Pidgeon Tools による無料Blenderアドオン 『Pidgeon Tool Bag』の紹介です
Pidgeon Tool Bag
Pidgeon Tool Bag は、ノイズ除去、アップスケーリング、時間節約ツールなどが含まれた無料Blenderアドオンです。Pidgeon Tools の人気のアドオンを1つの包括的なパッケージに統合したもので、個別のアップデートに煩わされることなく、必要なものすべてに一箇所でアクセスできるようになります。
このアドオンには、当サイトでも紹介したことがある Super Image Denoiser とSuper Advanced Camera に加えて、アップスケーリングツールやプロジェクトを管理したり時間を節約することができるツールが多数含まれています。
アドオンは100%フリー&オープンソースでGithubで公開されています。
❒含まれているアドオン
- Super Image Denoiser :Blenderに内蔵されているデノイザーよりも優れているとされているノイズ除去能力があり、優れた品質とディテールを保持してレンダリングをノイズ除去できます。
- Super Fast Render : シーンを最適化し、レンダリング時間を短縮。
- Super Advanced Camera :カラーグレーディングとエフェクトで画像を素早く編集し、カメラをよりコントロールできます。
- Super Resolution Render:巨大なポスターをレンダリングする必要がある場合に利用できます。
- Super Project Manager :ワンクリックでプロジェクト全体を設定し、プリセットフォルダに保存することができます。
- Super Image Upscaler :Blenderで直接AIアップスケーリングを使用できます。
❒BETA版の機能
- Super Render Farm:Pidgeon Render FarmのパワーをBlenderで簡単に利用できます。わずか数ステップで自分だけのレンダーファームを構築可能です。
❒開発中の機能
- Super Organized Nodes:ジオメトリ、シェーダー、コンポジターノード、どれもすぐに乱雑になりがちですが、数回クリックするだけで、きれいなワークスペースを作成できるようになります。
- Super Real Sound:リアルなサウンドインタラクションでアニメーションに命を吹き込むことができます。
- Super Easy Analytics:時間を記録、シーンを深く洞察するために必要なデータを入手できます。
以下では、以前紹介したSuper Image Denoiser とSuper Advanced Camera 以外のアドオンを簡単に紹介したイと思います。
Super Fast Render
シーンを最適化するためのアドオンです。SFRはシーンをワンクリックで最適化するためのプリセットをいくつか提供し、レンダリング時間を大幅に改善できます。
SFRは、Cyclesのいくつかの設定を個別に繰り返し、各設定について何度もテストレンダリングを行い、特定の設定がレンダリング出力に大きな影響を与えなくなるタイミング、つまり、画像の明るさの変化が指定されたしきい値より小さくなるタイミングを判断します。しきい値を下げると、より小さな変更でも改善として識別できるようになります
■手動最適化と自動最適化
自動最適化では、シーンのベンチマークを行います:
- Benchmark Resolution: ベンチマークする時のシーンの解像度、数値が高いほど精度が高くなりますが、時間がかかります。
- Threshold: 設定間の変化を、中止する前にどれだけ小さくできるか。値が低いほど、ベンチマークが終了するまでに、より多くの反復が必要になります。
- Path: ベンチマーキング時にファイルを保存する場所を指定します。
手動(Manual)最適化はプリセットが提供され、そこからさらに設定をカスタマイズすることができます。
■パスの定義
ベンチマークを取得するパスを定義できます。
■ライトの設定
表面に反射する光は、特に表面が光沢やガラス質の場合、多くのノイズを生成する可能性があります。どの設定がベンチマークされ、どの設定がスキップされるかをコントロールできます。
■テクスチャ最適化
ワンクリックでテクスチャを最適化できます!テクスチャはメモリの大部分を占めるため、最適化することが重要です。SFRテクスチャオプティマイザを使えば、ワンクリックでテクスチャを最適化できます。
■ダイナミックな詳細レベル
特にフォトスキャンアセットを扱う場合、不要なジオメトリはレンダリング時間とメモリの大きな問題となります。メッシュ最適化は、メッシュのポリゴン密度を計算し、シーンに合うように減らします。
■レンダリング時間を推定
アニメーションをレンダリングする予定があり、終了までにかかる時間を知りたい場合、Render Estimatorを使えば、ベンチマークに基づいてレンダリングにかかる時間を見積もることができます
Super Resolution Render
巨大なポスターをレンダリングする必要がある場合に利用できます。フレームを結合して、blenderがネイティブで扱えない解像度を実現できます。
以下のレンダリング方法があります。
- Camera shift: カメラレンズをシフトさせる、ほとんどのユースケースに最適な方法。
- Render border: フルスケールの画像の一部だけをレンダリングし、残りは透明のままにします。
- Split camera: カメラを複数の小さなカメラに分割します。カメラシフトと同じですが、手動。
部分フレームがレンダリングされるべき場所へのパスを選択、Start tile(開始タイル)の値を使って、中断したところから続行できます。
Super Project Manager
Super Project Managerは、ワンクリックでプロジェクト全体を設定し、プリセットフォルダに保存することができるツールです。
- Project Name: プロジェクト名を定義します。
- Project Location: アドオンの環境設定で設定されたデフォルトの場所を使うか、カスタムで設定します。
- Save Blend File:フォルダ構造を作成するだけか、ブレンドファイルをその中に保存するか。
- Save File Name: ブレンドファイルの名前。
- Save to: ブレンドファイルをどのサブフォルダに保存するか。
- Remap Relative: 相対パスを新しい相対パスに合わせる。
- Compress Save: ブレンドファイルを圧縮します。ジオメトリが多いとファイルサイズが大きくなりますが、これを使うと小さくなります。
- Open Directory: Projectフォルダを開きます。
- Build Project: プロジェクト生成を開始します。
- Open Preferences: アドオンの環境設定を開きます。
- Setup Type: Automaticは環境設定で定義されたセットアップを使用します。マニュアルは、カスタムフォルダのセットアップを提供します。
Super Image Upscaler
最近のAI研究の進歩を利用し、低解像度でレンダリングし、その後アップスケーリングすることでレンダリングスピードを向上できます。
レンダリングされたもの、以前にレンダリングされたものなど、どんな画像でも、Inputフォルダに入れるだけでスケールアップすることが可能です。
■2つのアップスケーラータイプ
Super Image Upscalerでは、ESRGANとStable Diffusionベースのアップスケーリングの2つのアップスケーラータイプを選ぶことができます。
ユーザーインターフェースは次の画像のようになっています。
- Input Folder: アップスケーリングが必要なレンダリングされた(またはレンダリングされていない)画像のあるパス
- Output Folder: すべてのアップスケール画像の出力先パス。
- Device: アップスケーリングにCPUを使うかCUDAを使うか、品質は同じですが、CUDAの方が圧倒的に高速です。
- Output Prefix: アップスケールされた画像の名前の最初にあるテキスト。
- Output Suffix: アップスケールされた画像の名前の末尾のテキスト。
- Output Format: JPG、PNG、またはTIFF出力ファイル形式。
- ESRGANの仕様:
- Primary / Secondary Model: 異なる強度を持つ2つのモデルを使用し、それらの力を組み合わせることで、より良い結果を得ることができます。
- Blend Factor: アップスケール時にどのモデルを優先させるかのバイアス。
ダウンロード
価格は安定版が無料、開発中の最新の機能にアクセスできるBETA版が15ユーロ(購買力平価で10.35ユーロ)、優先カスタマーサポートにアクセスできる Priority Support が30ユーロ(購買力平価で20.70ユーロ)となっています。
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