2024年9月23日(現地時間) – ITOOSOFT(旧iToo Software)は、3ds Max用の環境作成ツールキット『Forest Pack 9』をリリースしました。
新機能ハイライト
多くの新機能と便利な改良、3ds Max 2025の正式サポート、そして3ds Maxでプロシージャルなクライミング植物を作成するためのForestPack Pro専用の新しいツールForestIvyプラグインが追加されました。
ForestIvy
ForestIvyは、アーティストが求めるコントロールを維持しながら、リアルなクライミング植物の作成を迅速に簡素化することを目的としたツールです。
ForestIvyの主な機能は以下の通りです
- 30種類の高品質プリセット: 高解像度の葉をスキャンして作成された30種類のプリセットから選択できます。これらのプリセットは、すぐに使うこともできますし、わかりやすいパラメータを使って素早く変更することもできます。
- カスタマイズ可能なライブラリブラウザ: 数回クリックするだけで、簡単に独自のプリセットを作成、管理、ライブラリに追加できます。
- 超高速マルチスレッドアルゴリズム: 独自のマルチスレッドアルゴリズムにより、瞬時にフィードバックが得られます。ForestIvy では、成長シミュレーションを待つ必要はありません。
- 描画とアルゴリズムによる成長のハイブリッド:アーティスティックなコントロールとプロシージャルな成長を組み合わせることで、自然でリアルな結果を得ることができます。簡単なパラメータで、手描きとアルゴリズムによる成長のブレンドをコントロールできます。
- 高度な葉のコントロール: さまざまな成長パターン、向光性(heliotropism)、枝の年齢による葉のサイズの調整などを使用して、植物をカスタマイズできます。重力と地面のカリングにより、垂れ下がる植物やつるを作成することができます。
- マルチレイヤーの成長オプション: 葉、花、実などを重ねることで複雑さを追加し、ほぼすべてのタイプのクライミング植物を再現できます。
- サーフェスに依存しない成長: サーフェスを必要とせずに、基本的な茂みや 低木を作成することが可能です。
- 効率的なレンダリング: ビューポートとレンダリング時間のインスタンス化により、何千ものハイポリの葉を簡単にレンダリングできます。リリース時点では、ArnoldとV-Ray CPUでサポートされていますが、他のレンダラーでもすぐにサポートが追加される予定です。
- Forest Colourを使用して葉のテクスチャをランダム化。
次の動画では、ForestIvyを使い始めるための入門チュートリアルを見ることができます。
スキャッタープラグインの改善
ForestPackのスキャッタリングプラグインには、以下のような便利なクオリティオブライフの改善が行われています。
上記の動画の後半では以下の新機能が紹介されています。
■新しいロールアウトの順序でUIを合理化
ForestPack 9のロールアウトは再編成され、より論理的でユーザーフレンドリーなインターフェイスになりました。最も頻繁に使用する設定が上部にまとめられため、ユーザーインターフェイスを上下にスクロールする手間が省けます。また、ツールバーのデザインも一新され、アイコンがより見やすく、一目でお気に入りのツールを起動できるようになりました。
■V-Ray ProxiesのEdgeモード
Forest Pack 9では、特にEdge ModeにおけるV-Ray Proxyへの対応が改善されました。これは、Proxyのプレビューモードをフルメッシュに設定する必要があり、CPUモードのV-Rayの最近のバージョンのみと互換性があります。
■Distributionマップの改善
ForestPack 9では、Distribution(分配)マップのマッピングチャンネルの使い方が改善され、1つのマッピングチャンネルに制限されなくなりました。これにより、サーフェス自体のテクスチャリングに使用される座標に影響を与えることなく、複数のマップチャンネルを使用してDistributionマップをレイアウトできるようになりました。
■Geometry ListをForestSetオブジェクトに変換
Forest Pack 9の新しいオプションにより、Geometry Listのアイテムを直接ForestSetオブジェクトに移動できるようになりました。この機能により、ワークフローへのForestSetの追加が大幅に簡素化され、スキャッタオブジェクトの管理や整理、ライブラリからインポートしたアイテムを使用したクラスタのセットアップが簡単になります。
■Randomize StackedとSeparate Sub-Splines
Randomize Stacked機能がAreasロールアウトに移動し、サーフェスと同様にスタックされたスプラインをサポートするようになりました。新しいSeparate Sub-splinesオプションと組み合わせると、各サブスプラインが別々のエリアとして扱われ、よりリアルなランダム化と、建物の内部やバルコニーのようなスタックされたシーン全体の自然な分布が可能になります。
■Point-Cloud(ポイントクラウド) Modeの最適化
Forest Pack 9の新しいPoint-Cloudモードは、サイズに関係なく、すべてのスキャッターさ れたオブジェクトのポイント密度を固定し、Forestオブジェクトが変更された場合にのみGPUを更新します。この最適化により、特にスキャッター分布を密集させた複雑なシーンのビューポートパフォーマンスが劇的に向上しました。
■その他
- ライブラリブラウザの更新:ライブラリブラウザが改善され、サムネイルのロードとサイズ変更時のパフォーマンスが向上し、ナビゲーションが簡単になるアイコンが追加されました。
- メモリ管理の改善:メモリ使用量の最適化により、アニメーション オブジェクトを含む大規模なシーンのレンダリングがより効率的になりました。Forest Pack 9では、アニメーションサンプルの保存容量が10GBに制限され、長時間のレンダリング中にメモリが不足するのを防ぎます。この制限は、必要に応じて
forestpack.ini
ファイルで調整できます。 - カメラクリッピングの改善:カメラクリッピング中のDisplay Max Itemsの動作が改善され、安定性とパフォーマンスが向上しました。これらの改善により、レンダリング品質を犠牲にすることなく、大規模なシーンの管理が容易になりました。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Forest Pack 9は、3ds Max 2019-2024で利用できます。
対応レンダラーなど詳しいシステム要件の確認はこちらから可能です。
現在、 Forest Pack LiteとForest Pack Pro の2 つのバージョンが利用可能です。 Forest Pack Lite は、個人用または商用を問わず、あらゆるプロジェクトで無料で利用できますが、一部の機能は無効になっており、 Forest Pack Pro でのみ利用可能です。
Forest Pack Pro の価格は1年間のメンテナンスが含まれるライセンスが1シート240ユーロとなっています。
その他の価格オプションの確認はこちらから
無料Liteバージョンのダウンロードはこちらから(アカウントが必要)
Feature list | Lite | Pro |
---|---|---|
Rendering | ||
Arnoldのネイティブ シェーダー | 〇 | 〇 |
VRayのネイティブシェーダー | 〇 | 〇 |
ビルボードの最適化 | 〇 | 〇 |
アイテムごとにランダムな色合い | 〇 | 〇 |
要素による色合い(木の葉など) | ✕ | 〇 |
Scattering | ||
オブジェクトごとに無制限の植物タイプ | ✕ | 〇 |
オブジェクトごとに最大3種類の植物 | 〇 | ✕ |
オブジェクトごとの無制限のエリア | ✕ | 〇 |
オブジェクトごとに最大4つのエリア | 〇 | ✕ |
不均一な表面へのスキャッタリング | ✕ | 〇 |
Diversity / Clusters | 〇 | 〇 |
個別にアイテムを編集するカスタム編集モード | 〇 | 〇 |
パスに沿ったアイテムの分布 | 〇 | 〇 |
リアルタイムカメラクリッピング | 〇 | 〇 |
Points-cloud ビューポートモード | 〇 | 〇 |
位置、回転、スケールのランダム変換 | 〇 | 〇 |
複数のランダムサンプルを含むフルアニメーションサポート | 〇 | 〇 |
衝突チェック | 〇 | 〇 |
Effects | ||
エフェクトブラウザと内蔵エフェクト | 〇 | 〇 |
サードパーティエフェクトの読み込みと編集 | ✕ | 〇 |
新しいエフェクトの作成、保存、共有 | ✕ | 〇 |
Libraries | ||
ライブラリブラウザ | 〇 | 〇 |
ライブラリエディタ | ✕ | 〇 |
ビルボード、3Dモデル、プリセットを含む100以上のライブラリアイテム | ✕ | 〇 |
Utilities | ||
リアルタイムステータスウィンドウ | 〇 | 〇 |
ユーザープリセット | ✕ | 〇 |
Creationツール | ✕ | 〇 |
Forestツール | ✕ | 〇 |
編集可能なメッシュへの変換 | 〇 | 〇 |
Other Benefits | ||
優先的な技術サポート | ✕ | 〇 |
ベータ版への早期アクセス | ✕ | 〇 |
頻繁なパッチとリリース | ✕ | 〇 |
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