2021年8月19日(現地時間)Adobeは、クラウド型ビデオコラボレーションプラットフォームで業界をリードするFrame.ioを買収する正式契約を締結したことを発表しました。
Frame.ioとは
2015年3月にEmery Wells氏とJohn Traver氏によってニューヨークにあるポストプロダクション会社の中で立ち上げられたFrame.ioは、現在、メディア&エンターテインメント企業、広告代理店、グローバル企業を含む100万人以上のユーザーを擁しています。
Frame.ioは、映像のアップロード、アクセス、関係者間のリアルタイムコラボレーションを、安全かつアクセスしやすい環境でおこなうことを可能にし、これまでの映像コラボレーションのワークフローの非効率性を解消します。
動画のプロデューサーやエディターは、Webベースのプラットフォームを介して、世界のどこにいても、チーム全体でメディアを非公開でアップロード、レビュー、共有、リアルタイムでクリップにコメントしたり、クリップの異なるバージョンや編集を比較したりすることができます。
AdobeがFrame.ioを買収
この買収は、一般的な取得価格の調整を勘案して12億7,500万ドルと評価され、許認可取得と一般的な締結条件の充足を前提としてアドビの2021会計年度第4四半期中に完了する予定です。買収完了まで両社は引き続き独立して事業を運営するとのことです。買収完了後、Frame.ioの共同創業者兼CEOのEmery Wells氏と共同創業者のJohn
Traver氏はAdobeに入社し、Emery Wells氏は、Adobe Creative Cloudのチーフプロダクトオフィサー (CPO) 兼エグゼクティブバイスプレジデントであるScott Belsky氏を直属の上司として引き続きFrame.ioチームを率います。
Scott Belsky氏は、今回の買収について次のように述べています。
「私たちは、緊密なコラボレーションの実現”による『つながる』クリエイティビティの新時代を迎えています。そこで私たちが想定しているのは、誰もがクリエイティブなプロセスに参加できる世界です。今回の買収によって、ユーザーを第一に考える素晴らしいチームが仲間に加わったことを嬉しく思います。Frame.ioのクラウドネイティブなワークフロー機能が加わることで、私たちはクリエイティブなプロセスをより協調的、生産的、効率的にし、すべての人の創造性をさらに引き出すことができるでしょう」
この買収によって、現時点でFrame.io製品に変化はありませんが、Adobeによると次のような計画があるようです。
- Adobe Creative Cloudライブラリ、クラウドドキュメント、Adobe XDで構築したデザインシステム、Adobe Stock、Adobe Fontsなどに代表されるクリエイティブコラボレーションのためのイノベーティブな最新技術を拡張し、これらAdobe Creative Cloudの共同編集機能をビデオにも適用。
- Frame.ioとアドビの連携により、ビデオ編集者、プロデューサー、マーケターなどAdobe Creative Cloudのユーザーは、Adobe Premiere Pro、Adobe After Effects、Adobe PhotoshopなどのAdobe Creative Cloudアプリケーションにネイティブで組み込まれたFrame.ioのワークフロー機能を活用して、ビデオプロジェクト制作におけるシームレスなコラボレーションが可能に
また、Final Cut Pro、DaVinci Resolve、AVID Media Composerなど、サードパーティアプリケーションのサポートは引き続き継続されるとのことです。
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