2022年3月7日(現地時間)- AMDは、Radeon™ ProRender SDKの最新アップデートである2.02.11のリリースを発表しました。
Radeon ProRender SDK について
Radeon ProRenderは物理ベースのレンダラーで、パストレーシング アルゴリズムを用いて、CPUまたはGPU、あるいはその両方で正確なライティングとマテリアルレンダリングを行います。
SDKは、開発者が自分のアプリケーションに適用し、統合するために利用できます。こちらのページでは、開発者がSDKを使用する方法を確認できます。
アーティスト向けには、ソフトウェアでRadeon ProRenderを使用できるようにするMaya、3dsMax、Blender、Houdini、UnrealEngineなどのプラグインが提供されています。
新機能ハイライト
プリミティブ変数のサポート
今回のリリースでは、簡単なマテリアルの設定で複雑な外観を作るために不可欠なプリミティブ変数(primitive variables)をサポートしました。
下図の例は、有限要素法による物理シミュレーション(finite element physics simulation)の結果で、応力をバニーの拡散色として可視化したものです。応力値はヒートマップに変換されます。プリミティブ変数を使用することにより、マテリアルは1つだけで下図のような結果を得ることができます。プリミティブ変数を使わずにこのようなマテリアルを設定すると、テクスチャとしてベイクするなど、かなりの追加作業が必要になります。
この機能は、USD Hydraレンダーデリゲート(リポジトリ、ドキュメント)にも公開される予定です。
強化された Cryptomatte AOVs
Radeon ProRenderはすでにCryptomatte AOVsをサポートしていますが、反射で調整したいオブジェクトをマスクしません。今回のアップデートでは、Cryptomatte AOVsで反射および屈折したオブジェクトをサポートするようにしました。
rampノードの実装
グレースケールのグラデーションを任意の関数にマッピングするためにあらゆるところで使用されるランプ(ramp)ノードが実装されました。
AMD HIP APIのサポート
AMD HIP APIのベータサポートがされました。AMD HIP API は、AMD が取り組んでいる新しい GPU プログラミング環境です。これまでRadeon ProRenderは、GPUプログラミング言語としてOpenCL™とApple® Metal®を使用してきました。
HIPバックエンドは、AMD RDNA 2 GPUで良好に動作し、アーキテクチャのハードウェアサポートを利用したレイトレーシングのアクセラレーションにも対応しています。ハードウェアレイトレーシングAPIはこれまでHIPに公開されていなかったので、Radeon ProRenderは、ハードウェアレイトレーシングを活用する最初のHIP対応レンダリングアプリケーションとなるとのことです。
また、アプリケーションでHIPを使用しようとしている他の開発者がこの機能を利用できるようにするための作業も行われています。HIPモードで実行するには、環境変数 TH_FORCE_HIP
を設定する必要があります。
ダウンロードとシステム要件
Radeon ProRenderは、Windows®(Windows®10に正式対応)、macOS 10.14および10.15、Ubuntu 18および19、CentOS 7で動作します。
GPUレンダリングでは、AMDハードウェアに最適化されており、OpenCL 1.2をサポートするGPUが必要です。。macOSでは、OpenCLの代わりにMetal 2を使用するため、GPUレンダリングにはMetal対応のグラフィックスカードが必要です。
Radeon ProRender SDK の最新アップデートのダウンロードはこちらから
確認したところ、Maya、Blenderではコアのアップデートがされたプラグインがすでにリリースされているようです。その他のプラグインについてはこちらから
Primitive variables, flexible ramp node, beta support for HIP in Radeon™ ProRender SDK 2.02.11
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