2023年10月18日(現地時間) – Nekki は、物理ベースの3Dアニメーションソフトウェアの最新アップデート Cascadeur 2023.2 をリリースしました。
新機能ハイライト
このアップデートでは、オーディオのサポートやUSDサポートといった新機能に加えて既存の機能にも多くの改良が行われています。
■オーディオのサポート
以前から要望の多かった機能であるオーディオのサポートが追加されました。オーディオファイルをアップロードし、Cascadeurのタイムラインに追加することができます。これにより、音楽のビートに合わせてキャラクターのアニメーションを動かすのがより簡単になりました。オーディオ トラックはタイムラインの下部に表示されます。
■コンストレイント(Constraints)の改善
シーンオブジェクトに複数のコンストレイントをアタッチできるようになりました。また、コンストレイントがビューポートに表示されるようになりました。
■軌道(Trajectories)の改善
軌跡を新しい相対ピボット モードでレンダリングできるようになりました。
■USDサポート (アルファ版)
シーンとアニメーションを USD 形式でインポートおよびエクスポートする機能が追加されました。
Pixarによって開発されたこのプログレッシブ・ファイル・フォーマットは、3Dシーン全体のコラボレーションと同時編集を目的とした制作パイプラインを持つ大規模スタジオで主に使用されています。
新しく追加されたUSDフォーマットでのシーンのインポートと保存は、その最初のステップです。USDのサポートは現在アルファ版の段階ですが、将来的には複雑なコラボレーション3Dプロジェクト(例えばOmniverseや同様のコンセプト)でCascadeurを使用するための新たな可能性を開くことになります。
■改善されたVideo Mocap
2023.1で追加されたビデオMoCapの速度が最大500%向上し、MoCap結果の品質も以前のバージョンよりよくなりました。
- 生成されるアニメーションの品質が向上しました。
- 最大 5 倍高速に動作します。
■AutoPosingの改善
大幅な改良が加えられたAutoPosingツールは、ボディや指のポーズをよりリアルに再現するようになりました。
- キャラクターボディのオートポージングが改善。
- 指のオートポージングが改善。
■その他
- 複数のツイスト:クイックリギング(Quick Rigging)ツールに、複数のツイストをサポートする機能が追加されました。
- クアッドメッシュのサポート:FBX シーンでのクワッド メッシュのロードと保存のサポートが追加されました。
- グラフエディタのアップデート:
- グラフ エディターは整数値とブール値をサポートするように。
- 物理パラメータがグラフ エディタに表示され、操作できるように。
- Python サポートの改善:
- Python 3.11に切り替え。
- Python モジュールを設定ファイルからロードできるように。
- プロトタイプ リグ要素を Python API で生成できるように。
- 新しいサンプルキャラクター:新しいサンプルキャラクター「Сascy」が追加されました。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Cascadeur 2023.2は、Windows 10, 11とUbuntu 20.04 以降、macOS 13.3 以降(ARM モデル (M1 以降) のみ)で利用可能です。詳しいシステム要件の確認はこちらから
価格は次のようになっています。
- 小さなアニメーションプロジェクトの個人またはチーム向けの Basic ライセンス(年間収益が 10 万ドル未満)が無料。
- プロのアニメーション向けのProライセンスが300ドル。
- 個人的なサポートが必要なチームや企業向けのBusinessライセンスが1000ドル(現在750ドル)です。
他にもお問い合わせが必要なEnterpriseライセンスが用意されています。
それぞれのライセンスの機能比較は次のようになっています。
無料のBasic ライセンスでは、AIをサポートしたオートポージング、高速リギング、すべての物理ツールなどの機能が使用できますが、次の制限があります。
- アニメーションシーンごとにエクスポート可能なフレーム数は300に制限されます。
- エクスポートされるシーンのジョイントの数に制限(120ジョイント)があります。
- ビューポートの隅に小さなコピーライト・ウォーターマークが表示されます。
- 「複数シーン表示」ツールは無料版には含まれていません。
詳しい価格、機能比較はこちらから
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