は新機能リストとなります。
- ハードウェア シェーディング言語と MDL での初期実装により、Chiang Hair BSDFのサポートが追加されました。
- 言語に依存しないグラフとして実装されたDisney Principledシェーディング モデルのサポートが追加されました。
- 10 個の制御ポイントを持つグラフベースのランプノードを使用して、汎用カラーランプのサポートが追加されました。
- ソリッドセルを使用した Worley ノイズのサポートが追加され、メタルフレークシェーダーに新しい芸術的なオプションが追加されました。
- データライブラリ参照のサポートが追加され、シェーダー生成のパフォーマンスが向上しました。
- MaterialX のカスタム構造タイプのサポートが追加されました。
- MaterialX 要素間の機能的等価性テストのサポートが追加されました。
- geompropvalueuniform ノードのサポートが追加され、MaterialX と USD 間の機能の同等性が向上しました。
- 標準サーフェスから glTF PBR への変換グラフでの透過効果(transmission effects)のサポートが追加されました。
- Standard Surface から UsdPreviewSurface への変換グラフでコーティングされた放出(coated emission)のサポートが追加されました。
- Apple フレームワーク ビルドのサポートが追加されました。
- シェーダー生成にMDL 1.9のサポートが追加されました。
- ハードウェア シェーディング言語でのviewdirection 空間のサポートが追加されました。
- MaterialXRender での画像ダウンサンプリングのサポートが追加されました。
- レンダリングテストにおける画像差分統計のサポートが追加されました。
- MaterialX C++ に結合バージョン(combined version)の定義を追加しました。
- GitHub Actions にリリース署名(release signing)ワークフローが追加。
- MaterialX Viewer のキーボード ショートカットに関するドキュメントが追加。
新機能の全リストはMaterialX v1.39.2のリリースノートで確認することができ、Pixarがリリース予定のOpenUSD 25.02でMaterialX v1.39.2がサポートされる予定です。
MaterialX プロジェクトとその開発ロードマップの詳細については、Open Source Days 2024 の MaterialX Virtual Town Hall をご覧ください。
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