Andrew Peel氏による、インテリア空間のデザインを効率化する無料Blenderアドオン Home Builder の紹介です。
Home Builderについて
Home Builderは、インテリア建築空間の設計プロセスを効率化するBlenderのアドオンです。以前は、PyCloneというBlenderのカスタムビルドでのみ利用できましたが、Home Builder 3では、Blenderの標準アドオンとして動作するようになりました。2.93以前を使用している場合は引き続きカスタムビルドを使用する必要があります。
主な機能
■壁の描画コマンド
Home Builder には、部屋を正確に素早く描くためのWall機能があります。ポイントをクリックし、壁の長さを入力して部屋を描くことができます。壁の描画中に正確な寸法を入力したり、Ctrlを押したまま角度を変更することが可能です。
次の動画では、壁について知っておくべきことがすべて説明されています。
■豊富な製品ライブラリ
Home Builderには、キャビネット、家電製品、ドア、窓、バスルーム設備など、さまざまな製品が用意されています。
■ドラッグ&ドロップ
すべてのアセットをブラウザから3Dビューポートにドラッグ&ドロップできます。
■直感的なアセット配置
各アセットタイプには、シーンにどのように配置するかという独自のロジックがあります。ドアと窓は壁にスナップし、自動的に壁に穴を開けます。キャビネットは壁にスナップし、論理的な方法で一緒にスナップします。
■マテリアルポインタ
すべてのライブラリデータは、マテリアル・ポインタで動作するように設定されています。これにより、シーン内の異なるマテリアルをすばやく入れ替えることができます。
■右クリックプロンプトインターフェイス
すべてのアセットには、アセットを選択した状態で右クリックすることでアクセスできるカスタムプロンプトインターフェイスがあります。プロンプトインターフェイスは、すべてのオプションが見つけやすいように構成されています。これらのオプションにより、ドアや窓の異なるコンポーネントを変更することができます。キャビネットのプロンプトでは、構造と仕上げのオプションを変更できます。
■ライブラリ設定
各ライブラリにカスタムインターフェイスが用意されており、ライブラリに関するデフォルト設定を変更することができます。キャビネット・ライブラリでは、ドアスタイルやハードウェアの異なるコンポーネントを素早く切り替えることができます。
■カスタマイズ可能なライブラリ
Home Builderはあらゆる面でカスタマイズが可能です。自分の装飾や マテリアルを簡単にライブラリに保存できます。アドオンはオープンソースなので、キャビネットデータの構造をカスタマイズしたり、ニーズに合わせて新しいライブラリを設計することもできます。
■2D図面コマンド
平面図や立面図を作成して、請負業者や施工業者に提供できる技術文書を素早く作成できます。
■製造出力
すべてのキャビネットデータを製造用にエクスポートできます。これはユーザーの製造・施工プロセスに基づいて設定する必要があるので、サンプルライブラリのデータでは利用できません。より詳細な情報をご希望の場合は、お問い合わせページからご連絡くださいとのことです。
アップデート情報
V3 新機能ハイライト
2023年3月4日(現地時間) – Andrew Peel氏は、インテリア空間のデザインを効率化する無料Blenderアドオン Home Builder 3 ベータ版をリリースしました。
■アドオン全体の完全な書き換え
アドオン全体がBlender 3用に書き直されました。多くのバグフィックス、UIのレイアウト改善、ユーザーエクスペリエンスの向上があります。
■ライブラリのより良い構成
Blenderにアセットブラウザが内蔵されたことで、すべてのアセットが3Dビューポートサイドバーに表示されるようになりました。ライブラリのカテゴリが簡素化され、アセットを見つけやすくなりました。
■Buildライブラリ
Buildライブラリでは、コンポーネントをスナップして組み合わせることができます。パーツやインサートは自動的に開口部にスナップされ、棚、ドア、引き出し、その他のパーツを追加して製品を作成することが可能です。追加されたすべてのコンポーネントには独自のプロパティがあり、それを調整することでさまざまな異なる結果を得ることができます。デザインした製品は、ライブラリに保存して次回以降に利用することができます。
■Current Roomインターフェイス
Current Room インターフェイスでは、デザイン内のすべての壁のリストを見ることができます。壁を隠すことができるので、小さなスペースでも簡単にデザインすることができます。また、[View]ボタンをクリックすると、選択した壁の立面図を素早く表示することができます。
■外部ライブラリのインストール機能
独自の外部ライブラリを作成、管理できるようになりました。これにより、他のユーザーと共有したり、販売したり、購入したりすることができる独自のライブラリを作成することができます。
V4 新機能ハイライト
Home Builderのドキュメントを格納するためのメンテナンスしやすいオンラインプラットフォームができました。
今後Home Builderのためにもっと多くの文書やビデオチュートリアルが追加予定です。
■2Dレイアウトビュー
この機能は、設計者が平面図や立面図を素早く作成できるように設計されています。
建築家が建物全体を設計する場合、これらの図面には十分な詳細が含まれないかもしれませんが、現在のところキッチン、バス、クローゼットデザイナーには有効です。この機能は将来のリリースで改善される予定です。
■拡張アセットライブラリの移行
拡張アセットライブラリの最初のリリースは、基本的にライブラリにロードする追加アセットの集まりでした。
次の拡張アセットのリリースでは、プロ仕様のキッチンとクローゼットのデザインライブラリが追加される予定です。
■ジオメトリノード
ジオメトリノードは、Home Builderアセットのジオメトリの大部分を作成するためにHome Builderで使用されるようになりました。
プロフェッショナルライブラリで利用可能なキャビネットはすべて、事前にセットアップされたノードグループを使って作成されます。2D レイアウト ビューや配置コマンドで表示される寸法も、ジオメトリ ノードを使用して作成されます。
■製造バックエンド
Blenderユーザーの多くはこの機能にあまり魅力を感じないと思いますが、ホームビルダーで作成したデザインが現実の世界で製造できることを知れば、作成したデザインの価値はより高まります。現在、ある企業でこの機能をテストしていますが、素晴らしい結果が得られているとのことです。
移行作業をしていたため、あまり情報を公開していませんでしたが、作業がほぼ終わったので、今後はビデオやソフトウェアのアップデートを定期的に公開する予定とのことです。
今後の課題
■メートル法とインペリアル法の寸法
寸法作成にジオメトリノードを使用するようになりました。ジオメトリノードを通してシーン単位設定にアクセスする方法を見つける必要があります。ジオメトリノードに精通していて、これを解決する方法を知っているユーザーがいたら、discordかコンタクトページで連絡してほしいとのことです。
■レイアウトビューに寸法を配置
新しいシステムで寸法を配置するのは簡単ですが、カメラビューから立面図を見るとき、なぜかレイキャストが機能しません。Blender Python API を使ったレイキャスティングに詳しい開発者がいれば、discord またはコンタクトページまで連絡してほしいとのことです。
■拡張アセットライブラリのためのプロフェッショナルライブラリの完成
キッチン、バス、クローゼットをデザインするための最良のワークフローを開発するために、何人かのプロフェッショナル協力中。
ダウンロード
Home Builder は Blender 3.x 以降と互換性があります。
Blender 4 以降を使用している場合はv4 を、Blender 3.6 を使用している場合は、3 のダウンロードを使用してください。
ダウンロードはこちらから
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